ClaudeとProcess Streetを連携する方法 — SOP・チェックリストの実行管理
Process StreetのConnectorは、SOPのワークフロー実行・タスク状況・フォーム項目を会話から照会・更新できます。接続手順とツールの範囲、承認設定の勘所をまとめます。
Claude Process Street連携とは — 何ができるか
Process Streetは、SOP(標準作業手順書)をチェックリスト形式のワークフローとして実行・管理するツールです。開発元自身が提供するConnectorで、Connectorsディレクトリでは「Productivity」カテゴリーに分類されています。追加時期は2026年2月、接続にはProcess Street側のサインインが必要です。
このConnectorは読み取りと書き込みの両方に対応します。ワークフロー・実行中のラン・タスク・ユーザー・データセットについて質問できるだけでなく、ワークフローの詳細取得、実行履歴の確認、タスクのステータス確認、フォーム項目の更新、新規ランの起動、タスクの完了までを会話の中から安全に行えます。日常業務で発生する「このSOPは今どこまで進んでいるか」「誰の承認待ちか」といった確認を、Process Streetの画面を開かずに済ませられる点が大きな利点です。
claude.aiでProcess Streetを接続する手順
接続の流れは他の公式Connectorと共通です。
- claude.aiで「Customize」→「Connectors」を開く
- 「+」ボタンから一覧を開き、Process Streetを探す
- 「Connect」をクリックし、Process Streetのログイン画面でサインインする
- 表示される権限を確認し、アクセスを許可する
認証はOAuthで行います。接続先のConnector URLは https://mcp.process.st/ です。Team・Enterpriseプランでは、Ownerが組織側で先にConnectorを有効化し、そのうえでメンバー各自が個別に認証する2段階の流れになります。組織側の有効化だけでは誰も使えるようにならず、個人の認証が別途必要です。
Process Streetコネクタで使えるツール
公式ページで確認できるツールは32個あり、ワークフロー・タスク・フォーム項目・データセット・承認の5系統に大別できます(以下は代表例。全ツールはConnectors画面から確認できます)。
| 系統 | 主なツール | できること |
|---|---|---|
| ワークフロー | 主なツールlistWorkflows / getWorkflowRun / createWorkflowRun / deleteWorkflowRun / assignWorkflowRun | できることワークフロー一覧の取得、ランの起動・削除・担当割り当て |
| タスク | 主なツールlistTasks / getTask / listTasksByWorkflowRun / assignTask / listTaskAssignees | できることタスクの一覧・詳細取得、担当者の確認・割り当て |
| フォーム項目 | 主なツールlistFormFields / listFormFieldValues / listFormFieldValuesByTask / listFormFieldOptions | できることフォーム項目の定義・入力値の取得 |
| データセット | 主なツールlistDataSets / listDataSetRecords / createDataSetRecord / deleteDataSetRecord / getDataSetRecord | できることデータセットレコードの取得・作成・削除 |
| 承認・ユーザー | 主なツールlistApprovals / listUsers / listWorkflowRunAssignees | できること承認状況の照会、担当ユーザーの確認 |
依頼の例は次のようになります。
"新入社員オンボーディングのワークフローで、今動いているランの進捗を教えて。"
"このタスクを田中さんに割り当てて。"
"承認待ちのランが何件あるか教えて。"
listApprovals は、名前のとおり承認の一覧を取得するツールです。
読み書きの範囲は、ランの起動からタスクの完了まで一連の流れをカバーします。createWorkflowRunで新しいランを起動し、進行中はgetTaskやlistTasksByWorkflowRunで状況を確認し、担当のタスクが終わった段階でタスクを完了させる、という一連の操作を会話の中だけで行えます。Process Streetの画面を都度開かずに、SOPの実行状況を追いかけられる構成です。
Asana・Airtableとの違い — 何が独自か
タスク管理系のConnectorはProcess Street以外にも複数あります。Claude Asana連携やClaude Airtable連携は、プロジェクト単位のタスク管理やデータベース管理を汎用的に扱う設計です。これに対しProcess Streetは、あらかじめ手順が決まったSOP(標準作業手順書)をチェックリスト形式で毎回同じ順序で実行することに特化しています。
この違いが効くのは、業務が「毎回同じ手順を踏む必要があるか」で判断が分かれる場面です。新入社員のオンボーディングや月次の請求処理のように、手順自体が変わらず実行回数だけが多い業務にはProcess Streetのワークフロー・ラン(実行インスタンス)の概念が向きます。逆に、案件ごとに進め方が変わるプロジェクト管理にはAsanaのような汎用タスク管理のほうが柔軟です。
読み書き権限の扱いとツール権限の設定
Process Streetコネクタが実行できる範囲は、接続したアカウントがProcess Street側で持つ権限を超えません。閲覧権限のないワークフローや、削除権限のないランには、Claudeを介しても届きません。
Team・Enterpriseプランでは、これとは別にClaude側の制限を組織全体にかけられます。Ownerが「Customize」→「Connectors」からProcess Streetを選び「Tool permissions」を開くと、ツールごとに「Always allow(常に許可)」「Needs approval(承認が必要)」「Blocked(ブロック)」の3段階で設定できます。deleteWorkflowRunやdeleteDataSetRecordのように取り消しにくい削除操作だけをNeeds approvalにし、listTasksやgetWorkflowRunのような照会系はAlways allowのままにする、という段階的な設定が可能です。
この制限はProcess Street側の権限を上書きしません。Claude側で削除を許可しても、接続した本人がProcess Streetで削除権限を持っていなければ操作は失敗します。設定の細かい落とし穴はClaude Connectorsの権限設定でよくある失敗と対策にまとめています。CoworkでSOPの実行と承認を自動化する具体的な手順はProcess StreetとCoworkでSOPチェックリストの実行と承認を自動化するが扱う領分です。
セキュリティとデータの扱い
Process Streetコネクタでやり取りするデータは暗号化された通信で転送されます。ただし接続先のProcess Streetは、Anthropicのインフラとは別に自社のインフラでデータを処理しています。EnterpriseプランのUS-only inference設定のように、Claude側の推論実行地域を制御する設定があっても、接続先サービス側の処理場所までは変更されません。
Team・Enterpriseプランでは、Connectorsはプライベートプロジェクトでのみ利用できます。Process Streetのワークフローデータを同期した会話は、他のメンバーと共有できない設計です。SOPの中に人事・給与情報のような機微なフォーム項目が含まれる場合、この制限がそのまま誤共有の防止にもなります。
複数のConnectorを併用するときの負荷
Process Streetを含め複数のConnectorを同時に接続していると、会話のたびにツール定義が読み込まれ、本来ドキュメントや会話履歴に使いたい文脈の余地を圧迫します。読み込みのタイミングを選べる「ツールアクセス」設定で調整でき、詳細はClaudeのツールアクセス設定にまとめています。
接続後は、毎回「Process Streetを使って」と名指ししなくても、SOPやチェックリストに関わる依頼をすればClaudeが自動的にProcess Streetを使う場合があります。タスク管理系のConnectorを同時に複数接続していると、どちらを使うか名指しが必要になる場合があります。
よくあるつまずき
ワークフローランを起動したのに進まない
ランの状況がわかりにくいときは、getWorkflowRunでラン全体の状況を確認し、listWorkflowRunAssigneesで担当者が割り当たっているかを合わせてチェックします。
検索結果に一部のワークフローが出てこない
接続したアカウントに閲覧権限のないワークフローは、検索結果から自動的に除外されます。件数が想定より少ないときは、接続したProcess Streetアカウント自体の閲覧権限を先に確認します。
組織で有効化したのに使えないメンバーがいる
組織側の有効化と個人の認証は別工程です。Ownerが有効化しただけでは全員が使えるようになりません。メンバー各自がProcess Streetアカウントで認証を済ませる必要があります。
接続がうまくいかない、途中で切れる
まず安定したインターネット接続があるか、Process Streetアカウントが有効か、必要な権限や契約プランの条件を満たしているかを順に確認します。それでも解決しない場合は、「Customize」→「Connectors」から一度切断し、再接続すると解消することがあります。
まとめ
Process Streetコネクタは、SOPのワークフロー実行・タスク状況・フォーム項目・承認状況を会話の中から照会・更新できる読み書き両対応のConnectorです。組織で使う場合は、削除のように取り消しにくい操作をNeeds approvalに設定し、照会系は常に許可するという段階的な運用が現実的です。Coworkと組み合わせてSOPの実行そのものを自動化したい場合は、承認ゲートの設計を扱う専用記事を合わせて確認する価値があります。