ClaudeのSketchUpコネクタで3Dモデルを作る手順 — .skpの受け取りと直し方
ClaudeのSketchUpコネクタは、会話から.skpファイルを作ります。接続手順、家具や増築案の頼み方、プレビューが静的な画像であることなど、先に知っておく制限をまとめます。
SketchUpコネクタを使うと、Claudeとの会話から3Dモデルの.skpファイルを作れます。家具の天板や脚の寸法、増築した部屋の大きさを文章で伝えると、Claudeがモデルを組み立ててダウンロード用のリンクを返します。
ただし、できるのは新しい.skpの作成までです。手元の.skpを読み込んで直す、完成品のようにレンダリングする、といった使い方はできません。この記事では、接続の手順、家具と増築案の頼み方、直し方、そして先に知っておきたい制限を順に扱います。
SketchUpコネクタでできること、できないこと
SketchUpコネクタは、Trimble SketchUpが提供するコネクタです。Claudeのコネクタ一覧では「Anthropic verified」と表示され、カテゴリはCreative、サインインが必要です。追加されたのは2026年4月です。
SketchUp側のヘルプによると、このコネクタで次のことができます。
- 基本形状と曲面を使って3Dモデルを組み立てる
- ジオメトリをグループやコンポーネントにまとめる
- あらゆるバージョンのSketchUpで開ける.skpファイルを出力する
コネクタで頼めること・頼めないこと
頼めること
文章や参考画像から、新しい.skpを作る。同じスレッドの中なら、変更点を伝えて作り直させる。
頼めないこと
既存の.skpの編集とレンダリング。ヘルプに「cannot edit or render an existing .skp file」とあります。
「既存の.skpを編集できない」という点は、増築案を考える人に効きます。いまの家のモデルをSketchUpで持っていても、それを読み込ませて増築部分だけ足すことはできません。増築部分を新しいモデルとして作らせ、既存のモデルとの合わせ込みはSketchUp側で手作業になります。
接続の手順
必要なのは、Trimble IDとClaudeのアカウントの両方です。Trimble IDはSketchUpのアカウントとして使うもので、持っていなければ先に作ります。
Claudeでの接続
- 1
Customizeを開く
Claudeの左側のナビゲーションで「Customize」を選びます。
- 2
Connectorsを選ぶ
「Connectors」を開き、「Connect Your Apps」を選びます。
- 3
SketchUpを探して追加する
ディレクトリでSketchUpを検索し、「Add」を押します。
- 4
詳細画面でConnectする
SketchUpコネクタの詳細画面で「Connect」を押し、画面の指示に沿ってSketchUpのアカウントと結びつけます。
Claudeのヘルプによれば、コネクタのディレクトリはClaude本体、Claude Desktop、Claude for iOS/Androidから開けます。Team・Enterpriseプランでは、組織のOwnerが先にコネクタを有効にする必要があり、その後に各メンバーが自分のアカウントで認証します。個人で使うならCustomizeからの追加だけで足ります。
SketchUpコネクタのページには、Claude側の対応プランの記載がありません。仕事用のワークスペースで接続できないときは、組織のコネクタ設定を管理者に確かめてもらうのが近道です。権限の見方はClaudeコネクタの権限設定と監査ログで扱っています。
家具の頼み方 — 寸法を先に書く
SketchUpのヘルプには、プロンプトの例が3つ載っています。
- 幅18インチ、長さ42インチの、先細りの脚を持つミッドセンチュリー風コーヒーテーブルを作る
- 底面が30フィート×45フィートで、切妻屋根のシンプルな2階建ての家を作る
- 黒いチェスのルークを作る
どれも、形の名前と寸法が一文に入っています。ヘルプが挙げるコツは3つです。
- 手元にあるスケッチ、写真、間取り図を参考画像として添える
- 寸法を具体的に書く。数字があるほど、Claudeが推測する余地が減る
- SketchUpで見たいもの、つまり形と比率で頼む。Claudeが作るのはジオメトリで、写真のようなレンダリングではない
単位にも注意が要ります。Claudeはインチ(長さ)を既定にモデルを作ります。メートル法で伝えても構いませんし、メートル法の単位設定でモデルを作るよう頼むこともできます。
日本の寸法はミリで考えることが多いので、次のように単位を明示して頼む形が安全です。以下は、ヘルプの例文を日本の使い方に置き換えた書き方の一例です。
幅900mm、奥行き450mm、高さ720mmのダイニング用ベンチを作ってください。
脚は4本で、断面は45mm角、天板の四隅から60mm内側に付けます。
天板の厚みは30mmです。単位はミリメートルで設定してください。インチとの換算が必要なら、1インチは25.4mmです。900mmは約35.4インチになります。ただ、換算は頼む側が頑張るより、単位を指定するほうが確実です。
増築案の頼み方 — 間取り図を添えて部屋単体で作る
部屋の増築案は、家具よりも伝える情報が増えます。寸法の書き方の型を決めておくと、やり取りが短く済みます。
増築部分は、母屋に接する辺・外形・高さ・開口部の4点に分けて書くと抜けが出にくくなります。
添付の間取り図の南側に、増築用の部屋を1つ作ってください。
- 外形: 東西3,640mm、南北2,730mm
- 床から天井までの高さ: 2,400mm
- 母屋に接する北側の壁には、幅1,650mm、高さ2,000mmの開口を1つ設ける
- 南側の壁に、幅1,690mm、高さ1,100mmの窓を1つ設ける
- 屋根は片流れで、母屋側を高くする
壁の厚みは外壁を150mm、母屋側は無しとして、単位はミリメートルです。増築部分と既存の家を一つのモデルに入れたいときは、既存の家の外形も寸法で書き添えます。ただし、その家をClaudeが「読み込んだ」わけではなく、寸法から新しく作ったものである点は変わりません。実際の家のモデルと重ねるなら、SketchUpで開いたあとに位置を合わせることになります。
参考画像の使い方は、ヘルプのとおり、スケッチ・写真・間取り図のいずれでも構いません。手描きのスケッチを写真に撮って添え、寸法は文章で補う使い方が現実的です。画像の寸法を読み取るのではなく、文章の寸法を主として、画像は形の参考にさせると、ずれの原因を追いやすくなります。
直す — 同じスレッドで変更点だけ伝える
最初のモデルが期待どおりでなくても、同じチャットの中で変更点を伝えれば直せます。ヘルプの例は次のとおりです。
- 脚をもっと細くして、内側へ2インチ寄せる
- 屋根の勾配が急すぎるので、緩くする
- 脚の間に下段の棚を足す
直すたびに、Claudeは同じ名前に版番号を付けた新しい.skpを作ります。バージョンごとの履歴は同じチャットの中で追跡されます。新しいスレッドを立てると、前の作業についてはほとんど引き継がれません。
違和感のある角度は、SketchUpの画面をスクリーンショットして次のプロンプトに貼ると伝わりやすくなります。ヘルプにもこの使い方が載っています。
直しの指示は、変えたい部位と量を数字で書くと再現しやすい形です。
直しの指示の書き方
曖昧な指示
脚をもう少しおしゃれにして。
部位と量を示す指示
脚の断面を45mm角から36mm角に細くし、天板の端から80mm内側へ寄せて。
先に知っておく制限
SketchUpのヘルプは、現状を「バージョン1」としたうえで、次の制限を挙げています。
制限事項
プレビューは静止画
Claudeの画面に出るのは静的なサムネイルで、3Dとして回して見られる表示ではありません。確かめるには.skpをダウンロードしてSketchUpで開きます。
モデルは保存されない
モデルはセッションをまたいでClaudeに残りません。作るたびに.skpをダウンロードしないと、成果物が手元に残りません。
無料枠は30モデル
SketchUpのFree権限で使う無料ユーザーは30モデルまで生成できます。31モデル目からは有料のSketchUpサブスクリプションが必要です。
複数スレッドの並行は不安定
複数のチャットでモデルを同時に作ると、出力が不安定になることがあります。複雑なモデルほど、作る前に計画して順番に進めるほうが安定します。
もう一つ、このコネクタに対応するAIはClaudeだけです。他社のAIアシスタントからは使えません。
無料枠の30モデルは何を数えるか
ヘルプは「モデル」を数えると書いていますが、同じスレッドで直すたびに作られる版番号付きのファイルが、それぞれ1モデルに数えられるかは書かれていません。数え方が分からないうちは、1回の依頼でできるだけ多くの指定を詰め込み、直しを重ねすぎないほうが無難です。
また、SketchUpには別にアプリ内のAIがあり、こちらはクレジット制です。AI Renderは10クレジット、Generate Object(画像か文章から3Dジオメトリを作る機能)は30クレジットで、Goは月100、Proは150、Studioは200クレジットが含まれます。これはアプリ内の機能の話です。コネクタの上限として載っているのは、上の30モデルです。クレジットに関する記述は、コネクタのページにはありません。
2つの公式ページで食い違う点
SketchUpコネクタには、説明の載るページが2つあります。Claudeのコネクタ一覧のページと、SketchUpのヘルプです。両方を読むと、細部が一致しません。
| 項目 | Claudeのコネクタ一覧 | SketchUpのヘルプ |
|---|---|---|
| プレビュー | Claudeのコネクタ一覧Claude内でモデルをプレビューできると書かれる | SketchUpのヘルプ静的なサムネイルで、3D表示ではない |
| ツール名 | Claudeのコネクタ一覧build_model、get_docs、save_model | SketchUpのヘルプget_docs、evaluate_py、save_model |
プレビューの食い違いは、実際の使い方に響きます。「Claudeの中で3Dを回しながら調整できる」と読める説明ですが、SketchUpのヘルプは静的なサムネイルだと明記しています。向きを変えて確認したい場合は、.skpをSketchUpで開く前提で考えておくのが確実です。
ツール名は、利用者が操作で選ぶものではありません。SketchUpのヘルプによれば、Claudeはまずget_docsでSDKを読み込み、evaluate_pyでライブのモデルに対してPythonコードを実行し、最後にsave_modelで保存してURLを返します。evaluate_pyは主要な部品や工程ごとに呼ばれ、実行のたびに、実体の名前や統計を含むスナップショットが作られます。モデルは一気にではなく、少しずつ組み立てられます。
3Dモデルを作るほかの方法との使い分け
Claudeで3Dの形を作る方法は、コネクタだけではありません。成果物の形式と、確かめ方が違います。
| 方法 | 成果物 | 確かめ方 | 向く場面 |
|---|---|---|---|
| SketchUpコネクタ | 成果物.skpファイル | 確かめ方SketchUpで開く | 向く場面家具・部屋・外構のたたき台を、後で手で直したいとき |
| Claude CodeとOpenSCAD | 成果物コードと画像 | 確かめ方CLIでPNGを書き出して読ませる | 向く場面寸法をコードで管理し、同じ形を再現したいとき |
| Claude CodeとThree.js | 成果物Webで動く3Dシーン | 確かめ方スクリーンショットで描画を確かめる | 向く場面ブラウザで見せる3D表現を作りたいとき |
コードで形を管理したいなら、Claude CodeでOpenSCADのモデルを作る手順が参考になります。ブラウザ向けの3D表現が目的なら、Claude CodeでThree.jsの3Dシーンを作る方法が合います。SketchUpコネクタは、完成を目指すというより、SketchUpの標準的なファイルに載せて人が手を入れる出発点を作る位置づけです。
同じCreativeカテゴリには、デザインを作るCanvaコネクタや、ボードに書き出すMiroコネクタもあります。図面や模様替えの検討では、SketchUpで形を作り、Miroで関係者と議論する、という分担も考えられます。
うまくいかないときの切り分け
モデルが期待と違うときは、次の順に見ていくと原因を絞れます。
モデルが期待と違うときの確認順
- Q寸法と単位をプロンプトに明記しましたか答えが寸法と単位を数字で書き足し、同じスレッドで作り直してもらう答えがはい
- QClaudeの画面のサムネイルだけで判断していませんか答えが.skpをダウンロードし、SketchUpで開いて確認する答えがはい
- Q同じ内容を複数のスレッドで同時に作っていませんか答えがスレッドを1つにまとめ、作業を順番に進める答えがはい
それでも直らないとき
直したい角度をSketchUpでスクリーンショットし、直す部位と量を数字で添えて同じスレッドに貼ります。
また、画面に出るリンクから.skpを保存し忘れると、モデルはセッションをまたいで残りません。作業の区切りごとにダウンロードして、ファイル名に日付や版を付けておくと、あとから見返せます。
よくある質問
既存の.skpを読み込んで増築案を足せますか
できません。ヘルプに、既存の.skpを編集できないと書かれています。増築部分を新しいモデルとして作り、既存のモデルとの合わせ込みはSketchUpで行います。
SketchUpのアカウントは必要ですか
必要です。ヘルプによれば、Trimble IDとClaudeのアカウントの両方を使います。
英語以外で頼めますか
コネクタのヘルプには、頼む言語に関する記述がありません。参考として、SketchUp内蔵のAI機能は英語のみの対応とされています(アプリ内AIの話で、コネクタとは別です)。日本語の指示で意図が伝わらないときは、寸法と部位名を数字と英単語で補ってみる方法があります。