被扶養者の認定をClaudeで事前判定する手順 — 130万円の壁と書類
パートの契約書と給与明細から見込み年収を月ごとに出し、130万円の壁に近いかを判定する手順です。協会けんぽの被扶養者認定で要る書類も表にします。
家族の扶養に入れるかどうかは、勤め先の担当者や保険者が最終的に決めます。それでも、届出の前に自分で「基準に近いか」「どの書類が要るか」を見ておけば、やり直しはかなり減らせます。
Claudeに向くのは、契約書や給与明細の数字を月ごとの表にし、基準額との差を並べる作業です。この記事では、健康保険の被扶養者認定に絞って、その事前判定の手順を示します。基準は日本年金機構と協会けんぽの案内で固定し、Claudeには計算と書類リストの作成だけを任せます。
被扶養者の認定は何で決まるか
被扶養者に当たる条件は、日本国内に住所があり、被保険者に主として生計を維持されていることです。そのうえで、収入要件と同一世帯の条件の両方を満たす必要があります。日本年金機構の案内がこの2つを軸にしています。
事前判定で見る4つの軸
見込みの年間収入
過去の収入ではなく、認定日以降の1年間の見込み額で見ます。
同居か別居か
同居なら被保険者の収入の半分未満、別居なら仕送り額未満が条件です。
本人の年齢と障害
60歳以上や障害厚生年金の受給程度の障害がある人、19歳以上23歳未満の人は基準額が変わります。
続柄と同居の要否
配偶者、子、父母などは同居が不要で、それ以外の3親等内の親族は同居が必要です。
日本年金機構のページは、配偶者(未届の事実婚を含む)、子・孫・兄弟姉妹、父母・祖父母などの直系尊属を、同居が要らない続柄に挙げています。伯叔父母や甥姪などは、被保険者と同居していることが条件です。
基準額は年齢と障害で3通りある
収入要件の数字は次のとおりです。
年間収入の基準額(未満であること)
原則
130万円
給与収入のみなら月額108,333円以下が目安
60歳以上・障害厚生年金の程度の障害
180万円
同居・別居の条件は共通
19歳以上23歳未満(配偶者を除く)
150万円
扶養認定日が令和7年10月1日以降
月額108,333円は、130万円を12で割った額に当たります。雇用保険の受給者は日額3,611円以下が目安で、日本年金機構のページにこの2つの数字が書かれています。
19歳以上23歳未満の年齢は、扶養認定日が属する年の12月31日時点で判定します。令和7年11月に19歳になる人なら、令和7年の判定は150万円未満です。令和7年9月30日以前に認定済みの人は、10月1日以降に年間収入が150万円以上見込まれた時点で、削除(非該当)の届出が要ります。
同居か別居かで比べる相手も変わります。
| 状況 | 被扶養者の収入の条件 |
|---|---|
| 同居 | 被扶養者の収入の条件被保険者の年間収入の半分未満 |
| 別居 | 被扶養者の収入の条件被保険者からの仕送り額未満 |
収入が被保険者の半分以上でも、被保険者の年間収入を上回らず、世帯の生計維持の中心が被保険者だと認められれば、被扶養者になれることがあります。この例外は保険者が総合的に勘案する扱いなので、Claudeの計算では決まりません。
収入に数える項目は給与だけではない
日本年金機構のページには、被扶養者の収入に雇用保険の失業等給付、公的年金、健康保険の傷病手当金と出産手当金も含まれると書かれています。退職して間もない人や、産休明けの人は、給与の欄だけを見ると見込みを誤ります。
Projectsに基準メモと指示を置く
基準額は改正が続くので、Claudeの記憶に頼らず、確認済みの数字を自分で渡します。ClaudeのProjectsは、書類や文章を知識ベースとして置き、プロジェクトごとに指示を定められる仕組みです。無料プランでも作れ、上限は5つまでです。
最初に、上で確認した基準額を1枚のメモにしてプロジェクトの知識に置きます。出典のURLと確認した日付も添えます。
# 被扶養者認定の基準メモ(確認日: 2026-10-10)
出典: 日本年金機構「家族を被扶養者にするとき…の手続き」
- 年間収入: 130万円未満(原則)/180万円未満(60歳以上・障害)
/150万円未満(19歳以上23歳未満・配偶者を除く)
- 同居: 被保険者の年間収入の半分未満
- 別居: 被保険者からの仕送り額未満
- 年間収入は認定日以降の見込み額
- 給与収入のみなら月額108,333円以下が目安プロジェクトの指示には、役割と禁止事項を書きます。
あなたは健康保険の被扶養者認定の事前チェックを手伝います。
- 基準額は知識ベースの基準メモだけを使い、記憶で補わない
- 月ごとの金額と合計を表で出し、計算式も添える
- 「認定される」と断定せず、「基準額との差」と「要確認の項目」を返す
- 個人番号、マイナンバーカードの番号、口座番号は受け取らない指示に「断定しない」を入れるのは、判定権限が保険者にあるからです。Claudeの役目は、差を見える形にして、確認先を絞ることに置きます。
契約書と給与明細から見込み年収を月ごとに出す
家族の契約書(労働条件通知書)と直近の給与明細を、氏名や住所を伏せてから渡します。月ごとの表にさせるプロンプトは次のとおりです。
添付の労働条件通知書と給与明細3か月分から、今後12か月の
見込み年間収入を月別の表にしてください。
- 列: 月 / 基本給 / 各種手当 / 残業代の見込み / 賞与 / 月合計
- 契約書に金額が書かれていない項目は「記載なし」と明示する
- 月合計の12か月分を足した金額と、基準額との差を最後に示す
- 基準は知識ベースの基準メモに従い、対象者は45歳とし、年齢による基準の変更はなしとする
- 計算は表計算ファイルの数式で出し、xlsxで保存する最後の行が効きます。Claudeのコード実行とファイル作成の機能は、動く数式入りのExcelファイルを作れます。合計をClaudeの文章ではなくシートの数式で出させれば、自分でセルを見て検算できます。この機能は、設定のCapabilitiesでコード実行とファイル作成を有効にして使います。無料・Pro・Maxプランの案内には、設定のスイッチで切り替えると書かれています。
数字の例で見る
次の表は、説明用の仮の数字です。時給1,200円で月80時間働き、通勤手当が月5,000円というパートを想定します。
| 項目 | 月額 | 12か月分 |
|---|---|---|
| 基本給(1,200円×80時間) | 月額96,000円 | 12か月分1,152,000円 |
| 通勤手当 | 月額5,000円 | 12か月分60,000円 |
| 合計 | 月額101,000円 | 12か月分1,212,000円 |
130万円との差は88,000円です。月額の目安108,333円と比べても、毎月7,333円の余裕があります。ここまでは「基準内」です。
繁忙期の残業を足すと状況が変わります。たとえば3か月だけ月3万円の残業代が出ると、年間で9万円増えて1,302,000円になり、130万円を超えます。こうした「契約どおりなら基準内だが、残業で超える」ケースは、あとで述べる2つの特例の出番です。
見込み額を出すときの注意
- 賞与や諸手当も、契約書にあれば見込みに入れる
- 手当の金額が書かれていない場合は、金額を推測せず「記載なし」のまま残す
- 残業代は契約に含まれないので、別行で上振れの幅を見る
- 複数の勤め先があるときは、合算して見る
基準との差で3つに振り分ける
月ごとの表ができたら、基準との差で次の3段階に分けます。段階の境目は、Claudeに決めさせず自分で数字を決めます。
| 状況 | 見込み年収と基準の関係 | 次に確認すること |
|---|---|---|
| 余裕あり | 見込み年収と基準の関係基準額を十分下回り、残業の上振れを足しても届かない | 次に確認すること書類の準備に進む |
| 基準に近い | 見込み年収と基準の関係契約どおりなら基準内だが、上振れで超えうる | 次に確認すること労働契約の特例と事業主証明の条件を見る |
| 超過見込み | 見込み年収と基準の関係契約の賃金そのものが基準額以上 | 次に確認すること働き方の見直しか、別の健康保険の加入を検討 |
「基準に近い」の行にある2つの特例を、一次ソースの条件で確かめます。
労働契約の内容で判定する特例
令和8年4月1日以降の扶養認定では、給与収入だけの人について、労働条件通知書などに記載された賃金から見込まれる年間収入で判定できます。賃金には諸手当と賞与も含まれます。条件を満たせば、従来の判定方法で基準額を超えていても、被扶養者として認定できる可能性があります。
条件は次のとおりです。
- 契約の賃金から見込まれる年間収入が基準額未満であること
- ほかの収入が見込まれないこと
- 同一世帯なら被保険者の年間収入の半分未満、別世帯なら被保険者からの援助額より少ないこと
次の場合は、この方法では認定できません。
- 被扶養者になった日から数えて、通知書上の契約期間が1年未満
- 「シフト制による」のように、労働時間の記載が不明確
- 「通勤手当有」だけで、手当の金額が不明確
障害年金などの給与以外の収入がある人も、60歳以上や障害のある人の180万円の枠ではこの方法を使えません。この特例には、労働条件通知書などの契約内容がわかる書類と、「給与収入のみである」旨の申立書の両方を添付します。契約が更新されたり労働条件が変わったりしたら、その都度、2つの書類を出し直す必要があると協会けんぽは案内しています。
一時的な収入増に使う事業主証明
人手不足による労働時間の延長などで、年収が一時的に基準額以上になっても、事業主の証明書を添えれば、原則として連続2回まで被扶養者の認定が受けられます。厚生労働省の「年収の壁・支援強化パッケージ」のページに、事業主証明の様式と、事業主の証明による認定のQ&Aが載っています。同ページは、この扱いを引き続き利用できると案内しています。
協会けんぽの再確認の案内には、一時的な増加が3年連続している場合は、扶養解除の手続きが必要になるとあります。基準額に近い人は、この「連続2回」を使い切る前に働き方を見直せるよう、毎年の見込みを残しておくと役立ちます。
先ほどの残業の例なら、Claudeに「この上振れは労働契約の特例では救えるか、事業主証明が要るか」を聞くより、表の合計を持って勤め先の担当者に相談するほうが早く決まります。
提出書類を表にして、足りないものを洗い出す
被扶養者の認定は、被保険者が事業主を経由して「被扶養者(異動)届」を出す手続きです。協会けんぽの加入者の届出先は日本年金機構で、提出時期は事実発生から5日以内とされています。協会けんぽ以外の健康保険組合などに加入している場合は、勤め先に問い合わせる扱いになります。
添付書類は、次のように状況別に分かれます。
| 確認すること | 必要な書類 | 補足 |
|---|---|---|
| 続柄 | 必要な書類戸籍謄(抄)本、または個人番号の記載がない住民票の写し | 補足提出日から90日以内の発行 |
| 収入(税法上の扶養に入っている人) | 必要な書類事業主の証明があれば不要 | 補足被保険者の合計所得金額が1,000万円超なら証明書類が要る |
| 収入(退職して要件を満たす) | 必要な書類退職証明書、または雇用保険の被保険者離職票の写し | 補足 |
| 収入(失業給付の受給中・終了) | 必要な書類雇用保険の受給資格者証、または受給資格通知の写し | 補足 |
| 収入(年金受給中) | 必要な書類年金額の改定通知書などの写し | 補足 |
| 収入(自営・不動産収入あり) | 必要な書類直近の確定申告書の写し | 補足自営は必要経費を引いた額 |
| 収入(上記以外) | 必要な書類課税(非課税)証明書 | 補足非課税の年金や手当は受取額がわかる通知書も |
| 別居の仕送り | 必要な書類振込明細書や通帳の写し、現金書留の控え | 補足16歳未満・16歳以上の学生は不要 |
さらに、給与収入のみで労働契約の内容によって判定してもらう場合は、労働条件通知書などと「給与収入のみである」旨の申立書を付けます。被扶養者になった日が受付日より60日以上さかのぼる場合は、扶養の事実を確認できる書類が要ります。ただし、出生や婚姻などを契機とした届出で、一定の要件を満たせば不要です。
Claudeに書類リストを作らせる
自分の状況を書いて、上の表を知識ベースに置いたうえで、次のように頼みます。
次の状況で届出を出します。必要書類を「必須」「該当すれば」
「不要」に分けた確認リストにしてください。
- 家族: 妻、同居、パート勤務(契約期間は1年)
- 収入: 給与のみ、労働条件通知書あり
- 書類の入手先と、手元にまだ無いものも列にしてください
- 表にない書類を推測で加えず、迷う項目は「要確認」にする「表にない書類を加えない」と書くのが肝心です。保険者によって求める書類が違う場面もあるため、リストの最後に、勤め先の担当者へ確認する項目を残させます。
共働きや雇用保険の受給中は判定が変わる
夫婦ともに収入がある場合は、被扶養者の人数にかかわらず、年間収入の多い方の被扶養者として認定されます。育児休業の取得で一時的に収入が逆転しても、その休業期間中の被扶養者の異動手続きは要りません。
申請する側の被保険者の年間収入は、過去の収入や現時点の収入、将来の収入から、今後1年間の見込みを出します。配偶者が国民健康保険の被保険者なら、直近の年間所得で見込んだ額を記入します。
雇用保険の待機期間中でも、収入要件を満たしていれば認定できます。基本手当が日額3,612円以上で支給され始めたら、扶養削除の届出が要ります。ここでも、Claudeに渡すのは「受給資格者証の金額」であって、推測値ではありません。
勤め先で自分が社会保険に入る側になる「106万円の壁」は、別の仕組みです。厚生労働省のページでも別項目に分かれています。この記事の判定は、家族の健康保険の被扶養者になれるかどうかです。
認定後も基準は見られ続ける
被扶養者の年間収入が基準額以上と見込まれたときは、削除(非該当)の届出をします。後期高齢者医療の被保険者になった場合や、同居が要る続柄の人が別居した場合なども同じです。
協会けんぽは、保険給付の適正化のために毎年度、被扶養者資格の再確認を実施しています。令和8年度は、10月下旬から11月中旬にかけて事業主に被扶養者状況リストが届き、提出期限は12月11日です。対象は、次のいずれかに当たる可能性が高い被扶養者に絞られています。
- 健康保険の資格が重複している
- 同居が要る続柄なのに、被保険者と別居している
- 令和7年中の課税収入額が基準額(130万円、60歳以上は180万円、19歳以上23歳未満で配偶者でない人は150万円)以上
リストが届いたときのために、事前判定のときの表を年ごとに残しておくと、収入を確認する場面で慌てません。Claudeのプロジェクトに前年の表を置いておけば、「今年の契約変更で差がどう動くか」も同じ手順で比べられます。
Claudeに任せる範囲と任せない範囲
最後に、役割の線引きを表にします。
| 作業 | Claudeに任せるか | 理由 |
|---|---|---|
| 契約書・明細の数字を月別の表にする | Claudeに任せるか任せる | 理由数式入りファイルで自分でも検算できる |
| 基準額との差を並べる | Claudeに任せるか任せる | 理由基準は自分で渡した数字だけを使う |
| 状況別の書類リストを作る | Claudeに任せるか任せる | 理由表を渡した範囲で並べ替えるだけ |
| 認定されるかどうかの結論 | Claudeに任せるか任せない | 理由判断するのは保険者 |
| 世帯の生計維持の中心かどうか | Claudeに任せるか任せない | 理由保険者が総合的に勘案する |
| 個人番号や口座番号の入力 | Claudeに任せるか入れない | 理由判定に不要 |
年末調整や確定申告の税の側の扶養は、基準も窓口も別です。税の下書きでの注意点はClaudeで確定申告・年末調整の下書きを作るときの注意点にあります。毎月の給与を検算する方法はClaudeで給与計算を検算し給与明細の問い合わせに答える手順で扱っています。
契約書そのものの読み方はClaudeに契約書を読ませてわかりにくい条項を確認する方法が詳しく、知識ベースが大きくなったときの動きはClaude ProjectsのRAG検索の仕組みにあります。休職中に傷病手当金を受ける場面は休職・復職の手続き書類の手順で見られます。
まとめ
判定の核心は、契約書の賃金から12か月分の見込みを出し、130万円(条件により180万円・150万円)との差を見ることです。差が小さいときは、令和8年4月1日以降の労働契約の特例と、事業主証明の連続2回までという枠が選択肢になります。
Claudeには、月別の表と書類リストまでを任せます。結論は保険者の判断なので、表を持って勤め先の担当者に相談する流れが、最もやり直しの少ない進め方です。