ClaudeとGreenhouseを連携する方法 — 管理者の設定から書き込みの絞り方まで
ClaudeとGreenhouseをつなぐと、候補者・応募・面接・スコアカード・オファーを会話で扱えます。Site Adminのスコープ設定、利用できる契約、claude.aiとClaude Codeでの接続、書き込みの絞り方をまとめます。
Greenhouse Connectorでできること
Greenhouse ConnectorはClaudeとGreenhouse Recruitingをつなぐコネクタです。候補者、応募、求人、面接、スコアカード、オファーを、チャットの指示で検索・分析・更新できます。読み取り専用ではなく、書き込みにも対応します。
Claude Marketplaceの掲載ページには、提供元がGreenhouse Software, Inc.、状態が「Anthropic verified」、認証が「Sign-in Required」、追加時期が2026年10月と載っています。接続先のURLは https://mcp.greenhouse.io/mcp です。
掲載ページは「more than 150 tools」とうたい、一覧の表示は159本です。これだけ多いと、ツールの全体像より先に「誰が、どの範囲まで許可するか」を決めるほうが実務では効きます。
掲載ページが挙げる操作の範囲
候補者と見込み客
候補者の検索・更新、タグや添付ファイルの管理、メモの追加、重複の統合、プロスペクトプールの操作です。
応募とパイプライン
求人とステージ別の応募の確認、ステージの移動、理由付きの不採用とその取り消し、採用の記録です。
求人と面接
求人・募集枠・求人ポストの作成と更新、面接の日程調整、スコアカードの読み取りと作成です。
オファーと組織設定
オファーの作成と承認フローの実行、ユーザー・部署・拠点・カスタムフィールドの管理、EEOC(米国の雇用機会均等)関連データの取得です。
求人の作成や、ユーザーの管理まで含まれる点に注意が要ります。候補者の閲覧だけのつもりで使い始めても、同じコネクタが組織設定に届く構成です。
接続できる契約と、まず決める管理者の作業
Greenhouse側の記事は、この機能を「Greenhouse MCP」と呼んでいます。提供状況には3つの条件があります。
| 条件 | 内容 |
|---|---|
| 契約 | 内容GHR Core、Plus、Proのいずれか。レガシー契約は対象外で、アカウント担当への相談が案内されている |
| 提供段階 | 内容オープンベータ。一般提供ではない |
| 管理者設定 | 内容Site AdminがDev Center > MCP Accessで必要なスコープを有効にする |
利用者はGreenhouse Recruitingアカウントに紐づくメールアドレスでサインインします。Greenhouse側の記事は、ClaudeのほかChatGPTやCopilot Studioなどを対応ツールに挙げ、OAuth 2.0 with PKCEと動的クライアント登録(Dynamic Client Registration)に対応する別のAIツールも使える場合があるとしています。
接続の流れは、Site Adminが対応ツール側で接続を開始し、設定中に必要なスコープを有効にする形です。そのあと各ユーザーが自分のメールアドレスで認可します。スコープは上限として働き、ユーザーは管理者が有効にした範囲を超えて自分に権限を与えられません。
claude.aiで接続する
ClaudeのコネクタはConnectors Directoryから追加します。チャット左下の「+」を押し(または / を入力し)、「Connectors」から「Manage connectors」を開いて、Greenhouseを探します。設定から入る場合は「Customize」の「Connectors」です。掲載ページの「Add to Claude」からも追加できます。
Teamプラン・Enterpriseプランでの追加
- 1
組織にコネクタを追加する
Team・Enterpriseでは、先にOwnerまたはPrimary Ownerが組織で有効にします。有効にしても、全員に自動で権限が付くわけではありません。
- 2
Greenhouse側のスコープを確認する
Greenhouseの管理者が、Dev Center > MCP Accessで承認するスコープを決めておきます。ここで有効にした範囲が、利用者の認可画面で選べる上限です。
- 3
各メンバーが認可する
メンバーは自分のアカウントでConnectを押し、Greenhouse Recruitingに紐づくメールアドレスでサインインして認可します。
個人のPro・Maxプランでは、組織側の手順を飛ばして、自分でConnectするだけです。サンドボックス環境で試す場合、Greenhouse側の記事は、接続を始める前にGreenhouseからログアウトしておくよう勧めています。本番環境につながる事故を避けるためです。
Claude Codeから使う
Claude Codeでも、接続先は同じMCPサーバーです。Claude Codeのドキュメントによると、ディレクトリにあるリモートサーバーは claude mcp add で追加できます。Greenhouseの場合は次の形です。
claude mcp add --transport http greenhouse \
https://mcp.greenhouse.io/mcp追加後は claude mcp list で状態を見ます。✔ Connected・! Needs authentication・✘ Failed to connect のどれかが各サーバーの横に出ます。認証待ちの場合は、Claude Code内の /mcp から認可に進みます。
保存先は既定でlocalスコープです。--scope project を付けるとプロジェクトの .mcp.json に書かれるため、候補者データを扱う接続をチームの共有設定へ載せるかどうかは、別に決めます。
claude.aiで追加したコネクタをClaude Codeで使う経路もあります。どちらの経路を使っても、Greenhouse側の権限は同じように効きます。
権限は三重に絞られる
Greenhouse側の記事によると、アクセスは次の3つで決まります。
- 組織がDev Center > MCP Accessで承認したスコープ
- ユーザー自身の既存のGreenhouse権限
- Greenhouse MCPが現在サポートする機能
つまりClaudeは、ユーザーに許されていないデータには届きません。人事・採用の権限設計がきちんとしている組織ほど、導入の安全性は高くなります。
Claude側にも絞り込みがあります。Team・EnterpriseのOwnerは、コネクタごとに「Customize」の「Connectors」でツール権限を開き、権限の分類ごとに「Always allow」「Needs approval」「Blocked」を選べます。たとえば読み取りは許可しつつ、書き込みだけ「Needs approval」にする使い方です。この設定は組織全体に効き、個人は上書きできません。
Claude側の許可とGreenhouse側の権限は、どちらか一方が欠けても実行されません。Claudeで書き込みを許可しても、Greenhouseで権限がなければ更新は通らない構成です。
スコープを変えたあとの挙動には注意が要ります。
- 新しく追加したスコープは自動では反映されず、ユーザーが接続し直す必要がある
- 組織がスコープを追加・削除すると、全ユーザーがサインアウトされる
- 誤ったスコープを承認した場合は、AIツール側でGreenhouseのコネクタを切断し、認可をやり直す
書き込み系ツールをどう扱うか
掲載ページの一覧で見える名前には、add_candidate_note・anonymize_candidate・create_application・create_approval_flow・bulk_create_candidates・bulk_deactivate_users のように、状態を変えるものが並びます。名前が示す範囲を超えた挙動の説明は、掲載ページにはありません。
そのため、書き込みの扱いは運用で決めます。
- 候補者の調査や集計だけの会話は、書き込み系ツールを無効にして始める
- 更新を伴う会話では、承認画面で対象の候補者と変更内容を読んでから許可する
- 組織で絞る場合は、Needs approvalを基本にし、ユーザーや権限を扱うツールだけBlockedにする
人の評価に関わる採用データでは、記録と処理をClaudeに任せ、合否の判断は人が行う分担が基本です。Workableで同じ考え方を具体例にした一次スクリーニングの手順があります。操作の記録をどこまで追えるかは、コネクタの権限設定と監査ログで扱っています。
使いどころと、出力の質を決めるデータの整え方
Greenhouse側の記事が挙げる使い方は、採用オペレーションとパイプライン可視化、採用分析です。掲載ページには、次のような指示例が載っています。
- 「バックエンドエンジニア職の候補者のうち、Onsiteに2週間以上いる人は?」
- 「Priyaの最終面接のスコアカードを要約して」
- 「ロンドン拠点の新しいDesign Leadの募集枠を作って」
(日本語は意訳です。原文は英語の指示です。)
Greenhouse側の記事には、出力の質を上げるデータ整備の項目もあります。
| 整えるもの | 理由 |
|---|---|
| 面接ステージの名称 | 理由求人をまたいで揃えると、パイプラインの動きを正確に分析できる |
| スコアカードと面接キット | 理由構造化された評価と推薦が、候補者の要約や議論のまとめの材料になる |
| 候補者の動き | 理由停滞や離脱の傾向が読み取れるよう、ステージの更新と不採用理由を残す |
| 求人設定 | 理由採用チーム・拠点・部署が正しいと、求人単位の分析が安定する |
| カスタムフィールド | 理由単一選択・数値・日付などは、自由記述より分析しやすい |
どこから手を付けるか迷う場合は、面接ステージとスコアカードから始めるよう案内されています。この2つが出力の質への影響が大きいという位置づけです。
同じ採用領域のコネクタとしては、Workableの接続手順が参考になります。人事領域で書き込み権限の扱いが論点になる点は、Latticeの記事と共通です。
うまくつながらないとき
| 症状 | 確認すること |
|---|---|
| そもそも使えない | 確認すること契約がCore・Plus・Proか。Dev Center > MCP Accessのスコープ設定済みか。AIツールがOAuth 2.0 with PKCEと動的クライアント登録に対応しているか。必要ならリダイレクトURLがGreenhouseに許可登録されているか |
| 別のアカウントでサインインした | 確認することAIツールでGreenhouseのコネクタを切断し、Greenhouseからサインアウトして、Recruitingアカウントのメールアドレスでやり直す |
| 期待したツールが出ない | 確認すること該当スコープが有効か。ユーザーの権限で許可される操作か。スコープ更新後に再接続したか |
| サンドボックスと本番を行き来している | 確認すること環境を切り替える前に、現在の環境からログアウトしてから接続し直す |
Greenhouse MCPはオープンベータです。使える機能は今後も広がるとGreenhouse側が説明しているため、ツールの数や名前は変わりうる前提で、接続後に実際に表示される一覧を確かめてください。
導入前に決めておくこと
最初は読み取りだけの運用から始める手があります。候補者の滞留確認やスコアカードの提出状況の点検は、更新権限がなくても成立します。更新系は、対象の操作を1つずつ決めてから、承認付きで開けるのが安全です。
判断の分かれ目は、ユーザー管理やスコアカード作成まで含めるかどうかです。Greenhouseのスコープは、組織側で絞れる範囲が最も強い制御点になります。