Claude Media
ClaudeとHarveyを連携して法務の質問とVault検索を行う方法

ClaudeとHarveyを連携して法務の質問とVault検索を行う方法

Harveyのホスト型MCPをClaudeに接続すると、法務の質問、Vaultプロジェクトの文書分析、調査用ナレッジソースへの問い合わせを会話から呼べます。接続手順と5つのツール、権限エラーの切り分けをまとめます。

Claude Harvey連携とは — 法務AIの機能をClaudeの会話から呼ぶ仕組み

Claude Harvey連携は、法務向けAIのHarveyが提供するホスト型MCPサーバーを、ClaudeのConnectorとして接続する仕組みです。Connectorsディレクトリでは「Anthropic verified」の表示つきで、カテゴリは「Legal」と「Productivity」、2026年2月に追加されています。開発元はHarvey自身です。

Harvey MCPサーバーが外に出しているのは、Harveyの機能のうち3系統です。

3系統

Harvey MCPサーバーが公開している機能

  • 一般的な法務の質問

    特定の文書を指さずに、Harveyの法務知識へ質問します。

  • Vaultプロジェクトの分析

    Harvey上のVaultプロジェクトにある文書について、出典つきで質問します。

  • ナレッジソースでの調査

    英国税法のような専門の法務リサーチ用データベースに問い合わせます。

加えて、使えるVaultプロジェクトとナレッジソースを一覧するツールが2つあります。何が参照できるかを会話の中で確かめてから質問に入れる設計です。

接続できるのは、Harveyのアカウントを持っている人です。Claude側のサインインとは別に、Harveyのアカウントで認証します。契約管理のIroncladやiManage上の契約レビューは別の記事で扱っています。契約ライフサイクルはClaudeとIroncladの連携、iManageはClaude Legal Solutionsの契約レビューを参照してください。Harveyは、それらとは別系統の「法務AIそのものを呼ぶ」連携です。

接続の前に確認すること

接続ボタンを押す前に、次の3点を確かめると手戻りが減ります。

  • Harveyのアカウント: Harvey側に自分のアカウントが必要です。
  • ホスト型MCPの有効化: ワークスペースでこの機能に登録されている必要があります。未登録だと、後述のとおり「Hosted MCP server is not enabled for this user」というエラーが出ます。
  • クライアントの条件: 接続先は、Streamable HTTPのリモートMCPサーバーとOAuth認証に対応したクライアントでなければなりません。Harveyの案内はClaudeを対応クライアントとして挙げています。

Team・Enterpriseプランでは、組織のOwnerまたはPrimary OwnerがConnectorを先に有効にします。有効化しても全員が自動で使えるわけではなく、各自がHarveyで認証する必要があります。

claude.aiとデスクトップアプリでHarveyを接続する手順

Harveyの案内にあるClaudeの接続経路は、WebとDesktopの2つです。どちらも同じ流れです。

手順

Harveyを接続して会話で使えるようにする

  1. 1

    Connectorsを開く

    Claudeにサインインし、設定のConnectorsを開きます。ディレクトリは、チャット左下の「+」から「Connectors」の「Manage connectors」でも開けます。

  2. 2

    Harveyを検索して追加する

    検索欄に「Harvey」と入れて選び、「Connect」を押します。

  3. 3

    Harveyのアカウントで認証する

    ブラウザでHarveyのOAuth画面が開きます。自分のHarveyアカウントでサインインします。

  4. 4

    会話でオンにする

    チャットの「+」から「Connectors」を開き、Harveyのトグルをオンにします。Web版では、チャット中にHarveyがオンになっていることを確かめるよう案内されています。

Harvey側のサインインは必須です。サインインの有無は、ディレクトリのページでも「Sign-in: Required」と明示されています。

モバイルアプリについては、Connectorを一度接続したあとは、次にログインしたときに使えるようになります。ただし、Connectorの新規追加はWebとDesktopが主な経路です。

リージョン別のエンドポイントとカスタム接続

ディレクトリのページには、リージョンごとに3つのコネクタURLが載っています。

リージョンコネクタURL
USコネクタURLhttps://api.harvey.ai/hosted_mcp/mcp
EUコネクタURLhttps://eu.api.harvey.ai/hosted_mcp/mcp
AUコネクタURLhttps://au.api.harvey.ai/hosted_mcp/mcp

どのリージョンのURLを使うべきかは、ワークスペースの契約内容による事項で、Harveyの管理者に確認します。ディレクトリの接続ボタンで追加する場合、どのURLが使われるかはページに書かれていません。EUやAUのデータ所在要件がある組織は、導入前にHarveyの担当者へ確かめてください。

Claude Codeで接続する場合

Harveyの案内には、Claude Codeでの設定手順は載っていません。Claude Codeには、リモートHTTPサーバーを追加する汎用のコマンドがあります。

claude mcp add --transport http harvey \
  https://api.harvey.ai/hosted_mcp/mcp

追加後は、Claude Code内で /mcp を開いて認証を進めます。Harveyの案内にない経路なので、この組み合わせが動くかどうかはHarveyのワークスペースの設定次第です。組織で使う場合は先にHarveyの管理者へ確認します。Claude Codeの全体像も合わせて参照してください。

5つのツールと、会話での使い分け

Harvey MCPサーバーが持つツールは5つです。ディレクトリの表示名と、Harveyの開発者向けドキュメントの名前は次のように対応します。

ディレクトリの表示名ツール名使う場面
Ask Harveyツール名ask_harvey使う場面文書を指さない一般的な法務の質問
Ask Harvey About Vault Projectツール名ask_about_vault使う場面特定のVaultプロジェクトの文書への質問
Ask Harvey With Knowledge Sourceツール名ask_with_knowledge_source使う場面特定のナレッジソースを指定した調査
List Vault Projectsツール名list_vault_projects使う場面自分が見られるVaultプロジェクトの一覧
List Knowledge Sourcesツール名list_knowledge_sources使う場面使える調査用ナレッジソースの一覧

依頼の書き方は、どのツールを呼ばせたいかで変わります。Harveyのドキュメントにある例を日本語にすると、次のような形です。

  • 一般の質問: 「契約違反の請求が成立するための要素は何か」
  • Vault分析: 「このプロジェクトにある補償条項を要約して」
  • 調査: 「非居住者のキャピタルゲインに関する英国歳入関税庁のガイダンスは何か」
  • 一覧: 「自分がアクセスできるVaultプロジェクトを教えて」

Vaultへの質問は、プロジェクトの識別子が必要です。vault_project_id はUUID形式でなければならず、先に一覧のツールで取得する流れが前提です。ナレッジソースも同様で、knowledge_source_type は一覧で返った値を使います。名前を推測して渡すと、後述のエラーになります。

切り分け

どのツールを呼ばせるかの切り分け

  1. Q特定の文書やプロジェクトに基づく答えが必要か
    答えが文書を指さない質問なら Ask Harvey に任せる。

    プロジェクトを指定して質問すると、答えには出典が付きます。

調査用のナレッジソースは、全員に同じものが開いているわけではありません。ドキュメントでは、ナレッジソースへの問い合わせはユーザーのアカウントで有効なものに限られるとされています。何が使えるかは、List Knowledge Sourcesで確かめます。

権限と情報の流れ — 何が見えて、何が外に出るか

法務の文書を扱う連携では、誰が何を見られるかが最初の論点です。Harveyのドキュメントに書かれている範囲を順に挙げます。

  • ユーザーごとに認証する: 複数のメンバーが同じMCPサーバーに接続できますが、認証は各自がブラウザのOAuthで行い、リクエストは認証された本人の権限で処理されます。
  • 見えるのは本人が見られる範囲: Vaultへの質問は本人がアクセスできるプロジェクトに、ナレッジソースへの質問は本人のアカウントで有効なものに限られます。
  • ツールごとの権限が要る: たとえば ask_about_vault には VAULT 権限が必要です。
  • 会話の履歴は持たない: 各ツール呼び出しは状態を持ちません。複数回にわたる作業は、Claude側の会話が文脈を持ち回ります。

最後の点は使い方に効きます。2回目の質問で「さっきの条項について」と書いても、Harvey側に前回の呼び出しの記憶はありません。Claudeが前の回答を踏まえて質問文を組み直す形になるため、前提となる条項番号や文書名は依頼に明示するほうが安定します。

Claude側にも制御があります。Team・Enterpriseプランの管理者は、Connectorの操作を「常に許可」「承認が必要」「ブロック」から選べます。Harveyの5つのツールは問い合わせと一覧が中心なので、承認を挟む運用にしたい場合はこの設定を使えます。

外部サービスへ渡るデータ

Harveyのドキュメントは、Claude、Gemini、Microsoft 365 Copilotのようなサードパーティ側に渡ったデータの扱いは、利用者とそれらの事業者との契約に従うと述べています。Harveyは、データがHarveyのシステムを出た後のサードパーティの取り扱いに責任を負いません。ClaudeとHarveyを組み合わせると、Harveyの回答がClaudeの会話に入ります。機密性の高い案件では、Anthropicとの契約条件も合わせて確認する必要があります。

また、Connectorsのディレクトリには、信頼できる開発者のものだけを使うよう注意書きがあります。接続先のサービスは各社の基盤とルールで動くため、Claudeの推論設定が変わっても、接続先の所在地は変わりません。

接続できない・エラーが出るときの切り分け

Harveyのドキュメントには、主なエラーとその対処が載っています。

表示原因と対処
Hosted MCP server is not enabled for this user原因と対処この機能に登録されていない。Harveyの管理者か担当者に確認する
You do not have permission to use this tool原因と対処そのツールに必要な権限がない。ワークスペース管理者に権限を確認する
Invalid vault_project_id format原因と対処プロジェクトIDがUUIDではない。先にVaultプロジェクトの一覧を呼ぶ
Unknown knowledge source type原因と対処ナレッジソースの種別が存在しない。先にナレッジソースの一覧を呼ぶ

認証が通らない場合は、Harveyのアカウントが有効で、MCP機能にアクセスできることを確かめます。それでも改善しなければ、MCPサーバーを一度削除して追加し直します。ツールが表示されないときは、クライアントがStreamable HTTPに対応しているか(SSEやstdioだけではないか)を見て、以前の接続があるなら再認証します。

切り分け

Harveyのツールが使えないときの順番

  1. QHarveyのアカウントは有効か
    答えがHarveyの管理者にアカウントの状態を確認する。

    Connectorsの画面でHarveyを切断して接続し直します。ツール単位の権限エラーは、Harvey側の権限設定が原因です。

法務の現場で使うときの考え方

Harveyの回答をClaudeが受け取り、要約や整形を行う二段の構成になります。回答の根拠はHarveyが返す出典つきの結果にあります。Claudeが文章を整えた時点で、元の出典との対応が崩れていないかは、人が見直す前提で組むと安全です。

組み合わせ方の例は、Vault内の複数の文書から条項を抜き出させ、その結果をClaudeで比較表にまとめる流れです。Vaultへの質問はHarveyが担い、表形式への整形や社内向けの文面化はClaudeが担います。ほかのConnectorと並べて使うなら、契約書の運用が別のサービスにある場合はClaudeとOntraの連携や、日本の電子契約を扱うClaude法務連携ガイドのような組み合わせも考えられます。

答えの正しさや法的な効力の判断は、このConnectorが保証するものではありません。Harveyの回答も、最終的には資格を持つ担当者が確認する前提で使います。

まとめ

Harveyのホスト型MCPは、一般的な法務の質問、Vaultプロジェクトの文書分析、ナレッジソースでの調査の3つをClaudeから呼ぶ入り口です。接続はConnectorsでHarveyを検索してOAuthで認証するだけですが、前提として、Harvey側のアカウントとホスト型MCPの有効化が要ります。

使い始めの順番は、まず一覧のツールでVaultプロジェクトとナレッジソースを確かめ、次に識別子を指定して質問します。権限エラーの多くは、Harvey側のユーザー権限か機能の登録で説明がつきます。データの扱いは、HarveyとAnthropicそれぞれの契約条件に従うため、機密案件では導入前に確認が必要です。

この記事を共有:XはてブLinkedIn