ClaudeとHighspot・Seismicを連携する方法 — 営業資料の検索と共有
HighspotとSeismicのコネクタで、営業資料の検索・回答生成・共有リンク作成をClaudeの会話から呼べます。ツール構成と導入条件、入口の違いを並べます。
HighspotとSeismicのコネクタは何を呼べるのか
どちらもセールスイネーブルメント基盤で、商談に使う資料や提案素材を管理するサービスです。Claudeのコネクタ一覧には両社の公式コネクタがあり、Anthropic verifiedの表示が付いています。営業担当がClaudeに頼んだ内容に対して、社内で承認済みの資料を探して答える。この一点が、Web検索や汎用のファイル連携との違いです。
2つのコネクタは入口が違います。Highspotは検索・回答・商談照会・推薦・ピッチ生成まで7つのツールを公開します。Seismicはコネクタ経由だと3つのツールで、生成検索2つとLiveSendリンクの作成に絞られます。ただしSeismic側にはフルのツールセットを使う別の接続方法もあります。
| 項目 | Highspot | Seismic |
|---|---|---|
| ディレクトリ上の分類 | HighspotSales & marketing | SeismicProductivity |
| サインイン | Highspot必須 | Seismic必須 |
| コネクタURL | Highspothttps://mcp.highspot.com/mcp | Seismichttps://mcp.seismic.com/claude |
| コネクタ経由のツール数 | Highspot7 | Seismic3 |
| 資料の検索 | Highspotsearch_content | Seismicgenerative_search_for_retrieving_contents |
| 回答・要約 | Highspotget_content_answer | Seismicgenerative_search_for_answer_or_summary |
| 共有リンク | Highspot該当ツールの記載なし | Seismicgenerate_livesend_link |
| 商談の照会 | Highspotlookup_deal / get_deal_answer | Seismicコネクタ経由では無し |
Highspotの掲載日は2026年6月です。Seismic側のディレクトリページに掲載日の表示はありません。
Highspotコネクタの7つのツール
ディレクトリページが挙げるツール名は次のとおりです。
search_contentget_content_answerget_deal_answerlookup_dealget_content_recommendationsget_item_contentgenerate_pitch
ページの説明文は「Search for content, get answers, see analytics, and take action」と、販売担当者のAIワークフローにHighspotのツールとインサイトを組み込む趣旨を述べています。各ツールの引数や返り値の仕様は、ディレクトリページには載っていません。以下は名前から見える役割で、仕様の裏付けではない点に注意してください。
| 系統 | ツール | 名前から見える役割 |
|---|---|---|
| 資料を探す | ツールsearch_content / get_content_recommendations | 名前から見える役割検索と、状況に応じた推薦 |
| 資料から答える | ツールget_content_answer / get_item_content | 名前から見える役割質問への回答と、個別アイテムの中身の取得 |
| 商談に紐づける | ツールlookup_deal / get_deal_answer | 名前から見える役割商談の照会と、商談に関する質問への回答 |
| 作る | ツールgenerate_pitch | 名前から見える役割ピッチの生成 |
Salesforceなど商談データを持つCRMとの関係はディレクトリページに記載がありません。商談系のツールがどのCRMのどの項目を参照するかは、導入前にHighspotのドキュメントで確かめる項目です。
Seismicコネクタは生成検索とLiveSendに絞られている
ディレクトリ掲載のコネクタが公開するツールは3つです。
generative_search_for_retrieving_contentsgenerative_search_for_answer_or_summarygenerate_livesend_link
Seismicの開発者ドキュメントによると、前2つの役割は次のとおりです。
- 回答・要約: 質問に自然文で答え、根拠にした出典も返す
- 資料の取得: 回答は作らず、質問に関連する出典を返す
LiveSendリンクは、設定と資料を指定して作る共有リンクで、閲覧状況の追跡(エンゲージメント計測)にも使えると説明されています。つまり「資料を探す」から「リンクで顧客に渡す」までが、コネクタだけで1往復で完結します。
公開ツールの絞り込みは「公開済みコネクタ」の仕様
Seismicのドキュメントは接続方法を2種類に分けています。
| 項目 | 公開済みコネクタ | カスタムコネクタ |
|---|---|---|
| 導入 | 公開済みコネクタClaudeのディレクトリから1クリック + SeismicのExchangeで該当アプリを入れる | カスタムコネクタSeismicのApp Registry PortalでMCPアプリを自分で登録し、クライアントに接続設定を書く |
| 使えるツール | 公開済みコネクタ厳選した一部(生成検索とLiveSendリンク) | カスタムコネクタ接続先バージョンのフルセット |
| 新ツール | 公開済みコネクタ新バージョンの公開時にだけ変わる | カスタムコネクタ再インストール無しで使える |
| 設定の手間 | 公開済みコネクタOAuth設定が不要で最小 | カスタムコネクタクライアントID・リダイレクトURI・PKCEかクライアントシークレットが必要 |
フルセットには、ミーティングの前後ブリーフ、Digital Sales Room(DSR)の作成・コンテンツ追加・コメント取得、CRMコンテキストの検索などのツールが含まれます。ドキュメントのツール一覧には、get_pre_meeting_brief、create_dsr_engagement、search_crm_contexts、semantic_slide_search といった名前が並んでいます。ディレクトリのコネクタでは使えない領域なので、商談前の準備まで任せたい組織はカスタムコネクタを検討する場面です。
フルセットに含まれるツールの領域
ドキュメントのツール一覧は、名前から次の領域に分けて読めます。
| 領域 | ツール名の例 |
|---|---|
| 検索 | ツール名の例semantic_slide_search / get_slide_download_url |
| ミーティング | ツール名の例get_pre_meeting_brief / get_post_meeting_brief / get_meeting_list / get_meeting_details / add_contents_to_meeting |
| DSR(デジタルセールスルーム) | ツール名の例create_dsr_engagement / add_content_to_dsr / get_comments_from_dsr / list_dsr_templates |
| CRM文脈 | ツール名の例search_crm_contexts / get_crm_context_by_id / get_available_crm_systems |
| 更新系 | ツール名の例update_meeting_metadata |
DSRの作成やコンテンツ追加、ミーティングのメタデータ更新は書き込みを伴うツールです。ディレクトリの公開済みコネクタが検索と共有リンクに絞られているのは、導入の軽さに加えて、この書き込み系を管理者の許可なしに出さない意味もあります。ただし後者はドキュメントの明言ではなく、2層の権限モデルからの推測です。Claude側にもツールごとに承認を求める設定があり、書き込み系だけ確認を挟む使い方ができます。
対応クライアントと選ぶときの注意
Seismicのドキュメントは、Claude、ChatGPT、Copilot Studio、MCP Inspectorで動作を検証したと述べています。Claudeはストリーミング可能なHTTP(Streamable HTTP)経由で完全対応という扱いです。CursorやPostmanなど一覧にないクライアントは、カスタムコネクタの手順で接続します。
導入の流れ
Claude側のコネクタ追加の基本手順はコネクタ全般のガイドにまとめています。ディレクトリから追加し、サインインを済ませるのが共通の流れです。両コネクタとも、ディレクトリページ上でサインインが必須と示されています。
Seismicだけは両側の有効化が要る
Seismicのドキュメントは、公開済みコネクタを使う場合に次の2つを求めています。
- Claudeでコネクタを追加する
- SeismicのExchangeで対応するClaude用アプリを入れ、テナントのMy Apps(システム設定)で有効にする
この2が抜けると、接続済みでもツールが出ません。
管理者の許可がツールごとに必要
Seismicでは権限が2層です。1層目はテナント管理者が、MCPアプリごとにツールを有効化する設定です。無効なツールを呼ぶと TOOL_NOT_ALLOWED のエラーが返ります。2層目は機能の提供状況で、たとえば生成検索はテナントで機能が有効でないと、権限があってもツールが使えません。さらに接続のスコープ seismic.mcp だけではツールの実行権限にならない、とも書かれています。
HighspotのMCP権限モデルは、ディレクトリページに記載がありません。社内のHighspot管理者に、MCPの利用可否とプラン条件を先に聞いておくと手戻りが減ります。
実際の頼み方の例
次は依頼文の一例です。実際の応答は各社のテナントの内容に依存します。
来週の製造業向け商談で使う導入事例を探して。
承認済みのものだけに絞って、どの資料のどこを根拠にしたか示して。資料を探して根拠付きで答える使い方は、Seismicの「回答・要約」ツールの説明(質問に答え、支えた出典を返す)とよく合っています。Highspotなら get_content_answer に当たる使い方です。
さっき挙がった上位2本の資料を顧客に送りたい。
閲覧状況を追えるリンクにして。後半はSeismicの generate_livesend_link の役割です。Highspotのディレクトリ掲載ツールには、共有リンクに該当する名前のツールがありません。
フルセットを試すときの接続設定
Seismicのドキュメントには、Claude Desktopの claude_desktop_config.json に書く例として、次の形が載っています。トークンはSeismicのOAuthで得たユーザーアクセストークンです。
{
"mcpServers": {
"seismic": {
"type": "http",
"url": "https://mcp.seismic.com/v1/tenants/<tenant_name>",
"headers": {
"Authorization": "Bearer <access_token>"
}
}
}
}エンドポイントは、テナント名をパスに含める形が多くの用途で推奨されています。テナント名を指定しないグローバルのエンドポイント https://mcp.seismic.com/v1 もあり、その場合はOAuthの途中でテナント名を聞かれます。
どちらを選ぶか、両方つなぐか
自社が使っている基盤にそのまま合わせるのが原則で、両社を比べて乗り換える話ではありません。判断の分かれ目は次のとおりです。
- Highspotを使っている: 商談照会とピッチ生成まで含めた7ツールが、ディレクトリ経由で使えます
- Seismicで検索と共有リンクだけ素早く始めたい: 公開済みコネクタが最短です
- Seismicで商談前ブリーフやDSRまで動かしたい: カスタムコネクタで、管理者の設定とOAuthアプリの登録が必要です
- 事業部や買収先で基盤が分かれている: 両方を接続できますが、ツール定義が増えるぶんコンテキストを使います。読み込みの制御はツールアクセスの設定で調整できます
同じ「営業」領域のコネクタとの切り分けも押さえておくと混乱しません。商談や顧客レコードはCRM側、メールの送信シーケンスはアウトリーチ系、承認済み資料の検索と共有がイネーブルメント基盤、という分担です。CRM連携はClaudeとSalesforceを連携する方法、営業シーケンスはClaudeとOutreachを連携する方法で扱っています。営業SaaS全体のプラン条件はClaude営業連携ガイドに並べています。
よくあるつまずき
接続済みなのにSeismicのツールが出ない
Claude側の接続と、SeismicのExchangeアプリの有効化は別工程です。Claudeの接続画面が接続済みでも、Seismic側で有効化が済んだとは限りません。テナントのMy Appsで該当アプリが有効か確かめます。
TOOL_NOT_ALLOWEDが返る
管理者がそのツールをMCPアプリに許可していません。ツール単位の許可なので、一部だけ動いて残りが失敗する状態も起こります。管理者にApp Registry PortalのMCP App Permissionsで確認してもらいます。
生成検索が使えない
Seismicの生成検索は、テナントで機能が提供されている必要があります。権限が通っていても機能が無効なら使えません。
ミーティングやDSRの情報を頼んでも答えられない
公開済みのSeismicコネクタが持つのは、生成検索2つとLiveSendリンクの作成だけです。ミーティングの要約(get_pre_meeting_briefなど)やDSRのコメント取得(get_comments_from_dsr)はフルセット側のツールの領分なので、コネクタ経由では対象外になります。
まとめ
Highspotは7ツールで商談照会とピッチ生成までディレクトリ経由で届き、Seismicは生成検索2つとLiveSendリンクに絞ったコネクタを出しています。Seismicで商談前準備やDSRまで任せるなら、フルセットを使うカスタムコネクタ側に進み、その分だけ管理者の設定が増えます。導入前に決めるのは、使う基盤、必要なツールの範囲、MCPを有効にできる管理者の3点です。