ClaudeとSmartsheetを連携する方法 — 接続手順とできること
SmartsheetのConnectorを使うと、Claudeからシートの検索・更新・コメントまで行えます。Smartsheet側の条件、リージョン選択、権限設定、Claude Codeでの扱いをまとめます。
SmartsheetのConnectorは、シートの検索や集計だけでなく、行の追加・更新・削除、列の変更、コメントの投稿まで会話から実行できます。接続の手順は数ステップですが、つまずきやすい点があります。Smartsheet側のプラン条件、最初に選ぶリージョン、そして書き込みツールの権限設定です。この記事は、これらを軸に接続手順とClaude Codeでの扱いを説明します。
Smartsheet Connectorでできること
Smartsheet Connectorは、Smartsheet Inc.が開発し、Claudeのコネクタ一覧に「Anthropic verified」として載っている連携です。掲載ページのカテゴリはCommunicationとProductivityで、サインインが必要です。
掲載ページには全部で42個のツールが並びます。先頭に出るのは次の名前です。search、list_workspaces、get_sheet_summary、add_rows、update_rows、delete_rows、get_columns、add_columns、update_column、delete_column。
読み取りだけでなく、行・列・コメント・ディスカッションの作成、更新、削除まで揃っています。つまり「Claudeに読ませる」だけの連携ではなく、シートの中身を実際に書き換えられる連携です。請求や案件まで書き込める同種の例はClaudeとBonsaiの連携にあります。
Smartsheetのヘルプは、依頼文の型を用途別に紹介しています。たとえば次のような依頼です。
| 用途 | 依頼文の例(ヘルプの例を日本語にしたもの) |
|---|---|
| 遅延の早期発見 | 依頼文の例(ヘルプの例を日本語にしたもの)今後2週間で遅れそうなタスクを、未着手と進行中に絞って見せて |
| 週次の報告 | 依頼文の例(ヘルプの例を日本語にしたもの)Marketing Campaignシートで月曜から何が変わったかを要約して |
| 品質の点検 | 依頼文の例(ヘルプの例を日本語にしたもの)Owner・Due Date・Priorityのいずれかが空の行を探して |
| コメント運用 | 依頼文の例(ヘルプの例を日本語にしたもの)期限切れの各行にディスカッションを作り、担当者へ状況を尋ねて |
ヘルプは、ダッシュボードを読んで元シートの数字と突き合わせる使い方や、クロスシートのレポートを起点に元シートを更新する使い方も挙げています。1回の会話で「見つける、直す、コメントで記録する、再取得して確かめる」まで続ける流れが、書き込み権限を持つConnectorの特徴です。工数や予算までつなげて扱うならClaude Productive連携も選択肢です。
接続前に確認する3つの条件
接続の前に、次の3つがそろっているかを確かめます。
接続できないときに先に疑う3点
Smartsheetのプラン
Smartsheetのヘルプでは、対象プランはBusinessとEnterpriseで、Claudeのプランを使っている利用者が対象です。Claude側のプランとは別の条件です。
Claude側のOwnerの有効化
Claudeの組織で、Ownerによるこの連携の有効化が必要です。
Smartsheet側のAI機能
「Claude Connector AI capability」が有効である必要があります。対象プランでは既定で有効で、ブロックされているように見える場合はSmartsheetのシステム管理者がAdmin Centerで有効にします。
Claudeがアクセスできる範囲は、接続した本人がSmartsheetで持つ権限の内側に限られます。ヘルプによると、アクセスできるのは本人が閲覧・編集の権限を持つシート、ワークスペース、オブジェクトで、利用者が依頼を出したときだけです。Claudeが勝手にアカウント内を見て回ることはありません。
Connector全般のプラン別の違いは、Claude Connectorsとはにまとめています。
接続の手順とリージョンの選択
手順はSmartsheetのヘルプに沿っています。Claude側の画面操作は、個人でも組織でもここが入口です。
ClaudeからSmartsheetにつなぐ
- 1
コネクタの一覧を開く
Claudeにサインインし、「Customize」→「Connectors」を開きます。一覧にSmartsheetが無ければ、検索アイコンから「Smartsheet」を探します。
- 2
Connectする
Smartsheetを選んで「Connect」を押すと、Smartsheetの認証画面に移ります。Smartsheetの資格情報でログインし、「Allow」を押します。
- 3
リージョンを選ぶ
求められたら、契約しているSmartsheetのリージョンのURLを選びます。USは
https://mcp.smartsheet.com、EUはhttps://mcp.smartsheet.eu、AUはhttps://mcp.smartsheet.auです。 - 4
新しいチャットで有効にする
接続後に「Configure」ボタンとサーバーURLが表示されます。新しいチャットを始め、チャットのConnectorsでSmartsheetをオンにすると使い始められます。
注意したいのはリージョンです。選んだリージョンは接続の安定のために保持され、設定画面で切り替える項目はありません。ヘルプによれば、リージョンを変えたいときはConnectorを削除し、もう一度追加して、セットアップ中に新しいリージョンを選び直します。
リージョンの選択肢はUS・EU・AUの3つです。どれを選ぶかは自社のSmartsheetが載っているリージョンで決まるため、迷うなら先にSmartsheetの管理者へ確認します。
Team・Enterpriseの組織では、メンバーは自分のSmartsheetアカウントで個別にサインインします。
書き込みツールの権限を絞る
接続後に「Customize」→「Connectors」→「Smartsheet」→「Configure」を開くと、ツールごとの権限設定が出ます。個別のツールにも、読み取り系全体・書き込み系全体にも設定できます。値は次の3つです。
| 設定 | 動き |
|---|---|
| Always allow | 動き確認なしで実行する |
| Needs approval | 動き実行前に確認を求める。断るとそのツールは実行されない |
| Blocked | 動き実行を止め、ブロックされた旨を返す |
42ツールのうち、delete_rowsやdelete_column、delete_discussionのような削除系は、取り消しが難しい操作です。読み取り系だけを「Always allow」にし、書き込み系と削除系を「Needs approval」に置く構成が、Claudeに任せる範囲を明確にできる組み方の1つです。
Smartsheetのヘルプは、組織のシステム管理者がSmartsheet側で読み取り・書き込みの権限を切り替えられることにも触れています。Claude側の「Needs approval」はClaudeを使う人の確認の手間、Smartsheet側の設定は組織の上限、という役割の違いがあります。
一括更新の依頼は、対象が曖昧だと意図しない行まで書き換わります。「期限切れの全タスクをAt Riskに変える」といった依頼は、実行前に対象の件数と条件を復唱させてから進めます。列の追加や名前変更のような構造変更は、別のシートや連携先のシステムに響くことがあるため、テスト用のワークスペースで先に試せます。
Claude Codeで使うときの違い
Claude Codeでは、claude.aiに接続済みのSmartsheetがターミナルのセッションに追加設定なしで現れます。ただし、claude.aiのサブスクリプションでログインしているときだけです。
次のいずれかに当てはまると、claude.aiのConnectorは読み込まれません。
ANTHROPIC_API_KEY、ANTHROPIC_AUTH_TOKEN、apiKeyHelperのどれかが有効- Amazon BedrockやGoogle CloudのAgent Platformなど、サードパーティのプロバイダーを使用中
ANTHROPIC_PROFILEや認証フェデレーションの変数、Anthropicプロファイルが認証情報を供給しているclaude setup-tokenで作ったCLAUDE_CODE_OAUTH_TOKENが認証情報になっている(このトークンはモデルへのリクエストにしか使えません)
過去に/loginを実行していても、上の状態が優先されれば読み込まれません。確認と復旧は次の順です。
/status
/mcp/statusでどの認証方式が有効かを見て、APIキー系の環境変数やapiKeyHelperを外し、/loginでclaude.aiのアカウントを選び直します。/mcpの一覧でclaude.ai由来のサーバーに印が付いていれば、Smartsheetもそこに並びます。一度もサインインしていないConnectorは、一覧の末尾にあるShow unused connectorsの行にまとまっています。
ここで押さえておきたいのは、組織がツール制御で「Needs approval」(ask)にしたツールの扱いです。Claude Codeでは、そのツールを呼ぶたびに「Your organization requires approval for this tool」という理由で確認が出ます。acceptEdits・auto・bypassPermissionsの各権限モードでも確認は省かれず、「次から確認しない」という選択肢も出ません。許可ルール(allow rule)を足しても飛ばせません。dontAskモードでは確認しない代わりに、そのツールの呼び出しは拒否されます。
つまり、Claude Codeが自分でConnectorを取得するセッション(ターミナル・VS Code・JetBrains)では、自動化を強めても確認が残ります。組織がaskにした書き込み系ツールの手前で、人が止められます。無人で回す用途にSmartsheetのConnectorを使うなら、この挙動を前提にします。無人実行の組み方は、Cowork自動実行の手順で扱っています。
リポジトリ単位でclaude.ai由来のConnectorを止めたいときは、設定ファイルに次の1行を置きます。
{
"disableClaudeAiConnectors": true
}この設定は、どの設定スコープでtrueにしても有効で、プロジェクトのfalseでユーザー側や組織側のtrueを打ち消すことはできません。現在のシェルだけで止めるなら、ENABLE_CLAUDEAI_MCP_SERVERS=false claudeで起動する方法もあります。特定のConnectorだけを切るなら、/mcpでそのプロジェクトに限ってオフにできます。
Claude Codeでの扱いは、セッションの動く場所でも変わります。ターミナル・VS Code・JetBrainsのセッションは、Claude Code自身がclaude.aiからConnectorを取得します。クラウドセッションでは実行側のホストがConnectorを渡し、デスクトップアプリのローカルとSSHのセッションでは、アプリがConnectorを取り込みます。上のdisableClaudeAiConnectorsが効くのは、Claude Codeが自分で取得する1つ目のケースだけです。デスクトップアプリのローカルとSSHのセッションでは、組織のaskは届かず、そのセッションの通常の権限ルールが適用されます。
接続を解除する・作り直す
不要になったら、「Customize」→「Connectors」のSmartsheetの項目から削除します。リージョンを変える場合も同じく、削除してから追加し直します。
よくあるつまずき
- 接続したのにSmartsheetが検索に出ない: チャットのConnectorsでSmartsheetがオフのままです。会話ごとにオンにします
- 一覧にSmartsheetが出ない、またはブロックされて見える: Claude側ではOwnerの有効化を、Smartsheet側ではAI機能の有効化と対象プラン(BusinessまたはEnterprise)を確かめます
- Claude Codeの
/mcpにSmartsheetが無い: 認証方式がclaude.aiのサブスクリプションになっていません。/statusで確認します - 別のリージョンを選んでしまった: 設定画面では直せません。Connectorを削除して追加し直し、正しいリージョンを選びます
- 書き込み結果が想定と違う: 依頼に、シート名・ワークスペース名・条件・期間を入れます。Smartsheetのヘルプも、期間とデータの出どころを具体的に指定するよう勧めています
まとめ
止まる箇所は、Claude側のOwnerの有効化より、Smartsheet側のプラン・リージョン・AI機能の設定に多くあります。個人の設定で書き込み系と削除系のツールを「Needs approval」にしておくと、会話の中で確認を挟めます。組織がaskにしたツールは、ターミナル・VS Code・JetBrainsのClaude Codeでも毎回確認が出ます。