Claudeとisolved People Cloudの連携手順 — 給与確認を会話で行う
isolved People CloudコネクタをClaudeに接続する手順と、Guardianが読める・直せる・提出できる範囲、接続できないときの原因をまとめます。
isolved People Cloudコネクタは、給与処理の確認・修正・提出をClaudeの会話の中で進めるための連携です。ただし、誰でもConnectorsの画面から押せば使えるわけではありません。組織側でGuardianという追加サービスと、Claude接続の法務サービスが有効になっている必要があります。
接続後に効くのは、どこまでをClaudeに任せ、どこからをisolvedの画面で人が行うかの線引きです。この記事では、接続手順と並べて、その線引きを表にします。
isolved People Cloudコネクタとは — 提供元と二つの用途
ClaudeのConnectorsディレクトリでは、提供元はisolvedで、「Anthropic verified」の表示が付いています。カテゴリはProductivity、サインインは必須です。ディレクトリへの追加は2026年6月で、接続先は次のURLです。
https://api.myisolved.com/restmcp-prod/mcpディレクトリの説明は、用途を二つに分けて書いています。
コネクタの二つの顔
従業員のセルフサービス
自分の休暇残高の確認、休暇申請、給与履歴(支給と控除の内訳)、源泉徴収の説明、口座番号を伏せた振込先の確認ができます。
Guardian(給与担当者向け)
給与計算の実行ごとにリアルタイムで分析し、締める前に誤りの可能性を知らせ、管理者の承認を前提に修正を準備します。承認なしには何も確定しません。
認証はOAuthで、見えるのは自分のロールで見られるデータだけです。機能は組織のisolved設定と有効なサービスによって変わる、とも書かれています。
ツール名として載っているのは、get_time_off_requests・get_time_off_summary・submit_time_off_request・cancel_time_off_request の4つです。いずれも休暇に関するツールで、Guardianの給与向けの操作に対応するツール名は、ディレクトリのページには載っていません。給与処理側の機能は、提供元の開発者向けページに沿って把握することになります。
接続の前に必要なもの — 組織側とユーザー側
最初の関門は組織側です。提供元の説明では、管理者が一度だけ済ませる設定が二つあります。
- Guardianは追加サービスで、営業プロセスを通じて有効にする。Perfect Payroll Assistを含む
- 「Claude Connection」の法務サービスを組織で有効にする
この二つが無効だと接続できません。どちらもisolvedのサポート経由でしか有効にできないため、情シスや給与担当者が手元の設定で解決する問題ではありません。
ユーザー側の前提は次のとおりです。
- 給与処理の権限を持つ有効なisolvedアカウント
- 有効なClaudeアカウント(提供元はEnterprise版を勧めているが、必須ではない)
コネクタはWeb・デスクトップ・モバイルのClaudeで同じように使えます。
接続手順 — 設定からサインインまで
ClaudeでisolvedのConnectorを有効にする
- 1
コネクタを探す
Claudeの左下のプロフィールアイコンから設定を開き、左側のConnectorsを選びます。Browse connectorsから「isolved People Cloud」を選びます。
- 2
接続してサインインする
Connectを押すとisolvedのサインイン画面に移ります。普段のisolvedのユーザー名とパスワードでサインインします。
- 3
同意画面を読む
同意画面には、コネクタ経由で使えるデータの範囲が一覧で出ます。内容を確かめて承認すると、Claudeに戻ります。
- 4
会話で有効にする
チャット欄の左下にある「検索とツール」を開き、isolved People Cloudのスイッチをオンにします。以降、プロンプトにisolvedの文脈が加わります。
サインインは30日間有効です。期限が切れるとisolvedへの再サインインを求められ、手順は初回と同じです。
Guardianは何を読み、何を直し、何を提出できるか
提供元の表は、操作を「読む」「承認を得て直す」「提出する」の3段階に分けています。作業の範囲はサインインしたユーザーが権限を持つクライアントと給与期間に限られます。
| 対象 | 読む | 承認を得て直す | 提出 |
|---|---|---|---|
| 選択したクライアント・期間の給与実行データ | 読む可 | 承認を得て直す不可 | 提出不可 |
| 実行の合計と要約 | 読む可 | 承認を得て直す不可 | 提出不可 |
| 従業員ごとの給与明細 | 読む可 | 承認を得て直す不可 | 提出不可 |
| Perfect Payroll Assistの指摘 | 読む可 | 承認を得て直す不可 | 提出不可 |
| 新入社員が新規採用ファイルにない | 読む可 | 承認を得て直す可 | 提出不可 |
| 未対応の特殊文字 | 読む可 | 承認を得て直す可 | 提出不可 |
| SOCコードの欠落 | 読む可 | 承認を得て直す可 | 提出不可 |
| 給与とチェックの詳細 | 読む可 | 承認を得て直す不可 | 提出不可 |
| 給与の提出 | 読む不可 | 承認を得て直す不可 | 提出可 |
| SSN・EIN・ITINの項目 | 読む不可 | 承認を得て直す不可 | 提出不可 |
| 権限外のクライアントと給与期間 | 読む不可 | 承認を得て直す不可 | 提出不可 |
修正できるのは3種類だけです。これ以外の問題は「指摘と修正の案内」として表示され、実際の訂正はisolvedの画面でユーザーが行います。Benefits・Time・HRなど、給与以外のHCMデータにも今回のリリースでは届きません。
読み取りの範囲が広い一方で、書き込みは3パターンと提出に絞られています。SSNなどの個人識別項目は、読むことも書くこともできません。
給与処理の流れに沿った使い方
提供元は、最初に「処理の前に注意すべきことは何か」と尋ねる進め方を勧めています。実行の実際の状態を会話の土台にしてから作業に入るためです。
流れは次のようになります。
- クライアントと給与期間を伝える。Guardianがそれを確認し、見直しの間はその文脈に固定する
- 指摘を重大度順に見る。Criticalは未解決だと給与の誤りや差し戻しにつながり、Infoは対応不要
- 修正を頼む。Guardianが修正案を見せるので、読んでから確定するか取り消す
- 提出の前にプレビューを求める。給与とチェックの内容を確認する最後の関門になる
- 提出して結果を確認し、次のクライアントへ移る
提供元のページに載っている質問例は、そのまま使えます。
処理の前に注意すべきことは何?
この実行を要約して。
合計時間が増えたのはなぜ?
重大な項目だけ見せて。
SOCコードの欠落を直して。
提出前のプレビューを見せて。
この給与を提出して。提供元のページの質問例はすべて英語で、日本語での依頼に関する記載はありません。クライアント名など固有の値は、isolvedに登録された表記で渡すと取り違えにくくなります。
仕事の終わりには監査証跡を見ます。「今日、Guardianは何を変えたか」と尋ねれば、実行がこちらの想定どおりに進んだかを手早く確かめられます。証跡にはエージェントの帰属が付き、誰の承認で何が変わったかを追えます。
承認ゲートがどこにあるか
Guardianは、承認なしに単独で変更しません。修正は案を見せて確認を取ってから適用し、給与の提出も同じです。ゲートは2か所あります。
- 修正の適用前(案を読んで、確定か取り消しかを選ぶ)
- 提出の前(プレビューで給与とチェックを確認する)
提供元は、AIを使う以上、修正案の詳しさにばらつきが出ると明記しています。確定の前に必ず案を読むことが、主な安全策です。絶対に誤りが許されない操作は、isolvedで直接行うよう勧めています。
やり直しの面では、取り消せない操作を意識しておく必要があります。切断しても、すでに承認した修正と提出済みの給与はisolvedに残り、影響を受けません。Claude側の切断で巻き戻せるのは、これからのアクセスだけです。
接続できないときの切り分け
接続の失敗は、次の順に疑うと切り分けやすくなります。
isolvedに接続できないとき
- Q最後にサインインしてから30日以上たっているか?答えがいいえのとき答えがはい
最も多い原因です。Claudeの設定でisolved People Cloudの横のConnectをもう一度押し、サインインし直します。以前の設定・好み・リクエスト履歴は保たれます。
- Q先にClaudeへサインインしているか?答えがいいえのとき答えがはい
Claudeにサインインしてから、コネクタを追加します。
- Q以前にコネクタを切断したか?答えがいいえのとき答えがはい
切断したことがあれば、上の手順で接続し直します。
それでも接続できない
GuardianとClaude Connectionの法務サービスが、組織で有効かを確かめます。どちらもisolvedのサポート経由でしか有効にならないので、「Guardianをisolved People Cloudコネクタ経由で設定したい」と伝えて問い合わせます。
切断と、今後の予定
切断はClaudeの設定のConnectorsで、isolved People Cloudの横のメニューからDisconnectを選びます。Claudeによるisolvedデータへのアクセスは、その場で止まります。過去の操作の監査証跡は残ります。
提供元のページには、今後の方向も書かれています。現状は修正を準備して承認を待つ形ですが、将来は利用者が定めた権限の範囲で、個別の承認なしに直せるようにする計画です。そのほか、修正できる問題パターンの拡大、エージェントの動きを一か所で見る管理画面、isolvedの画面内でGuardianと同じ機能を使えるようにする計画が挙がっています。いずれも、このページが書かれた段階では予定の話です。
他のHR系コネクタとの違い
人事系のConnectorsは、従業員が自分のデータを扱うものが中心です。たとえばClaudeとLatticeの連携は、評価やフィードバックの書き込み権限をどこまで許すかが論点でした。ClaudeとWorkableの連携は、採用業務のデータが対象です。
isolvedは、給与担当者向けのGuardianで「実行を確定させる」ところまで届く点が違います。扱う金額が大きく、提出後は取り消しにくいため、確認の習慣が運用の中心になります。Connectorsの画面から接続する流れ自体は、ClaudeとSmartsheetの連携など他のConnectorと共通です。違いは、接続の前に組織側で有効にするサービスがあることです。
よくある質問
休暇申請は承認なしで提出されますか
されません。提供元のFAQは、休暇の種類・時間・日付をClaudeが確認してから提出する、と書いています。申請の取り消しは今回のリリースではClaude経由でできず、isolvedに直接サインインして行います。なお、ディレクトリには cancel_time_off_request というツール名が載っているため、ページ同士で記述が食い違っています。取り消しは、必要ならisolvedで行うのが確実です。
isolvedのデータはClaudeの学習に使われますか
提供元のFAQは、Claudeの有効なライセンスが必要で、Enterprise版の利用を勧めると答えています。学習の可否は明言されず、Connected Servicesによる学習についてisolvedは責任を負わない、という書き方です。入力と出力の確認は顧客側の責任とされています。方針の詳細は、isolvedのプライバシーポリシーとAnthropicのTrust Centerで確かめます。