ClaudeとMollieを連携する方法 — 決済・定期課金・精算を会話で扱う
MollieのリモートMCPサーバーをClaudeに接続する手順です。ログイン画面での承認、ロール以上の権限は渡らない仕組み、68ツールのうち書き込み系を任せる前の運用をまとめます。
Claude Mollie連携とは何か
Mollie連携は、決済サービスのMollieが提供するリモートMCPサーバー(https://mcp.mollie.com/mcp)を、Claudeに接続する仕組みです。Mollieのダッシュボードを開かなくても、決済の照会、残高や精算の確認、支払いリンクや定期課金の作成を自然文で頼めます。
Connectorsディレクトリでは、開発元Mollie B.V.の「Anthropic verified」表示付きで、カテゴリは金融サービスです。追加時期は2026年9月、サインインは必須です。ツール数は68で、一覧には CreatePayment や CreateSubscription のような作成系も GetBalance のような参照系も並びます。読むだけのコネクタではありません。
想定読者は、Mollieで売上を受けているEC運営者、サブスクリプション事業の経理担当、決済まわりを見る開発者です。次のような依頼が出発点になります。
- 先月の入金額を出してほしい
- 次回の精算に何が入っているか知りたい
- 25ユーロの支払いリンクを作ってほしい
Connector全般の仕組みはClaude Connectorsの解説にまとめています。同じ決済領域で、アカウント側の設定が要になる例はClaude Stripe連携の記事が詳しいです。
認証の仕組み:パスワードもキーも貼らない
Mollieの接続は、Mollie自身のログイン画面に飛んで承認する方式だけが案内されています。Claudeにパスワードやアクセスキーを入力する場面はありません。以前あった静的トークン方式は非推奨になり、現在はこの方式が唯一のサポート対象です。
流れは4段階です。
Mollieの承認フロー
- 1
ClaudeがMCPサーバーに接続する
Claudeが
https://mcp.mollie.com/mcpに接続し、認証が必要だと検知します。 - 2
Mollieの承認画面に移る
ブラウザでMollieの承認画面が開きます。必要ならここでサインインします。
- 3
要求された権限を確認して承認する
ClaudeがMollieに求めている権限が画面に出ます。内容を読んでから承認します。
- 4
Claudeに戻る
リダイレクトでClaudeに戻れば接続は完了です。
この仕組みで押さえておきたい点は3つあります。
- 渡せる権限の上限は、自分のMollieアカウント上のロールです。接続しても、ロールが持たない権限が増えることはありません
- 組織のオーナーや管理者でなくても、メンバーが自分のロールの範囲で自分のClaudeを接続できます
- Claudeを通じた操作は、自分がダッシュボードで操作したのと同じ形でアカウントに記録されます。APIコールや手作業のクリックと同じ責任が自分に付きます
最後の点は、運用の前提として重いです。Mollie側の記録は自分の操作として残ります。さらにMollieは、接続・承認・設定したAIツールがアカウント内で行った操作すべてについて、利用者本人が責任を負うと明記しています。付与した権限と裁量も含めての責任です。ロールの強い管理者アカウントで接続するほど、Claudeの誤操作が及ぶ範囲も広がります。
ClaudeのWeb・Desktopから接続する手順
ディレクトリから入れる場合は、Mollieの詳細ページで「Add to Claude」を押し、上の承認フローに進みます。URLを自分で指定するなら、カスタムコネクタとして追加します。
- Claudeの設定でConnectorsを開き、「Add custom connector」を選ぶ
- 名前に
Mollieなど分かりやすいものを入れる - URLに
https://mcp.mollie.com/mcpを入れる - Mollieのログイン画面で承認する
MollieのドキュメントはClaudeを含む現行世代のMCPクライアントが、この承認を自動でこなすと説明しています。クライアント側がCIMD(Client ID Metadata Documents)に対応していることが前提で、リモートMCPの認証の仕組み自体はリモートMCPのOAuth認証で扱っています。
古いクライアントの場合
stdio接続しか使えない古いMCPクライアントでは、mcp-remote というプロキシを挟む方法が案内されています。設定は次の形です。
{
"mcpServers": {
"Mollie": {
"command": "npx",
"args": ["mcp-remote", "https://mcp.mollie.com/mcp"]
}
}
}初回に mcp-remote がブラウザを開き、同じ承認画面を表示します。得られたトークンは手元のマシンに保存されます。ClaudeのWebやDesktopのコネクタ機能を使うなら不要な手順です。
Claude Codeから接続する
Claude Codeは現行世代のクライアントなので、URLを渡せば承認フローに入れます。Mollieのドキュメントに専用のコマンドは載っていないため、以下はClaude CodeがHTTP方式のMCPサーバーを追加する一般的な書式にMollieのURLを当てた例です。
claude mcp add --transport http mollie \
https://mcp.mollie.com/mcp追加したらClaude Codeを起動し、/mcp からMollieを選んで認証します。ブラウザでMollieの承認画面が開き、承認するとツールが使えるようになります。claude mcp add の書式やJSONでの登録はclaude mcp add-jsonの手順にあります。Claude Code自体の全体像はClaude Code完全ガイドから辿れます。
何を頼めるか:Mollieの領域別に見る
ドキュメントは機能を14の領域に分けています。業務の流れに沿って並べ直すと、次のようになります。
| 業務 | 頼める内容 |
|---|---|
| 売上の確認 | 頼める内容決済の照会、直近の一覧、説明文での検索、期間ごとの合計 |
| 請求の発行 | 頼める内容支払いリンクの作成と入金者の確認、売上請求書(Sales invoice)の作成・更新 |
| 定期課金 | 頼める内容顧客の登録、サブスクリプションの作成・更新・解約、マンデート(定期課金の承認情報)の作成と取り消し |
| 入金の突合 | 頼める内容残高、残高レポート、精算(銀行口座への払い出し)の中身、次回の精算 |
| 加盟店の設定 | 頼める内容有効な決済手段、端末(Terminal)、プロファイル、Webhook |
| Mollieからの請求 | 頼める内容Mollieが自社に請求した請求書の一覧と詳細 |
ディレクトリ側の一覧には、AggregatePayments や GetBalanceReport のような集計系、CreateCapture のような与信後の請求確定、GetClientDocs のようなドキュメント検索用のツールも見えます。68ツールのうち一覧に表示されるのは24件までで、残りはディレクトリの「Show all」で開く必要があります。
公式の例文は、そのまま使える短い依頼です。
- 先月の決済の合計はいくらか
- 次回の精算には何が入っているか
- Acme Corp宛てに1,200ユーロ、支払期限30日の請求書を下書きで作って
月末の突合に使う
経理が毎月やる作業の典型は、精算と売上の突合です。参照系だけで足りるので、書き込みに触れずに試せます。以下は公式の例文を組み合わせた依頼の形です。
今月の精算を確認してください。
1. 直近の精算に含まれる決済・返金・チャージバックを分けて集計する
2. 次回の精算の中身を一覧にする
3. 会計側の売上と金額が合わない精算があれば、差分を表にする3番目は会計データがClaude側に必要です。QuickBooksなど別のコネクタと併用するか、CSVを渡す形になります。Mollie側の数字は正しくても、会計側との照合はClaudeの推論に依存する部分で、金額の突き合わせ結果は人が目で確認する前提で使います。
書き込み系を任せる前に決めておくこと
作成系のツールは、実際に請求や課金を発生させます。ドキュメントも、AIツールに実行前の許可確認の設定があるなら、決済・返金・定期課金のように何かを作る、または変える操作では有効にするよう案内しています。
Claude Codeなら、権限設定で作成系を確認付きにできます。以下は settings.json の考え方を示す例です。
{
"permissions": {
"allow": [
"mcp__mollie__GetPayment",
"mcp__mollie__GetBalance",
"mcp__mollie__GetNextSettlement"
],
"ask": [
"mcp__mollie__CreatePayment",
"mcp__mollie__CreatePaymentLink",
"mcp__mollie__CreateSubscription",
"mcp__mollie__CancelSubscription"
]
}
}ツール名の形式は mcp__<サーバー名>__<ツール名> で、実際の名前は /mcp の一覧で確かめて合わせます。ここに挙げたツール名はディレクトリ掲載のものです。
運用の目安を3つ置きます。
- 最初は参照系だけを許可し、作成系は毎回確認を挟む
- ロールが強いアカウントでの接続は避け、必要な権限だけを持つユーザーで接続する
- 金額・通貨・顧客IDは、実行前にClaudeの提示した内容を目で読む
支払い額や顧客IDのような値は、自然文からClaudeが組み立てます。誤った顧客IDで定期課金を作れば、実際に別の顧客へ請求が走ります。
公式ページの食い違いと制限
Mollieのドキュメントには、読み取りに迷う記述があります。警告ボックスには、返金(refund)の発行は現状サポートされないとあり、続けて「マンデートやサブスクリプションの取り消しは一覧に書かれた範囲を超えない」という趣旨の文が出てきます。文が崩れており、何が対象外かを一読では取れません。
一方で、機能表にはマンデートの作成と取り消し、サブスクリプションの更新と解約が載っています。ディレクトリのツール一覧にも CancelSubscription と CreateMandate があります。ここから言えるのは次の整理です。
| 操作 | 状況 |
|---|---|
| 返金の発行 | 状況警告ボックスで未対応と明記 |
| サブスクリプションの解約 | 状況機能表とツール一覧に記載あり |
| マンデートの作成 | 状況ツール一覧に CreateMandate あり |
| マンデートの取り消し | 状況機能表に記載あり。ツール一覧の初期表示には該当ツール名がありません |
返金だけは、会話では完結しません。ダッシュボードかAPIで行います。
接続の解除にも注意点があります。Mollieのウェブアプリには、AIツールのアクセスを管理する専用ページがありません。アクセスを取り消すには、Claudeの設定でMollieのコネクタを外します。
開発者向けの別の選択肢
自社のECサイトにMollieを組み込む開発側の用途は、別の2つの手段が用意されています。ドキュメントは用途ごとに3つの手段を分けています。
| 目的 | 手段 |
|---|---|
| 自分のアカウントをチャットで操作する | 手段Mollie MCPサーバー |
| Claude Codeなどで連携コードを書く | 手段Mollie Agent skills |
| 他人に代わって動く自作AIエージェントを作る | 手段Mollie Agent toolkit |
この記事で扱っているのは1つ目です。Claudeに自分のMollie口座を触らせたいのか、Mollie連携の開発を手伝わせたいのかで、選ぶ手段が変わります。
業務での使いどころ
向いているのは、確認と下書きです。売上や精算の照会、支払いリンクの発行、請求書の下書きは、依頼文が短く結果も目で確かめやすい作業です。
逆に、顧客への課金を伴う定期契約の作成や解約は、依頼のミスがそのまま請求に反映されます。ここは確認付きで1件ずつ実行する運用が合います。
なお、Anthropicは開発者が公開するコネクタの動作を保証せず、ツールの内容が後から変わる可能性にも触れています。決済のような金銭を動かすコネクタを使うときは、信頼できる提供元かどうかを確かめた上で接続してください。