ClaudeでLPのコピーと見出し構成を作る手順 — 訴求軸ごとに案を並べて比較
ペルソナと訴求軸を入力に、ファーストビューからCTAまでの見出し階層とコピー案をClaudeのArtifactsで作り、複数案を並行して比べる手順を解説します。
LPのコピーは、いきなり本文を書かせると失敗しやすい作業です。先に見出しの階層を決め、次に各見出しの下のコピーを詰める順番にすると、手戻りが減ります。ClaudeのArtifactsは、この二段階を別々の成果物として持てるので相性がよい道具です。
この記事では、ペルソナと訴求軸を入力にして、ファーストビューからCTAまでの見出し構成とコピー案を作り、複数の案を並べて比べるまでの手順を書きます。ブランドのトーン管理や競合調査まで含めたマーケティング業務全体の進め方は、Claudeマーケティング活用にあります。
見出し構成とコピー案をArtifactsに分けて作る理由
LP制作で迷う時間の多くは、構成の議論とコピーの言い回しの議論が混ざることから生まれます。Claudeに一度で全部を書かせると、会話の流れの中に長文が流れてしまい、どこを直したのかが追えません。
Artifactsは、まとまった量の内容を会話とは別の窓に置く仕組みです。公式の説明では、Claudeは次の条件を満たす内容をArtifactにします。
- 一定の長さがあり自己完結している(目安は15行超)
- 編集・反復・再利用したくなる内容である
- 会話の文脈なしで単独で成り立つ
- 後で参照し直す可能性が高い
LPの見出し構成やコピー案は、この4つにほぼそのまま当てはまります。文書、単一ページのサイト、図など、Artifactにできる種類も幅広いため、構成表もコピー案もモックも同じ場所で扱えます。
始める前の設定と使える環境
Artifactsを使うには、設定のCapabilitiesで「Cloud code execution and file creation」をオンにします。Free・Pro・MaxはSettings > Capabilities、Team・EnterpriseはOrganization settings > Capabilitiesが入口です。
環境ごとの違いは次のとおりです。
| 環境 | できること |
|---|---|
| Claude on the web / Claude Desktop | できること作成・編集・共有、テンプレートからの開始 |
| Claude Code | できることセッションの出力をArtifactとして公開、デザインや文書の作成 |
| iOS / Android | できることチャットで依頼し、Artifactsタブで結果を見る(テンプレート開始・編集・共有設定はweb/Desktopで) |
この記事の手順は、web版かDesktop版で進める前提です。なお、2026年9月16日より前のチャットで作ったものは旧形式(legacy)のArtifactで、動作と共有は続きますが、新しく作ることはできません。
手順1ペルソナと訴求軸を先に書き出す
Claudeに渡す入力は、次の5点に絞ると再現しやすくなります。
- 誰に売るか(ペルソナ。職種・状況・今の悩み)
- 何を売るか(商品・サービスと、できること)
- 訴求軸の候補(価格・時短・実績・安心など、案ごとに軸を変える)
- 使ってよい根拠(実績数値、導入事例、保証条件。ここに無い数字は本文に入れさせない)
- 最終ゴール(資料請求、無料トライアル、購入など、CTAで取らせたい行動)
4番が、この作業でいちばん効きます。根拠を渡さずに「説得力のあるコピーを」と頼むと、もっともらしい数字や実績が混ざる恐れがあります。渡した根拠だけを使う制約を、プロンプトに明記しておきます。
案件が複数あるなら、Projectsに素材を置くと入力の繰り返しが減ります。Projectsは、専用のチャット履歴とナレッジベースを持つ作業空間で、資料をアップロードし、プロジェクト指示でトーンや立場を指定できます。ブランドのトーン規定、過去のLP、商品資料をナレッジに入れ、プロジェクト指示に「渡した根拠以外の数値を書かない」と書いておけば、毎回同じ前提で始まります。Projectsの容量や仕組みはClaude ProjectsのRAG検索の仕組みにまとめています。
手順2見出し階層だけをArtifactにする
最初のプロンプトでは、コピーを書かせません。見出しの階層と、各セクションが担う役割だけを求めます。
あなたはBtoB SaaSのLP構成を作る編集者です。
次の入力から、LPの見出し構成を表形式のドキュメントで作ってください。
コピー本文はまだ書かないでください。
# ペルソナ
中小企業の経理担当。月末の請求書処理に毎月2日かかっている。
# 商品
請求書をアップロードすると仕訳候補を出すクラウドサービス。
# 訴求軸(案A)
月末の作業時間を減らせること
# 使ってよい根拠
・導入企業の声は下記の2件のみ(略)
・料金は月額○円(略)
上記以外の数値・実績は書かない。
# 出力の形
ファーストビュー → 課題提起 → 解決策 → 機能 → 事例 → 料金 → FAQ → CTA の順で、
h2とh3の階層、各セクションの役割(1文)、置く根拠を列にする。ポイントは、出力の形をセクションの順で先に固定することです。順番が固まると、案を比べるときにセクション単位で差分を見られます。入力を「# ペルソナ」「# 商品」のように見出しで区切っているのは、項目を混同させないためです。区切りをXMLタグにする書き方はClaudeへのプロンプトをXMLタグで構造化する書き方で扱っています。
Claudeが返した構成表は、Artifactとして開きます。Docsテンプレートで始めると、Claudeと共同で書き進める文書として扱え、Word・PDF・Markdown・Google Docsへ書き出せます。チャットで「Output」を選んでテンプレートを指定するか、Artifactsタブから始めます。
構成表で確認する観点
見出し構成ができたら、コピーを書かせる前に次を確認します。
- ファーストビューの見出しが、手順1のペルソナの悩みに答えているか
- 各セクションの役割が重複していないか(機能と解決策が同じ内容になりがち)
- 根拠を置く場所に、渡した素材が割り当てられているか
- CTAが最終ゴールと一致しているか
直したい箇所は、そのままArtifactに向かって指示します。DocsやMarkdown文書なら、直したい文をハイライトして「Edit with Claude」を押し、依頼を書くだけです。Claudeは印を付けた場所を直すので、「3つ目の見出しの下」といった位置の説明が要りません。
手順3セクションごとにコピー案を作る
構成が固まったら、同じ会話の中でコピー案を求めます。全セクションを一度に頼むより、まずファーストビューだけ、次に課題提起、と刻むほうが直しやすくなります。
承認した構成表のファーストビューだけ、コピー案を3つ作ってください。
- キャッチコピー(全角25字以内)
- サブコピー(全角60字以内)
- ボタン文言(全角12字以内)
訴求軸は案Aのままで、切り口だけ変えてください。
根拠は渡した2件と料金だけを使ってください。字数制限を入れるのは、LPでは画面幅に収まる長さが実務上の制約になるためです。上の数字は例示なので、自社のデザインに合わせて変えてください。
3つの案が出たら、「案2のキャッチにサブコピーの前半を寄せて」のように、Artifact上の案を指して直します。良い案が決まった時点で、その内容を構成表の該当セクションに反映させると、Artifactが常に最新版の設計書になります。コピー単位の推敲の進め方はClaude文章作成ガイドにまとめています。
手順4訴求軸ごとに複数バリエーションを並行比較する
LPは、訴求軸を変えると見出し構成そのものが変わります。時短を軸にした案と、費用削減を軸にした案では、課題提起の中身が違うからです。この比較を効率よくやる方法が2つあります。
同じ会話に複数のArtifactを作る
案Aの構成表ができたら、「訴求軸を費用削減に変えた案Bを、別のドキュメントとして作って」と頼みます。会話内に複数のArtifactが並ぶので、開き直して見比べられます。
過去のメッセージを編集して枝分かれさせる
公式ヘルプには、以前のメッセージを編集して別バージョンのチャットを作れる、とあります。そのチャットは独自のArtifactを持つため、元の作業を失わずに別の方向を試せます。「手順2の入力だけ訴求軸を書き換える」使い方が向いています。
| 比べたい対象 | 向く方法 |
|---|---|
| 同じ構成でコピーの言い回しだけ違う | 向く方法同じArtifactの中で案を並べる |
| 訴求軸が違い、構成も変わる | 向く方法別のArtifactとして案を作る |
| 前提の入力から変えて全体を試したい | 向く方法過去メッセージを編集して枝分かれ |
比較の基準は、先に言葉にしておきます。「ファーストビューの見出しだけで、ペルソナが自分の悩みだと気づくか」「根拠が渡した素材と一致しているか」の2点を、案ごとに表で採点させると、好みの議論に流れにくくなります。ただし採点はClaudeの意見であり、実際の反応は広告配信やABテストで確かめる領域です。
手順5ページの形にして書き出す
見出し構成とコピー案が決まったら、ページの形にします。Designテンプレートは、視覚的なもの、モックアップ、プロトタイプ、1枚もの、ランディングページを作れるとされています。自社のデザインシステムを設定していれば、新しい作業に色・フォント・コンポーネントが引き継がれます。書き出しは.zip、PDF、PowerPoint、単体のHTMLなどに対応します。Claude Designの基本操作はClaude Designの使い方で扱っています。
作りっぱなしにせず、公開前に人が見る項目を決めておきます。
- 数値・実績・料金が、入力した根拠と一字一句そろっているか
- 「最安」「No.1」のような比較表現に、裏づけがあるか
- ボタン文言が、実際の遷移先の内容と合っているか
もっと軽いページなら、Artifactにそのまま単一ページのサイトを作らせる方法もあります。Claude Artifactsで個人サイトを作る方法の手順が、そのまま応用できます。
つまずきやすい点
コピーが一般論に寄る
ペルソナが「30代の会社員」程度だと、どのLPにも使える文になります。悩みの具体的な場面(月末の2日間、など)を入力に足すと、見出しも具体になります。
案を直すたびに別の案が混ざる
1つのArtifactに案A・Bを混在させると、修正指示が両方に効きがちです。訴求軸が違う案は別のArtifactに分けます。
Artifactでエラーが出る
ページ形式のArtifactでエラーが出たら、エラー表示の近くの「Try fixing with Claude」を押すと、エラー内容が新しいメッセージにコピーされます。それをClaudeに送って直させます。直る保証はなく、追加の調査が要る場合もあります。
共有前に確認する
Artifactは最初は自分だけに見える状態です。共有の範囲は共有設定で決めます。顧客名や未公開の価格を入力に含めたときは、共有範囲を見直してから渡します。
まとめ
LPをClaudeで作るときの型は、入力の整理、見出し構成、コピー案、比較、書き出しの順です。構成とコピーを別の成果物に分け、訴求軸ごとにArtifactを分けると、直す範囲が小さくなります。根拠にする数字と実績は人が渡し、公開前に人が照合します。この分担を守れば、Claudeは案を量産する側に回り、判断は手元に残ります。