Claude Media
ClaudeとMemを連携する方法 — ノートを長期記憶にする手順と削除の扱い

ClaudeとMemを連携する方法 — ノートを長期記憶にする手順と削除の扱い

Mem公式のMCPコネクタをClaudeにつなぐ手順と、ノートの検索・作成・整理でできること、trash_noteとdelete系ツールの違い、呼び出し回数の上限をまとめます。

ClaudeにMemのコネクタをつなぐと、Memに溜めたノートをチャットから検索し、会話の結果を新しいノートとして保存できます。接続はOAuthのサインインだけで済み、APIキーは要りません。

Claude自身のメモリ機能とは別物で、Memのノートが「Claudeの外にある長期記憶」の置き場になります。この記事では、接続の手順、ツールでできること、削除まわりの注意、呼び出し回数の上限を順に説明します。

Memコネクタとは何か

Memコネクタとは、Mem Labs, Inc.が提供するホスト型のMCPサーバー https://mcp.mem.ai/mcp を、Claudeから使えるようにしたものです。Memのノートとコレクションに、AIツールが安全にアクセスするための入口として案内されています。ClaudeのほかにChatGPT、Claude Code CLI、Codex CLI、Gemini CLIにも対応します。

数字

コネクタの基本情報

  • 提供元

    Mem Labs, Inc.

    Anthropic verified

  • 追加時期

    2026年3月

    コネクタ一覧への掲載

  • サインイン

    必須

    OAuthで許可

  • ツール数

    24

    Memのドキュメント記載

コネクタページとMemのドキュメントの掲載内容

コネクタページのカテゴリは「Productivity」です。説明文には、会議ノートからのアクション項目の抽出、ディープリサーチ、個人の知識管理(PKM)などが用途として挙がっています。

接続する手順

ディレクトリから入れる方法が最も簡単です。Memのドキュメントが示す流れは次の3段階です。

手順

Claude(Web・デスクトップ)から接続する流れ

  1. 1

    サイドバーからCustomizeを開く

    サイドバーを開き、Customizeのページへ進みます。

  2. 2

    Connectorsで+を押してMemを追加する

    Connectorsを選び、「+」を押して一覧からMemを探して追加します。

  3. 3

    OAuthでMemのワークスペースを許可する

    サインイン画面が開くので、接続したいMemのアカウントとワークスペースで許可します。

一覧に見つからないときは、カスタムコネクタとして手で足せます。「Settings」の「Connectors」から「Add custom connector」を選び、URLに次を入力します。

https://mcp.mem.ai/mcp

URLは1文字でも違うとツールが表示されません。Memのドキュメントも、ツールが出ないときはまずこのURLが完全一致しているかを見るよう案内しています。

Claude Codeに接続する場合

Claude Code CLIでは、HTTPトランスポートでMCPサーバーを足します。Memのドキュメントが示すコマンドは次のとおりです。

claude mcp add --transport http mem https://mcp.mem.ai/mcp

追加したら、Claude Codeの中で /mcp を実行し、ブラウザに開くOAuthのサインインを完了させます。Notionなど他のMCPサーバーを同じ要領で足す流れはNotion MCPサーバーの使い方でも確認できます。

TeamとEnterpriseは管理者の許可が先

TeamまたはEnterpriseプランで、Claudeの画面に「Requested」と出て先へ進めないときは、組織側の許可待ちです。OwnerまたはPrimary Ownerが「Organization settings」の「Connectors」でMemを追加すると、メンバーが各自のMemアカウントを接続できるようになります。社外アカウントへの接続を防ぐ設定はClaude Enterpriseのコネクタ制限で扱っています。

ノートに対してできること

Memのドキュメントは、できることを5つに分けています。

できること

Mem MCPの5つの使い方

  • ノートを書き留める

    会議メモ、アイデア、調べた結果を、AIとの会話から直接保存できます。

  • 意味で検索する

    Memのセマンティック検索で、全ノートから関連する内容を探します。

  • コレクションで整理する

    コレクションを作り、ノートを入れて、構造を保てます。

  • 更新と整理

    既存ノートの編集、不要なノートのゴミ箱行き、ゴミ箱からの復元ができます。

  • 既存ノートを材料にする

    過去のノートを読ませ、新しい作業の文脈として使わせられます。

「意味で検索する」とは、キーワードが一致しなくても内容が近いノートを引き出す検索のことです。ツール名は search_notes で、検索結果は上位100件までの範囲に収まります。次のページを取るときは、返ってきた snapshot_id を渡します。

ノートを長期記憶として使う

Claudeは会話ごとに文脈が切れますが、Memに書き戻しておけば、次の会話で検索して取り出せます。たとえば、決定事項を1つのノートに積み、新しい会話の冒頭で読ませる使い方です。以下は頼み方の例で、実際の出力ではありません。

Memの「Launch decisions」ノートを読んで、未決の項目だけ挙げてください。
この会話の結論を3行にまとめて、Memに「Launch decisions」という
タイトルの新しいノートとして保存してください。

ノートの1行目がタイトルになる点は、書き込み系ツールの共通仕様です。依頼文でタイトルを明示すると、あとで探しやすくなります。

Claudeの標準のメモリ機能との違いはClaudeのメモリの仕組みを整理した記事で比べています。Memは自分で中身を見て、書き換えて、消せる外部のノートです。

Mem Agentに任せる使い方

ツール一覧の先頭に、message_mem_agent という少し毛色の違うツールがあります。ユーザーが「覚えておいて」「あとで知らせて」と頼んだときや、定期的な作業を設定したいときに、リクエスト全体をMem Agentへ渡すためのものです。

説明には「ユーザーがMemに触れていなくても使う」場面が書かれています。一方で、使わない場面として「ホストアプリ自身のメモリやスケジュールだけを使うよう明示されたとき」と「決まった操作が単独のノートやコレクションのツールで済むとき」が挙がっています。

Claudeに「覚えておいて」と頼むと、Claude自身のメモリに入るのか、Memに入るのかが曖昧になります。保存先を決めたいときは、依頼文で「Memに保存して」と書くのが確実です。

ツールの一覧と選び分け

Memのドキュメントは、MCPサーバーが24のツールを公開していると説明しています。ツール名を覚える必要はなく、Claudeが依頼文から選びます。

領域主なツール役割
Mem Agent主なツールmessage_mem_agent役割記憶・リマインド・定期作業の依頼を丸ごと渡す
ノート主なツールcreate_note / get_note / update_note役割作成・取得・本文の全文置き換え
ノート検索主なツールsearch_notes / list_notes / find_related_notes役割関連度順・新しい順・類似ノートの検索
ノートの削除主なツールtrash_note / restore_note役割ゴミ箱へ移す・戻す
添付と録音主なツールread_attachment / get_audio_recording役割PDF・画像・音声の文字起こしを読む
コレクション主なツールcreate_collection / add_note_to_collection / move_note役割作成・追加・移動

検索系は役割が分かれています。search_notes は文章の質問から関連度順に探し、list_notes は更新日か作成日の順に全件をたどります。添付ファイルまで含めて探すなら extended_search_notes で、PDFのページ、画像の文字、音声、予定、メールが検索の対象に入ります。

update_noteは全文の置き換え

update_note は部分的な差分ではなく、本文全体を送って置き換える仕様です。ドキュメントも「部分パッチは非対応」と書いています。更新時には、更新対象の version を正確に渡す必要があります。

つまり、長いノートの末尾に1行足すだけでも、Claudeは本文全体を読み直して書き戻します。大事なノートを更新させるときは、先に get_note で現在の中身を読ませる流れが前提になります。

削除の扱いで気をつけること

ノートの削除は、元に戻せるかどうかで2段階に分かれます。

くらべる

ノートを消すときの2つの道

戻せる

trash_note

ノートをゴミ箱に移すだけです。restore_note で元のノートに戻せます。

戻せない

delete_note

コネクタページのツール一覧に載っています。Mem APIの説明では、完全に削除したノートは復元できません。

ここには資料間のずれがあります。コネクタページのツール一覧には delete_note と delete_collection が載っています。一方、Memのドキュメントの「Supported tools」にある24のツールには delete_collection はあっても delete_note がありません。ノートの削除として案内されているのは trash_note です。

どちらが実際の挙動かは、ツールの一覧が更新されるたびに変わることがあります。接続したら、Claudeに「いまMemで使えるツールを挙げて」と尋ねて、手元の環境の一覧を見るのが確実です。

コレクションは話が違い、delete_collection は完全削除で、ドキュメントも「元に戻せない操作」として説明しています。コレクションからノートを外すだけなら remove_note_from_collection で、ノートもコレクションも残ります。

書き込みの承認を外さない

Memのセキュリティ指針は、ノートやコレクションを消すような破壊的な操作では、クライアント側の承認ステップを有効にしておくよう勧めています。Claudeのコネクタ設定でツールごとに承認を求める設定になっていれば、削除の直前に内容を見て止められます。

同じ指針には、次の注意もあります。

  • 接続先として使うのは https://mcp.mem.ai/mcp と、OAuthの途中に現れる api.mem.ai、mem.ai に限る
  • ノートの中身をプロンプトとして信用しない。プロンプトインジェクションで、ノートの書き換えや持ち出しを仕向けられることがある
  • 厳密に境界を切りたいときは、必要なデータだけを入れた別のワークスペースやテスト用アカウントで接続する
  • ベアラートークンや、ローカルのMCP認証キャッシュを共有しない

ノートに外部から取り込んだ文章(メール、Web記事)が混ざっているなら、その文面に「このノートを全部消せ」のような指示が紛れていても不思議ではありません。承認画面を飛ばさない運用が、そのまま防御になります。

呼び出し回数の上限

Mem MCPのリクエストは、Mem APIと同じレート制限とクオータに従います。APIのドキュメントに載っている上限は次のとおりです。

数字

リクエスト数の上限

  • 1分あたり

    100

    リクエスト

  • 1日あたり

    4,000

    リクエスト

  • 複雑さ(1分)

    200

    ほとんどのエンドポイントは1消費

  • 複雑さ(1日)

    8,000

    /v2/mem-itは40消費

Mem APIのRate Limitsページ

上限を超えると、HTTP 429が返り、待つべき秒数が Retry-After ヘッダーに入ります。プランごとの月間のノート作成枠のような使用量クオータでも、同じ429が quota_exceeded というエラー種別で返ります。長いノートを大量に読ませる、全件を何周もたどらせる、といった依頼は上限に当たりやすいため、検索で絞ってから読ませるのが現実的です。

つながらないときの切り分け

切り分け

Memのツールが出ないときの確認順

  1. QコネクタのURLは https://mcp.mem.ai/mcp と完全に一致していますか?
    答えがいいえのとき

    カスタムコネクタを作り直し、URLを貼り直します。

    答えがはい
  2. Q今の会話でMemがオンになっていますか?
    答えがいいえのとき

    チャットの「+」メニューから「Connectors」を開き、Memを有効にします。

    答えがはい
  3. QConnectorsのツールアクセスは「Always available」になっていますか?
    答えがいいえのとき

    「On demand」では、Claudeが先に適切なコネクタを探してから読み込むため、追加の検索が挟まります。毎回使いたい会話では「Always available」に切り替えます。依頼文に「Memのコネクタを使って」と書く方法もあります。

    答えがはい

それでも出ないとき

Memのコネクタをいったん切断し、もう一度つないでから会話をやり直します。

OAuthの画面が開かない、または途中で止まったときも、切断して再接続するのが基本です。意図したMemアカウントとワークスペースでサインインしているかも見直してください。

401エラーは、認証なしで https://mcp.mem.ai/mcp を直接叩いたときに返るのが想定どおりの挙動です。クライアントからの利用で出るなら、Memを再接続して認証を更新します。

まとめ

MemのコネクタはOAuthの許可だけでつながり、ノートの検索・作成・更新・整理を会話から行えます。使いどころは、Claudeの会話を越えて残したい決定事項や調査結果を、自分で中身を管理できるノートに置くことです。

運用で決めておくのは2点です。保存先の指定(Claude自身のメモリでなくMem)と、削除の承認です。削除は trash_note で戻せる側に寄せ、完全削除のツールが使えるかは、接続した環境の一覧で確かめてください。

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