ClaudeとUnthreadを連携してSlack発のチケットを扱う方法
Unthread ConnectorをClaudeに追加し、Slackで受けた問い合わせのチケット検索・SLA確認・分析を会話から行う手順と、チケットを作る側との役割の違いをまとめます。
Claude Unthread連携でできること
ClaudeからUnthreadのチケット(会話)を検索し、状況や分析指標を読めます。Unthread Connectorとは、Unthreadのヘルプデスクに登録された会話・ユーザー・カスタムフィールド・分析をClaudeに読ませるMCPベースの接続機能です。
ここで先に切り分けておく点があります。Slackで受けた問い合わせをチケットにする処理は、Unthread自身のSlackアプリが担います。Claudeのコネクターは、チケットができた後に探す・状況を確かめる・集計する側です。
コネクターのディレクトリ上では、Unthreadが提供する「Anthropic verified」のコネクターで、カテゴリはProductivity、2026年4月に追加されました。接続先はhttps://app.unthread.io/api/mcpで、サインインが必要です。
役割は2つに分かれる
チケットを作る側
UnthreadのSlackアプリです。顧客のメッセージを自動で、または絵文字やメッセージショートカットで会話として登録します。
チケットを読む側
ClaudeのUnthread Connectorです。登録済みの会話を検索し、SLAや応答時間などの分析を会話の中で引き出します。
コネクターページに載っているツール
コネクターページのツール一覧は次の6個です。
| ツール名 | 名前から分かる範囲 |
|---|---|
get_current_user | 名前から分かる範囲接続中のユーザーの取得 |
list_conversations | 名前から分かる範囲会話の一覧 |
get_conversation_by_id | 名前から分かる範囲ID指定で会話を1件取得 |
get_time_series_analytics | 名前から分かる範囲時系列の分析値 |
list_custom_fields | 名前から分かる範囲カスタムフィールドの一覧 |
get_custom_field | 名前から分かる範囲カスタムフィールドを1件取得 |
6個とも名前はget_かlist_で始まります。ページはこのコネクターを「会話の検索、SLAの監視、サポート指標の分析」と説明しています。ツールごとの引数や返り値は、コネクターページには載っていません。
Unthread側の説明とのずれ
Unthreadのドキュメントには、書き込み系のツールも載っています。update_conversation、create_conversation_comment(Slackのブロック形式に対応)、create_approval_requestの3つです。ドキュメントは読み取りの対象として、会話・ユーザー・分析・ナレッジベース(読み取り専用エンドポイント)・カスタムフィールド(チケットタイプ)・アンケートを挙げています。
つまり、コネクターのディレクトリ掲載の6個と、Unthread側が説明する機能の範囲は一致していません。どちらが実際の接続で使えるかは、接続後にClaudeが提示するツール一覧で確かめられます。書き込みを前提にした運用は、その一覧に書き込み系が出てから組むのが安全です。
接続の手順
Claudeのディレクトリから追加する
ディレクトリ経由の接続
- 1
コネクターの画面を開く
Claudeの「Customize > Connectors」を開き、Connectorsの横の「+」を押します。チャットの「+」から「Manage connectors」でも同じ画面に着きます。
- 2
Unthreadを選ぶ
ディレクトリでUnthreadを選び、説明と機能を読んで「Connect」または「Install」を押します。
- 3
Unthreadにサインインして許可する
ブラウザでUnthreadのアカウントにサインインし、ワークスペースへのアクセスを許可します。Unthreadの説明では、認証はPKCE付きのOAuth 2.0で、パスワードはClaudeに渡りません。
- 4
会話で有効にする
チャットの「+」から「Connectors」にカーソルを合わせ、Unthreadをオンにします。
Team・Enterpriseプランでは、先にOwnerまたはPrimary Ownerが「Organization settings > Connectors」でコネクターを組織に追加します。追加しただけではアクセス権は付かず、各メンバーがそれぞれ認証します。
Claude Codeから使う
Unthreadのドキュメントは、~/.claude.jsonのmcpServersにurlを書く方法を案内しています。Claude Codeのコマンドで追加するなら、リモートHTTPサーバーの追加と同じ形です。
claude mcp add --transport http unthread \
https://app.unthread.io/api/mcp初回にUnthreadのツールを使うとき、ブラウザで認証を求められます。サーバーの状態はClaude Code内の/mcpで見られます。MCPサーバーの追加方法の全体はClaude CodeでMCPサーバーを使う手順にあります。
Slack側の設定が結果を決める
Claudeが読めるのは、Unthreadに登録された会話だけです。Slackの問い合わせが会話として登録されていなければ、Claudeに聞いても何も返りません。登録のされ方は、Unthreadのドキュメントでは次のとおりです。
- 自動追跡が既定です。Slack組織の外の人がチャンネルにメッセージを送ると、会話として追跡され、インボックスに入ります
- チームメンバーの発言は、既定ではチケットになりません。プロジェクト設定の「Enable automated ticketing for agents and teammates」を有効にすると、誰の発言でも追跡されます
- 手動で追跡するときは、既定では🎫の絵文字を付けます。メッセージのメニューから「Manage conversation」を選ぶ方法もあり、DMの発言も対象にできます
- 挨拶やお礼のメッセージは自動で無視され、会話になりません
チケットの作り方は、プロジェクト設定で3通りから選べます。メッセージごとに自動でチケットを作る、チケットタイプのフォームを表示する、AIエージェントに対応させる、の3つです。フォーム方式なら優先度・タイトル・説明をその場で埋められるため、Claudeで検索するときのキーが揃いやすくなります。
自動追跡をオフにしていると、チケットが作られず、営業時間外の自動返信も送られません。再び有効にする場所は、Unthreadのダッシュボードの「Settings > Slack」です。
Claudeに聞く内容の例
Unthreadのドキュメントは、Claudeなどに投げる質問の例を載せています。
- 「List my open conversations」
- 「Show me conversations from the last week」
- 「What's our ticket volume trend this month?」
- 「Find the conversation about the billing issue」
月次の指標をまとめたいときの文面も用意されています。月と対象プロジェクトを角括弧の部分に入れて使う形で、合計チケット数・解決率・平均値と中央値の応答時間・P95・週ごとの推移・担当者別の負荷・優先度別・チャネル別(Slack/メール/ポータル)といった項目を並べ、分析APIからデータを取るよう求める内容です。
実際の返答は、ワークスペースの設定と権限で変わります。以下は、同じ趣旨を日本語の依頼にした一例です。
Unthreadで、プロジェクト「サポート」の先週分の会話を調べて。
SlackチャンネルごとにチケットのKPI(件数・初回応答時間・解決までの時間)を出して。
平均と中央値の差が大きい項目があれば、その理由の候補も挙げて。数字の意味はUnthreadの定義で読む
Unthreadの「パフォーマンス分析」の定義では、次のように数えます。
- 初回応答時間は、チケット作成から担当者の最初の返信までの時間です。チームメンバーの発言は初回応答に数えません
- 解決時間は、作成から解決までです。いったん閉じて再度開いた場合、最初の作成から最後の解決までの時間になります
- 閉じていた時間を除きたいときは「Ticket Active Duration」を見ます
SLAは、ポリシーごとにFirst Response・Next Reply・Resolution・Escalation Acknowledgement・Escalation Closedを設定できます。タイマーの状態はRunning・Due soon・Breached・Met・Paused・Cancelledです。ポリシーの選択順は、アカウント上書き、顧客またはチャンネル、プロジェクト既定の順です。Claudeに「SLAが危ない案件」を聞くときは、この状態名で聞くと取り違えが減ります。ただし、コネクターのどのツールがSLAの状態を返すかは、ツール一覧から読み取れません。
返信の下書きを作るときの考え方
Slackに返す文面の下書きは、会話の内容をClaudeに読ませれば、チャットの中で作れます。Unthreadへの投稿は別の話です。コメントを書き込むcreate_conversation_commentはUnthreadのドキュメントに載っていますが、ディレクトリのツール一覧にはありません。ツール一覧に出ていない場合は、下書きを人が貼って送る運用になります。
Team・Enterpriseプランでは、Ownerが書き込み・削除系のツールを「Always allow」「Needs approval」「Blocked」から選んで制限できます。書き込み系が使える状態でも、顧客に見えるコメントは「Needs approval」にしておくと、送信前に必ず確認が入ります。なお、Claudeはサービスの権限を引き継ぐため、Unthread側で見られない会話はClaudeにも見えません。
つまずいたときの切り分け
Unthreadの会話が見つからないとき
- QUnthreadのインボックスにその会話は出ていますか?答えが出ていない答えがはい
Slack側の取り込み設定を見ます。投稿者がSlack組織の外の人か、チャンネルがUnthreadに接続されているか、自動追跡が有効かを確かめます。
- QClaudeでコネクターはオンになっていますか?答えがオンにしていない答えがはい
チャットの「+」から「Connectors」を開き、Unthreadをオンにします。
- Q認証は通っていますか?答えがエラーが出る答えがはい
「Authorization failed」が出たときは、Unthreadに正しいアカウントでサインインしているかを確かめます。OAuthのウィンドウが開かない場合は、ポップアップのブロックが原因のことがあります。
それでも出ないとき
会話が属するプロジェクトへの権限があるかを、Unthread側の画面で確かめます。見える範囲は、サインインしたユーザーの権限までです。
似たヘルプデスクの記事との使い分け
同じ問い合わせ管理でも、サービスごとに接続の形が違います。Intercomは読み取りだけを前提にした構成で、ClaudeとIntercomの連携にまとめています。Zendeskのチケットを分析するならZendeskチケット分析の記事が近い内容です。Slack上でClaudeそのものを使う設定はClaudeとSlackの連携が扱っています。障害対応側のチケットならPagerDutyとの連携があります。
まとめ
Unthread Connectorは、Slackで集まった問い合わせを探し、数字で眺める側の道具です。チケットを作る設定はUnthreadのSlackアプリ側にあり、そこで会話が登録されていなければClaudeにも見えません。書き込み系のツールはUnthread側のドキュメントには載っていますが、ディレクトリのツール一覧は読み取り系の6個です。接続後のツール一覧を見てから、下書き止まりにするか投稿までつなぐかを決める流れになります。