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Claudeで退職証明書と離職票の下書きを作る手順

Claudeで退職証明書と離職票の下書きを作る手順

労働基準法22条の退職証明書と、ハローワークが交付する離職票の違いを押さえ、人事データからClaudeに下書きさせる手順と請求外項目の点検方法をまとめます。

退職証明書はClaudeで下書きできます。離職票は会社が作る書類ではないため、下書きの対象は会社がハローワークへ出す離職証明書の記載内容です。この二つを取り違えたまま依頼すると、存在しない書類の下書きが返ってきます。違いを押さえたうえで、人事データの渡し方と点検の仕方を手順にします。

退職証明書と離職票は誰が何のために出す書類か

名前が似ていても、根拠の法律も、出す人も、使い道も別です。

項目退職証明書離職票
根拠退職証明書労働基準法22条離職票雇用保険法の施行規則(7条・17条など)
作る人退職証明書会社(使用者)離職票ハローワークが交付
会社が作るもの退職証明書退職証明書そのもの離職票離職証明書(離職票の元になる書類)
きっかけ退職証明書労働者の請求離職票会社の資格喪失届の提出
主な使い道退職証明書転職先や手続き先への退職事実の証明離職票失業給付(基本手当)の受給手続き

Claudeに任せられるのは、会社側の文書である退職証明書の本文と、離職証明書に書く事実関係の整理です。離職票の様式そのものは、会社が資格喪失届と離職証明書を出したあとにハローワークが作ります。

労働基準法22条は退職証明書に何を求めているか

22条1項は、労働者が退職の場合に証明書を請求したとき、使用者は遅滞なく交付しなければならないと定めています。証明の対象は次の5項目です。

  • 使用期間
  • 業務の種類
  • その事業における地位
  • 賃金
  • 退職の事由(解雇の場合は、その理由を含む)

下書きの設計で最も効くのは、3項の制約です。証明書には、労働者の請求しない事項を記入してはならないとされています。5項目すべてを埋める雛形をそのまま使うと、請求のない項目まで書いてしまいます。

4項は、使用者があらかじめ第三者と謀り、労働者の就業を妨げる目的で、国籍・信条・社会的身分・労働組合運動に関する通信をすることや、証明書に秘密の記号を記入することを禁じています。罰則は、1〜3項の違反が30万円以下の罰金(120条)、4項の違反が6月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金(119条)です。

もう一つ、2項の解雇理由証明書があります。解雇の予告がされた日から退職の日までの間に、労働者が解雇の理由について請求した場合の証明書です。予告後に労働者が解雇以外の事由で退職したときは、退職日以後は交付を要しません。退職後に出す1項の証明書とは請求のタイミングが違うので、依頼文に「どちらの証明書か」を明記します。

離職票は会社が作らず、離職証明書がその元になる

雇用保険の手続きの流れは次のとおりです。

  1. 会社は、被保険者でなくなった事実のあった日の翌日から10日以内に、資格喪失届をハローワークへ出します。
  2. 原因が離職のとき、資格喪失届に離職証明書と、賃金台帳など離職前の賃金額を証明できる書類を添えます。
  3. ハローワークが離職票を交付します。交付は、会社を通して行うこともできます。

ただし、離職者本人が離職票の交付を希望しないときは、資格喪失届に離職証明書を添えなくてよいとされています(施行規則7条3項)。離職日に59歳以上の人は、この例外の対象外で、希望の有無にかかわらず離職証明書が要ります。離職証明書を作るかどうかは、退職者本人の希望を確認してから決めます。

ハローワークの案内では、離職証明書の氏名は離職前に本人が記載することになっています。そのため、離職理由などの記載内容は、離職前に本人が確認できる状態にしておく必要があります。会社が一方的に書き切る書類ではありません。

離職理由の重みも押さえておきます。ハローワークは受給資格の決定のときに離職理由を判定します。自己都合で退職した場合は、待期期間の満了後2か月間(過去5年間に2回以上自己都合で離職しているときは3か月間)は基本手当が支給されません。所定給付日数も、離職理由・離職時の年齢・被保険者であった期間で変わります。

本人が異議を持つ典型は、実際は会社からの退職勧奨なのに自己都合と書かれている場合です。この場合はハローワークが事実関係を調べ、離職理由を判定します。離職理由の区分ごとの判定基準や各欄の書き方は、ハローワークの記入例と窓口の案内で確認します。

離職票が届かないときは、Claudeでなくハローワークに相談する

会社から離職票が交付されない場合や、事業主が行方不明の場合は、住居地を管轄するハローワークに問い合わせるよう案内されています。施行規則17条には、離職証明書を添えて被保険者であった本人が請求する経路も置かれています。事業主の所在が明らかでないなどのやむを得ない理由があるときは、離職証明書を添えずに請求できます。

人事担当者の側から見れば、離職票の交付が遅れると、退職者は失業給付の手続きに入れません。資格喪失届の期限を管理表に載せ、Claudeに期限までの残り日数を一覧で出させると、出し忘れを減らせます。

Claudeに渡す人事データと請求項目の決め方

退職証明書の下書きで最初にやるのは、Claudeに渡す前の準備です。請求された項目を先に決め、その項目に対応するデータだけを渡します。

次のような一覧を用意します(氏名や住所は入れず、社員番号やダミー名で足ります)。

社員ref,請求_使用期間,請求_業務,請求_地位,請求_賃金,請求_退職事由,入社日,退職日,業務,地位,月額賃金,退職事由
A-001,1,1,1,0,0,2019-04-01,2026-09-30,経理事務,主任,,

この例は、使用期間・業務・地位の3項目だけが請求された想定です。賃金と退職事由の列は、請求がないので空にしています。Claudeには「請求フラグが1の項目だけを書く」という規則を守らせます。

ファイル形式は、Wordの.docxで下書きを出させると、そのまま手直しできます。Claudeのファイル作成機能は、Excel(.xlsx)・PowerPoint(.pptx)・Word(.docx)・PDFを作れます。作ったファイルはダウンロードでも、Google Driveへの保存でも受け取れます。

退職証明書を下書きさせるプロンプトと、請求外項目の点検

依頼文は、書く範囲・書かない範囲・不明時の扱いの3点を先に固定します。次は例です。

添付の一覧の社員ref=A-001について、労働基準法22条1項の退職証明書を
Word(.docx)で下書きしてください。
 
ルール:
- 請求フラグが1の項目だけを記載し、0の項目は行ごと作らない
- 退職の事由は、私が入力した文言をそのまま使い、言い換えや補完をしない
- データが空の項目は推測で埋めず、「要確認」と書いて理由を添える
- 国籍・信条・社会的身分・労働組合運動に関する記載、備考欄、
  秘密の記号は入れない
- 最後に、記載した項目と請求フラグの対応表を出す

対応表を求めるのが要点です。表に出た項目と請求フラグを見比べれば、請求外の項目が混ざっていないかを数秒で確認できます。

生成後は、同じ会話で次の点検を依頼します。

作成した退職証明書を読み直し、次を確認してください。
1. 請求フラグが0の項目に当たる記載が、本文・表・備考のどこにもないか
2. 「要確認」が残っている箇所の一覧
3. 私の入力にない事実(日付・金額・理由)を書き足していないか
問題があれば、該当箇所と直し案だけを出してください。

Claudeの出力は、初回のまま使わない前提で扱います。公式ヘルプも、要望に合うよう出力を確認して手直しする必要がある場合があると案内しています。証明書を渡す前に、人事担当者が退職日・地位・賃金を台帳と突き合わせる工程は省けません。

退職事由が解雇の場合は、事由の欄に解雇の理由を含めるのが1項の定めです。理由の文面は、就業規則上の根拠や経緯を人が確認したうえで入力し、Claudeには清書だけを頼みます。理由をClaudeに考えさせると、事実にない経緯を作文する恐れがあります。

離職証明書の記載内容を、事実ベースで整える

離職証明書のほうは、様式を埋める作業をClaudeに任せるより、材料の整合性を確かめる用途が向いています。渡すのは、入退社日・雇用形態・賃金台帳の該当期間・退職までの経緯メモです。頼める作業は次のとおりです。

  • 資格喪失届の提出期限(事実のあった日の翌日から10日以内)を、人が確定した日付から数えて一覧にする
  • 賃金台帳の月ごとの数値を表にまとめ、抜けている月を指摘させる
  • 退職までの経緯メモを、日付順の事実の並びに直させる
  • 退職証明書の退職事由と、離職証明書の離職理由が食い違っていないか突き合わせる

最後の突き合わせは、先ほどの異議の例に直結します。退職証明書では「会社都合の退職勧奨」に近い経緯なのに、離職証明書側が自己都合の扱いになっていると、本人の給付制限に響きます。ここで食い違いが見つかったら、Claudeに修正させず、人事担当者が事実を確認して決めます。

離職理由の判定はハローワークの仕事です。Claudeに「どの区分に当たるか」を判断させても、その答えに公的な効力はありません。区分の候補を尋ねるとしても、あくまで確認の材料にとどめ、最終の選択は記入例と窓口の案内で行います。

人事データを入れるときの条件と注意

退職者の情報は個人情報です。Claudeへの入力範囲は、この点を前提に決めます。

ファイル作成機能の利用条件も確認しておきます。コード実行とファイル作成は、Free・Pro・Max・Team・Enterpriseのすべてのプランで、Web・デスクトップ・モバイルで使えます。Free・Pro・Maxでは既定で有効です。TeamとEnterpriseでは、組織のオーナーが組織設定で無効にできます。ネットワークアクセスは、TeamとEnterpriseで既定で無効です。

ファイルの最大サイズは、アップロード・ダウンロードとも1ファイル30MBです。ファイル作成は通常のチャットより多くの利用上限を消費します。多数の社員分を一度に生成すると、上限に早く届く場合があります。

セキュリティ面では、外部のファイルやWebサイトに紛れた指示によって、Claudeが会話内のデータを外部に送るよう誘導される可能性が、公式ヘルプに書かれています。対策として、動作を監視し、意図しないデータへのアクセスが見えたら止めるよう案内されています。人事資料では、出所の分からない添付ファイルを一緒に読み込ませない運用が合います。

人事システムのデータとClaudeを連携させる話は、SmartHR従業員データをClaudeで確認・更新する人事効率化が具体例です。

提出前に人が見るチェックリスト

Claudeの出力を書類として使う前に、次の表で一巡します。

書類確認すること確認の相手先
退職証明書確認すること請求された項目だけが載っているか確認の相手先本人からの請求記録
退職証明書確認すること使用期間・地位・賃金が台帳と一致するか確認の相手先労働者名簿・賃金台帳
退職証明書確認すること解雇の場合、理由を含んでいるか確認の相手先解雇通知・就業規則
退職証明書確認すること国籍・信条・社会的身分・組合活動に関する記載や秘密の記号がないか確認の相手先本文全体
離職証明書確認すること離職前に本人が氏名を記載し、離職理由を確認したか確認の相手先本人
離職証明書確認すること賃金台帳など、賃金額を証明する書類を添えたか確認の相手先賃金台帳
資格喪失届確認すること事実のあった日の翌日から10日以内に出せるか確認の相手先資格喪失の日付
両方確認すること退職事由と離職理由が食い違っていないか確認の相手先経緯メモ

まとめ

退職証明書は労働基準法22条の書類で、請求された項目だけを書くのが決まりです。離職票はハローワークが交付し、会社が作るのは離職証明書と資格喪失届です。

Claudeの役割は、請求フラグに沿った本文の下書きと、書いた項目と請求項目の対応表づくりです。離職理由の判定や、事実関係の確定は任せられません。依頼文に「請求外は書かない」「空欄は要確認」を固定し、出力後に人が台帳と突き合わせる。この手順であれば、下書きの速さを活かしながら、22条の制約も守れます。

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