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ClaudeでNutrientのPDF墨消しと署名を使う — 接続手順とクレジットの減り方

ClaudeでNutrientのPDF墨消しと署名を使う — 接続手順とクレジットの減り方

NutrientのMCPサーバーでClaudeからPDFの墨消し・署名・変換を行う手順。旧ローカル拡張が終了した経緯、URL1本の接続、クレジットの減り方と透かしの注意を解説します。

NutrientのPDF処理をClaudeから使うには、NutrientがホストするリモートMCPサーバー(https://mcp.nutrient.io/mcp)を登録します。Claudeアプリではカスタムコネクタとして、Claude Codeではclaude mcp addで追加し、ブラウザでNutrientアカウントにサインインすれば完了です。

検索すると、Claude Desktopの拡張に.mcpbを入れてサンドボックスのフォルダを指定する古い手順が先に出ます。そのローカルMCPサーバーはすでにサポート対象外です。この記事では現行の接続方法を軸に、PDFの墨消しと署名の頼み方、クレジットの減り方、旧拡張からの移行を順に扱います。

ローカル拡張は終了している — 今はURL1本で繋ぐ

Nutrient DWS MCP Serverは、もともとローカルで動くstdio型のサーバーでした。Claude Desktopの拡張として入れ、~/Documents/NutrientのようなサンドボックスのフォルダにPDFを置き、結果をそこへ書き戻す作りです。GitHubのREADMEは冒頭で、このローカルサーバーはサポート終了と明記しています。リポジトリは参照用に残るだけで、新機能も修正も入りません。

後継がホスト型のNutrient MCPです。違いを表にまとめます。

項目旧ローカル拡張ホスト型Nutrient MCP
状態旧ローカル拡張サポート終了ホスト型Nutrient MCP現行
接続先旧ローカル拡張手元でnpxまたは拡張が起動ホスト型Nutrient MCPhttps://mcp.nutrient.io/mcp
認証旧ローカル拡張初回リクエストでブラウザOAuth、またはAPIキーホスト型Nutrient MCPNutrientアカウントでサインイン。APIキー不要
ファイルの渡し方旧ローカル拡張サンドボックスのフォルダに置くホスト型Nutrient MCPClaudeアプリではメッセージに添付
インストール旧ローカル拡張必要(Node.jsやmcpb)ホスト型Nutrient MCP不要

ホスト型ではフォルダの設定自体が要らなくなりました。ファイルはエージェントがタスクの一部としてNutrientへ送ります。対応する形式はPDF、スキャン画像、Officeドキュメントで、1ファイル25MBまでです。

Claudeに接続する手順

接続は2ステップです。ClaudeアプリとClaude Codeで入口が違います。

手順

Nutrient MCPをClaudeに追加する流れ

  1. 1

    サーバーを追加する

    Claudeアプリでは、設定のコネクタ画面からカスタムコネクタを追加し、https://mcp.nutrient.io/mcpを貼り付けます。

  2. 2

    サインインする

    Connectを押し、ブラウザでNutrientアカウントにサインインします。無料アカウントも作れます。

  3. 3

    ファイルを渡して頼む

    Claudeアプリでは、処理したいファイルをメッセージに添付してから依頼します。

Claude Codeでは、ターミナルで次の1行を実行します。

claude mcp add --transport http --scope user nutrient \
  https://mcp.nutrient.io/mcp

追加後にClaude Codeの中で/mcpを開き、nutrientを選んでAuthenticateを押すと、ブラウザが開いてサインインできます。--scope userを付けたので、プロジェクトをまたいで同じ接続を使えます。JSONで一括登録したい場合は、claude mcp add-jsonの手順が参考になります。

Claude Codeからは、ファイルをパスで指定する使い方になります。たとえば次のように頼みます。

./inbox/statement.pdf の氏名・メールアドレス・電話番号を墨消しして、
./out/statement-redacted.pdf に保存して

サインインが毎日切れるなど認証まわりで詰まったときは、MCP OAuthのConnection expired対処を先に見ると切り分けが早く済みます。組織でカスタムコネクタの追加を管理している場合は、管理者の許可が要るかもしれません。社内の接続先をリモートMCPで自作する流れはCoworkカスタムコネクタ自作ガイドにまとめています。

PDFの墨消しをClaudeに頼む

Nutrientのページには、墨消しの例として次の依頼文が載っています。

  • 「statement.pdfの名前、メールアドレス、電話番号をすべて墨消しして」

墨消しは、AIが個人データを見つけて取り除く機能として紹介されています。旧ローカル版のREADMEではai_redactorというツールが担い、氏名、住所、SSN(米国の社会保障番号)、メールアドレスや独自の条件を検出して「permanently removing(恒久的に削除)」すると説明されています。別にdocument_processorにも、SSNやクレジットカード番号などのプリセットを使う墨消しの流れがあります。

依頼するときは、消したい対象を具体的に書くのが安全です。

  • 対象を列挙する: 「氏名、住所、電話番号、メールアドレス」のように項目で指定する
  • 日本の書類では、マイナンバーや口座番号のような日本固有の番号を明示する
  • 元ファイルを上書きさせず、出力先のパスを別に指定する

READMEの「Output Location」は、処理済みファイルの置き場所はAIが決めると説明しています。「./out/ に保存して」のように出力パスを書いておけば、元PDFと混ざりません。

墨消しの結果は自分で検算する

AIによる検出は取りこぼす可能性があります。Nutrientの説明にも、取りこぼしが起きないという記述はありません。提出や共有の前に、結果を機械的に点検します。Claude Codeが使える環境なら、そのままテキスト抽出を実行させて確認できます。

pdftotext ./out/statement-redacted.pdf - | grep -n -E "[0-9]{3}-[0-9]{4}-[0-9]{4}|@"

電話番号らしき並びと@が1件も出なければ、少なくともテキスト層には残っていません。スキャン画像だけのPDFはテキスト層が空なので、この方法では何も拾えません。その場合は目視で黒塗りを確かめるか、先にOCRをかけたコピーで同じ検算をします。CLAUDE.mdに「墨消しPDFを納品する前にpdftotextで残存文字列を検算する」と一行書いておくと、毎回の手順が揃います。

PDFへの署名とその他の操作

署名は、旧READMEではdocument_signerツールが受け持ち、CMS/PKCS#7とCAdESの署名、見える署名と見えない署名のどちらも選べると書かれています。別の箇所では、PAdES準拠の署名を信頼できる証明書で付与できるとも説明されています。ホスト型のページでは「PDFにデジタル署名を追加する」とだけ紹介されています。

依頼文の例は、ホスト型のページにあるものがそのまま使えます。

  • 「contract.docxをPDFに変換し、CONFIDENTIALの透かしを入れて署名して」

ほかに、ホスト型のページには次の操作が並びます。

機能

Nutrient MCPでできる操作

  • データ抽出

    欲しい項目を平易な言葉で伝えると、引用元と信頼度つきで値が返ります。スキーマを書く必要はありません。

  • Markdown化と分類

    PDF、スキャン、画像をMarkdownや表に変換します。請求書や契約書など種類ごとの振り分けもできます。

  • 変換と編集

    Office文書のPDF化、OCR、結合、回転、透かし、PDF/AやPDF/UAの作成に対応します。

  • クレジット確認

    エージェントに残りクレジットを尋ねられます。

クレジットの減り方と透かし — 最初に押さえる注意

料金は、MCP専用の追加費用がない代わりに、NutrientアカウントのクレジットをAPIと同じレートで消費します。無料プランには、Data Extraction APIが月5,000クレジット、Processor APIが月50クレジット付きます。

数字

無料プランの枠とファイルの上限

  • Data Extraction API

    5,000

    クレジット/月

  • Processor API

    50

    クレジット/月

  • 1ファイルの上限

    25MB

    PDF・画像・Office

Nutrientの説明より

注意が2つあります。

1つ目は透かしです。無料のProcessorプランで処理したファイルには、従量課金に切り替えるかアップグレードするまで「For Evaluation Purposes Only」の透かしが入ります。墨消しや署名、変換はProcessor APIの機能として並ぶため、無料枠のまま提出用のPDFを作ると透かし入りになりうる点に注意してください。本番の書類に使う前に、小さなファイルで出力を確かめておきます。

2つ目は読み取りモードです。ホスト型は、スキャンや複雑なレイアウトで精度を出すため、既定でagenticモードを使います。これが1ページあたり18クレジットです。旧READMEのData Extractionの表では、モードごとのレートは次のとおりでした。

モードOCR1ページあたり
textOCRなし1ページあたり1クレジット
structureOCRあり1ページあたり1.5クレジット
understandOCRあり(AI補強)1ページあたり9クレジット
agenticOCRあり(VLM)1ページあたり18クレジット

旧版の既定はunderstandで、ホスト型の既定はagenticです。同じ依頼でも、新しい接続のほうが消費が大きくなりうる計算です。単純計算では、無料のData Extraction枠5,000クレジットをagenticで使い切るまでに読めるのは約277ページです(5,000÷18)。

文字がきれいに入った電子PDFなら、依頼に「軽いモードで」と添えれば節約できます。ホスト型のページも、単純なデジタルPDFでは軽いモードを頼むよう案内しています。まとめて処理する前に、1ファイルで試してから残りクレジットを聞いておくと、使い切りを避けられます。

送ったファイルはどこに残るか

ホスト型では、ファイルはNutrientのサーバーへ送られて処理されます。ローカルで完結する処理ではありません。保管についてのページの説明は次のとおりです。

  • Nutrient MCP自体はデータを保持しない
  • 抽出の実行は、書類と結果が実行履歴に保存される。削除するまで残る
  • エージェントがアップロードしたファイルは24時間で期限切れになる
  • Claudeのビューアで結果を開いた場合、そのコピーも削除するまで残る

契約書や顧客の個人情報を含むPDFを渡すなら、組織の取り扱い方針と照らす必要があります。実行履歴は自分で消せるので、墨消し前の原本を送ったあとは履歴の削除まで手順に含めておくと安心です。

旧ローカル拡張から移行する

すでにClaude Desktopに@nutrient-sdk/dws-mcp-serverや拡張を入れている場合は、次の順で切り替えます。

  1. Claude Desktopの設定から、Nutrientの拡張を削除する(または設定JSONのnutrient-dwsの項目を消す)
  2. 上のURLをカスタムコネクタまたはclaude mcp addで追加する
  3. 旧版が保存した認証情報を消す。旧版のトークンは~/.config/nutrient/credentials.jsonに平文で保存されます
rm "${XDG_CONFIG_HOME:-$HOME/.config}/nutrient/credentials.json"

このファイルはAPIキーと同等の権限を持つと、READMEが注意しています。バージョン管理やバックアップの共有対象に入っていないかも確認してください。拡張の入れ方一般はmcpbファイルとはで、組織が拡張を許可制にしている場合の設定はClaude Desktop拡張機能の許可リストで扱っています。

つまずいたときの切り分け

  • ブラウザが開かない: CIやSSH先のようなブラウザのない環境では、サインインの画面が出せません。旧版ではAPIキーを環境変数に入れる回避策がありました。ホスト型でAPIキーを使う案内は、ページには載っていません。
  • ファイルが見つからない: ホスト型にサンドボックスはありません。Claudeアプリでは添付を、Claude Codeではパスを正確に指定します。
  • 旧設定が残って二重に見える: 設定JSONにnutrient-dwsが残っていないか見直します。

まとめ

PDFの墨消しや署名をClaudeに任せたい場合の入口は、ホスト型のNutrient MCPに一本化されました。接続は簡単な反面、既定の読み取りが1ページ18クレジットと重く、無料のProcessor枠は透かし入りです。最初は1枚のダミーPDFで墨消しの結果を検算し、クレジットの減りを見てから本番の書類に広げるのが、手戻りの少ない進め方です。

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