Claude Code v2.1.234 — 秘密情報の露出を塞ぐ修正とRemote Controlの同期改善
Claude Code v2.1.234は、MCP診断や権限プレビューでの秘密情報の露出を塞ぐ修正と、Remote Controlの複数端末同期・/goalとフルスクリーンTUIの改善をまとめた51項目のリリースです。
Claude Code v2.1.234は51項目の更新です。中心はセキュリティ修正で、MCP診断のシークレット表示、権限プレビューのマスキングの精度、SCP形式のgitマーケットプレイスのホスト不一致という、秘密情報の扱いをめぐる3系統の修正が入りました。あわせて、Remote Controlの複数端末同期、/goalの待機挙動、フルスクリーンTUI(ターミナル上の画面全体を使うUI表示モード)の操作性も改善されています。
このリリースで何ができるようになるか
最大の軸は、秘密情報の扱いをめぐる一連のセキュリティ修正です。MCPサーバーの診断出力は、スコープ競合の警告で設定値そのものではなく${VAR}表記を示し、接続失敗の詳細はサーバーのoriginだけを表示するようになりました。チャンネル経由でツール実行を承認する運用でも、権限プレビューのマスキングには複数の不具合がありました。承認者に見えるべきコマンドやパス、送信先までマスキングが隠してしまう一方、秘密鍵やAPIトークンは伏せ切れていませんでした。両方向のずれが、v2.1.234で直っています。
2つ目の軸は、Remote Controlの信頼性向上です。別のclaude.aiアカウントや組織へこの端末をサインインし直すと、実行中のセッションは数秒で停止し理由も表示されます。従来は数時間後にHTTP 404が出るだけで、原因がわかりにくい状態でした。権限モードの変更はDesktop/VS Code発のセッションからスマホとclaude.ai/codeへ同期され、モデルの変更はclaude.ai/codeのみに同期されます。effort(思考にかける労力の設定)の変更はこれと逆方向で、スマホやclaude.ai/code側で選んだ値がターミナルやDesktop/VS Codeのセッションに適用されます。
3つ目の軸は、/goalとフルスクリーンTUIの使い勝手です。/goalはバックグラウンドタスクを30分以上待たせると進捗を確認しに行くようになり、認証失効などの回復不能なエラーでは通知を出して自動的に解除されます。フルスクリーンTUIでは、/permissionsや/add-dirなどのダイアログを作業中でも開けるようになりました。
このほか、組み込みのclaude-api Skillを読み込むコンテキストコストが、20万トークン超から約2.5万トークンへ縮小しています。参照ドキュメントを必要になった時点で読み込む方式に変わったためです。
あなたの開発フローはどう変わるか
影響の大きさは、利用形態によって分かれます。
| 利用形態 | 影響度 | 具体的に変わること |
|---|---|---|
| チャンネル経由でツール承認を運用(Slack等の連携先) | 影響度緊急度高い(資格情報が漏れる) | 具体的に変わること秘密鍵とAPIトークンの露出が塞がれ、承認者にはコマンド・パス・送信先が見えるようになる |
| MCPサーバーの診断ログを共有・保存する運用 | 影響度緊急度高い(資格情報が漏れる) | 具体的に変わることスコープ競合や接続失敗の診断出力から解決済みシークレットの値が消える |
SCP形式のgitマーケットプレイスをstrictKnownMarketplacesで許可運用 | 影響度明確な恩恵あり | 具体的に変わること実接続先と異なるホストを誤って許可してしまう抜け穴が塞がれる |
| Windowsでリモートファイルアクセスを伴うタスクを任せる運用 | 影響度明確な恩恵あり | 具体的に変わることNTデバイスプレフィックスの拒否対象がセッション復元・CLAUDE.md include・ワークフロースクリプト・アップロードへ拡張される |
| Remote Controlを複数端末・複数アカウントで併用 | 影響度明確な恩恵あり | 具体的に変わること別アカウントへのサインインで即停止。権限モードはスマホ・claude.ai/codeへ、effortは逆にターミナル・Desktop/VS Codeへ、モデルはclaude.ai/codeのみに同期 |
/goalで長時間のバックグラウンドタスクを待たせる運用 | 影響度明確な恩恵あり | 具体的に変わること30分以上の待機で進捗確認が入り、回復不能エラーでは通知付きで自動解除される |
| フルスクリーンTUIで作業中に設定変更したい運用 | 影響度明確な恩恵あり | 具体的に変わること/permissionsや/add-dirなどのダイアログが作業中でも開ける |
| 上記に該当しない一般的な利用 | 影響度ほぼ影響なし | 具体的に変わること表示・安定性の細かな改善が中心で、日々の操作に大きな変更はない |
チャンネル経由の権限承認とMCP診断ログを扱う場合
権限プレビューをチャンネル越しに承認者へ渡す構成では、マスキングの向きが両方とも不正確でした。承認者が見るべきコマンドやパス、送信先までマスキングが隠してしまう一方、オーバーサイズの秘密鍵ブロックは弱いマスキングのまま通り、シェルの区切り文字がAPIトークンの直後に来るとマスキングが外れていました。v2.1.234ではこれらの経路が塞がれ、権限プレビューの配信先も接続を許可されたチャンネルサーバーに限定されます。サーバー側が明示した権限機能のオプトアウトにも従うようになりました。
MCPサーバーの診断出力も同時に直っています。解決済みの値そのものが画面やログに残ることはありません。権限設計の基本はClaude Codeセキュリティ・権限ガイドに、MCP接続まわりのリスクの考え方はMCPセキュリティガイドにまとめています。
Claude CodeでSCP形式のgitマーケットプレイスを許可リストで運用する場合
strictKnownMarketplacesの許可リストは、SCP形式(user@host:path)で書かれたgitマーケットプレイスのソースを扱います。これまでは、実際にgitが接続するホストと異なるホストでも許可を通してしまうことがありました。v2.1.234では、ホストの解釈を接続時の挙動に合わせて修正し、この不一致を塞いでいます。マーケットプレイスの許可運用そのものはClaude Codeプラグイン(Plugins)完全ガイドを参照してください。
Windowsでリモートファイルアクセスを伴う運用
v2.1.233で入ったNTデバイスプレフィックス(\??\)の拒否は、UNCパス検証のバイパスを塞ぐものでした。v2.1.234では、この拒否が承認前のファイルアクセス経路全般に広がりました。リモートファイル読み込み、セッション復元、CLAUDE.md includeの展開、ワークフロースクリプト、ファイルアップロードが対象です。こうした穴を、版を追って一つずつ塞いでいる形です。
Remote Controlを複数端末・複数アカウントで併用する場合
この端末を別のclaude.aiアカウントや組織へサインインし直すと、そのアカウントで動いていたセッションは数秒以内に停止し、理由も表示されます。従来は数時間後にHTTP 404が返るだけで、セッションが止まった理由がわかりませんでした。
Desktop/VS Code発のRemote Controlセッションでは、権限モードの変更がスマホとclaude.ai/codeの両方に反映されます。モデルの変更が反映されるのはclaude.ai/codeのみで、スマホには同期されません。effortの変更は逆方向にも伝わり、スマホやclaude.ai/code側で選んだeffortがターミナルやDesktop/VS Code側のセッションにも適用されます。接続してきたクライアント側には、セッションが持つ現在のeffort設定もそのつど伝えられます。Remote Controlのセッション中にユーザーへ送られたファイルが空のカードとして表示される不具合も直りました。Desktop/VS Codeホストのセッションからでも正しくアップロードされ、スマホ・Web双方で開けるようになっています。
/goalで長時間のバックグラウンドタスクを待たせる運用
/goalは、権限失効やクレジット残高の枯渇、文脈オーバーフローのような回復不能なエラーでターンが終了すると、通知を出したうえで自動的に解除されます。従来は解除されないまま待機状態が残っていました。
バックグラウンドタスクの完了を30分以上待つ場面でも、待たせっぱなしにせず進捗を確認しに行くようになります。この確認間隔はCLAUDE_CODE_GOAL_CHECKIN_MINUTES=0で無効化できます。目標達成までの自走の仕組みはClaude Codeの/goalコマンドで解説しています。
フルスクリーンTUIで作業中に設定を変えたい場合
/permissionsはClaudeが作業中でも開けるようになり、変更した権限ルールはそのターンの残りに適用されます。/add-dirもタスク実行中に使えるようになりました。/autocompact・/theme・/help・/config・/advisorのダイアログも、フルスクリーンTUI上でターンの途中に開けます。
Escキーの挙動も変わりました。フルスクリーンモードでマウス選択中にEscを押しても、選択がハイライトされたまま維持され、ターンの中断やダイアログの終了といった従来の動作はそのまま働きます。「新しいフルスクリーンレンダラーを試しますか」というプロンプトを受け入れると、セッションが権限モードなしで再起動する不具合がありました。--dangerously-skip-permissionsのような権限モードやツールの許可・拒否ルール、モデル・effortの指定が消えていましたが、これも修正されています。/tuiの再起動でも、起動時に指定した--allowed-tools/--disallowed-toolsが失われる不具合が直りました。再起動で引き継げない制限がある場合は、理由付きで切り替えを拒否するようになっています。
主な変更点
v2.1.234は51項目の変更を含みます。直近のリリースとの関係は次の通りです。
| バージョン | 公開日 | 主な内容 | 性格 |
|---|---|---|---|
| v2.1.229 | 公開日2026-08-12 | 主な内容32項目。SSE keepaliveでVertex/Bedrockの接続断を防止など | 性格安定化中心 |
| v2.1.232 | 公開日2026-08-13 | 主な内容49項目。サブエージェントfork既定化とBash権限強化など | 性格機能追加と権限修正の束 |
| 直前のv2.1.233 | 公開日2026-08-14 | 主な内容20項目。WindowsのUNCパス検証バイパス修正とBash権限の一部巻き戻しなど | 性格巻き戻しと資格情報漏出の修正 |
| v2.1.234(今回) | 公開日2026-08-17 | 主な内容51項目。秘密情報の扱いをめぐる3系統の修正とRemote Control同期改善など | 性格セキュリティ修正中心の整備リリース |
新機能
CLAUDE_CODE_PROJECT_DIR_NAME環境変数が追加されました。セッションごとに個別の設定ディレクトリを割り当てるホスト環境で、プロジェクトごとのトランスクリプトディレクトリに短い名前を付けられます。
キーバインドにselection:clearアクションが加わり、アプリ内のテキスト選択をキー1つで解除できるようになりました。エージェントビューでも同じキーが使えます。フッターとstatuslineには、GitLabのマージリクエストバッジが表示されるようになりました。GitLabリモートを持つリポジトリで認証済みのglab CLIがあれば、MR !N(Nはマージリクエスト番号)の形式でdraft/pending/greenの状態が出ます。
claude.aiの利用上限がリセットされたタイミングで、セッションが自動的に再開されるようになりました。この自動継続は/configの「Continue automatically at usage limit」でオフにできます。あわせて、Claudeは今後アカウントのメールアドレスを本人識別のためだけに使い、依頼がない限り無関係なサービスへ送らないよう指示されます。
セッション・通信の安定性向上
長時間セッションでコンパクション(会話履歴の圧縮)が起きたあと、auto modeがサンドボックス化したコマンドのネットワークアクセスを繰り返し再チェックしては拒否してしまう不具合が直りました。バックグラウンドで動くサブエージェントへのツール権限プロンプトに答えたとき、拒否も含むセッション単位の権限回答が失われる不具合も修正されています。
非ストリーミングのフォールバック経路(サードパーティのゲートウェイ経由で発生しやすい)は、クラッシュする不具合を抱えていました。thinkingブロックにthinkingフィールドが欠けている、あるいはtextブロックにtextフィールドが欠けているAPIレスポンスを受け取ると発生していましたが、今回のリリースで解消しました。ユニコードの特殊な並びを含むメッセージでMarkdownのレンダリングが極端に遅くなる問題も、起きなくなっています。
SendMessageが、ListAgentsからコピーしたセッション名(200文字の上限ちょうど、または絵文字を多く含む名前)を受信者として拒否していた不具合も直りました。SendMessageとListAgentsは、アカウントのセッション一覧が多すぎて確認しきれなかった場合の挙動も改善しています。未確認のセッションを「存在しない」と扱わず、確認しきれなかった旨を伝えるようになりました。
git remoteのuserinfoが変則的な形式のとき、リポジトリ検出がホストを誤読し、誤ったホスト向けのリンクや挙動を出してしまう不具合が直りました。IDEの差分タブが権限の再確認プロンプト中に閉じられると、直前の入力で新しいプロンプトに答えてしまう不具合も修正されています。ディレクトリが最初に確認された時点でまだリポジトリが存在しなかった場合に、信頼プロンプトからリポジトリ全体スコープの警告が抜け落ちる不具合も解消しました。
Claude Desktopのセッション間メッセージが、クロスセッションメッセージングが無効と読み取られた受信側セッションで気づかれずに破棄される不具合が直りました。この不具合では、送信側の問い合わせが何分も「thinking」のまま止まっていました。
CLAUDE_CODE_OAUTH_TOKENが設定された状態で/loginしたあと、古いトークンに関する注意書きが自動再開されたターンにまで漏れていた不具合も解消しました。この注意書きは、ユーザーにだけ表示されます。期限切れのAnthropicプロファイル資格情報は、claude.aiログインを優先する場面で/loginへ誘導されるようになりました。
入力・表示まわりの細かな修正
!シェルコマンドの実行中に/permissionsのようなダイアログを開いていると、コマンドの終了と同時に閉じられてしまう不具合が直りました。ダイアログは開いたまま残ります。キューに入れた!シェルコマンドを上矢印キーで編集しようとすると、コマンドがそのまま平文としてモデルへ送られてしまう不具合も解消しています。
キュー済みメッセージがまだキューにある状態でプロンプト履歴に再表示される不具合も直りました。加えて、キュー済みメッセージ選択中のEscでターンが中断される問題と、ターン途中の送信後に!モードが解除されないまま残る問題も、あわせて解消されています。
連続するシェルコマンドの間にtodo/taskの更新が挟まると、「Ran 1 shell command」の行が複数に分かれてしまう不具合も直っています。レンダリングされたMarkdown内の---による水平線が、次の行に食い込んで表示される不具合も修正されました。フルスクリーンモードで/loginのOAuth URLのようなモーダルテキストをコピーすると文字が欠ける不具合も解消されています。
パフォーマンスと表示の改善
組み込みのclaude-api Skillを読み込むコンテキストコストが、20万トークン超から約2.5万トークンへ縮小しました。参照ドキュメントを必要になった時点で読み込む方式へ変わったためです。トランスクリプトでは、自分が入力したプロンプトも返信と同じようにMarkdown(ハイライト付きコードブロック・インラインコード・リスト)としてレンダリングされるようになりました。
「APIが空または不正な形式のレスポンスを返した」というエラーメッセージが詳しくなりました。実際に返ってきた内容(content type・本文の種類・サイズ・request ID)と、元のストリーミングリクエストが失敗した理由を示すようになっています。自動生成されるセッションタイトルも、依頼文をそのまま言い換えた文(「モバイルのログインボタンを修正する」)ではなく、短く具体的な名前(「ログインボタンのバグ」)として読めるものに変わりました。
このほか、claude setup-tokenが想定外の余分な引数を黙って無視せず拒否するようになりました。auto modeのすべてのAgentツール呼び出しの下に表示されていた「Allowed by auto mode classifier」の行も削除されています。/configの「Default teammate model」設定も削除され、agent-teamのチームメイトはスポーン時にモデル指定がなければリーダーのモデルを使うようになっています。
実行中のツールヘッダーにある経過時間カウンターは、太字のカウント表示と競合しないよう暗く表示されるようになりました。ターン間に届くバックグラウンドタスクの通知は、<system-reminder>タグ内でモデルに渡される形式に統一され、ターン途中の通知と同じ扱いになっています。
Amazon Bedrock(Mantle経由)で使う構成では、メインループのモデルがすでに決まっている場合に起動時のadmin-pin可用性チェックをスキップするようになりました。Windowsでは、~/.claude.jsonが読み取り専用のときに繰り返されるリネーム再試行で起動が止まってしまう不具合も解消しています。
v2.1.234の権限プレビューのマスキング修正はv2.1.233のパス検証拡大を接続経路へ広げる動き
v2.1.233はWindowsのファイルパス検証を対象に、NTデバイスプレフィックスによるバイパスを塞ぎました。v2.1.234でも同じNTデバイスプレフィックスの拒否がセッション復元やCLAUDE.md includeの展開など複数の経路へ広がっており、パス検証の作業はまだ続いています。そのうえで新たに焦点が当たったのが、パスではなく通信経路です。MCP診断のログ出力、チャンネル越しの権限プレビュー、SCP形式のマーケットプレイスソースという、性質の異なる3つの経路で秘密情報の扱いと接続先の検証が同時に修正されています。
この並びは偶然ではありません。承認前のファイルアクセスを塞ぐ作業と並行して、v2.1.234では「誰に何を見せるか」という開示経路の側にも焦点が広がったと読めます。権限プレビューを人間の承認者やチャンネル越しの第三者に渡す構成が増えるほど、マスキングの精度がそのままセキュリティ境界になります。今回の3系統の修正は、その境界を1か所ずつ埋め直す作業です。同じ粒度の修正が今後も版を追って続くと見て、大きな見出しを求めるより個々の変更点を追う姿勢が合っています。
まとめ
v2.1.234の中心は、秘密情報の扱いをめぐる3系統の修正です。MCP診断ログの解決済みシークレット表示、チャンネル経由の権限プレビューでのマスキングの向き(隠しすぎと伏せ足りずの両方)、SCP形式マーケットプレイスのホスト不一致が、まとめて直りました。
チャンネル経由でツール承認を運用しているチームや、MCPサーバーの診断ログを保存・共有している運用では、この修正が直接効きます。Remote Controlを複数端末・複数アカウントで使っている場合は、誤ったアカウントでのセッション継続を早期に検知できるようになり、権限モード・モデル・effortの同期も進みました。/goalで長時間のバックグラウンドタスクを待たせる運用や、フルスクリーンTUIで作業中に設定を変えたい場合にも、細かいながら効く変更が含まれています。
関連ガイド
このバージョン単体の位置づけや前後の版とのつながりは、Claude Code完全ガイドでまとめて確認できます。