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Claude組織のデフォルトモデル設定とロール別の優先順位

Claude組織のデフォルトモデル設定とロール別の優先順位

Enterpriseプランで組織全体・カスタムロール別にデフォルトモデルを設定する手順と優先順位、複数ロール所属時の解決ルール、managed-settings.jsonとの競合をまとめます。

組織デフォルトとロールデフォルトの違い

組織のデフォルトモデルは、メンバーの新しい会話がどのモデルから始まるかを管理者が決める設定です。対象はEnterpriseプランで、Primary Owner・Ownerと、カスタムロールで「Identity & Access」権限を付与されたメンバーが「Organization settings > Models」から管理します。

設定できる既定は2階層あります。全員に効く組織デフォルトと、特定のカスタムロールにだけ効くロールデフォルトです。ロールデフォルトのほうが優先されます。

効く範囲はチャットだけではありません。デフォルトを設定すると、各メンバーのモデルピッカーで選ばれていたモデルが置き換わります。そのうえで、チャット・Cowork・Claude Code・Claude for Office・Claude Design・Claude Scienceの新しい会話がそのモデルから始まります。モデルによって使える製品は違い、選んだモデルが製品で使えなければ、その製品ではAnthropicの推奨モデルが使われます。

メンバー側の切り替え操作はClaudeのモデル設定を変更する手順にあります。Claude Codeで安全分類時のモデル切替を選ぶ設定はswitchModelsOnFlagの話で、ここで扱うデフォルトとは別の設定です。

推奨デフォルトか固定モデルか

組織デフォルトでまず決めるのは、モデルを自動で追従させるか固定するかです。

くらべる

組織デフォルトの2つの選び方

自動追従

Use Anthropic's recommended default

Anthropicの推奨モデルが使われ、新モデルが出ると自動で入れ替わります。モデル選定を任せたい組織向けです。

固定

Choose a specific model

選んだモデルのまま、新モデルが出ても変わりません。一覧から選べるのは、同じ画面の「Model access」で有効になっているモデルだけです。

推奨デフォルトを選んだ組織は、推奨が新しいモデルに移ると、既定の中身が自動で入れ替わります。メンバーの次の会話が新しいモデルから始まると明記されているのは、「Always start with the default model and effort level」をオンにした場合です(後述)。オフのとき、前回別のモデルを選んだメンバーへどう効くかは、一次ソースに記載がありません。コスト構造も世代交代に合わせて変わるため、固定にするか追従にするかは、モデル更新のたびに単価を確認する体制があるかで決まります。

組織デフォルトを設定する手順

手順

組織デフォルトの設定

  1. 1

    Modelsを開く

    「Organization settings > Models」を開きます。

  2. 2

    モデルの選び方を決める

    「Default model」のドロップダウンで、推奨デフォルトか「Choose a specific model」を選びます。後者なら一覧からモデルを指定します。

  3. 3

    Effortを決める(任意)

    effortのドロップダウンで「Use Anthropic's recommended default effort」か、具体的なレベルを選びます。選べるレベルはモデルごとに違い、effortの設定に対応しないモデルもあります。

  4. 4

    保存する

    「Save changes」をクリックします。

effortの既定は、デフォルトモデルで始まる新しい会話に効きます。メンバーは会話ごとに変えられますが、組織のeffort上限を超える値は選べません。既定のeffortが上限より高いときは、会話は許される最高レベルで始まります。上限を既定より低く下げると、既定のeffortも上限まで引き下げられます。各レベルの意味はClaudeのeffort設定ガイドで扱っています。

カスタムロールごとにデフォルトを変える手順

ロールデフォルトは、チームごとに開始モデルを分けたいときに使います。大半の組織を推奨デフォルトのままにして、特定のグループだけ別のモデルから始める運用ができます。

  1. 「Organization settings > Roles」を開く
  2. 編集したいロールをクリックする(または新規ロールを作成する)
  3. 「Models」タブを開き、「Default model」でモデルを選ぶ
  4. 「Save role」をクリックする

ロールの既定は、特に選ばなければ「Organization default」のままです。この場合ロールは何も上書きせず、メンバーには組織デフォルトが適用されます。選べるのは、そのロールがアクセスを許可されたモデルに限られます。effortも同じ画面で指定でき、ロール側にeffort上限があれば、その上限が優先されます。ロールが組織の上限より高い上限を持つことはできません。

ロール自体の作り方とグループへの割り当てはClaudeカスタムロールの設定にまとめています。

メンバーごとに最初のモデルを決める仕組み

同じ組織でも、メンバーの種類と利用面によって、会話の最初のモデルの出どころが変わります。

出どころ

最初のモデルを決めるもの

  • User・Admin・Ownerのメンバー

    組織デフォルトを受け取ります。カスタムロールの設定は影響しません。

  • Customロールのメンバー

    ロールデフォルトが組織デフォルトより優先されます。複数のロールを持つ場合は、次の節の規則で1つに決まります。

  • Claude Code CLI・IDE

    managed-settings.jsonにmodelがあれば、そのモデルで起動し、組織デフォルトは無視されます。

ここまでは「最初に何から始まるか」の話です。会話の途中でメンバーがモデルを変えるのは自由で、既定では次の会話が最後に選んだモデルから始まります。

たとえば組織デフォルトをSonnet 4.6にしたとします。メンバーが会話をOpus 4.7に切り替えると、次の会話もOpus 4.7から始まります。管理者が後でデフォルトを変えると、その選択は新しいデフォルトに置き換わります。

全員を毎回デフォルトから始めたいときは、「Always start with the default model and effort level」(ベータ)をオンにします。「Organization settings > Models」で切り替え、「Save」をクリックします。オンにすると、メンバーが直前にどのモデルを使っていても、次の会話はデフォルトのモデルとeffortから始まります。会話の中でモデルとeffortを変えることはできますが、次の会話はまたデフォルトから始まります。ロールデフォルトを持つカスタムロールにも、ロールエディタに同じスイッチがあります。

複数ロールに所属するメンバーの既定

メンバーが複数のグループに属し、それぞれのカスタムロールが異なるデフォルトモデルを持つ場合は、最も高性能なモデルが既定になります。判定はまずモデルファミリー(Haiku・Sonnet・Opus)の順で行われ、同じファミリー内ではリリース日が新しいモデルが優先されます。

所属ロールのデフォルト適用される既定理由
Sonnet 4.6とOpus 4.7適用される既定Opus 4.7理由ファミリーはSonnetよりOpusのほうが上位
Sonnet 4.5とSonnet 4.6適用される既定Sonnet 4.6理由同じファミリー内では新しいほうが優先
Haiku 4.5のみ適用される既定Haiku 4.5理由単一ロールなのでそのまま適用

モデルへのアクセス権はこれとは別で、複数ロールのうち1つでも許可していればそのモデルを使えます。effortの上限は、ロールのうち最も高いものが採用されます。どちらも組織側の設定を超えることはありません。ロール設計の実例はClaude CoworkのRBAC運用も参考になります。

managed-settings.jsonがあるときの優先順位

組織がClaude Codeをmanaged-settings.jsonでも統制している場合、モデルについてはそちらが優先されます。modelが指定されていると、Claude Code CLIとIDEはそのモデルで起動し、「Organization settings > Models」の組織デフォルトは無視されます。

availableModelsに組織デフォルトのモデルが含まれない場合は、挙動が少し変わります。enforceAvailableModelsが設定されていない限り、Claude CLIはavailableModelsを迂回して、選ばれているデフォルトのモデルで起動します。

使えるモデルの範囲は、デフォルトの迂回とは別のルールです。CLIとIDEでは、availableModelsに含まれ、かつモデルアクセスで有効なモデルだけが表示されます。どちらか一方で外したモデルは使えません。

managed-settings.jsonのモデル制御が効くのは、Claude Code CLIとIDEだけです。Claude Code on webやデスクトップ版には及ばないため、すべての面で挙動を揃えたいなら「Organization settings > Models」側だけでデフォルトを管理する構成が推奨されています。配信経路や優先順位の全体像はClaude Code組織管理ガイドにあります。

症状から探す原因と対処

デフォルトが思いどおりに効かないときは、症状から次の表で当たりを付けられます。

症状原因対処
CLIが組織デフォルトを拾わない原因CLIが2.1.199より前対処2.1.199以降に更新する
CLIとVS Code拡張のモデルピッカーから他のモデルが消えた原因2.1.196〜2.1.198のバグ(特定の組織デフォルト設定時)対処2.1.199以降で解消する
CLI・IDEだけ別のモデルで始まる原因managed-settings.jsonのmodel対処managed settings側を確認する
ロールのデフォルトに選びたいモデルが出ない原因そのロールにアクセスが許可されていない対処「Models」タブでアクセスを許可してから選ぶ
モデルを無効化しようとして保存できない原因あるロールのデフォルトに使われている対処先にそのロールのデフォルトを変更する
メンバーが前回のモデルから始まる原因既定では最後に選んだモデルが引き継がれる対処「Always start with the default model and effort level」をオンにする

CLIの組織デフォルトが/modelにどう表示されるようになったかはClaude Code v2.1.196の解説で確認できます。モデルの有効・無効を切り替える側の手順は組織のモデルアクセス制限にまとめています。

デフォルトモデルの設定をコスト管理にどう使うか

効くのは「使用量を増やす既定を置かない」ことです。推奨デフォルトではなく固定モデルを選べば、Anthropicが新しいフラグシップを出しても既定は自動では切り替わりません。モデルによって単価が違うので、固定運用は単価の見通しを立てやすくします。

effortもコストに関わります。effortが高いほど回答は丁寧になり、そのぶん使用量も増えます。モデルだけでなく、デフォルトのeffortを推奨のままにするか下げるかも、既定の置き方の一部です。

ロールデフォルトも同じ発想で使えます。日常的な軽いタスクが中心のチームにはSonnetやHaiku系、設計レビューなど高度な作業が要るチームにだけOpus系を既定にする、といった振り分けです。ただし、これは初期値を変えるだけです。メンバーは会話ごとに別のモデルへ切り替えられます。

使えるモデルの範囲そのものを絞りたいなら、モデルアクセス制限で対象のモデルを無効にします。Haikuは常にすべてのメンバーが使え、無効化できません。メンバーが開いている会話で使っているモデルを無効にすると、その会話は次に開いたとき、メンバーのデフォルトモデルに戻ります。変更の最中にメンバーがメッセージを送ると、モデルが使えない旨のエラーが出て、切り替えを促されます。メンバーが上限より高いeffortを選んでいるときに上限を下げると、そのモデルでの次のメッセージから新しい上限が使われます。機能が使えるようになった時点では、組織・ロールの両方で全モデルが有効、effort上限は最高レベルです。管理者が設定を変えるまで、メンバー側の挙動は変わりません。モデルアクセス制限が効くのは、チャット・Cowork・Claude Code・Claude for Microsoft 365・Claude Tag・Claude Designです。Claude in ChromeとClaude Securityは、まだ対象外です。CLIが2.1.199より前だと、無効にしたモデルがピッカーに残り、選ぶとリクエストが拒否されます。

座席料金・従量課金の全体像はClaude Enterpriseとはで確認できます。

まとめ

モデルの出どころが組織設定・ロール・managed-settings.jsonに分かれる点が、この設定の難所です。メンバーの種類と利用面ごとに、どこが効いているかを先に確かめると、症状の原因をたどりやすくなります。

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