SmartsheetとCoworkで週次進捗レポートを自動生成する手順
SmartsheetをCoworkのConnectorとして接続し、Scheduled Tasksと組み合わせて週次の進捗レポートを自動生成する手順と、書き込み操作の任せ方をまとめます。
Smartsheetでプロジェクトを管理しているチームは、毎週のステータス確認をCoworkに任せられます。SmartsheetをConnectorとして接続し、Scheduled Tasksで実行タイミングを固定すれば、シートの検索・集計・要約を決まった曜日に自動で回せます。
この構成で迷うのは、接続よりも権限の設計です。Smartsheetのコネクターには、読み取り用のツールと並んで、行や列を削除するツールまで含まれています。週次レポートに必要なのは読み取りだけなので、どのツールをどの承認設定にするかが中心の論点になります。
SmartsheetコネクターがClaudeに渡す42のツール
SmartsheetはClaudeのConnectorsディレクトリに掲載された連携です。掲載ページでは「Anthropic verified」、開発元はSmartsheet Inc.、追加時期は2026年1月、サインインは必須と表示されています。ツールは全部で42個あり、名前から読み取り・作成と更新・削除の3つに分けられます。
Smartsheetコネクターの42ツールを3つに分ける
読み取り(22個)
searchfind_in_sheetlist_workspacesbrowse_workspacebrowse_folderget_sheet_summaryget_columnsget_cell_historyget_sheet_versionget_sheet_pathlist_shareslist_dashboardsget_dashboardlist_reportsget_reportlist_discussionsget_discussionlist_attachmentsget_attachmentlist_favoritesis_favoriteget_resource_guide作成と更新(14個)
add_rowsupdate_rowsadd_columnsupdate_columncreate_sheetcreate_foldercreate_workspacecreate_dashboardcreate_reportcreate_discussionadd_commentupdate_commentattach_urladd_favorites削除(6個)
delete_rowsdelete_columndelete_commentdelete_discussiondelete_attachmentdelete_favorites
3群への振り分けは、ツール名から読み取ったものです。掲載ページがツールごとの読み書き区分を示しているわけではありません。
週次の進捗レポートで使うのは、読み取り側のツールです。シートを探して構造を知るところが入口で、集計には get_sheet_summary、更新の履歴には get_cell_history を候補にします。
「期限切れの行を自動でAt Riskにする」のような更新は、update_rows で技術的には可能です。ただし、それは要約レポートとは別の仕事として切り分けるほうが、あとから結果を追いやすくなります。
掲載ページには、利用者向けの注意も載っています。コネクターは開発者が用意するもので、Anthropicはツールの内容を管理せず、期待どおりに動くことも変更されないことも検証できない、という趣旨です。
個人のClaudeアカウントでの基本的な接続手順と製品面ごとの対応状況は、ClaudeとSmartsheetを連携する方法にまとめています。Coworkが外部サービスにつながる3層構造はClaude CoworkのConnectors一覧が扱っており、Smartsheetはこのうちディレクトリ層です。
前提条件
必要なのは次の2点です。
- Coworkの有料プラン。Scheduled TasksはPro・Max・Team・Enterpriseの全有料プランで使えます
- 対象のシートにアクセスできるSmartsheetアカウント。コネクターには、そのアカウントでサインインします
接続手順 — Connectorsディレクトリから追加する
CoworkにSmartsheetをつなぐ
- 1
コネクターの管理画面を開く
チャットボックスの「+」メニュー、または「Customize」>「Connectors」のページから開きます。Claudeが使えるコネクターは、この2か所で管理されます。
- 2
Smartsheetを探して追加する
ディレクトリでSmartsheetを探して追加します。ディレクトリ上のカテゴリはCommunicationとProductivityです。
- 3
サインインして権限を許可する
Smartsheetにサインインして、接続を許可します。サインインは必須です。
Team・Enterpriseプランでは、管理者が組織の設定でCoworkの機能を絞っている場合があります。たとえばコネクターの書き込み系ツールには、「Always allow」を許可するかどうかの組織設定があり、既定ではオフです。
オフのあいだは、以前保存した「常に許可」の選択も書き込みツールには効きません。メンバーはタスクごとに承認します。
Scheduled Tasksで週次レポートを組む
接続が済んだら、自動実行の器を作ります。作り方は2通りです。
Scheduled Tasksの作り方は2通り
Create with Claude
左サイドバーの「Scheduled」から「New task」を選び、「Create with Claude」を選びます。Claudeが選択式の質問をしたあと、タスク名・スケジュール・内容を示すので、「Schedule」を押すと登録されます。Cowork内なら /schedule と入力する方法もあります。
Set up manually
「New task」から「Set up manually」を選び、タスク名・依頼文・承認モード・実行頻度を入力します。使用モデルと作業フォルダーは任意です。頻度は毎時・毎日・毎週・平日のみ・手動から選びます。
Pro・Maxでは、新しいClaudeの画面が段階的に展開されています。メッセージ欄に「Chat」と「Cowork」の選択肢が出ない画面では、通常の会話の中で「毎週月曜の9時に〜をまとめて」と頼みます。
Claudeが提案するタスク名・スケジュール・指示を確認し、「Schedule」を押す流れです。
スケジュールしたタスクは、通常のCoworkタスクと同じく、コネクター・スキル・導入済みのプラグインを使えます。プラグインはアカウントに保存されるため、チャットやClaude Codeでも同じものが動きます。ターミナル上のコーディングエージェントであるClaude Codeと、資産を共有できるわけです。
Scheduled Tasksの基本的な使い方と他の定型業務パターンは、Cowork Scheduled Tasksで定型レポートを自動化する実践パターンで扱っています。
週次進捗レポートの依頼文には、次の3要素を具体的に書くと仕上がりが安定します。
| 要素 | 記述例 |
|---|---|
| 対象シート・ワークスペース | 記述例「Marketingワークスペースのプロジェクトトラッカーシート」 |
| 集計する指標 | 記述例「ステータス別のタスク件数、期限切れタスクの一覧、担当者ごとの遅延件数」 |
| 出力形式 | 記述例「箇条書きで3段落以内」「チャット上に出力するだけ」 |
依頼文の一例です。
「毎週月曜9時、Marketingワークスペースのプロジェクトトラッカーシートを確認し、期限切れタスクの一覧と担当者ごとの遅延件数を3行以内で要約して。要約はチャット上に出力するだけでよい」
読み取りだけで回す権限の組み方
Coworkには、操作の前に確認を求める頻度を決める3つのモードがあります。Manual(旧名「Ask before acting」)、Auto(Automatically approve)、Skipの3つです。Skipの旧名は「Act without asking」で、正式名はSkip all approvalsです。
コネクターのツール側にも、「Always allow」「Needs approval」「Blocked」の3段階の権限があります。組み合わせの結果は次のとおりです。
| モード | Always allow | Needs approval | Blocked |
|---|---|---|---|
| Manual | Always allow承認される | Needs approval都度確認 | Blocked拒否 |
| Auto | Always allow読み取り専用は承認、書き込み・削除はClaudeが判断 | Needs approvalClaudeが判断 | Blocked拒否 |
| Skip | Always allow承認される | Needs approval承認される | Blocked拒否 |
注目するのは右端の列です。「Blocked」は、どのモードでも拒否になります。Smartsheetの読み取りツールだけを「Always allow」にして、削除系の6ツールを「Blocked」にしておけば、依頼文の書き方に関係なく、行や列の削除はタスクから実行できません。
依頼文の「削除しないで」は文章上の約束にとどまります。ツール権限は、仕組みとしての制限です。
Coworkの「ファイルを完全に削除する前に必ず許可を求める」保護は、ファイルが対象の説明で、コネクターの削除ツールには触れていません。だからこそ、ツール側の「Blocked」が意味を持ちます。Skipモードでは実行前の検査も働かないため、削除系を残したままSkipで回すと、削除を止める仕組みはツール側の「Blocked」だけになります。
Autoモードは、各操作を実行前に安全性の観点で検査し、危ないと判断したものを止めます。ブロックされるとClaudeは別の手段を探すか、利用者に直接尋ねます。ブロックが続けば、1ステップずつ許可を求める状態に戻ります。検査のぶん、他のモードより使用量を多く消費します。
Team・Enterpriseでは、読み取り専用のツールが承認を免除されるのは、コネクター側が読み取り専用と注記している場合に限られます。注記のないコネクターでは、すべてのツールが承認の対象です。Smartsheetのツールにその注記があるかどうかは、掲載ページには出ていません。
Scheduled Tasksの安全面の案内も、同じ方向です。スケジュールしたタスクは、利用者が見ていない間にクラウドで動きます。
- まず要約や情報の収集のような、低リスクの作業から始める
- 機密ファイルを扱わず、メッセージの送信や購入のような取り消しにくい操作を避ける
- 実行のたびに結果を見直す
- 使わなくなったタスクは、放置せず一時停止か削除にする
Slackへの投稿は、取り消しにくい操作にあたります。まずチャット上に出力させ、内容が安定してから足します。
承認モードの種類とツールごとの権限設定は、Cowork自動承認モードとはにまとめています。
複数コネクタ横断のレポートとの使い分け
Smartsheetだけでプロジェクト管理が完結しているなら、本記事のような単一Connectorの定期実行で足ります。一方、進捗情報がメール・Slack・会議メモなど複数のツールに散らばっているチームでは、話が変わります。
Claudeでプロジェクトの進捗レポートを自動生成する方法では、Gmail・Slack・Google Driveなど複数Connectorを同時に横断検索します。報告の食い違いを突き合わせて、1つのトラッカーに統合するやり方です。Workfrontを使う案件の例はClaudeとAdobe Workfrontを連携して週報とRAIDを更新する手順にあります。
Smartsheet1本の定型レポートなら本記事の方法が手早く、ツールをまたいだ食い違いの検出まで必要なら横断のやり方が向いています。
週次以外への応用と、書き込みを任せる範囲
同じ仕組みは日次・月次にも展開できます。日次なら前日に更新されたタスクの速報、月次ならプロジェクト全体の進捗率、と頻度を変えるだけで流用できます。
書き込みを任せるときは、対象を絞ったうえで1つずつ増やします。たとえば add_comment だけを許可して、期限切れの行にコメントを付ける運用なら、行の値を書き換える update_rows よりも影響が比較的小さい書き込みです。
get_cell_history はセルの履歴を扱うツールで、書き込みの結果を事後に追う手がかりになります。ただし、履歴を見られることと元に戻せることは別です。
実行される場所と、2026年10月6日の変更
スケジュールしたタスクはリモートで動きます。パソコンがスリープしていても、Claude Desktopアプリを閉じていても、決まった時刻に走ります。
ただし、ローカルのファイルやアプリを必要とするタスクは、ローカルでのみ動きます。Smartsheetだけで完結する週次レポートでは、作業フォルダーを指定しません。
2026年10月6日から、ProとMaxのプランでは、新しいCoworkタスクがクラウドで動きます。設定の「Only on your computer」は削除されます。すでにパソコン上で始めたタスクは、そのままパソコン上に残ります。
Team・Enterpriseには、組織設定の「Run Cowork in the cloud」に、組織全体のトグルが別にあります。
よくあるつまずき
- Smartsheetのデータが空で返る: 接続が有効か、対象のシートにアクセスできるアカウントでサインインしているかを見ます
- 依頼文が曖昧で毎週結果がぶれる: 「進捗まとめて」だけでは、対象シートも期間も定まりません。シート名・ワークスペース名・集計する指標を具体的に書くほど再現性が上がります
- 過去の回の結果を見返したい: 実行済みの回は、左サイドバーの「Scheduled」から過去の実行として見直せます
- 承認の挙動が画面と違う: Pro・Maxの新しいClaudeの画面では、メッセージ欄の権限設定がAutoとManual(既定)の2択で表示されます
まとめ
週次レポートは読み取りツールだけで始められます。書き込みを足す段階では、結果を事後に追えるかどうかが分かれ目で、履歴を見られても元には戻せない点を前提に、1ツールずつ許可を広げていく形になります。