ClaudeとFreshBooksを連携する方法 — 読み取り専用で損益と売掛を会話で確かめる
FreshBooks公式コネクタをClaudeにつなぐ手順です。読み取り専用の範囲、使える20のツール、複数事業の扱い、今後追加予定の書き込み権限までまとめます。
Claude FreshBooks連携でできること
Claude FreshBooks連携は、クラウド会計のFreshBooksが提供するコネクタをClaudeにつなぎ、自分の会計データについて自然文で質問できるようにする仕組みです。MCP(Model Context Protocol)の上に作られています。
FreshBooks側の説明では、答えはライブデータに基づく読み取り専用のものです。利益、現金、請求書、顧客といった数字を、Claudeを離れずに聞けます。Claudeが返す内容は、FreshBooksアカウント上の自分の役割(ロール)で見える範囲に限られます。
Connectorsディレクトリでは「Anthropic verified」付きで、開発元はFreshBooks、カテゴリは「Financial services」と「Productivity」です。追加時期は2026年9月、サインインは必須です。接続先URLは https://mcp.freshbooks.com/v1 と表示されています。
コネクタ全般の仕組みはClaude Connectorsの一覧と追加方法にまとめています。同じ会計SaaSの例として、ClaudeとXeroの連携も読み取り専用の構成です。
接続前に押さえる3つの前提
接続を始める前に、次の3点を確認します。
接続前の前提
アカウント
FreshBooksのアカウントが必要です。Claude側は無料プランでも有料プランでも、デスクトップアプリとWebブラウザーのどちらからでも接続できると案内されています。
対象の事業
接続すると、そのログインに紐づくすべてのアクティブな事業にClaudeがつながります。事業を1つに絞る設定は、サポート記事に載っていません。
見える範囲
FreshBooks上のロールが基準です。チームメンバーが何を見られるかは、FreshBooks側の権限設定がそのまま効きます。
複数の事業を持つ人は、2つ目の前提が効きます。FreshBooksは、事業ごとにチャットを分けるよう勧めています。Claudeが事業を取り違えるのを防ぐためです。
接続の手順
手順はFreshBooksのサポート記事に沿っています。
FreshBooksコネクタを追加する流れ
- 1
Connectorsを開く
ClaudeのConnectorsディレクトリに直接入るか、左下の名前からSettingsを開き、Customizeの下のConnectorsを選びます。
- 2
FreshBooksを探して接続する
一覧でFreshBooksを検索し、横のConnectを押します。
- 3
ログインして権限を選ぶ
求められたらFreshBooksのログイン情報を入力します。権限の一覧には任意のチェックボックスがあり、必要なものだけ選びます。
- 4
Allow Accessで許可する
Allow Accessを押すと、ClaudeがFreshBooksアカウントにアクセスできるようになります。接続後は、コネクタ一覧にFreshBooksが現れます。
接続後にコネクタを選ぶと、ツールごとの権限を見直せます。チャットを始めると、データへのアクセス許可を聞かれます。Allowは毎回確認、Always Allowは初回以降の確認を省く選択です。
財務データでは、まず毎回確認のAllowで使い、挙動を見てから切り替える順序が無難です。
使えるツールは20個、すべて読み取り
ディレクトリのツール一覧は、次の20個です。名前はすべてgetかlistで始まり、書き込み系は含まれません。
| 区分 | ツール |
|---|---|
| 会計レポート(5) | ツール貸借対照表、総勘定元帳、損益計算書、顧客別売上、試算表 |
| 単票の取得(6) | ツール顧客、見積書、経費、請求書、入金、定期請求テンプレート |
| 一覧(8) | ツール顧客、顧客ごとのクレジット、見積書、経費、請求書、品目・サービス、入金、定期請求テンプレート |
| 事業情報(1) | ツール事業の一覧(business-profile__list_businesses) |
ツール名の実体は accounting-reports__get_profit_and_loss_report や accounting__list_invoices のような形です。一覧系は件数が多い質問、単票系は特定の請求書や顧客を掘る質問で使われると考えると、依頼の書き方が決まります。
サポート記事の権限欄には「Sales and item reporting(売上と品目のレポート)」も挙がっています。ただしディレクトリのツール一覧に、売上レポートを名指しするツールはありません。品目・サービスの一覧は載っているので、売れ筋を聞くときは、まず答えが返るかを試してみる程度に構えるのが現実的です。
業務で聞ける質問の型
FreshBooksのプロンプト集は、用途別に並んでいます。ここでは、自分の事業に当てはめやすいものを選びました。
| 用途 | 質問の例 |
|---|---|
| 売掛の回収 | 質問の例期限を過ぎた請求書は?最も古い未払いは何日前? |
| 顧客の支払い傾向 | 質問の例この顧客は期日どおりに払う?平均の支払日数は? |
| 見積と定期収入 | 質問の例承認済みなのに請求書へ変換していない見積は? |
| 経費 | 質問の例二重に請求されたものは?顧客へ請求し忘れた経費は? |
| 損益の推移 | 質問の例先月と今月の売上差は?前年同月との比較は? |
| 事業の健全性 | 質問の例今日確認すべきことは?収入が1社に偏っていないか? |
英語のままでも日本語でも質問できますが、プロンプト集は英語です。日本語で聞くときも、期間と顧客名を入れると答えが安定します。FreshBooksの案内でも、明確な事業上の問い、期間、顧客名のいずれかを含めるよう勧めています。
実際に頼む文面の例
次は、FreshBooksの推奨に合わせて「文脈を先、質問を最後」にした書き方の一例です。
FreshBooksのデータで、事業Aについて答えてください。
対象は2026年7月から9月までの3か月です。
期限を過ぎている請求書を顧客別に並べ、
合計金額と最も古い請求日を表にしてください。
最後に、回収の優先順位を提案してください。「FreshBooksのデータで」と明示するのは、公式のコツです。Claudeのプロジェクトやスキルで常にFreshBooksを参照させていない場合、これがないと別の情報源で答えようとすることがあります。
回答が合わないときの確かめ方
FreshBooksのトラブル対応は、順番に確認する形です。
数字が合わないときの切り分け
- Q正しいFreshBooksアカウントと事業を指しているか?答えがいいえのとき答えがはい
別のログインで接続している可能性があります。コネクタを切断して、目的のメールアドレスで接続し直します。
- Qコネクタの接続は今も有効か?答えがいいえのとき答えがはい
切断してから再接続します。
- QFreshBooksの画面で同じ数字を見られるか?答えがいいえのとき答えがはい
Claudeに、使った論理と取得元データを説明させます。それでも食い違うなら、FreshBooksのサポートに連絡します。
数字は画面と一致している
そのまま分析を続けられます。
Claudeが引くのはライブデータなので、おかしいと感じたらまずFreshBooksの画面で確認する、というのが公式の勧めです。
今は読み取り専用、書き込みは接続し直しが要る
現在のコネクタは、請求書の作成も経費の登録もできません。FreshBooksは「データは読み取り専用で、アカウントを変更しない」と明言しています。FreshBooksのデータをAIモデルの学習に使うこともない、とも説明しています。
一方で、権限の欄には「近日追加」のオプションが並んでいます。
- 収入の管理: 請求書、見積書、クレジットノート、入金、定期テンプレートの作成・編集・削除
- 支払の管理: 経費と請求(Bill)の作成・編集・削除
- 運用の管理: 顧客、プロジェクト、チームメンバー、工数、請求対象品目の作成・編集・削除
- 帳簿とアップロードの管理: 仕訳の作成・編集・削除
これらを今のうちに選んでおくと、将来の切断と再接続の手間が省けます、と案内されています。ただし、これらを選んでも現時点のツール一覧に書き込み系は存在しません。選ぶかどうかは、削除まで含む権限をClaudeに渡す意味を考えて決める事柄です。
使い込むための設定
FreshBooksが勧める使い方は、Claude側の機能と組み合わせる形です。
- プロジェクトを作る: FreshBooks専用のプロジェクトにすると、毎回の文脈の説明が要りません。複数事業なら事業ごとに分けます
- 個人設定の指示を保存する: 「表で出す」「箇条書きで答える」などの好みを残せます
- 他のコネクタと併用する: カレンダーや表計算のコネクタを足すと、会計以外の文脈も加わります
プロジェクトのつくり方はClaude Projectsの使い分けで扱っています。
切断したいとき
左下の名前からSettings、CustomizeのConnectorsと進み、FreshBooksを選んでDisconnectを2回押します。以後、Claudeは新しいデータを取得できません。別のメールアドレスで接続し直したいときも、同じ手順で切断してからやり直します。
どのモデルで聞くか、追い質問をどうするか
どのClaudeモデルが向くかについて、FreshBooksは特定のモデルを指定していません。複数のモデルで同じ質問を試し、結果を比べて選ぶよう案内しています。会計の数字は答えを検算しやすいので、同じ質問を2つのモデルに投げて数字が一致するかを見る、という使い方ができます。
初回の答えで終わらせず、追い質問で掘るのも公式の勧めです。「なぜ先月は利益が減ったか」と聞いたあとに、「経費のどのカテゴリが増えたか」「その経費の明細は」と続ければ、損益の全体像から経費の内訳へと問いを絞れます。
導入前に決めておくこと
このコネクタの価値は、レポートを開かずに数字の「なぜ」へ進めることです。たとえば損益の変化を聞き、そのまま経費の内訳、顧客別売上へと掘れます。ただし、会計の確定判断や税務の申告は、画面上の数字と専門家の確認が前提です。
見た目の便利さより、運用の決めごとが効きます。
- 複数事業の人は、事業ごとにチャットかプロジェクトを分ける
- 最初の数週間はAllow(毎回確認)で使い、聞いた内容を把握する
- 書き込み権限は、実際にツールが追加されてから検討する
読み取り専用である今は、誤操作で帳簿が変わる心配がありません。その分、数字の検算を自分でできる質問から始めるのが向いています。