Claude import memoryで他のAIの記憶を移行する使い方
ChatGPTやGeminiで積み上げた好み・文脈をコピペだけでClaudeのメモリへ移す公式機能を、3ステップの手順・対応プラン・引き継がれない情報まで確認します。
他のAIサービスに何ヶ月もかけて教えた好みや文脈は、Claudeに乗り換えると同時に失われるわけではありません。Claudeには、他のAIプロバイダーとのチャットからコピーしたテキストを貼り付けるだけでメモリへ取り込む「import memory」機能があります。この記事では、対応プランと利用環境、実際の3ステップ、そして引き継がれない情報まで公式情報に沿って確認します。
Claude import memoryとは何か
Claude import memoryは、他のAIプロバイダーとの会話から得た好みや文脈を、コピー&ペーストでClaudeのメモリに取り込む公式の移行フローです。自動で他社サービスのアカウントに接続して同期する仕組みではありません。相手のAIに専用プロンプトを投げて出力させたテキストを、Claude側の入力欄に貼り付けて取り込む一度限りの手動フローです。
取り込めるのは、応答のトーンや形式についての指示、名前・職業・興味などの個人的な詳細、進行中のプロジェクトや繰り返し出てくる話題、使用しているツールや言語・フレームワーク、そしてこれまでの訂正や好みの調整です。会話の履歴そのものが移行されるわけではなく、そこから抽出された「メモリ」だけが対象になります。
公式サイトは、乗り換えを決める前に無料プランでClaudeを試し、必要になったタイミングでメモリを移行するという使い方も案内しています。記憶を移す作業を後回しにできる設計で、最初の会話で好みをすべて再現できない不便さより、乗り換え自体のハードルを下げることを優先した導線と見ることもできます。
使える条件 — プランと利用環境
メモリの取り込みは、無料・Pro・Max・Teamプランのウェブ版とClaude Desktopで利用できます。プランごとの機能差の詳細はClaude料金プラン完全ガイド、Desktop版のインストールと使い方はClaude Desktopとはを参照してください。
現在はメモリ体験が新旧2系統に分かれています。ほとんどのユーザーは新しい体験(設定 > メモリ)に切り替わっていますが、一部のTeam・Enterprise組織はまだレガシー体験(設定 > Capabilities > Memory)を使っています。どちらを使っているかは設定画面の表示で判別できます。
| 項目 | 新しいメモリ体験 | レガシー体験 |
|---|---|---|
| 開始場所 | 新しいメモリ体験設定 > メモリ | レガシー体験設定 > Capabilities > Memory |
| 取り込み後の反映 | 新しいメモリ体験更新後すぐに反映 | レガシー体験最大24時間かかる |
| 個別内容の呼び方 | 新しいメモリ体験メモリエントリ(メモリパネルで確認) | レガシー体験メモリの編集(「編集の管理」で確認) |
| 対象 | 新しいメモリ体験無料・Pro・Max・Team・Enterpriseの大半 | レガシー体験一部のTeam・Enterprise組織のみ |
以降の手順は新しいメモリ体験を前提に説明しますが、操作の呼び方が違うだけでステップの流れ自体はレガシー体験でも同じです。モバイル版のClaudeアプリについては、import memoryの対応が公式ドキュメントに明記されていません。取り込み自体は、明記されているウェブ版かClaude Desktopで行うのが確実です。
移行の手順 — 3ステップでコピペする
ステップ1: 元のAIサービスからメモリを書き出す
まず、今使っているAIサービスとのチャットで、Claude公式が用意した次のプロンプトをそのまま貼り付けます。
I'm moving to another service and need to export my data. List every
memory you have stored about me, as well as any context you've learned
about me from past conversations. Output everything in a single code
block so I can easily copy it. Format each entry as: [date saved, if
available] - memory content. Make sure to cover all of the following —
preserve my words verbatim where possible: Instructions I've given you
about how to respond (tone, format, style, 'always do X', 'never do
Y'). Personal details: name, location, job, family, interests.
Projects, goals, and recurring topics. Tools, languages, and
frameworks I use. Preferences and corrections I've made to your
behavior. Any other stored context not covered above. Do not
summarize, group, or omit any entries. After the code block, confirm
whether that is the complete set or if any remain.このプロンプトは、その場で使っているAIサービスに向けて投げるものです。相手のサービスがファイル出力に対応していれば、Markdownファイルとして書き出しておくと控えとして残せます。個人的すぎる情報や共有したくない項目があれば、貼り付ける前にプロンプトを自分で編集して除外しておけます。
このプロンプトは末尾で「これで全部か、まだ残りがあるか」を相手のAIに確認させる一文を含んでいます。「まだ続きがある」と返ってきた場合は、続きも出力させてから1つの塊にまとめて貼り付けると、取り込み漏れを防げます。
ステップ2: Claudeの取り込みフローを開く
Claudeの設定でメモリ画面(設定 > メモリ)を開き、「Start import」を選びます。すると、ステップ1と同じプロンプトが画面に表示され、その下に結果を貼り付けるテキストボックスが用意されます。
ステップ3: 書き出した結果を貼り付けて取り込む
ステップ1でコピーした出力を、そのテキストボックスに貼り付けて「Add to memory」ボタンを押します。Claudeが内容から要点を抽出し、個々のメモリエントリとして保存します。取り込み後はメモリパネルで各エントリを確認できます。意図と違う形で取り込まれた項目を直したい場合は、設定 > メモリの「Tell Claude what to change or remove」ボックスから変更や削除を伝えます。
取り込みが完了すると、更新されたメモリはすぐに反映されます(レガシー体験では最大24時間)。「See what Claude learned about you」ボタンから「I updated my memory. What did you learn about me?」という新しい会話を始めれば、実際に何が取り込まれたかをその場で確認できます。
引き継がれない情報と実験段階であること
Claudeのメモリは、共同作業者としての実用性を高めることを目的に、仕事に関わる話題を中心に設計されています。そのため、仕事に関係しない個人的な詳細は取り込み後も保持されないことがあります。特定の情報を確実に残したい場合は、設定 > メモリの「Tell Claude what to change or remove」ボックスから追加するか、チャット内でClaudeに直接伝える必要があります。
公式ドキュメントは、メモリの取り込みが実験的でまだ開発が続いている段階であり、貼り付けた内容を必ずしも正しく取り込めるわけではないと明記しています。一度で反映されない項目があっても不具合と決めつけず、実験的な機能の制約として扱うのが実態に合っています。
エクスポート機能とあわせて使う
取り込みと逆方向に、Claudeが持っているメモリをそのまま書き出すこともできます。設定 > Capabilitiesから「View and edit your memory」を開くと、Claudeが実際に保持している内容をそのまま確認できます。チャット内で「Write out your memories of me verbatim, exactly as they appear in your memory」と頼んでも同じ内容が得られます。
書き出した内容はバックアップとして保存したり、別のAIサービスへ貼り付けて移行する側に回すこともできます。複数のAIサービスを併用しながら、どちらが自分に合うかを試す期間は、乗り換え前に定期的にこの書き出しを取っておくと、どちらに決めても記憶を失わずに済みます。
よくあるつまずき
- 「同期される」と誤解する — import memoryは常時同期する仕組みではありません。元のサービスで新しく学習された内容は、もう一度同じプロンプトを実行して貼り付け直さない限りClaude側には反映されません
- 個人的な情報が消えたように見える — 仕事に無関係な項目はメモリの設計上保持されにくいだけで、取り込み自体が失敗したとは限りません。残したい情報は取り込み後にメモリ設定から個別に追加します
- 貼り付ける前に内容を確認しない — プロンプトの出力には、パスワードやAPIキーのような認証情報、取引先や同僚の個人情報が混ざる場合があります。貼り付ける前に自分で内容を見直し、不要な行を削ってから取り込むと安全です
- 新旧どちらの体験か確認せずに手順書どおりに操作する — 設定画面に「メモリ」と「Capabilities > Memory」のどちらが表示されるかで手順の呼び方が変わります。ボタン名が記事と違う場合は、レガシー体験側の手順を確認してください
- チャットの履歴ごと移行されると期待する — 移行されるのはそこから抽出された好みや文脈の要約だけです。過去の会話ログそのものをClaude側で読み返せるようになるわけではありません
- 有料プランだけの機能だと思い込む — 取り込み自体は無料プランでも利用できます。レガシー体験が残っているのは一部のTeam・Enterprise組織だけで、無料・Pro・Maxの個人プランは基本的に新しいメモリ体験を使っています
Claude Codeのメモリとは別物
まとめ
Claude import memoryは、他のAIサービスとのチャットで専用プロンプトを実行し、その出力をClaudeの取り込み画面に貼り付けるだけで完了する手動の移行フローです。無料・Pro・Max・Teamの各プランのウェブ版とClaude Desktopで使えますが、常時同期ではなく一度限りのコピー&ペーストであることと、仕事に無関係な個人情報は保持されにくいことは覚えておく必要があります。機能自体もまだ実験的な段階にあるため、取り込み後は「See what Claude learned about you」で実際に反映された内容を確認してから使い始めるのが確実です。会話の履歴そのものではなく、抽出された好みや文脈だけが対象という前提を押さえておけば、乗り換え直後の期待と実際の結果のずれを防げます。