Claude Code v2.1.228 — 同期Skillsがローカルコマンドを覆い隠さない設計に
Claude Code v2.1.228は18項目の修正リリースです。claude.ai同期Skillsに3つの安全策が入り、クロスセッションメッセージングの受信箱不具合も直りました。
Claude Code v2.1.228は、計18項目の修正リリースです。内訳はFixedが11件、Hardenedが1件、Improvedが3件、Updated・Changed・Removedが1件ずつです。新機能の追加(Added)はありません。目立つのは、claude.aiから同期されるSkillsに入った3つの安全策です。クロスセッションメッセージング(cross-session messaging)では、インストール直後の最初のセッションに受信箱が作られないことがあった不具合も修正されています。本稿はこの2つを軸に、v2.1.224から続く関連機能の系譜と、利用形態別の影響早見表を扱います。
このリリースで何ができるようになるか
変化の中心は3つあります。まず、claude.aiから同期されるSkillsの安全性です。ローカルのコマンドやMCPプロンプトを覆い隠さなくなりました。説明文(description)はサニタイズされ、同期由来だと分かるラベルが付きます。手元のマシンでは、本文中の!コマンド実行も@ファイル展開も動きません。同期Skillsを有効にしている場合、これまで暗黙に抱えていたリスクの一部が塞がれました。
次に、クロスセッションメッセージングとセルフホスト実行環境の安定性です。どちらもv2.1.224で大きく動いた領域でした。インストール・アップグレード直後の最初のセッションでは、受信箱が作られないことがありました。pushしないリポジトリでcheckoutフックが失敗すると、新しいランナーで毎回セッションが落ちる問題も抱えていました。バックグラウンドタスクの完了から次のターン開始までの隙間でセッションが終了してしまう不具合も含め、この3件がそれぞれ修正されています。
3つ目は、地味ながら効く2件です。Vertex AI(現Google CloudのAgent Platform)の資格情報が期限切れまたは不在のとき、これまで数分リトライしていたのが数秒で失敗するようになりました。Writeツールも、新しいモデルであればそのセッションで読んでいない既存ファイルを上書きできるようになり、Editツールのルールに揃いました。
あなたの開発フローはどう変わるか
claude.aiでSkillsを同期している場合
CLAUDE_CODE_SYNC_SKILLSを設定し、~/.claude/skills/synced/へSkillsを同期している場合、3つの安全策が同時に効きます。同期Skillsがローカルコマンドやモデルコンテキストプロトコル(MCP)のプロンプトと同じ名前を名乗っても、もう上書きされません。説明文はサニタイズされ、どのSkillが同期由来かがラベルで分かるようになりました。そして手元のマシンでは、Skill本文に埋め込まれた!コマンドの実行も@ファイルの展開も動きません。claude.ai側で有効にしたSkillの中身を、開発者自身がすべて読んでいるとは限らない運用ほど、この変更の恩恵は大きくなります。
セルフホスト実行環境(self-hosted-runner)をチームで運用している場合
claude self-hosted-runnerは、自分のマシンやコンテナをClaude Codeのweb・モバイル・デスクトップセッションの実行先にする機能です。Team・Enterpriseのパブリックベータとして提供されています。仕組みの詳細はセルフホスト実行環境の解説記事にまとめています。v2.1.224で追加されました。既定では無効で、組織のオーナーまたは管理者がCloud environments管理ページで有効化して初めて使えます。Zero Data Retentionを有効にしている組織では利用できません。
今回の更新では、セッションがpushしないリポジトリでcheckoutライフサイクルフックが失敗しても、そのリポジトリを警告付きでスキップして続行するようになりました。以前は新しいランナーを立ち上げるたびに、この失敗でセッションそのものが落ちていました。バックグラウンドタスクが終わってから次のターンが始まるまでの隙間でセッションが終了してしまう問題も直っています。
この待ち時間はSELF_HOSTED_RUNNER_BG_RESULT_GRACE_MSで調整できます。既定は30000ミリ秒で、0や不正な値を入れても既定に戻るため、待ち時間そのものを無効にはできません。この環境変数が効くのはv2.1.228以降です。
複数セッションを跨いでSendMessageを使っている場合(macOSとLinux)
インストールやアップグレードの直後、最初のセッションで受信箱が作られないことがある不具合が直りました。受信箱が用意されるのはフラグの取得が終わった時点で、そこでCLAUDE_CODE_MESSAGING_SOCKETがエクスポートされます。それより前に起動したフックやプロセスでは、この変数は未設定のままです。フックからメッセージを送っている場合は、更新後もここでつまずくことがあります。
クロスセッションメッセージングはmacOSとLinuxのみで動作し、SendMessageとListAgentsで自分のどのマシンのセッション同士でもやり取りできる機能です。公式の要件はv2.1.224以降で、別マシンのセッションと会話を始めるにはv2.1.225以降が必要です。使い方の詳細はSendMessageの解説記事にまとめています。
Amazon Bedrock、Claude Platform on AWS、Google CloudのAgent Platform(旧Vertex AI)、Microsoft Foundryの4つのプロバイダー経由では、この機能自体が使えません。macOS・Linuxであっても同じです。テレメトリまわりの環境変数(CLAUDE_CODE_DISABLE_NONESSENTIAL_TRAFFIC、DISABLE_TELEMETRY、DO_NOT_TRACK、DISABLE_GROWTHBOOK)のいずれかでフラグ評価が止まっていると、機能そのものがオフになります。受信箱が作られない今回の不具合と症状が似ているため、更新しても使えないときは環境変数の設定を先に確認できます。やり取りできる相手は/list-agents(別名/peers)で一覧できます。
表示面でも変化があります。送信者と本文が折りたたまれた1行ではなく、インライン表示になりました。他マシンのRemote Controlセッションへメッセージを送ると、送信者として自分のRemote Controlセッション名が表示されます。
Remote Controlで接続している場合
接続中に/resumeで別の会話を再開すると、再開した会話のタイトルや履歴が接続中のセッションへ漏れる不具合が解消されました。Remote Controlは自分の端末から自分のマシンのセッションを操作する機能のため、第三者へ情報が渡るのではなく、同じユーザーの中で別会話の情報が混ざる不具合です。Remote Controlのセキュリティまわりを運用ルールとして固めているチームでは、押さえておく価値がある修正です。
Vertex AI経由で利用している場合
Google CloudのVertex AI経由でClaudeを使っている場合、資格情報が期限切れまたは不在のときの挙動が変わりました。これまで数分間リトライを続けていたのが、数秒で失敗するようになります。認証まわりのトラブルシューティングが早く終わるようになったと言えそうです。なおVertex AI(現Google CloudのAgent Platform)経由では、クロスセッションメッセージングは利用できません。
Windows利用時
Windowsでは、git本体やGit Bashのインストール先の親フォルダからClaude Codeを起動すると、gitやGit Bashが見つからない不具合がなくなりました。一方でクロスセッションメッセージングはネイティブのWindows環境には届きません。WSL 2上のLinuxセッションであれば対象です。
プラグインを開発している場合
プラグインの唯一のバージョンがシンボリックリンクの開発用チェックアウトであるとき、バックグラウンドのプラグインキャッシュ掃除がそのキャッシュを削除してしまう不具合が直りました。
複数階層のsettingsでmarketplaceエントリを管理している場合
Enterprise・プロジェクト・ユーザーなど複数階層のsettingsでmarketplaceエントリを管理していると、意図しない不具合がありました。上位階層で再定義したエントリが、別階層のカスタムヘッダーを引き継いでしまう現象です。marketplaceエントリはエントリ単位でまるごとマージされるように変更され、この意図しない継承は起きなくなります。複数チームでsettingsの階層構造を使い分けている構成では、この継承が原因の設定ずれが解消します。
通常利用
上記のいずれにも当てはまらない場合でも、細かな改善が届きます。
- まれな内部レイアウトエラーのあと、プロセスは動いたまま画面の再描画だけが止まってしまう不具合が直りました
- セッションのクリーンアップが、プロジェクトのmemoryフォルダの中身を削除してしまう不具合が解消されました
- 圧縮(compaction)中は、プログレスバーだけでなくリトライのカウントダウンと停滞のヒントも表示されるようになりました
/modelでモデルを切り替えたあとに/tuiを使うと、セッションが以前のモデルへ戻ってしまう不具合が直りました- ターミナルのタブに表示されるスピナーの表示文字が、一部のターミナルでタブバーのがたつきを抑える形に変わりました
Pro・Max・Teamプランの初回利用時通知からは、auto modeのセッションがやや高くつくという古い注記が削除されています。auto modeは2026年8月14日からこれらのプランの新規セッションで既定のパーミッションモードになる予定で、今回の削除はその流れに沿う動きと見ることができます。
利用形態別の影響早見表
| 利用形態 | 影響度 | 効く理由 |
|---|---|---|
| claude.aiでSkillsを同期している | 影響度明確な恩恵あり | 効く理由ローカルコマンドを覆い隠さなくなり、説明文のサニタイズと!・@の無効化も入る |
| セルフホスト実行環境をTeam・Enterpriseで運用 | 影響度明確な恩恵あり | 効く理由checkoutフック失敗でのセッション落ちと、タスク境目でのセッション終了が直る |
| 複数セッションを跨いでSendMessageを使う(macOS・Linux) | 影響度明確な恩恵あり | 効く理由インストール直後の受信箱不足と表示面が改善 |
| Remote Controlで接続している | 影響度条件次第 | 効く理由接続中に/resumeを使う場合のみ、タイトル・履歴の混入が解消 |
| Vertex AI経由で利用 | 影響度明確な恩恵あり | 効く理由資格情報エラーの検知が数分から数秒に短縮 |
| Windows利用 | 影響度条件次第 | 効く理由git/Git Bash検出は直るが、クロスセッションメッセージングはネイティブのWindowsには届かない(WSL 2は対象) |
| プラグインを開発している | 影響度条件次第 | 効く理由シンボリックリンクの開発用チェックアウトを使う場合のみ関係 |
| 上記に該当しない通常利用 | 影響度ほぼ影響なし | 効く理由memoryフォルダ削除・圧縮表示・スピナー等の細かな改善のみ |
主な変更点
Added(機能追加)は無く、18項目すべてが修正・改善です。
クロスセッションメッセージングとセルフホスト実行環境の系譜
| バージョン | クロスセッションメッセージング(SendMessage) | セルフホスト実行環境(self-hosted-runner) | Remote Control | 各版の性格 |
|---|---|---|---|---|
| v2.1.224 | クロスセッションメッセージング(SendMessage)追加(別マシンまで射程を持つ形で)。ListAgentsで発見できるように(macOSとLinuxのみ。他マシン宛は返信のみで、名前を指定した会話開始はv2.1.225から) | セルフホスト実行環境(self-hosted-runner)追加。Team・Enterpriseのパブリックベータとして提供開始 | Remote Controlオフにしたあとの再開で黙って再接続する問題を修正。古いサーバーセッションを一覧に残さずアーカイブするよう変更 | 各版の性格射程の拡大 |
| v2.1.225 | クロスセッションメッセージング(SendMessage)他マシンのRemote Controlセッションへ名前で会話を開始できるように。ヘッドレスセッションや起動時に、通知や期限なく止まったままになるメッセージも修正 | セルフホスト実行環境(self-hosted-runner)--base-dirが作成・書き込みできないとき、起動時に明確なエラーで終了するよう変更(以前は毎セッション失敗) | Remote Control非常に大きな会話を圧縮したあと、セッション再開で会話履歴が壊れる問題を修正 | 各版の性格起動と復帰の防御 |
| v2.1.228 | クロスセッションメッセージング(SendMessage)インストール・アップグレード直後の最初のセッションで受信箱が作られないことがある問題を修正。送信者と本文がインライン表示に | セルフホスト実行環境(self-hosted-runner)checkoutフックがpushしないリポジトリで失敗すると毎回セッションが落ちる問題を修正(該当リポジトリを警告付きでスキップ)。バックグラウンドタスク完了から次ターン開始の隙間でのセッション終了も修正 | Remote Control接続中に/resumeすると、再開した会話のタイトルや履歴が接続中のセッションへ漏れる問題を修正 | 各版の性格初回起動と境界の後始末 |
この3リリースのうち、機能そのものの追加が中心だったのはv2.1.224です。v2.1.225はこの3領域で、他マシンのRemote Controlセッションへ名前で会話を開始できる拡張を1つ加えました。残りは不具合修正と、Claudeアプリから添付した写真を直接表示するRemote Controlの改善です。v2.1.228は3領域とも機能追加がなく、不具合修正と表示改善にとどまります。v2.1.227の公開項目には、この3領域の変更が含まれていません。v2.1.226は内訳が公開されていない回です。
同期Skillsの安全策
claude.aiで有効にしたSkillsは、CLAUDE_CODE_SYNC_SKILLSが非対話モードで設定されているとき、~/.claude/skills/synced/へダウンロードされます。v2.1.227より前は、syncedという名前のフォルダを自分で作るとそれがSkillとして読み込まれてしまい、v2.1.227でこの名前が予約名になりました。v2.1.228はその先に踏み込みます。同期SkillsはローカルのコマンドやMCPのプロンプトを、もう覆い隠しません。説明文もサニタイズしてラベル付けし、手元のマシンでは本文中の!コマンドの実行と@ファイルの展開を止めます。
削除の行き過ぎと消し残し、両方向の修正
シンボリックリンクや削除範囲の判定まわりでは、消しすぎと消し残しの両方向で修正が続いてきました。v2.1.110では、セッションのクリーンアップがサブエージェントのトランスクリプトを含むセッションディレクトリ全体を削除しない問題が直りました。v2.1.142では、インストールのメタデータが無いときにプラグインキャッシュの掃除が使用中のバージョンを削除してしまう問題も直っています。v2.1.216ではシンボリックリンクやハードリンク越しの復元・削除を/rewindが行わないよう修正されています。
v2.1.228ではこの系統に2件が加わりました。1つは、セッションのクリーンアップがプロジェクトのmemoryフォルダまで消してしまう問題です。もう1つが、先に触れたプラグインキャッシュ掃除の誤爆です。開発用チェックアウトをシンボリックリンクで参照している構成だけに当たります。
Vertex AIの資格情報とWriteツールのモデル別ルール
Vertex AIで期限切れまたは不在のGoogle Cloud資格情報を使うと、これまで数分間リトライが続いていましたが、数秒で失敗するようになりました。Writeツールは、Claude Opus 4.6・Claude Haiku 4.5および旧モデルでは引き続き、そのセッションで一度読んだファイルしか上書きできません。新しいモデルであれば、読むのに権限プロンプトが不要でReadツールが使える場合に限り、未読の既存ファイルも上書きできるようになりました。
ただしJupyterノートブックと、PARTIAL viewの注記付きで部分的にしか読んでいないファイルは、どのモデルでも先に読み込む必要があります。Editツールが先に採用していたルールに、Writeツールが揃った形です。
そのほかの細かな修正
marketplaceエントリのマージ単位が、キー単位からエントリ単位に変わりました。Skillの呼び出し後にdeferred-toolsのリマインダーがモデルへ二重に送られることがある不具合も修正されました。
claude update
claude --version更新後のバージョンが2.1.228以上になっていれば適用は完了です。
クロスセッションメッセージングはv2.1.228でもv2.1.224の骨格を仕上げる方向の動き
クロスセッションメッセージングを含む、v2.1.224でまとめて手が入った3領域は、その後ずっと同じ性格の更新を受け続けています。中身は後始末です。内訳が公開されているv2.1.225とv2.1.228に限れば、この3領域で加わった機能はv2.1.225の会話開始の拡張1件だけです。v2.1.225が直したのは起動時の検査と、圧縮後のセッション再開で会話履歴が壊れる問題でした。v2.1.228が直したのは、インストール直後の受信箱、新しいランナーでのcheckoutフックの失敗、バックグラウンドタスク完了と次ターン開始の隙間、接続中の情報混入です。いずれも、起動直後・タスクの切れ目・接続中の切り替えという境界で起きています。
3領域のうち、公式が「v2.1.224以降が必要」と定めているのがセルフホスト実行環境とクロスセッションメッセージングです。SendMessage自体はそれ以前からセッション間の連絡に使われており、v2.1.162やv2.1.166でも修正と強化が入っていました。v2.1.224で別マシンまで射程が広がっています。Remote Controlはそれ以前から提供されています。同じ3領域が繰り返し修正対象になっています。これらの機能はまだ実運用のフィードバックを吸収している段階にあるように見えます。SendMessageをmacOSとLinuxで日常的に使っている場合、次のマイナーリリースでもこの3領域に修正が続く可能性があります。
まとめ
Claude Code v2.1.228は、Fixed 11件・Hardened 1件・Improved 3件、Updated・Changed・Removedが1件ずつの、計18項目の修正リリースです。Added(機能追加)はありません。claude.aiでSkillsを同期している場合と、セルフホスト実行環境をTeam・Enterpriseで運用している場合、Vertex AI経由で利用している場合には、明確な恩恵があります。クロスセッションメッセージングを使っている場合も、受信箱や表示面の改善が届きます。Remote Controlの接続中/resumeとWindowsでのgit検出は条件次第です。それ以外の通常利用に届くのは、細かな改善だけです。CVEや資格情報の漏出、データ損失のような緊急性の高い項目はなく、自分の利用形態が早見表のどこに当たるかを見てから対応を検討できます。
関連ガイド
Claude Code全体の中でのv2.1.228の位置づけはClaude Code完全ガイドで確認できます。番号上の直前であるv2.1.227は、claude-code-actionのBashコマンド全滅とFableのusage credits誤表示など5項目を扱った回でした。v2.1.226はバグ修正と信頼性向上のみで内訳が公開されていない回です。その前のv2.1.225は、Claude appsゲートウェイの利用上限表示などが入った14項目のリリースです。
関連する記事
Claude Code をもっと見る →Claude Code(クロードコード)とは — CLI起点のエージェント型開発ツール
Claude Code v2.1.225 — Claude appsゲートウェイの利用上限が警告メッセージに反映
Claude Code v2.1.224 — 別マシンのセッションがSendMessageで直接連携
Claude Code v2.1.229 — SSE keepaliveでVertex/Bedrockの接続断を防止
Claude Code v2.1.222 — worktree分離をセッション本体まで拡張
Claude Code v2.1.202 — /reviewが単一パスに戻り、ワークフローの規模を/configで調整