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ClaudeとCartaを連携する方法 — キャップテーブルと409A評価を会話で確かめる

ClaudeとCartaを連携する方法 — キャップテーブルと409A評価を会話で確かめる

Cartaコネクタで、持分・409A評価・ステークホルダー情報をClaudeに問い合わせる手順です。9個のツールの分類、接続時の権限、ラウンド前の試算を頼む進め方をまとめます。

Claude Carta連携とは — 何を会話で引けるか

Cartaコネクタは、Carta社が提供するコネクタです。ディレクトリ上では「Anthropic verified」と表示され、2026年5月に追加されました。キャップテーブル(株主・持分の一覧表)や投資家向けのデータを、Claudeとの会話から読めるようになります。

コネクタページの説明は、利用者を2つに分けています。

  • キャップテーブルの顧客: 持分の保有状況、409A評価(普通株の公正市場価値の評価)、ステークホルダーの詳細を取得できる。ラウンド後のプロフォーマ(調達後の持分を仮に組んだ試算)や、エグジットシナリオの分析も挙がっている
  • 投資家: 投資指標、ファンドの運用実績、会計データ、投資先の財務を引ける

本記事は前者、つまり資本政策を扱う経営企画・CFO・創業者の使い方を中心にします。ツール名から見える範囲は、後半で扱います。

前提と接続先 — 必要なもの

コネクタページに載っている接続情報は次のとおりです。

項目内容
サインイン内容必須(Sign-in: Required)
提供元内容Carta
追加時期内容2026年5月
カテゴリ内容Financial services
コネクタURL内容https://mcp.app.carta.com/mcp

ページには、ドキュメント・サポート・プライバシーポリシーへのリンクもあります。サインインに使うのはCartaのアカウントです。契約プランやロールごとの条件は、接続を試すアカウントで確かめる形になります。社内のCarta管理者に、自分のアカウントで接続してよいかを先に聞いておくと、途中で止まりません。

権限の扱いはClaudeのコネクタ共通です。サポート記事には、Claudeは接続先サービスでの各自の権限を引き継ぐとあります。Carta側で見られない会社や項目は、Claudeからも届かない前提で考えます。

claude.aiで接続する手順

ディレクトリからの追加手順は、他のコネクタと同じです。

手順

接続の流れ

  1. 1

    ディレクトリを開く

    claude.aiの「Customize」から「Connectors」を開き、ディレクトリでCartaを探します。

  2. 2

    追加してサインインする

    「Connect」または「Install」で追加し、Cartaのアカウントで認証します。

  3. 3

    権限を確認して許可する

    表示された権限を確かめ、許可します。

  4. 4

    会話で有効にする

    チャット左下の「+」メニューの「Connectors」から、Cartaをオンにした会話で使います。

Team・Enterpriseプランでは、先にOwnerまたはPrimary Ownerが組織でコネクタを有効にします。有効にしただけでは誰も使えず、各メンバーがCartaで個別に認証します。Web版のコネクタはClaudeのデスクトップ版やモバイルでも使えます。仕組み全体はClaude Connectorsとはにあります。

9個のツールを役割で分ける

コネクタページには9個のツール名が並びますが、個々のツールの説明は付いていません。以下の分類と役割は、名前からの推測です。

系統ツール名数
入口・案内ツール名welcome / discover数2
取得ツール名fetch数1
接続先の選択ツール名list_contexts / set_context / list_accounts / get_current_user数4
キャップテーブルの図と点検ツール名cap_table_chart / cap_table_healthcheck数2

一覧から言えることは3つあります。

409Aやプロフォーマに専用の名前が付いたツールはありません。説明文にある機能は、discover で探して fetch で取る流れになっているようです。

list_contexts と set_context が並んでいます。複数の会社やファンドを扱う利用者が、対象を選ぶための組です。投資家と会社側の両方の立場を持つ人は、会話の最初に対象の会社を答えさせてから進めてください。

cap_table_healthcheck は、キャップテーブルの点検用です。結果は試算の前に目を通す価値があります。

書き込みに当たる名前のツールは、一覧にありません。ただ、読み取り専用とも明記されていないので、書き込みの可否は断定できません。後半の「管理者の設定 — 機密データを扱う前に」の節に、ツールの分類を接続後に見る方法を書きました。

ラウンド前の持分試算を頼む進め方

コネクタ紹介の用途に合う作業として、調達ラウンドの前に持分の見通しを組む場面があります。数字を取る工程と、試算する工程を分けて頼むと、検証しやすくなります。以下は設計例で、実際の出力ではありません。

Cartaのコネクタを使って、次の順で進めてください。
1. 対象の会社を確認し、現在の株主別の持分を表にする
2. 保有数と持株比率の合計が100%になるか確かめる
3. 直近の409A評価の日付と評価額を示す
4. 新規投資額と割当株数を私が指定したら、調達後の持株比率を計算する
数字ごとに、Cartaのどのデータから取ったかを書いてください。

この頼み方には、3つの狙いがあります。

  • 手順1と2で、現状の表を先に人が見られる形にする。試算の土台が合っているかを、計算の前に確かめるため
  • 手順3で、409A評価を日付つきで出させる。古い評価額を使った試算を避けるため
  • 手順4で、入力値は人が決め、Claudeには計算だけをさせる。投資額や株数をClaudeに仮置きさせない

プロフォーマの数字は、Claudeの計算結果をそのまま資料に貼らず、同じ会話で検算を足す手があります。

先ほどの調達後の持株比率について、全株主の合計が100%になるか、
別の計算で確かめてください。一致しない場合は、差の大きさを示してください。

優先株の清算優先権やオプションプールの扱いは、会社ごとの条件で結果が変わります。試算に入れたい条件は、依頼文で自分から指定します。法務や投資家との合意書面の確認は、別に必要です。

409Aの有効期限を確かめる

409A評価は、ストックオプションの行使価格を決める根拠になる評価です。一般には、評価の日付から一定期間を過ぎる、または大きな資金調達があると、評価をやり直す運用になります。

Cartaのキャップテーブル用プラグインの紹介ページには、409A評価を含む問い合わせが挙がっています。会話では、次のように頼めます。

Cartaの最新の409A評価の日付を教えてください。
その後に調達や大きな株式発行があれば、その日付も並べてください。
再評価が必要かどうかは断定せず、判断材料の一覧にしてください。

再評価が必要かどうかの判断は、会計・税務の専門家の領域です。Claudeには日付の並べ替えまでをさせ、結論は人が決めます。

Claude Codeで使うCartaのプラグイン

コネクタとは別に、Carta Engineeringが公開するCap Tableプラグインがマーケットプレイスにあります。説明は「キャップテーブル、グラント、SAFE、409A評価、ウォーターフォールのシナリオなどを問い合わせるためのスキルとフックを含む」です。インストール先はClaude Codeとされ、ページ上の導入数は501でした。

コネクタが会話から引く入口だとすれば、プラグインはClaude Codeの中で同じデータを扱う入口です。表計算やスクリプトと組み合わせたい人に向きます。プラグインの仕組みはClaude Codeプラグイン完全ガイドにまとめています。スキルやフックの具体的な動きは、Claude Codeの /plugin で導入したあとに一覧で確かめられます。

管理者の設定 — 機密データを扱う前に

キャップテーブルは、株主の氏名と持分が並ぶ機密性の高いデータです。サポート記事には、Team・Enterpriseプランの管理者向けに、次の設定が載っています。

  • 接続先サービスが取れる操作を、組織全体で絞れる。たとえば読み取りは許し、書き込みは止める
  • ツールの権限は、読み取り専用のツールと書き込み・削除のツールなどの種類ごとに分かれ、「Always allow」「Needs approval」「Blocked」から選べる
  • 絞った設定は組織の全員に適用され、個人は上書きできない

Cartaのツールがどの種類に分類されるかは、接続後に管理画面で見られます。書き込み系の分類があれば、Blockedにしておく選択肢があります。

ただし、Claude側で書き込みを許しても、Carta側で本人に権限がなければ操作は通りません。Claude側の制限は、アクセスを増やさず、狭めるだけです。

データの扱いにも注意が要ります。接続先のサービスは、自社のインフラとルールのもとでデータを処理します。サポート記事には、Enterpriseプランの米国内推論設定のような、Claudeの推論の場所を決める設定は、第三者サービスが動く場所を変えないとあります。株主情報をどこまで会話に出すかは、社内の情報管理ルールに照らして決めてください。

似た財務系コネクタとの使い分け

連携先ごとに、引けるデータの性質が違います。

連携先主なデータ向く場面
Carta主なデータ自社の持分・409A・投資家のファンド指標向く場面資本政策、ラウンドの試算
Datarails FinanceOS主なデータ連結の実績・予算・予測向く場面月次の予実差異
Crunchbase主なデータ未上場企業の資金調達向く場面他社の調達状況の調査
FactSet主なデータ上場企業の財務向く場面競合比較表

自社の持分をCartaで引き、他社の調達額をCrunchbaseで引き、ラウンドの条件を見比べる、という組み合わせが考えられます。複数のコネクタを同じ会話で有効にすると、データの出所が混ざります。数字ごとに出所を書かせる指示は、この場面で効きます。

接続できない・数字が合わないときの切り分け

つまずきは、接続そのものと、接続した後の取り違えに分かれます。

認証が切れた、または途中で失敗したときは、claude.aiの「Customize」から「Connectors」を開き、Cartaをいったん切断してつなぎ直します。サポート記事が挙げる最初の手です。つなぎ直す前に、Carta側でアカウントが有効かも見ておきます。

Team・Enterpriseプランで自分だけ使えないときは、組織側の設定が原因のことがあります。OwnerまたはPrimary Ownerがコネクタを組織で有効にしていないと、メンバーは使えません。有効になっていても、各メンバーが自分のCartaアカウントで認証する作業は残ります。管理者に頼むときは、この2段階のどちらで止まっているかを添えると話が早く進みます。

見えるはずの会社や項目が出ないときは、Carta側の権限を疑います。Claudeは各自のCartaでの権限を引き継ぐため、Carta上で閲覧できない会社の持分や評価は、Claudeにも出てきません。Claudeの設定を変えても直らないので、Cartaの管理者に閲覧範囲を聞きます。

会社を取り違える失敗にも注意が要ります。複数の会社やファンドに関わる人は、set_context で選ぶ対象が、前の会話や直前の操作のまま残っていないかを確かめてください。回答の表の冒頭に会社名を書かせ、期待した会社と一致するかを目で見てから、数字を使います。

まとめ

Cartaコネクタは、持分・409A評価・ステークホルダー情報を会話から読むための入口です。接続はディレクトリからCartaのアカウントで認証するだけですが、見える範囲はCarta側の権限で決まります。

実務で効くのは、取得と試算を別の工程にして頼むことです。現状の表、409Aの日付、人が指定する投資額と株数を順に出させ、検算までを同じ会話で済ませます。株主情報を扱うので、Team・Enterpriseでは管理者がツールの権限を絞り、会話に出す範囲を社内ルールに合わせておくと、運用が安定します。

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