Claude Lucid連携の手順 — Lucidchartの図を会話で作る範囲と制限
LucidのMCPサーバーをClaudeに接続し、フローチャートや組織図を会話から作る手順です。claude.aiとClaude Codeの接続方法、読み取り専用URL、静的図の制限をまとめます。
Claude Lucid連携とは — 何ができるか
Claude Lucid連携は、Lucid(Lucidchart)のMCPサーバーをClaudeにつなぎ、会話の中から図を作ったり、既存のLucidドキュメントを検索・要約したりする仕組みです。開発元はLucid Softwareで、ClaudeのConnectorsディレクトリには「Anthropic verified」付きで載っています。掲載ページの追加時期は2026年4月、サインインが必須です。
Lucid側のヘルプが挙げる操作は4つです。
- 新しい図を作る
- ドキュメントをPNGで書き出す
- ドキュメントの中身を検索する
- 既存のドキュメントを編集する
プランはFree・Individual・Team・Enterpriseが対象です。ただしFedRAMPアカウントでは使えません。
接続先のURLはhttps://mcp.lucid.app/mcpです。ブラウザで開くためのURLではなく、AIツール側に渡すパラメーターとして使います。
同じ「図を描かせる」系のコネクタにはMiro、Eraser、draw.ioがあります。違いは後半の比較節で扱います。
接続前に確認すること — Lucid側の管理者設定
最初に引っかかりやすいのは権限です。Lucidのヘルプによると、LucidのTeamまたはEnterpriseアカウントでは、Lucid管理者が先にMCPアクセスを有効にする必要があります。Claude側も、組織向けプランでは管理者の承認が要ることがあります。
確認先はLucid側とClaude側の2か所です。
接続前に確認する2か所
Lucid側
Team / Enterpriseでは、Lucid管理者がMCPアクセスを有効にしているか。Free / Individualにはこの前提が書かれていません。
Claude側
Team / Enterpriseプランでは、OwnerまたはPrimary Ownerがコネクタを組織に追加済みか。追加されても、各メンバーは自分のLucidアカウントで個別に認証します。
Claude側の管理操作は、Organization settingsのConnectorsから行います。社外アカウントからの接続を防ぎたい場合の設定はClaude Enterpriseでコネクタを制限する手順にまとめています。
claude.aiでLucidを接続する手順
ディレクトリ掲載のコネクタなので、手順は他のコネクタと同じです。Lucidのヘルプも「Claudeのディレクトリ掲載からインストールする」と案内しています。
claude.aiでの接続手順
- 1
Connectorsを開く
claude.aiでCustomize > Connectorsを開き、ディレクトリからLucidを選びます。
- 2
追加して認証する
「Connect」または「Install」を押し、表示される認証画面でLucidアカウントへのアクセスを許可します。
- 3
会話で有効にする
チャット左下の「+」(または「/」)からConnectorsを開き、Lucidをオンにします。
3つ目を飛ばすと、接続済みなのに会話から呼ばれないことがあります。コネクタの読み込み方式(Tool access)がAuto以外になっている場合も同様です。10個以上のコネクタを有効にしているなら、On demandへの切り替えが選択肢になります。端末ごとの認証の違いはデスクトップ接続とWeb接続の使い分け、全体像はConnectorsの入門記事が詳しいです。
Claude Codeから接続する
Claude Codeでは、Lucidのヘルプが示すコマンドをそのまま実行します。
claude mcp add --transport http lucid \
https://mcp.lucid.app/mcpそのあとClaude Code内で/mcpを実行し、Lucidの認証を済ませます。
設定を.mcp.jsonに書いてチームで共有するなら、次の形です。typeを省くとstdioサーバー扱いになり、起動に失敗します。
{
"mcpServers": {
"lucid": {
"type": "http",
"url": "https://mcp.lucid.app/mcp"
}
}
}HTTP接続に対応しないクライアントでは、Node.jsのmcp-remoteパッケージ経由でnpx -y mcp-remote https://mcp.lucid.app/mcpを起動する構成も案内されています。Claude CodeはHTTPに対応しているため、通常は不要です。
認証が切れて接続が不安定になる場合の対処はMCP OAuthが毎日Connection expiredになる件で扱っています。
11個のツールと図の種類
Claudeのコネクタ掲載ページのツール欄には、次の名前が並びます。
| ツール名 | 用途 |
|---|---|
search / fetch | 用途ドキュメントの検索と取得 |
lucid_create_diagram_from_specification | 用途仕様(指定内容)から図を作成 |
lucid_create_org_chart | 用途組織図の作成 |
lucid_create_mind_map | 用途マインドマップの作成 |
lucid_create_sequence_diagram | 用途シーケンス図の作成 |
lucid_export_document_as_PNG | 用途PNGでの書き出し |
lucid_create_document_share_link | 用途共有リンクの作成 |
share_document_with_collaborators | 用途共同編集者との共有 |
_lucid_create_embed / _lucid_create_embed_session_token | 用途埋め込み関連(用途の説明は掲載ページにありません) |
用途の列は名前からの読み取りです。各ツールの引数や出力は掲載ページに書かれていません。
作れる図の種類は、Lucidのヘルプに「Lucidが対応する図ならどれでも」とあり、フローチャート、組織図、シーケンス図、ER図が例に挙がっています。どのツールがフローチャートやER図を担うのかという対応表は載っていません。専用ツールのない図は、仕様から作るツールが受け持つと考えるのが自然ですが、断定はできません。
図を作らせる指示の書き方
指示文には、図の種類、登場する要素、つなぎ方を入れると狙いが伝わります。例えば次のような形です(Lucidのヘルプにある操作例に沿った書き方の例で、実際の出力ではありません)。
問い合わせ受付から返信までの業務フローを、
Lucidでフローチャートにして。
起点は「メール受信」、分岐は「緊急かどうか」、
終点は「返信完了」。作ったらPNGで書き出して。社員一覧のような表データを渡して「組織図にして」と頼む使い方も、ヘルプで例示されています。
ここで押さえたい制限があります。ヘルプのFAQによると、データから自動で図を作れても、できあがるのは静的な図です。元データの変更に追従して更新される「データ連携図」は作れません。月次で更新する組織図をClaudeで量産する用途では、更新のたびに作り直す前提で設計します。
権限の絞り方 — 3つのURLとClaude側の設定
書き込みを許したくない場合、Lucidは用途別に3つのサーバーURLを用意しています。
| URL | 範囲 |
|---|---|
https://mcp.lucid.app/mcp | 範囲標準。検索・閲覧・作成・編集 |
https://mcp.lucid.app/mcp/readonly | 範囲検索と閲覧のみ |
https://mcp.lucid.app/mcp/repositories | 範囲Process Acceleratorリポジトリの内容のみ |
「既存の図を要約させたいだけ」なら、readonlyのURLで登録すれば、閲覧と検索だけに限られます。登録時にコマンドのURLを差し替えるだけで済みます。
Claude Codeでは、ツール単位の許可・拒否もできます。サーバー名lucidで登録した場合、ツールはmcp__lucid__<ツール名>の形で参照されます。次の例は、PNG書き出しと共有系だけを拒否します。
{
"permissions": {
"deny": [
"mcp__lucid__lucid_export_document_as_PNG",
"mcp__lucid__share_document_with_collaborators",
"mcp__lucid__lucid_create_document_share_link"
]
}
}claude.ai側では、TeamとEnterpriseのOwnerがCustomize > ConnectorsのTool permissionsで、ツール群ごとにAlways allow / Needs approval / Blockedを選べます。この制限は組織全体に効き、個人は上書きできません。ただしClaudeで許可しても、Lucid側でそのドキュメントを編集できる権限がなければ変更は通りません。
自動処理のように、人が承認画面を操作できない場面では、TeamとEnterpriseに限りAPIキー認証が使えます。Lucid開発者ポータルで発行したキーの権限がそのまま適用され、実行時のログインは要りません。
読み取れる範囲とデータの扱い
LucidのMCPサーバーが触れるのは、本人が権限を持つドキュメントです。タイトル、内容、コメント、メタデータが含まれます。アカウント外のユーザーが所有するドキュメントは見えません。
データの扱いについて、ヘルプは「パススルーであり、ドキュメントの内容やプロンプトを保持しない」と説明しています。認証情報がLucidアカウントの外に共有されることもないとされています。
もう一点、ヘルプには通常のテキスト連携との違いも書かれています。複雑な図とテキストを、LLMが扱いやすい構造に変換する形式を使うため、要約時に階層や関係を保ちやすいという説明です。この効果の大きさを示す数値は載っていません。
つまずいたときの切り分け
Lucidのトラブルシューティングは4パターンに分かれます。
つながらない・動かないときの確認順
- QFree / Individualのアカウントですか?答えがいいえ(Team / Enterprise)答えがはい
Lucid管理者がMCPアクセスを有効にしているか確認します。組織向けのClaudeプランなら、Claude側の管理者承認も必要です。
- Q接続でき、ドキュメントも見つかりますか?答えがいいえ(見つからない)答えがはい
そのドキュメントをLucidで自分が開けるか確かめます。権限がないものと、アカウント外のユーザーが所有するものは見えません。
- Q発表された新機能は使えていますか?答えがいいえ(使えない)答えがはい
新しい機能には再認証が必要です。Claude側のLucidコネクタをいったん切断し、つなぎ直します。
それでも止まる場合
Lucid管理者がMCPアクセスを止めたか、認証の期限が切れた可能性があります。コネクタを再接続し、再び失敗するならLucid管理者に確認します。
Claude Codeでは/mcpで状態を見られます。Failed to connectの詳細(HTTPステータスなど)もclaude mcp get lucidで確認できます。
Miro・draw.io・Eraserとの使い分け
図解系のコネクタは、図を置く場所が違います。
- Lucid: 既存のLucidドキュメントがある、または業務フロー・組織図・シーケンス図をLucidで管理しているチーム向け。検索と要約もできる
- Miro: 付箋やフレームを使うボード中心の共同作業向け
- Eraser: コードで表す構成図とドキュメントを一緒に育てる用途向け
- draw.io: Claude Codeに図を描かせ、ファイルとして手元に残す用途向け
選ぶ基準は、Claudeの性能差よりも、図の置き場所と共同編集者がどこにいるかです。すでにLucidで図を共有しているなら、新しい置き場所を増やさずに済みます。
まとめ
Lucid連携は、ディレクトリから入れて認証するだけで使えます。Team / Enterpriseでは、Lucid管理者のMCP有効化が先に要ります。
使う前に決めておきたいのは2点です。更新が必要な図には向かない静的図であること、書き込みを許すかどうかです。後者はreadonlyのURLかTool permissionsで先に絞れます。
最初の試用は、読み取り専用で既存の図を要約させるところから始めると、権限まわりの問題を切り分けやすくなります。