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Claudeで電子処方箋の薬局内マニュアルを作る — 厚労省の資料を店内手順書にする

Claudeで電子処方箋の薬局内マニュアルを作る — 厚労省の資料を店内手順書にする

厚労省の電子処方箋ページにある薬局向け資料と事例PDFを、Claudeに読ませて店内手順書へ組み替える手順です。Projectsの指示文、骨格のプロンプト、システム依存の空欄の残し方、突き合わせ方を並べます。

電子処方箋の店内手順書は、厚労省の資料を薬局のレジ前や調剤室の言葉に直す作業です。Claudeはこの「資料を読んで、自店の型に組み替える」部分に向いています。

一方で、操作画面の細部や登録のタイミングは、薬局が使う薬局システムによって変わります。Claudeに決めさせず、空欄として残す設計にします。

この記事では、厚生労働省の電子処方箋ページにある薬局向け資料を材料に、受付から調剤結果登録までの手順書をClaudeで作る流れを説明します。

手順書づくりでClaudeに任せる範囲

先に分担を決めておくと、手順書が後で崩れません。

作業担当理由
資料の要約、手順の並べ替え、役割別の表づくり担当Claude理由資料を読んで型にする作業
画面の操作名、ボタン名、登録の期限担当薬局システムの事業者資料理由使用システムに依存する
利用申請や運用ルールの正本担当医療機関等向け総合ポータルサイト理由厚労省ページから案内されている先
最終の採否、店内の責任分担担当管理薬剤師理由店の運用判断

厚労省のページ自体も、導入や運用の詳細は医療機関等向け総合ポータルサイトに置いていると案内しています。ページの調剤済み処方箋の保存サービスの項には「実装はご使用のシステムによります」とも書かれています。

つまり、Claudeに作らせるのは骨組みです。画面名や期限の穴は、システム側の資料で埋めます。

先に集める資料

厚労省の電子処方箋ページは、薬局の手順書づくりに使える資料がまとまっています。全部を渡す必要はなく、手順書のどの部分に使うかで選びます。

資料(ページ上の項目)手順書で使う場所
薬局向け電子処方箋導入スターターキット手順書で使う場所導入前の準備作業、全体の流れ
電子処方箋の概要案内(薬局向け)手順書で使う場所電子処方箋とは何か、薬局での役割
導入済み薬局の業務紹介(あすなろ薬局、さくら薬局、れんげ薬局)手順書で使う場所来局から調剤結果登録までの実際の流れ
院内処方機能の概要案内手順書で使う場所院内処方等情報の登録に関わる節
調剤済み処方箋の保存サービスの概要手順書で使う場所保存を使う店だけの追加手順
患者様向け説明資料、周知ポスター手順書で使う場所窓口での声かけ、掲示物
説明会のよくある質問(抜粋)手順書で使う場所現場で出やすい疑問の一覧

事例の3薬局は、ページで「来局~処方入力~調剤結果登録までの実際の業務」を紹介するものとして並んでいます。手順書の流れを組むときの主材料です。

ダウンロードしたPDFは、日付入りの名前で保存しておきます。ページには更新情報の欄があり、概要案内や導入ガイドが改訂されることがあります。手順書の側には「どの版の資料を元にしたか」を書いておくと、改訂のたびに差分を追えます。

Projectsに資料と指示を置く

資料が複数になるので、Projectsにまとめます。Projectsは、知識として文書を置き、プロジェクト指示でClaudeの答え方を固定できる仕組みです。有料プランでは、知識が増えて文脈の上限に近づくとRAGモードに切り替わり、容量が最大で約10倍に広がります。

アップロードには上限があります。1回のチャットに添付できるのは20ファイル、1ファイル30MBまでです。PDFは100ページ以下なら図表も読まれますが、101ページ以上は本文のテキストだけが対象になります。図が多いスターターキットや事例PDFは、ページ数を確かめてから渡します。

プロジェクト指示には、次のような文を置きます。

あなたは薬局の電子処方箋の店内手順書づくりを手伝います。
- 根拠は、このプロジェクトに置いた資料だけです。資料にない手順は書かず、
  「要確認(システム事業者資料)」と空欄にしてください。
- 手順ごとに、根拠にした資料名とページを括弧で添えてください。
- 画面の操作名、ボタン名、登録の期限は推測せず、空欄にしてください。
- 患者の氏名、保険者番号、処方内容は扱いません。
  例が必要なときは架空の例にしてください。
- 出力は、受付担当、調剤担当、監査担当、管理薬剤師の役割別に分けてください。

「資料にないことは書かない、空欄にする」の一文が肝です。これがないと、電子処方箋の一般的な知識から、もっともらしい手順を補ってしまいます。

Team・Enterpriseプランでは、Projectsを組織内で共有できます。権限は「閲覧のみ」と「編集可」に分けられます。管理薬剤師が編集可、スタッフは閲覧のみにしておけば、手順書の元になる資料を勝手に差し替えられません。チームの共有の組み方は士業事務所のマニュアル共有の記事に詳しくまとめています。

手順書の骨格を作らせる

最初から全文を作らせず、骨格を先に出させます。骨格が資料の構成と合っているかを確かめてから、節ごとに中身を埋めます。

手順

骨格から完成までの4段

  1. 1

    骨格だけを出させる

    役割別の見出しと、各見出しの下に入る手順の項目名だけを返してもらいます。

  2. 2

    根拠の対応表を出させる

    各項目が、どの資料のどの箇所に基づくかを表にしてもらいます。根拠のない項目はここで見つかります。

  3. 3

    節ごとに本文を作らせる

    受付から順に、1節ずつ作らせます。一度に全体を作らせると、後半が薄くなります。

  4. 4

    空欄一覧を出させる

    システム事業者資料で埋める箇所を、一覧にして管理薬剤師へ渡します。

1段目で使う依頼文の例です。

添付の「薬局向け電子処方箋導入スターターキット」と事例PDF3本を読み、
店内手順書の骨格を作ってください。
- 流れは「来局」「処方情報の確認」「調剤」「調剤結果の登録」の順
- 各ステップに、担当役割と、根拠にした資料名を付ける
- 資料に画面操作の記載がない箇所は「要確認」と書く
本文はまだ書かず、見出しと項目名だけにしてください。

返ってきた骨格は、たとえば次のような形になります(構成の例であり、実際の項目は資料を読ませた結果によって変わります)。

1. 受付
   1-1 電子処方箋を希望する患者への案内(担当: 受付)
   1-2 紙の処方箋が来たときの扱い(担当: 受付)
2. 処方情報の確認
   2-1 処方内容の確認(担当: 調剤)
   2-2 重複投薬等チェックの結果の見方(担当: 調剤・監査)
3. 調剤
4. 調剤結果の登録(担当: 監査・管理薬剤師)
5. 例外・トラブル時の連絡先(要確認)

重複投薬等チェックは、ページの電子処方箋の説明にも書かれている機能です。ただし、アラートが出たときの店内の動き(誰が確認し、疑義照会へつなぐか)は薬局の運用です。資料に書かれていなければ空欄のまま、管理薬剤師が決めます。疑義照会の記録の残し方は疑義照会の記録を整える手順で扱っています。

事例PDFを自店の流れに写す

導入済み薬局の業務紹介は、手順書の流れを検証する材料として使えます。3薬局の流れを読ませ、共通する工程と、薬局ごとに違う工程を分けさせます。

あすなろ薬局、さくら薬局、れんげ薬局の業務紹介を読み、
次の3列の表にしてください。
- 3薬局に共通する工程
- 1薬局だけにある工程(薬局名を付ける)
- 自店(店舗数、スタッフ数は別途伝える)で判断が必要な点

共通する工程は、手順書の本流に入れます。1薬局だけにある工程は、自店でも要るかを管理薬剤師が判断します。工程を増やすほど、新人が覚える量も増えるからです。

ここでの注意は、事例の薬局の運用をそのまま自店に当てはめないことです。店の広さ、スタッフ数、使うシステムが違えば、同じ工程でも担当役割は変わります。表の3列目を必ず埋めてから、手順書へ反映します。

システムに依存する箇所は空欄で残す

手順書に空欄を残すのは、手抜きではありません。厚労省ページが、システム次第と明記している箇所が実際にあります。

要確認

手順書で空欄にしておく箇所

  • 医薬品マスタの設定

    一部の医療機関や薬局で、システム設定の不備により、医師の処方と異なる医薬品名が表示される事例が報告されています。医薬品・特定器材マスタの設定を自施設で確認してから利用申請する流れです。確認の担当と時期を手順書に入れます。

  • 調剤済み処方箋の保存サービス

    調剤結果データを5年間保存できる希望制の有償サービスです。使う店だけが対象なので、使わない店の手順書には節ごと入れません。調剤結果登録から100日を超えた調剤済み電子処方箋を登録できる機能は、ご使用のシステムによります。

  • 医療扶助の患者

    医療扶助の患者への電子処方箋の発行・調剤は、各施設のシステムによっては別途の改修が必要な場合があります。システム事業者への確認結果を、手順書に書きます。

  • 院内処方等情報の登録

    院内処方を行う病院・診療所が対象の機能です。薬局側は、この機能の登録情報が重複投薬等チェックにも使われることを知っておく程度で足ります。

空欄には、確認先と期限を書いておきます。「要確認」だけでは、次に誰が動くのかが決まりません。たとえば「医薬品マスタの設定確認: 管理薬剤師、システム事業者へ問い合わせ、利用申請の前まで」のように書きます。

リフィル処方箋も、同じページに概要資料が掲載されています。リフィルが来たときの受付の動きは別項目に分けて、資料を読ませてから作ります。

患者情報を渡さない設計にする

手順書づくりに、実際の患者情報は要りません。

  • 事例や練習用の例は、架空の患者と架空の薬剤名で作る
  • 処方箋の画像やスクリーンショットを渡すときは、氏名、保険者番号、生年月日を黒塗りにする
  • 画面の写真を手順書に使うなら、テスト用データの画面を撮る

Claudeにファイルを作らせる機能には、注意点があります。Claudeの作業環境は、外部のファイルやウェブサイトに仕込まれた指示により、意図しない動作へ誘導される可能性があると説明されています。信頼できる自店の資料と厚労省の資料だけを渡し、実行中に想定外のダウンロードや外部への接続が見えたら止めます。

Team・Enterpriseプランでは、ファイル作成機能とネットワークアクセスを組織のオーナーが設定画面で切り替えられます。患者情報を扱う可能性がある薬局では、管理者側で設定を確認しておくと安心です。

匿名化の具体は、疑義照会の記録の記事の「患者が分かる情報を渡す前に伏せる」の節に例があります。

完成した手順書をWordやPDFにする

文面が固まったら、そのままファイルにしてもらえます。Claudeは、Word(.docx)、Excel(.xlsx)、PowerPoint(.pptx)、PDFを作れます。作成したファイルはダウンロードするか、Google Driveへ保存できます。ファイルの上限は、アップロードもダウンロードも1ファイル30MBです。

使い分けの目安はこうです。

  • 店内で綴じて置く本編: Word(改訂履歴を残しやすい)
  • 役割別の担当表、空欄一覧: Excel
  • 新人向けの説明: PowerPoint(研修資料への展開は院内感染対策マニュアルの記事の差分表からスライドへの流れが参考になります)

ファイル作成は、通常のチャットより利用枠を多く消費します。長い手順書は節ごとに作らせたほうが、作り直しの手間も抑えられます。

返ってきた下書きの突き合わせ

出来上がった下書きは、次の4点で突き合わせます。

  1. 各手順の根拠欄の資料名とページが、実在するか(元のPDFを開いて照合する)
  2. 画面名、ボタン名、期限が空欄になっているか(埋まっていたら、根拠を問い直す)
  3. 役割の担当が、実際のシフトで回るか
  4. 資料に書かれていない手順が混ざっていないか(「資料のどこに書いてありますか」と聞き返す)

2番が最も大事です。資料にない操作名がもっともらしく入っていたら、手順書全体の信用が落ちます。入っていた箇所は、空欄に戻します。

最後に、管理薬剤師が通しで読み、1人のスタッフに手順書だけを見て模擬の流れを一周してもらいます。つまずいた箇所が、手順書の足りない箇所です。

まとめ

電子処方箋の店内手順書は、Claudeに「資料を読ませて型にする」作業を任せ、システム依存の箇所は空欄で残す分担にすると、短時間で土台ができます。資料にないことは書かせない指示と、根拠欄の照合が、手順書の信頼を支えます。

厚労省ページは更新情報が積み上がるので、手順書の冒頭に元資料の版を書き、改訂のたびにProjectsの資料を差し替えて差分を出させる運用にしておくと、手順書が古びません。

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