ClaudeとUnifyを連携する方法 — アウトバウンドを会話で回す
営業リストの作成、連絡先の補完、シーケンスの下書き、CRM更新、返信率の集計までをClaudeから進めるUnify Connectorの接続手順と、送信前に止める設計をまとめます。
Unify Connectorをつなぐと、見込み客のリスト作成から連絡先の補完、メール配信シーケンスの下書き、CRMへの書き戻しまでをClaudeの会話から頼めます。さらに「どのシーケンスの返信率が高いか」「担当者ごとの活動量はどうか」といった集計も、同じ会話で聞けます。
接続そのものは数クリックで終わります。つまずきやすいのは、そのあとです。Unifyの中でエージェントが走る仕組みを知らないと、Claudeの承認設定をどこに置けばよいかが分かりません。この記事は、接続手順、ツールの構成、送信前に人が止まる位置の順で説明します。
なお、名前の似た別製品にClaudeとCloudBees Unifyの連携があります。そちらはフィーチャーフラグとCI/CDの製品で、ここで扱うUnify(GTM向け)とは無関係です。
Unify Connectorとは — 提供元・接続先・何ができるか
UnifyはGTM(市場開拓)向けのプラットフォームです。ClaudeのConnectorsディレクトリでは「Anthropic verified」の表示付きで、カテゴリは「Sales & marketing」、提供元はUnify、サインインは必須です。追加は2026年8月で、接続先は https://mcp.unifygtm.com/mcp です。
ディレクトリの説明文は、次の流れを挙げています。
- 対象リストの作成(11億人以上の人物、6,500万社以上の企業、40以上のデータ提供元を検索。原表記は1.1B+、65M+、40+)
- 検証済みのメールアドレスと電話番号による連絡先の補完
- パーソナライズしたシーケンスの下書き
- CRMへの同期
- シーケンス別の返信率、担当者の活動、コンバージョンの確認
質問例として、ページには「Find champions from my customer accounts who recently started new roles, get their verified emails and mobile numbers, and draft a sequence」と、「Show me the breakdown of tasks completed by reps over the last 30 days」が載っています。
Claudeに頼める作業の区分
作る
ICPに合う企業・人物のリストを作ります。Unifyの提供元ドキュメントには「Series Bのフィンテックで従業員50〜200人」といった条件の例があります。
書く
リストの相手に向けた送信前のメール文面を、シーケンスの形で下書きします。
戻す
CRMのレコードを更新します。Salesforceの例では、アカウントにICPのランクを書き込む依頼が挙がっています。
測る
返信率、担当者ごとのタッチ数、タスクの消化数を聞きます。
ClaudeのWebとDesktopで接続する
Unifyの手順は3段です。
ClaudeにUnifyを追加するまで
- 1
コネクタの一覧を開く
Unifyのドキュメントは「Settings → Extensions → Browse extensions」を案内しています。Claude側のヘルプでは同じ画面を「Connectors」と呼んでいるので、表記が合わないときは設定内でConnectorsの一覧を探してください。
- 2
Unifyを探して追加する
Unifyで検索し、認証済みの公式コネクタを選びます。 - 3
Unifyのアカウントでログインする
求められたらUnifyのアカウントでログインします。接続後は、そのユーザーが見える範囲のデータだけがClaudeに渡ります。
Team・EnterpriseのプランではConnectorを有効にするのがOwnerまたはPrimary Ownerです。有効化してもメンバーが自動で認証されるわけではなく、各自のログインが別に要ります。Ownerが組織側で進める流れの全体は、ClaudeとClarifyを連携する方法の接続手順が同じ型です。
Claude Codeで使う場合
Claude Codeでは、Unifyが配布するプラグインを入れる方法が案内されています。
claude plugin marketplace add unifygtm/agent-plugins --scope user
claude plugin install unify@unify-plugins --scope user入れたらClaude Codeを完全に再起動し、/mcp を実行してUnifyのログインを済ませます。プラグインにはUnifyのスキルとMCPの設定が同梱されています。Claude Codeから営業リストを引く用途は多くありませんが、開発チームがCRM連携のスクリプトと並べて使うときには、この経路が選べます。
会話の裏側 — Claudeが呼ぶのはUnifyのエージェント
ここがUnify Connectorの特徴です。ClaudeがUnifyのデータを1件ずつ検索するのではなく、Unify側のエージェントに仕事を渡します。ドキュメントによれば、MCP経由の操作は「chat in Unify」と同じエージェントが動かします。
流れはこうです。
- Claudeが
run_agentに自然文の依頼を渡す。実行IDと、Unify上の会話リンクがすぐ返る - エージェントはバックグラウンドで動く。Claudeは
poll_agentで状態を見る - 状態が
PENDINGの間は待つ。エージェントから質問があればCLARIFICATION_NEEDEDになり、Claudeがanswer_questionで答える - 状態が
READYになったら、read_agent_resultsで最終回答と生成された表を読む
途中で止めたいときは cancel_agent、過去の実行は list_agent_runs で引けます。会話リンクをUnifyで開くと、表やシーケンスのプレビューを画面で確認でき、「Fork to continue」でUnifyの中に会話を引き継げます。
この構造から、実務で効く点が2つ出ます。
リストが大きいほど、会話の中では完結しません。結果はUnify側に溜まり、Claudeは要約と表を受け取る形です。細かな調整はリンク先で行うほうが速い場面があります。
クレジットの消費先はUnifyです。ドキュメントは「MCPの接続に別料金はない」と明記しています。一方で、実行にはワークスペースのチャット用クレジットが必要です。クレジット不足やユーザーごとのレート制限に当たると、ツールのエラーとして返ります。エラーを出さずに止まることはありません。
プロンプトはUnifyの用語で書く
ドキュメントの使い方のコツは、Unify自身の言葉で頼むことです。「sequence」「enrich」「prospect」「play」「audience」を使い、「campaign」や「segment」のような一般語を避けると、Claudeが正しいUnifyの操作に結びつけやすくなります。また、あとで確認したい仕事は、バックグラウンドで動くエージェントのタスクにするよう明示できます。
Start an agent run to prospect a new list, and give me a link to check on it.これは提供元の例文そのままです。日本語で頼むときも、sequence や enrich のような語は英語のまま混ぜておくと意図が伝わりやすくなります。
送信の前に人が止まる位置を決める
営業メールは、送った後に取り消せません。ここでは2つの層を分けて考えます。Unifyの側にある確認と、Claudeの側にある承認です。
Unify側 — 下書きは承認するまで送られない
Unifyのエージェント型シーケンスは、チャットで始めた場合に受信者ごとのメール文面を「登録キュー」に下書きとして並べます。担当者は内容を確かめ、「Enroll in sequence」で承認して初めて登録が始まります。複数人をまとめるときは「Enroll selected」です。自動送信は、そのシーケンスの送信スケジュールに従って始まります。
登録の入口によって挙動が違う点に注意が要ります。
| 入口 | 挙動 |
|---|---|
| チャット | 挙動下書きを作り、承認してから開始 |
| リスト | 挙動チャットを開き、選んだ人の下書きを作って確認 |
| 個人のレコード | 挙動内容を作り、下書きの承認なしで登録を開始 |
送信用のメールボックスをあらかじめ接続しておく必要もあります。Claudeから頼むときは、どの入口を使うかを依頼文で指定しておくと、意図しない自動開始を避けられます。
Claude側 — 承認が必要なツールを選ぶ
Unifyが公開するツールのうち、送信や削除に近いものは次のとおりです。
| 区分 | ツール |
|---|---|
| 登録を始める | ツールcreate_sequence_enrollment、approve_sequence_enrollment(下書きの登録を承認して送信を開始) |
| 止める・再開 | ツールpause_sequence、resume_sequence、pause_sequence_enrollment、resume_sequence_enrollment |
| 消す | ツールdelete_object、delete_object_record、delete_list、delete_sequence、delete_sequence_enrollment、delete_task ほか |
| 文面を直す | ツールupdate_sequence_enrollment_step(未送信のステップのメール文) |
Team・EnterpriseのOwnerは、Connectorの権限をカテゴリごと、または個別に「Always allow」「Needs approval」「Blocked」から選べます。この設定は組織全体に効き、個々のユーザーは上書きできません。画面の見方はClaudeのツールアクセス設定にあります。
実務では、次の順で広げる設計が考えられます。これはツールの性質から組んだ一例で、提供元が示す手順ではありません。
- 一覧・取得系を許可し、リストや集計が正しく読めるかを見る
- 下書きの作成までを任せ、
approve_sequence_enrollmentは承認制にする - 削除系は承認制のまま、毎回内容を見て通す
落とし穴
承認はUnifyの画面で済ませたつもりでも、MCPからは別経路で動く
Unifyの画面では下書きの承認が必須でも、Claudeに approve_sequence_enrollment の実行を許可していれば、会話の中から承認できる構成です。ツール一覧に承認用の名前が載っている以上、Claude側の権限で止めておくのが安全です。
返信率や担当者の活動を聞く
集計はUnifyの標準機能の延長です。提供元のドキュメントには「今月、返信率が最も高い稼働中のシーケンスはどれか」「今週、担当者ごとに何回タッチしたか、ペースが遅いのは誰か」という例が載っています。ディレクトリのページにも「過去30日の担当者別のタスク完了数」の例があります。
Claudeに頼むときは、期間と集計の軸を明示します。
直近30日で、稼働中のsequenceを返信率の高い順に並べてください。
sequenceごとの送信数と返信数も出し、返信数が10件未満のものには印を付けてください。これは一例の文面です。Unifyの用語に合わせ、「キャンペーン」ではなく sequence と書いています。小さな標本の返信率は振れが大きいので、件数を併記させておくと読み違いを防げます。
定期実行にも対応します。ドキュメントは、スケジュール実行をClaudeに提案させ、プロンプトと時刻を確認してから承認する流れを案内しています。Unify側の「Scheduled chats」では、毎回の実行が単独で完結する文面を保存しておく必要があります。
CRMへの書き戻しの条件
Unifyのチャットでは、接続済みのCRMの読み取りと更新ができます。対象としてSalesforceとHubSpotの設定ガイドが示されています。ただし条件が3つあります。
- チャットからのCRM操作は、Unifyの「ProとBusiness」プランに限られます
- CRMの更新は、管理者がチャットでのCRM書き込みを許可していないとできません
- 読み取りはできるのに変更できないときは、書き込みの許可と、接続のアクセス権(編集したいレコードと項目)を確かめます
Unifyのレコードを送るときは、企業はWebサイトのドメインで、人物はメールアドレスで既存のCRMレコードと照合してから新規作成されます。設定によっては、個人の接続が求められることもあります。
ツール数の表記が食い違う
ディレクトリのページは「Show all 50 tools」と表示します。一方、提供元のツールリファレンスには、エージェント系、コンテキスト系、オブジェクトとレコード、リスト、シーケンスと登録、タスクの区分で、数え方によってはそれより多い名前が並びます。ディレクトリのページに先頭で見えるのは、answer_question から list_agent_runs までの名前順の24個で、run_agent や poll_agent はその先にあります。
どちらが現在の一覧かは、ページの記載からは決められません。実際に使えるツールは、接続後にClaudeのツール一覧で見るのが確実です。名前が見当たらないときは、Unifyのアカウント側の権限や、コネクタの付け直しを試します。
まとめ
Unify Connectorは、リスト作成からシーケンスの下書き、CRM更新、集計までを1つの会話にまとめるもので、実体はUnify側のエージェントへの依頼です。送信を左右するのは approve_sequence_enrollment と登録の入口で、ここをClaudeの承認設定とUnifyの下書きキューの両方で押さえておけば、自動で動かす範囲を段階的に広げられます。