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ClaudeのメモリとChatGPTのメモリの違い — 保存対象と削除の操作

ClaudeのメモリとChatGPTのメモリの違い — 保存対象と削除の操作

ClaudeとChatGPTのメモリを、保存の単位・中身の確認場所・削除の効き方・一時的に外す手段・組織の管理で比べました。チャットを消してもメモリが残る点は両者に共通します。

ClaudeのメモリとChatGPTのメモリは、どちらも過去のやり取りから好みや仕事の文脈を覚えて、新しい会話に持ち込む機能です。違いが出るのは、何を単位に保存するか、どこで中身を見て直すか、削除がどこまで効くか、会話ごとにどう外すか、組織がどう管理するかの5点です。

先に要点を言うと、チャットを削除しても、そこから作られたメモリは消えません。この挙動は両者に共通しています。以下で、操作の場所と名前の違いを順に比べます。

一覧で見る2つのメモリの違い

比べる点ClaudeChatGPT
保存の単位Claudeトピックごとの項目ChatGPT保存メモリ、チャット履歴の参照、メモリ要約など複数の層
設定の場所ClaudeSettings > MemoryChatGPTSettings > Personalization > Memory
中身の確認ClaudeTopicsの一覧から項目を開くChatGPTメモリ要約、保存メモリ、Sourcesで確認する
会話単位で外すClaude新規チャットの「+」でMemoryをオフChatGPT一時チャット(Unpersonalizedを選べる)
履歴ごと残さないClaudeインコグニトチャットChatGPT一時チャット
組織の管理Claudeオーナーが組織単位でオン・オフChatGPTワークスペースの管理者が設定と権限を管理

ChatGPTは参照元が複数あるぶん、設定項目の数と名前が多くなります。Claudeの説明は、メモリ項目とチャット検索の2本立てです。

何を単位にして覚えるか

Claudeは、会話が終わってから要約するのではなく、話している最中にトピックごとの項目として保存します。「締め切りが動いた」と話せば、次の会話にはもう反映されている、という作りです。自動で保存されるほか、「覚えて」と頼んで直接保存させることもできます。プロジェクトごとに独立したメモリ領域とプロジェクト要約があり、プロジェクト外のチャットとは混ざりません。

もう一つのClaude固有の点は、Coworkとの共有です。クラウドで動くCoworkとはメモリが共有され、チャットで覚えた内容がタスクにも反映されます。パソコン上でローカル実行するCoworkのセッションでは、メモリを使いません。

ChatGPTは、参照元が重なっています。プランと地域によって、過去のチャット、保存メモリ、カスタム指示、Libraryのファイル、Gmailなどの連携アプリの内容が含まれます。設定画面には次の名前の項目が並びます。

  • 保存メモリ(Reference saved memories): 覚えるよう頼んだ内容や、有用な文脈として保存された内容
  • チャット履歴の参照(Reference chat history): 過去の会話から関連する情報を使う
  • メモリ要約(Memory summary): 個人化に使われることがある情報の高水準なまとめ

保存メモリは、チャット履歴とは別の場所に保存されます。履歴の参照から得た情報は、ChatGPTが何が有用かを更新するのに合わせて変わっていきます。

つまり、Claudeは「項目の一覧を直す」感覚で、ChatGPTは「どの参照元が効いているか」を意識して設定を切り分ける感覚になります。

覚える内容と、覚えない内容

Claudeが覚えるのは、役割やプロジェクト、仕事や生活の中の人や場所、コミュニケーションの好み、技術的な好みやコーディングスタイル、進行中の作業の詳細です。

健康、人種、宗教、政治、ジェンダーアイデンティティなどの話題は、既定では保存されません。Settings > Memoryで「Include sensitive topics in memory」をオンにすると保存対象になります。オンにする前の内容は、さかのぼって保存されません。オンにしていても、政府発行のID番号、犯罪歴、金融口座番号、在留資格は、頼んでも保存されません。

ChatGPTのメモリは、すべての会話の細部を残すものではなく、応答に関連するものをChatGPTが選びます。ユーザーが共有した機微な情報はメモリに現れることがあるので、設定とSourcesを見直すか、使いたくない会話を一時チャットで行う形になります。なお、2024年の発表時点の説明では、健康などの機微な情報を自分から覚えにいかない方向づけがあるとされていました。ただ、現行のヘルプにこの扱いの詳細は載っていません。

中身を確認して直す操作

Claudeでは、Settings > Memoryを開くと、覚えている内容がTopicsの下に一覧になっています。項目を選んで読み、編集アイコンで直すか、「Delete」で消します。直した内容は、以降のすべての会話に反映されます。チャットの中で「これを覚えて」「これを直して」「これを忘れて」と伝える方法もあり、更新は次の会話から効きます。

ChatGPTでは、Settings > Personalization > Memoryからメモリ要約を開きます。要約が出る環境では、次の操作ができます。

  • 訂正をテキスト欄に入力する
  • 該当部分をハイライトして訂正を入れる
  • 「Don't mention this again」を選ぶ
  • 「•••」メニューから「Delete and turn off memory」を選ぶ

「Don't mention this again」は今後の言及を減らすだけで、元の情報源は消えません。「Delete and turn off memory」は、要約に出ている記憶を削除してメモリをオフにしますが、過去のチャットは消えません。

ChatGPTにだけある仕組みとして、応答の下にSourcesが出ることがあります。個人的な文脈を使ったときに、どの過去チャット、保存メモリ、カスタム指示、ファイル、メールが効いたかを確認できます。Sourcesは影響した要因をすべて示すとは限らず、共有リンクで会話を共有したときには含まれません。

Claudeにも近い仕組みはありますが、対象はチャット検索です。過去のチャットを検索で参照したときは、元のチャットへのリンクが引用として出ます。引用の先から特定の会話を削除することもできます。

ChatGPTには、何を覚えているかを本人に直接聞く方法もあります。確認用の質問の例を挙げます。

私について覚えていることを、項目ごとに一覧にしてください。
古くなっていそうなものには印を付けてください。

この質問で一覧を出させてから、設定画面の実際の項目と見比べると、食い違いに気づけます。ChatGPTのメモリ要約は、すべての詳細や情報源を含むとは限らないためです。

削除は何を消し、何を残すか

ここが運用で最も事故になりやすい部分です。

くらべる

「消したい」ときの入口の違い

項目単位が基本

Claude

Topicsの項目を消すか、チャットで「忘れて」と伝えます。

参照元ごとに消す

ChatGPT

同じ情報が複数の場所に残るので、消す場所も別々です。

Claudeでは、会話が期限切れになったり削除されたりしても、そこから作られたメモリ項目は削除されません。メモリのリセットを選ぶと、プロジェクトのメモリを含むすべてが完全に削除され、元に戻せません。一方、メモリを一時停止しても既存の内容は残ります。止めている間の会話は、再開してもメモリに追加されません。

ChatGPTも同じ構造で、保存メモリはチャット履歴とは別に保存されるため、元のチャットを消しても保存メモリは自動では消えません。消すには、保存メモリを削除し、最初に話したチャットも消し、さらに次の場所にも同じ内容があれば消す必要があります。

  • メモリ要約
  • 保存メモリ
  • 通常およびアーカイブ済みのチャット
  • Libraryのファイル
  • 連携アプリの内容

保存メモリを消しても、過去の会話にあるその内容への言及は消えません。削除の反映には時間がかかることがあり、削除された保存メモリのログが、安全性とデバッグの目的で最大30日間保持されることがあります。

チャット履歴の参照をオフにすると、過去のチャットから得た記憶は30日以内に削除される予定になります。元のチャットは履歴に残ります。保存メモリを参照する設定をオフにすると、チャット履歴の参照も一緒にオフになります。

会話ごとにメモリを外す方法

どちらにも、会話単位でメモリから切り離す手段があります。Claudeは2段階、ChatGPTは入口が1つです。

Claudeの場合、1つ目は新しいチャットでメッセージ欄の「+」を開き、「Memory」をオフにして始める方法です。その会話は履歴に残り、ほかの会話からのチャット検索には出てきます。メモリを使わず、保存もせず、その会話の中では過去のチャットも検索しません。最初のメッセージを送ったあとは変更できません。

2つ目はインコグニトチャットです。プロジェクトの外で、右上のゴーストアイコンから始めます。履歴にもメモリにも残りません。詳しい挙動はClaudeインコグニートチャットの解説にまとめています。

ChatGPTでは一時チャットが入口です。開始前に、既存のメモリ、カスタム指示、プラグインを使うかを選べます。使いたくなければ「Unpersonalized」を選びます。開始後に変更はできません。一時チャットはメモリを作らず、更新もしません。

ただし、保存すると一時チャットは通常のチャットに変わります。メモリがオンなら、その内容が以降の個人化に使われることがあります。Claudeのインコグニトチャットは履歴にもメモリにも残らず、この点が異なります。

プランと組織の管理の違い

Claudeのメモリは、Free、Pro、Maxのプランでは既定でオンです。TeamとEnterpriseでは、オーナーがまずメモリを使えるようにし、各メンバーは自分でオンにするまでオフのままです。チャット検索は、有料プラン(Pro、Max、Team、Enterprise)で使えます。

オーナーは、組織全体のメモリをOrganization settings > Capabilitiesでオンにできます。メンバー個人のメモリをオーナーが閲覧・編集することはできません。オーナーが組織単位でメモリをオフにすると、全員の既存のメモリが即座に削除されます。この操作は元に戻せません。HIPAA、公共部門、またはカスタムのデータ保持契約がある組織では、メモリは使えません。

ChatGPTでは、ワークスペースのオーナーや管理者が、対応するメモリ設定と役割ごとの権限を管理します。個人アカウントでは、設定項目の見え方がプラン、地域、プラットフォーム、ワークスペースの設定によって変わります。見当たらない項目は、アカウントにまだ提供されていない場合があります。

規制対象のワークスペース(ChatGPT for Healthcare、Regulated Workspace付きのEnterprise)では、改善版メモリが既定でオフです。この機能はBAAの対象外で、PHI(健康に関する個人情報)を入力しない前提の機能です。

ChatGPTから乗り換えるときの見方

ChatGPT側のメモリをClaudeに持ち込む場合は、ChatGPTの保存メモリとメモリ要約を先に確認し、古い内容や誤りを直してから渡します。ChatGPTの要約は全情報を含むとは限らないため、保存メモリとあわせて見ておくと取りこぼしを減らせます。

Claudeには、他のAIサービスの記憶を取り込む機能(実験的な位置づけ)があります。手順はClaude import memoryの使い方で解説しています。

選び方の観点を、運用上の判断として並べます。

  • 項目の一覧を見て、1つずつ直したいなら、Claudeのトピック単位の管理が合います
  • 参照元ごとに細かくオンオフしたいなら、ChatGPTの設定項目の多さが役立ちます
  • 履歴ごと残したくない会話が多いなら、Claudeのインコグニトチャットは履歴にもメモリにも残りません。ChatGPTの一時チャットは、保存すると通常のチャットに変わります
  • 規制のある業種では、どちらも契約や管理者設定で使えるかが先に決まります

Claude側の仕組みと設定手順の全体像は、Claudeの会話検索とメモリの解説にあります。コンテキストウィンドウとメモリの違いが気になる場合は、Claudeの記憶の仕組みが参考になります。

まとめ

乗り換えや併用を考えるなら、ChatGPT側は保存メモリ・メモリ要約・元のチャットの3か所を消してから移ると、古い記憶を持ち越さずに済みます。

共通の落とし穴は、チャットを消してもメモリは残る点です。覚えさせたくない話は、始める前にメモリをオフにするか、インコグニトチャットや一時チャットで行うほうが、あとから消すより確実です。

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