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ClaudeとCB Insightsを連携し、提携・買収先候補をロングリスト化する

ClaudeとCB Insightsを連携し、提携・買収先候補をロングリスト化する

CB Insightsコネクタの15ツールで未上場企業の候補を洗い出し、競合・資金調達・投資家を横断して比べる手順と、人が裏取りする範囲を示します。

CB Insightsコネクタで何ができるか

CB Insightsコネクタは、未上場企業を調べるCB Insightsのデータを、Claudeの会話から検索・分析できるようにするConnectorです。新規事業の担当者が提携・買収先の候補を探すとき、候補の洗い出しから比較までをチャットの中で進められます。

Connectorsディレクトリのページでは、開発元はCB Insights自身で、カテゴリはFinancial services、追加時期は2026年3月です。サインインが必要で、接続先のURLは https://mcp.cbinsights.com/ と記載されています。Anthropic verifiedの表示も付いています。

公式の説明文は、ソーシング、マーケットマップの作成、投資メモの下書き、競合の監視を用途に挙げています。想定ユーザーとして名指しされているのは3者です。買収先を探す事業会社の戦略担当、案件を選別するVC、提携先を探す事業開発チームです。データ面では、1,100万社超の二重検証済み企業プロファイル、直近の株式ディールのカバレッジ、独自の分類体系とスコアを挙げています。

同じ領域にはPitchBookコネクタもあります。こちらは投資家・M&A担当者向けの企業調査データを扱います。CB Insightsのページは、未上場企業に関する「予測インテリジェンス」を掲げています。金融業界全体のClaude活用は金融業界のClaude活用ガイドで扱っています。

15個のツールを探索・比較・深掘りに分ける

ディレクトリページに載っているツールは15個です。名前から用途が読み取れるものが大半なので、候補探しの流れに沿って分けると使い方が見えます。

段階ツール名前から分かる照会内容
探索ツールcompany_advanced_search名前から分かる照会内容条件を指定した企業の絞り込み
探索ツールget_company_markets名前から分かる照会内容企業が属する市場
比較ツールget_company_competitors名前から分かる照会内容競合企業
比較ツールget_company_profile名前から分かる照会内容企業プロファイル
比較ツールget_company_outlook名前から分かる照会内容企業の見通し
資金面ツールget_company_funding / get_company_investors名前から分かる照会内容資金調達と投資家
資金面ツールget_company_investments / get_company_exits名前から分かる照会内容投資実績とエグジット
資金面ツールget_company_acquisitions / get_company_revenue名前から分かる照会内容買収履歴と売上
関係・動向ツールget_company_relationships / get_company_news名前から分かる照会内容企業間の関係とニュース
汎用ツールapi_chatcbi / api_rag名前から分かる照会内容公式に説明なし

get_company_ で始まる12個は、企業ごとの情報を1社ずつ引く名前です。company_advanced_search だけが条件による絞り込みで、ロングリスト作りの入口になります。

15個のうち、作成・更新・削除を思わせる名前のツールはありません。ただしディレクトリページには、ツールの挙動をAnthropicは検証していない旨の注意書きがあります。名前だけで読み取り専用と断定せず、接続時に要求される権限の表示を確認します。

api_chatcbi と api_rag は、ページに名前以外の説明がありません。役割を名前から推測して手順に組み込むのは避け、実際に呼ばれた結果を見て判断します。

接続の手順と組織設定

個人のアカウントでは、「Customize」→「Connectors」を開き、ディレクトリからCB Insightsを選んで接続します。サインインが必要です。Connectorsの全体像はConnectorsガイドにあります。

Team・Enterpriseプランでは、まずOwnerまたはPrimary Ownerが組織側でコネクタを有効化します。有効化しただけでは誰もアクセスできず、各メンバーが個別に認証する必要があります。Owner側は、コネクタごとに許可する操作を組織全体で絞れます。たとえば「読み取りは許可し、書き込みは禁止」のような設定で、メンバーは上書きできません。権限を絞る考え方は読み取り専用から始める理由にまとめています。

もう1つ、Team・Enterpriseでは制約があります。コネクタはプライベートプロジェクトでしか使えず、同期した内容を含むチャットは共有できません。検討結果をチームに渡すときは、会話ではなく要点を別にまとめます。

なお、公式のCB Insights Documentationサイトに掲載されているのは、シングルサインオン(SSO)とSCIMによるプロビジョニングの設定です。Okta向けの手順などが載っていますが、このコネクタのツールの使い方に関する記載はありません。SSOで会社のIDと連携させる構成なら、情報システム部門と先に確認しておくと、接続でつまずきにくくなります。

候補のロングリストを作る手順

Claudeに「面白そうな会社を教えて」と頼むと、ツールを呼ばずに一般知識で答えることがあります。ロングリストの出所をCB Insightsに固定するには、依頼文で出所を指定したうえで、次の流れで進めます。

手順

ロングリスト作成の流れ

  1. 1

    探したい領域を条件に直す

    業界・地域・ステージを、検索条件として書けるところまで絞ります。「生成AI」のような広い語のままだと、候補が多すぎて比較できません。

  2. 2

    検索ツールで母集団を作る

    company_advanced_search を使うよう明示し、返ってきた社名を表にまとめさせます。

  3. 3

    競合・資金面で並べて比べる

    母集団から数社を選び、競合や投資家、資金調達の履歴を横並びにします。

  4. 4

    人が裏取りする項目に印を付ける

    提携や買収の判断に直結する数字を、Claudeに「要確認」として一覧化させます。

依頼文では、使うツール、件数と表の列、取れなかった項目の扱いの3点を指定します。例は次のとおりです。これは書き方の例で、返ってくる中身はアカウントの契約内容や時期によって変わります。

CB Insightsコネクタを使って、日本国内で物流向けAIを手がける
未上場企業を探してください。
- まず company_advanced_search で候補を最大20社まで出す
- 社名・所在地・主な事業・直近の資金調達を表にする
- 各社のデータはツールの返り値だけに基づき、
  ツールで取れなかった項目は空欄にして理由を書く

最後の指示が肝です。取れなかった項目を空欄のまま残させると、後の裏取りで確認する範囲がそのまま見えます。補完された数字と、ツールが返した数字が混ざるのを避けられます。

絞り込みをかけた後に競合で広げる

ロングリストは一度で完成しません。最初の20社のうち有望な3〜5社に対して get_company_competitors を回し、その競合までを母集団に加えると、見落としやすい隣接領域の企業が出てきます。依頼は次のように分けます。

先ほどの表のうち上位5社について、get_company_competitors で競合を出し、
表に含まれていない社名だけを別の表にしてください。

既出の社名を除かせる指示を入れておくと、同じ会社が何度も出てくるのを防げます。

比較して絞り込む段階

母集団ができたら、資金面を横並びにします。使うのは get_company_funding、get_company_investors、get_company_acquisitions です。提携先を探すのか買収先を探すのかで、見る項目が変わります。

目的先に見る項目読み取りたいこと
提携先探し先に見る項目競合・関係企業・ニュース読み取りたいことすでに誰と組んでいるか
買収先探し先に見る項目投資家・資金調達・売上読み取りたいこと既存株主の構成と事業規模
競合の監視先に見る項目ニュース・見通し読み取りたいこと動きの有無と方向

get_company_relationships は企業間の関係を返すツールで、提携先候補が自社の競合とすでに組んでいないかを見るときに向きます。ただしどこまでの関係が収録されているかは、ページに記載がありません。空の結果が返っても「関係がない」とは言い切れないため、公開情報で補います。

表ができたら、Claudeに「投資メモの下書き」を書かせる使い方もあります。公式の説明文にも投資メモの下書きが用途として挙がっています。社内の検討資料に載せる前提なら、下書きの各文に対応するツール名を付けさせておくと、人が出所をたどりやすくなります。

人が裏取りする範囲

ロングリストはあくまで候補の一覧で、判断の根拠にはなりません。Claudeが整形した表を、そのまま社内の意思決定資料に使うのは避けます。裏取りの対象は次のとおりです。

  • 売上・資金調達額・投資家の持分など、金額に関わる数字
  • 事業内容の記述(プロファイルの要約と、企業自身の公開情報の突き合わせ)
  • 直近のニュースや買収履歴の抜け
  • 競合・関係企業の一覧に載っていない相手

データの網羅性や鮮度は、CB Insights側の契約と収録範囲に依存します。ページにあるのは「1,100万社超」という規模の記載と、二重検証済みという説明だけです。日本の未上場企業をどの程度カバーしているかには、ページ上の記載がありません。対象が国内の小規模企業なら、公式サイトや登記情報など別の出所での確認を前提にします。

候補を決めた後の監視と社内共有

ロングリストから数社に絞った後も、動きは追い続けたくなります。公式の説明文は競合の監視を用途に挙げており、対応するのは get_company_news と get_company_outlook です。数社の最新ニュースを定期的に引かせ、前回から増えた項目だけを要約させる使い方になります。

候補5社について get_company_news を呼び、直近のニュースを
社名ごとに3行以内でまとめてください。資金調達・買収・提携に
関わるものは先頭に置き、該当がなければ「該当なし」と書いてください。

定期実行まで自動化したい場合は、Claude側のスケジュール機能と組み合わせる構成が考えられます。ただしコネクタが定期実行のタスクから使えるかどうかは、ディレクトリページに記載がありません。手元で一度動かして確かめてから、運用に載せます。

Team・Enterpriseではコネクタをプライベートプロジェクトでしか使えず、同期した内容を含むチャットを共有できないため、社内に共有するときは会話を渡せません。会話を渡す代わりに、表と出所のツール名、裏取りが済んだ項目と未了の項目を分けた一覧を、別の文書に貼って渡すのが現実的です。裏取り済みかどうかの列を表に1つ足しておくだけで、受け取った側が数字の確度を判断しやすくなります。

よくあるつまずき

検索結果が広すぎて比較に使えない

業界名だけで検索すると、母集団が大きくなりすぎます。地域・事業内容・資金調達ステージなどを足して、最初の候補を20社程度に収めます。

候補の数字がツールの返り値か不明になる

依頼文に「ツールの返り値だけに基づく」「取れなかった項目は空欄」と書いていないと、一般知識で補われた記述が混ざることがあります。表の各列に出所のツール名を付けさせます。

同じ会社の別名が混ざる

企業名だけで照会すると、似た名前の別企業が返ることがあります。所在地や事業内容を添えて、同一企業かどうかを人が見分けます。

接続したのにCB Insightsのデータが引かれない

会話ごとに使うコネクタを選ぶ仕組みなので、チャット画面の「+」から「Connectors」を開き、CB Insightsがオンになっているかを先に確かめます。オフのままだと、Claudeは一般知識で答えてしまいます。

まとめ

CB Insightsコネクタは、未上場企業の探索から競合・資金面の比較までを、会話の中で順に進められる入口です。検索は company_advanced_search、比較は get_company_competitors や資金関連のツールと、役割を分けて依頼するのがコツです。

出力はロングリストであって結論ではありません。取れなかった項目を空欄にさせ、金額と事業内容を人が裏取りする運用にしておけば、候補の探索だけをClaudeに任せられます。

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