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ClaudeでPDF Toolsを使う手順 — 手元のPDFを入力・結合・分割

ClaudeでPDF Toolsを使う手順 — 手元のPDFを入力・結合・分割

Open Document AllianceのPDF Toolsを、Claude Desktopに入れて手元のPDFを読み、フォーム入力・結合・分割までさせる手順。許可フォルダ、署名時にファイルが外へ出る条件、対応しない環境も扱います。

PDF Toolsは、手元のPDFをClaude Desktopから読み、フォーム入力、結合、分割、ページ並べ替えまでさせるMCPサーバーです。Open Document Allianceが公開しており、ライセンスはMITです。ファイルの読み書きは自分のPCの中で完結し、別のPDFサービスへアップロードしません。

使うのはClaude Desktopの拡張機能(.mcpb)か、MCPに対応した他のローカルホストです。この記事では、導入の手順、触れるフォルダの決め方、頼み方の例、署名機能でファイルが外に出る条件、使えない環境を順に扱います。

PDF Toolsでできること — Claudeが標準で読めるPDFとの違い

Claudeはすでに限られた形でPDFを読めますが、PDF Toolsは次の機能を足します。

機能

PDF Toolsが足す5つの操作

  • ビューアー

    ページ移動、拡大、検索、全画面表示、テキスト選択ができます。フォーム欄の一覧がサイドバーに出ます。

  • フォーム入力

    fill_pdf、read_pdf_fields、bulk_fill_from_csvで、入力欄の読み取り、入力、CSVからの一括入力を行います。入力内容はプロフィールとして保存できます。

  • 署名モード

    署名・イニシャル・氏名・日付の欄を検出し、保存済みまたは手書きの署名を置きます。

  • ページ整理

    結合、分割、回転、並べ替えに加え、複数の操作を1回でまとめるページプランを適用できます。

  • 抽出と分析

    ページ単位の読み取り、テキスト検索、ページや範囲の画像化、CSV出力、メタデータの確認があります。

PDFのURLを渡して手元へ保存させる機能もあります。Claudeの通常のWeb取得経路でPDFを取れない場合に、ローカルのMCPホスト側で取得する用途です。

導入手順 — .mcpbを入れて許可フォルダを決める

Claude Desktopでの導入は2通りです。拡張機能ディレクトリにも掲載されています。

手順

Claude Desktopに入れる流れ

  1. 1

    拡張機能を入手する

    ディレクトリから入れるか、GitHubのReleasesから最新の.mcpbをダウンロードします。

  2. 2

    インストールする

    .mcpbをダブルクリックします。Claude Desktopの設定から「Install Extension…」を選んでファイルを指定する方法もあります。後者はClaudeのサポート記事にある手順で、設定のデスクトップアプリ欄で拡張機能の「Manage」を開き、「Advanced settings」の開発者向け欄に進みます。

  3. 3

    許可フォルダを確認する

    拡張機能の設定にある「Allowed PDF Directories」を開き、扱いたいフォルダを足します。

  4. 4

    会話で頼む

    新しい会話で「ダウンロードフォルダのPDFを一覧して」のように頼み、ツールが使えるか確かめます。

初期状態で触れるのは~/Documents、~/Downloads、~/Desktopの3つです。それ以外の場所にあるPDFを読ませたり保存したりするなら、先にフォルダを追加します。保存したプロフィールや署名は拡張機能専用の非公開領域に置かれるので、フォルダ追加は不要です。

組織で拡張機能を管理している場合は、公開拡張機能の許可リストで止まることがあります。手順はClaude Desktop拡張機能の許可リストを有効にする手順にあります。ディレクトリ全体の見方はClaudeの拡張機能ディレクトリで確認できます。

入れたのにツールが出ないとき

サポート記事のトラブルシューティングには、拡張機能は入ったのにツールが使えない場合の対処として、Claude Desktopの再起動と、拡張機能の設定で必須項目の抜けがないかの確認が載っています。インストール自体が通らないときは、最新版のClaude Desktopか、ファイルが壊れていないか(再ダウンロード)、空きディスクの順に見ます。

Cursorなど他のMCPホストで使う

DesktopのほかにCursorなどのホストでも使えます。リポジトリをクローンしてビルドし、設定ファイルからserver/index.jsを起動する形です。

{
  "mcpServers": {
    "pdf-tools": {
      "command": "node",
      "args": ["/full/path/to/PDF-Tools/server/index.js"]
    }
  }
}

READMEにはChatGPTとCodex向けのエージェントプラグインの導入節もあります。こちらはホストが読めるファイルを専用の作業領域へコピーして処理する別のプラグインで、Claude Desktopの拡張機能とは動き方が違います。

頼み方の例 — 目的別に4つ

READMEの例文を、実際の作業に置き換えて並べます。ファイル名は手元のものに替えてください。

ダウンロードフォルダにある申込書.pdfを開いて、入力欄を一覧にして

最初に欄の一覧を出させると、どの欄が埋まっていて何が空かを、入力前に確認できます。

この申込書に、会社名と住所を入れて。内容は次のとおり: …
入力が終わったら、この内容を「総務用」という名前のプロフィールとして保存して

同じ書式を何度も埋める仕事では、プロフィールの保存と呼び出しが効きます。次回は「総務用のプロフィールでこの書類を埋めて」で済みます。

契約書A.pdf、契約書B.pdf、別紙.pdfを1つのPDFに結合して
結合後のファイルは、元と別名で保存して
報告書.pdfを10ページごとに分割して

結合と分割は基本操作です。ページの見た目を確かめながら並べ替えたいときは、「ページ管理を開いて、並べ替えと削除を目で見ながらやりたい」と頼むと、ビューアー上で操作できます。ここでの変更は元のファイルを書き換えず、新しいコピーとして保存します。

署名機能でファイルが外に出るのはどこか

PDF Toolsは「ローカル優先」を掲げています。ただし、すべてが手元に閉じるわけではありません。境界は2つあります。

場面ファイルや内容の行き先
読み取り・入力・結合・分割・署名の配置ファイルや内容の行き先手元のPCで処理。PDF Tools自体は別サービスへ送らない
ツールが返したテキスト・画像・メタデータファイルや内容の行き先Claudeなど、使っているホストとモデルが処理する
Lumin電子署名の送信ファイルや内容の行き先準備済みPDFと宛先の氏名・メールアドレスがLuminへ送られる

2行目が見落とされやすい点です。PDF Toolsが返したテキストや画像は、使っているホストとモデルが処理します。ホストとモデル提供元のデータ規約が適用されるため、全体として外部送信がゼロとは限りません。機密書類を扱う場合は、アップロード先が増えないこととは別に、会話に内容が載る点を考慮します。

Luminによる電子署名は、明示操作のときだけ外部へ送る

署名の配置は手元で完結しますが、Lumin連携は別枠です。Luminには、Luminのツールを呼んだときだけ接続します。送信には次が必要です。

  • 署名用パケットの準備(prepare_signing_packet)が済んでいること
  • 手元でのプレビューを見たこと
  • Luminのセッションに接続していること
  • 送信内容を示した文面に、ユーザー本人が改めて同意していること

READMEは、同意文の鮮度と一致は検証できても、誰が入力したかまでは確かめられないと書いています。エージェントがユーザーの言葉や時刻を捏造してはならない、という前提で動く仕組みです。

もう1点、Lumin連携は「メンテナーが設定する統合」と説明されていて、個人がLuminアカウントを作っただけでは使えるようになりません。設定されていなければ、導入を管理している人に確認する、という扱いです。また、署名操作の永続ストアが対応するのはmacOSとLinuxで、Windowsでは、公開されているLumin連携は動かない設計です。

パスワード付きPDFは、チャットに入力しない

パスワード付きのPDFは、unlock_pdfで開きます。パスワードはチャットではなく、PDF Tools専用の手元のブラウザ画面に入力する設計です。許可はそのファイルと現在のサーバーセッションに限られ、10分で切れます。lock_pdfで明示的に終わらせることもできます。

読み取りの限界 — OCRは同梱されていない

スキャンしたPDFを読ませたい人は、ここを先に確認してください。PDF ToolsにはOCRエンジンが同梱されていません。テキストの読み取りはPDFのテキスト層を使います。

テキストが無いPDFでは、1ページ目を画像として返し、画像を理解できるモデルに見せる動きがあります。ページや範囲の画像化はビットマップを返すだけで、文字として認識された結果ではありません。テキストと画像が混在するPDFや、2ページ目以降が画像のPDFでは、広い範囲の読み取りが拾えない内容が残ることがあります。ローカルのOCRアダプターは別途エンジンの導入と設定が必要で、その出力も確認済みとは扱われません。

スキャン書類が中心なら、構造化に強い別の選択肢も検討できます。LlamaParseを接続して複雑なPDFを読ませる手順や、Docling MCPによるローカル変換が候補です。

使えない環境と、ほかの手段との使い分け

現状の対象はClaude Desktopと他のローカルMCPホストで、Claude CoworkやWeb版Claude向けのリモートコネクタはまだありません。ブラウザ版のClaudeからは使えません。

用途に応じた選び分けを、ここまでに触れた手段で比べます。

やりたいこと向く手段理由
手元のPDFに入力・結合・分割を施して保存向く手段PDF Tools理由ローカルのファイルを直接読み書きする
墨消しや署名をクラウド上で行う向く手段Nutrient理由ホスト型で、URL1本で接続する
複雑なレイアウトのPDFを構造化して読ませる向く手段LlamaParseやDocling理由変換と構造化が主目的
会話の中でPDFのフォームそのものを作る向く手段PDFフォーム作成理由手元のPDFを編集する話とは別の作業

PDF Toolsの機能は、既にあるPDFの読み取り・入力・整理が中心です。READMEが想定する利用者も、論文を読む研究者、書類を処理する事務担当、契約書を整理する法務、税務書類を扱う会計担当といった、手元のPDFを多く扱う人です。

使い始める前の確認事項

  1. 触れるフォルダは初期3か所だけ。仕事用フォルダは追加が必要です。
  2. 署名機能の電子署名送信は、ユーザーの同意文がそろわない限り実行されません。送信内容を示した文面に、本人がその場で同意を入力します。エージェントに代わりに入力させません。
  3. 読み取ったテキストと画像は、会話を通してClaudeに渡ります。社内規程で外部モデルへの入力が制限されている書類は、先に扱いを決めます。
  4. 同じファイルを書き換える変更には、バックアップの動作があります。それでも重要な書類は、元ファイルを別に控えてから作業します。

ツール名や対応環境はリポジトリ側で変わることがあるので、導入時にReleasesとREADMEの最新の記載を見直してください。

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