Amazon Bedrock東京リージョンでClaudeを使う — Global・JP・In-regionの対応モデル
東京リージョン(ap-northeast-1)のGlobal・JP・In-regionという3種類のエンドポイントごとに、対応するClaudeモデルを表で示します。
Amazon Bedrockの東京リージョン(ap-northeast-1)は、Global・JP・In-regionという3種類のエンドポイントに対応しています。ただし対応モデルは種類ごとに同じではありません。最新のClaude Fable 5.1はGlobalでしか呼べません。JPやIn-regionで東京リージョンを指定するとエラーになります。どのモデルがどのエンドポイントで使えるかを、モデル別に確認します。
東京リージョンで選べる3種類のエンドポイント
Amazon Bedrockは、Claudeモデルへのアクセス経路として「Global」と「Regional」という2つのエンドポイント方式を用意しています。東京リージョンはこのうち3つの選び方に対応する、数少ないリージョンの1つです。
- Global: 可用性の高いAWSリージョンへ動的にルーティングします。追加料金はかかりません
- JP(地理別推論プロファイル): 東京・大阪という日本国内の複数リージョンをまたいで振り分けます。リクエストは日本国内に留まりますが、実行先が東京とは限りません
- In-region(単独指定): 東京リージョン単独に固定します。他リージョンへのフェイルオーバーが無い代わりに、実行先が常に東京になります
JPとIn-regionはどちらも「Regional」エンドポイントの一種で、Globalに対して10%の料金加算が掛かります。単価の詳細比較はAWS BedrockのClaude料金は直接APIとどう違うかで扱っています。東京をリージョナルエンドポイントで単独指定するかJP推論プロファイルを使うかの基本的な考え方は、Amazon BedrockでClaudeを使うガイドでも触れています。本記事はこの2つ(JPとIn-region)を含む3種類それぞれについて、東京リージョンでどのモデルが実際に呼べるかを掘り下げます。
モデル別の対応表
東京リージョンのGlobal・JP・In-regionという3種類のエンドポイントに、どのモデルが対応しているかをまとめると次のとおりです。
| モデル | Global | JP | In-region | アクセス |
|---|---|---|---|---|
| Claude Fable 5.1 | Global○ | JP× | In-region× | アクセス全ユーザーに開放 |
| Claude Fable 5 | Global○ | JP○ | In-region○ | アクセス全ユーザーに開放 |
| Claude Opus 5 | Global○ | JP○ | In-region○ | アクセスAWSコンソールで個別確認 |
| Claude Opus 4.8 | Global○ | JP○ | In-region○ | アクセス全ユーザーに開放 |
| Claude Opus 4.7 | Global○ | JP○ | In-region○ | アクセス全ユーザーに開放 |
| Claude Sonnet 5 | Global○ | JP○ | In-region○ | アクセス全ユーザーに開放 |
| Claude Haiku 4.5 | Global○ | JP○ | In-region○ | アクセス全ユーザーに開放 |
| Claude Mythos Preview | Global× | JP× | In-region× | アクセスProject Glasswing経由の招待制 |
Fable 5.1・Fable 5・Opus 4.8・Sonnet 5・Opus 4.7・Haiku 4.5はすべてのBedrockユーザーに開放されています。Opus 5だけは個別のアクセス条件があり、AWSコンソールのモデルアクセス画面で許可状況を確認する必要があります。Claude Fable 5.1をBedrockで使うにはClaude Code 2.1.255以降が必要です。
リクエストに指定するモデルIDは、いずれのエンドポイントでもanthropic.という接頭辞が付きます。
| モデル | モデルID |
|---|---|
| Claude Fable 5.1 | モデルIDanthropic.claude-fable-5-1 |
| Claude Fable 5 | モデルIDanthropic.claude-fable-5 |
| Claude Opus 5 | モデルIDanthropic.claude-opus-5 |
| Claude Sonnet 5 | モデルIDanthropic.claude-sonnet-5 |
| Claude Haiku 4.5 | モデルIDanthropic.claude-haiku-4-5 |
モデルIDそのものにリージョンやエンドポイント種別は含まれません。どのエンドポイント(Global・JP・In-region)を使うかは、呼び出し先のエンドポイントURLやAWS側の推論プロファイル設定で決まります。
Fable 5.1は東京のJP・In-regionでは呼べない
表のとおり、Claude Fable 5.1だけがGlobal以外の欄で軒並み「×」になっています。理由は明快です。Fable 5.1のリージョナルエンドポイントはus-east-1限定で、東京リージョンを含む他リージョンには展開されていません。JP推論プロファイルも東京単独指定のIn-regionも、リージョナルエンドポイントの一種である以上、この制約をそのまま受けます。
日本国内へのデータ保存を要件にしつつ最新モデルのFable 5.1を使いたい場合、東京リージョンのJP・In-regionという組み合わせは選べません。Globalエンドポイントは追加料金なしで使えますが、動的ルーティングの性質上、実行先を日本国内に固定する仕組みではありません。日本国内保存が必須要件なら、Fable 5(またはOpus 4.8・Sonnet 5などJP/In-regionに対応する現行モデル)へ切り替えるのが現実的な選択です。
Mythos Previewは東京リージョンで使えない
Claude Mythos Previewは表の全欄が「×」です。Mythos Previewは招待制のうえにリージョナル専用で、対応リージョンはus-east-1のみです。東京リージョンのリスト自体にMythos Previewは含まれていないため、Globalエンドポイント経由でも東京からは呼び出せません。Project Glasswing経由で招待を受けたアカウントであっても、東京リージョンでの利用は現状対象外です。
JPとIn-regionはどちらも日本国内に留まるが挙動が違う
JP推論プロファイルとIn-region指定は、どちらも「データを日本国内に留める」という点では共通しています。東京リージョンの一覧表で「JP」に該当するのは東京(ap-northeast-1)と大阪(ap-northeast-3)の2リージョンで、JPプロファイルはこの2リージョン内で振り分けられます。一方のIn-regionは東京リージョン単独への固定で、大阪へのフェイルオーバーはありません。
可用性を優先して日本国内の複数拠点に振り分けたいならJP、実行リージョンそのものを東京に固定したいならIn-regionという使い分けになります。大阪リージョン(ap-northeast-3)は「In-region only」の指定が無く、Global・JPのみに対応します。つまり大阪を単独リージョンとして直接指定することはできず、大阪への実行はJPプロファイル経由の振り分け結果としてのみ起こり得ます。東京だけは、日本国内で唯一「単独リージョン指定」と「複数リージョンへのプロファイル振り分け」の両方を選べるリージョンです。JPとIn-regionのどちらもRegional扱いのため、料金面での違いはありません。
Claude CodeでJP系統のプロファイルを明示指定する
Claude CodeがBedrockを呼ぶときの推論プロファイルプレフィックスは、実行リージョンから自動導出されます。ap-*リージョンで実行した場合の既定プレフィックスはapac.で、東京(ap-northeast-1)固有のjp.ではありません。日本国内限定のJPプロファイルを明示的に使いたい場合は、ANTHROPIC_BEDROCK_REGION_PREFIXにJP系統の値を設定します。
export AWS_REGION=ap-northeast-1
export ANTHROPIC_BEDROCK_REGION_PREFIX=jpこの変数はClaude Code 2.1.224以降で有効です。無効な値(us/eu/apac/jp/au/global以外)を指定した場合は、リージョン由来の既定プレフィックス(この場合はapac.)へフォールバックします。一方、有効な値だが一致する推論プロファイルがアカウントに無い場合は挙動が異なり、他のプレフィックスで一致するプロファイルがあればそちらが使われ、全く一致しなければ指定したプレフィックスのまま可用性チェックなしで適用されます(この場合はリージョン既定へは戻りません)。想定どおりのプレフィックスが適用されているかは/statusで確認できます。IAM側でbedrock:ListInferenceProfiles権限が欠けていると、この可用性チェック自体が働かず、プレフィックスをそのまま適用してしまう点も押さえておく必要があります(bedrock:GetInferenceProfileが欠けている場合は可用性チェックとは無関係で、別のリクエスト形式で自動的に1回リトライされるだけです)。IAM権限の全体像とクロスリージョン推論プロファイルの解決順序はClaude Code Bedrock IAM設定とクロスリージョン推論プロファイルの組み方で扱っています。
なお、新しいMessages API形式で呼び出すMantleエンドポイント(CLAUDE_CODE_USE_MANTLE=1)は、この推論プロファイルプレフィックスの仕組みとは別系統です。MantleではAWS_REGIONから直接エンドポイントURLを組み立てるため、ANTHROPIC_BEDROCK_REGION_PREFIXの対象外になります。
Bedrock経由でのClaude利用が、直接契約やVertex AI・Foundryと比べて日本からのアクセスでどう違うかはClaudeを日本から使う提供経路で比較しています。
よくあるつまずき
- Fable 5.1をJP・In-regionで指定してしまう: リージョナルエンドポイントは
us-east-1のみのため、東京リージョンを指定すると失敗します。日本国内保存が必須ならFable 5などJP/In-region対応モデルへ切り替えます apac.プレフィックスをJP限定だと誤解する: Claude Codeがap-*リージョンで既定選択するapac.は、東京固有のJPプロファイルとは別の広域プレフィックスです。日本国内限定を保証したい場合はANTHROPIC_BEDROCK_REGION_PREFIX=jpを明示します- Opus 5のアクセス未承認に気づかない: Opus 5は他の現行モデルと異なり個別のアクセス条件があります。AWSコンソールのモデルアクセス画面で許可状況を確認してから呼び出します
- Mythos Previewを東京リージョンで試そうとする: 招待を受けていても対応リージョンは
us-east-1限定で、東京リージョンのリストには含まれません
まとめ
東京リージョンのAmazon Bedrockは、Global・JP・In-regionという3種類のエンドポイントに対応しています。ただし対応モデルは一律ではありません。Fable 5・Opus 5・Opus 4.8・Opus 4.7・Sonnet 5・Haiku 4.5は3種類すべてで呼べます。最新のFable 5.1はGlobalのみで、リージョナルエンドポイントがus-east-1限定のためJP・In-regionでは使えません。Mythos Previewは招待制かつus-east-1限定で、東京リージョンではそもそも対象外です。日本国内へのデータ保存を要件にする場合は、使いたいモデルがJP・In-regionに対応しているかを先に確認してから設計するのが確実です。