文書管理システムのMCP対応 — NotePM MCP・SharePoint・DocuWorks
文書管理システムのMCP対応は3通りです。SharePointはAnthropic製コネクタ、NotePMは公式MCPが無くコミュニティ製サーバー、DocuWorksはクラウドAPIが無くローカルMCPか変換で対応します。
文書管理システムのMCP対応は製品ごとにまったく違う
社内の文書管理システムをClaudeから検索・要約できるかは、製品によって答えが3通りに分かれます。SharePointはAnthropicが自ら保守するコネクタで対応済みです。NotePMには公式のMCPサーバーがなく、個人開発者が公開したコミュニティ製の @nonz250/notepm-mcp-server で繋がります。DocuWorksはクラウドAPIが公開されておらず、この2つと同じ形では繋がりません。ただしDocuWorks本体のローカルAPIを使えばローカルMCPは作れますし、文書をSharePoint Onlineに同期していればMicrosoft 365コネクタ経由で届く可能性もあります。
BoxとGoogle Driveは別記事(Claude Box連携の設定方法とできること、Google Drive MCPサーバーの使い方)に詳しいので、ここでは扱いません。以下、この3製品を1つずつ順に見ていきます。
SharePointはMicrosoft 365コネクタで最初から対応している
SharePointは単独のコネクタではなく、「Microsoft 365」コネクタの一部として提供されています。接続先URLは https://microsoft365.mcp.claude.com/mcp で、Anthropic自身が保守する実装です。コネクタ一覧では「Communication」「Productivity」の2カテゴリーに分類され、利用にはサインインが必須です。
利用できるツールは次の7つです。
| ツール名 | できること |
|---|---|
sharepoint_search | できることサイト・ライブラリ横断でドキュメントを検索 |
sharepoint_folder_search | できること特定フォルダー配下を絞り込んで検索 |
outlook_email_search | できることメールスレッドの検索 |
outlook_calendar_search | できること予定の検索 |
find_meeting_availability | できること会議の空き時間確認 |
chat_message_search | できることTeamsのチャット検索 |
read_resource | できること個別リソースの本文取得 |
接続側の条件は、まずアカウントの種類です。個人アカウント(outlook.com・hotmail.com・live.com)では使えません。組織のメールアドレス(you@yourcompany.com)を持つ職場または学校のMicrosoft 365アカウントが必須です。さらにMicrosoft Businessプランに紐づくMicrosoft Entraテナントが前提で、Entraのグローバル管理者による一度きりの同意も要ります。既存の権限設定(誰がどのサイトを見られるか)はそのまま引き継がれるので、Claude経由だからといって閲覧範囲が広がることはありません。
7つのツールはどれも検索・取得系で、既定ではこの範囲に限られます。SharePoint・OneDriveのファイル作成・更新は「書き込みツール」として別に用意されています。使えるのは、更新後の権限セットにグローバル管理者が同意し、組織側で書き込みツールを有効化したときだけです。読み取りに用途を絞るなら、書き込みの同意を追加せずに導入できる点がこのコネクタの強みです。
管理者側の同意フローとテナント設定はClaude Microsoft 365コネクタの設定手順に、権限がどう制御されているかの仕組みはMicrosoft 365コネクタのセキュリティと権限制御の仕組みにまとめています。SharePoint単体の文書管理として使うだけなら、この2本を読めば設定は完了します。
NotePMはnpmで公開されたコミュニティ製MCPサーバーで繋がる
NotePM自体はMCPサーバーを提供していません。代わりに、更新が続いているコミュニティ実装 @nonz250/notepm-mcp-server があります。npmレジストリを見ると、初公開は2025年12月27日(日本時間)、最新は1.1.10で、engines は node >=24 です。GitHubリポジトリはMITライセンスで、直近のコミットは2026年10月11日(日本時間)でした。
セットアップはClaude Codeの設定コマンド一発です。事前にNode.js 24以上が必要です。
claude mcp add notepm \
--env NOTEPM_TEAM_DOMAIN=your-team-domain \
--env NOTEPM_ACCESS_TOKEN=your-access-token \
-- npx -y @nonz250/notepm-mcp-serverNOTEPM_ACCESS_TOKEN はNotePMにログイン後、「個人設定」→「アクセストークン」から発行します。NOTEPM_TEAM_DOMAIN は https://demo.notepm.jp のワークスペースなら demo の部分です。
このコマンドに --scope project を足して空のディレクトリで実行し、書き出されるファイルを確認しました(Claude Code v2.1.285。値はREADMEのダミーのままです)。
claude mcp add notepm --scope project \
--env NOTEPM_TEAM_DOMAIN=your-team-domain \
--env NOTEPM_ACCESS_TOKEN=your-access-token \
-- npx -y @nonz250/notepm-mcp-server
cat .mcp.json出力は「Added stdio MCP server notepm ... to project config」で、生成された .mcp.json にはトークンの値が平文でそのまま入っていました。
{
"mcpServers": {
"notepm": {
"type": "stdio",
"command": "npx",
"args": ["-y", "@nonz250/notepm-mcp-server"],
"env": {
"NOTEPM_TEAM_DOMAIN": "your-team-domain",
"NOTEPM_ACCESS_TOKEN": "your-access-token"
}
}
}
}--scope project はリポジトリ直下に置いてチームで共有する形式です。実トークンを入れたまま git add すると、そのトークンが履歴に残ります。既定のスコープ(local)なら、このファイルはできません。
使えるツールは検索・閲覧だけでなく書き込みも含みます。
| ツール名 | できること |
|---|---|
search_pages | できることキーワード・ノート・タグでページ検索 |
get_page | できることページ本文の取得 |
list_folders / list_notes | できることフォルダーとノートの一覧取得 |
create_page / update_page | できることページの新規作成・更新 |
list_tags / create_tag | できることタグの一覧取得・新規作成 |
create_page と update_page はワークスペースへの書き込みです。アクセストークンの権限がそのまま反映されるため、閲覧専用の運用にしたい場合は、トークン発行時のアカウント権限を絞ります。もう一つの手は、Claude Codeの permissions.deny に mcp__notepm__create_page と mcp__notepm__update_page を入れて、この2ツールを止めることです。
NotePM向けには k-ibaraki/notepm-mcp-server という実装もあります。GitHubのstar数はどちらも1件で並びますが、READMEを読むと性格が違います。
NotePM向けコミュニティ実装の違い
nonz250
TypeScript製で、npx だけで起動します。前述の8ツールで、ページの作成・更新まで含みます。
k-ibaraki
Python製で、uv sync による構築が前提です。機能の記載は全文検索・タグ・作成者・日付での絞り込みと、記事内容の取得で、書き込みの記載はありません。
k-ibaraki 版のREADMEには、運用上の教訓も書かれています。2026年7月28日に公開された mcp 2.0.0で request_ctx が削除され、ロックを無視して最新版を取る経路(uvx や pip install git+...)は起動できなくなったそうです。uv.lock の固定版を使っていた環境は影響を受けませんでした。uv sync --frozen --no-dev を勧める理由がここにあります。
DocuWorksはクラウドAPIが無く、ローカルMCP・コネクタ・変換の3経路で回り込む
DocuWorksは富士フイルムビジネスイノベーションが提供する文書ハンドリングソフトウェアです。紙の書類をそのままの見た目で電子化する .xdw 形式が特徴で、情報の収集・閲覧・編集・チーム共有をWindows上のデスクトップアプリで行います。クラウドサービスというよりローカルインストール型のオフィスソフトに近い性格です。
GitHubで「docuworks」を検索しても、MCPサーバーは見つかりませんでした。見つかるのは xdwlib のような、DocuWorks 7以上が入ったWindows環境で本体のAPIを呼び出すPythonライブラリや、.xdw をPDFへ変換するツール類です。多くはDocuWorksアプリがローカルに存在することが前提です。DocuWorks本体なしで .xdw からページ画像や同梱ファイル、PDF・HTMLを回収する非公式ツール xdw-salvage もあります。ただし、どれも外部からトークンで呼び出すクラウドAPIではありません。SharePointの sharepoint_search やNotePMの search_pages のような、リモートから直接叩けるAPIが公開されていない以上、SharePoint・NotePMと同じ形のMCPサーバーは作れない、というのが実態です。
一方で、DocuWorksの製品ページにはクラウド連携の記載もあります。製品ページの脚注には、対象がMicrosoft 365 BusinessまたはEnterpriseプランのOneDrive for BusinessとSharePoint Onlineで、DocuWorksサブスクリプションまたはDocuWorks Cloud Connectの契約が必要とあります。この同期が、リモートAPIが無い製品に残された迂回路です。
現実的な代替は3つです。
DocuWorksをClaudeに読ませる3経路
ローカルMCPを自作する
xdwlibのようなライブラリが呼ぶDocuWorks本体のAPIを、Windows上のstdio MCPサーバーで薄くラップします。DocuWorksがインストールされたWindows環境が前提で、公式サポート外の自作実装です。同期先のコネクタに任せる
SharePoint OnlineやOneDrive for Businessへ同期済みの文書は、
sharepoint_searchの検索対象に入る可能性があります。.xdwの本文まで検索できるかは製品ページから確認できず、ファイル名止まりの可能性もあります。PDFへ変換して読ませる
Claude Codeはローカルファイルを読むのにMCPが要りません。変換さえ済めば、追加のサーバー設定なしで内容を扱えます。3つのなかで最も手数が少ない方法です。Claude Codeに
.xdwを読ませる非公式Skillryobang/xdw-skillは、この経路の実例です(Windows専用で、DocuWorksのインストールが前提)。
3製品を並べると何を基準に選ぶべきかが見える
3製品の違いを並べると、判断基準は「Anthropic製コネクタの有無」だけでなく「そもそもリモートAPIがあるか」まで遡って確認する必要があるとわかります。
| 製品 | 接続方法 | 信頼度 | 書き込み |
|---|---|---|---|
| SharePoint | 接続方法Anthropic製コネクタ | 信頼度高い(自社保守・権限継承) | 書き込み既定は読み取りのみ(管理者の有効化でファイル作成・更新も可) |
| NotePM | 接続方法コミュニティMCP(npm公開) | 信頼度中程度(個人保守・活発) | 書き込みページ作成・更新まで可能 |
| DocuWorks | 接続方法ローカルAPIのみ(自作MCP/クラウド同期先経由/PDF変換) | 信頼度低い(公式実装なし) | 書き込み— |
Anthropic製コネクタが無い製品に遭遇したときは、次の順で確かめます。
未対応の製品を調べる順序
- 1
コネクタ一覧を見る
Anthropicのコネクタ一覧にあれば、そこで終わりです。
- 2
GitHubで「製品名 mcp」を検索する
見るのはstar数だけではありません。配布方法(npm即実行かローカル構築か)、対応範囲(書き込みの有無)、最終更新日、ライセンスも確認します。
- 3
リモートAPIの有無を確認する
製品の開発者ドキュメントで、外から呼べるクラウドAPIがあるかを見ます。ローカルAPIしか無くても、ローカルMCPの自作・同期先のコネクタ・ファイル変換という回り込みが残ります。
ローカルで動くnpxベースのコミュニティMCPと、Anthropicが保守するリモートコネクタの違いをより広く知りたい場合は、ローカルMCPとリモートMCP、Claude Codeでどちらを選ぶかも参考になります。
まとめ
SharePointは、組織のMicrosoft 365で管理者の同意が済めばすぐ使えます。NotePMは非公式実装を自己責任で入れる判断が要り、DocuWorksは同期先の有無で道が分かれます。まず自社の文書がどこに保存されているかを確認するところから始めてください。
参照した一次ソース
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