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Claudeの組織指示を設定する手順 — 個人の指示より優先される

Claudeの組織指示を設定する手順 — 個人の指示より優先される

Team・Enterpriseの組織指示はOwnerだけが設定でき、全メンバーの全会話に効きます。設定場所と3,000字の上限、個人の指示との優先関係、書き方の型をまとめます。

Claudeの組織指示を設定する手順 — 個人の指示より優先される

組織指示(organization instructions)は、TeamまたはEnterpriseプランのOwnerが書く「全員の全会話に効くルール」です。口調、書式、社内用語、コンプライアンス上の注意をここに書くと、メンバーが毎回プロンプトに書き添える必要がなくなります。

設定できるのはOwnerとPrimary Ownerだけです。メンバー個人が自分用に書く指示とぶつかった場合は、組織側が優先されます。

組織指示と個人の指示は何が違うのか

Claudeの指示には2つの階層があります。

項目組織指示個人の指示
設定する人組織指示OwnerとPrimary Owner個人の指示各ユーザー
効く範囲組織指示組織の全員・全会話個人の指示本人の会話だけ
見られる人組織指示Owner以上だけ個人の指示本人だけ

優先関係は単純です。個人の指示が組織指示と正面から矛盾するときは、組織側に従います。例えば、組織が「常に正式な英語で答える」と定め、個人が「くだけた口調で」と書いていた場合、Claudeは正式な口調で答えます。

一方で、組織指示が触れていない話題には、個人の指示がそのまま効きます。組織側がすべてを書き尽くす必要はありません。

ここで押さえたいのは、見え方の非対称です。メンバーは組織指示の中身を読めません。「なぜか口調が固い」と感じたメンバーが原因を自力で突き止める手段はなく、Ownerに聞くことになります。

Coworkを含めた4層の優先関係はCoworkの指示と優先順位で扱っています。個人が自分のアカウントに書く指示の側はClaudeパーソナライズ機能の使い分け方が詳しい記事です。

プロジェクトの指示やスキルと重なるとき

個人側には、個人の指示のほかにプロジェクトの指示とスキルがあります。組織指示と同じ会話で重なる場面があるので、それぞれの範囲を並べます。

機能効く範囲設定の入口
個人の指示効く範囲本人の全会話設定の入口左下のイニシャル > Settings > Instructions for Claude
プロジェクトの指示効く範囲そのプロジェクト内のチャットだけ設定の入口プロジェクトの設定
スキル効く範囲口調や書式の調整、特定の作業の型設定の入口スキルの設定

組織指示とプロジェクトの指示が正面から矛盾したときの優先順位は、組織指示の設定手順にも個人設定の説明にも書かれていません。優先関係が明記されているのは、組織指示と個人の指示の間だけです。プロジェクトの指示も組織指示に負けると決めつけず、重要な指示は実際に試して確かめます。

なお個人設定の説明には、無料アカウントでもプロジェクトを最大5つ作れるという記述と、プロジェクトの指示は有料プラン向けという記述が並んでいます。メンバーのプランによって、プロジェクト側の指示が使えるかどうかが変わることがあります。

Coworkで使っていたグローバル指示は、新しいClaudeの環境では「Instructions for Claude」の一部になります。以前の指示が思わぬ形で個人設定に残っていることがあるので、個人側の指示が組織指示とぶつかっていないかを疑うときは、この画面も見てもらいます。

どの製品で効くのか

組織指示は「組織内の全員の全会話」「Claude製品全体」に効くと説明されています。一方で、claude.ai、デスクトップ、モバイル、Cowork、Claude Codeといった利用形態ごとの内訳は、手順のページに載っていません。利用形態によっては反映の仕方が違う可能性もあるため、各形態で新しい会話を開き、同じ確認用の質問を流して見比べます。

組織指示を設定する手順

手順

組織指示を保存するまで

  1. 1

    Organization settingsを開く

    Owner以上の権限でログインし、Organization settings > Organization and accessへ進みます。

  2. 2

    Organization instructions欄に書く

    テキスト欄に指示を入力します。上限は3,000字です。

  3. 3

    Save changesを押す

    「Save changes」で保存します。

  4. 4

    反映を待つ

    Claude製品全体に行き渡るまで、最大1時間かかります。

Owner未満のロールでは、この欄を設定する権限がありません。画面に見当たらないときは、まず自分のロールを確かめ、必要ならOwnerに依頼します。

指示を消したいときは、テキスト欄を空にして同じく「Save changes」を押します。

保存した直後の会話で効いていなくても、1時間は反映待ちの範囲です。確認は時間を置いてから、新しい会話で行います。

何を書き、何を書かないか

組織指示はメンバー全員の全メッセージに含まれます。長いほど毎回のやり取りが重くなるので、短く具体的に書きます。

向いているのは、どの会話でも変わらない内容です。

  • 呼び名と前提: チーム名、「うちの製品」が指す製品名
  • 口調と文体: 敬体か常体か、絵文字の可否
  • 書式の標準: 文字数の目安、3項目以上は箇条書き
  • 業務領域の語義: 「請求」が保険請求を指すのか法的請求を指すのか
  • 案内先: 人事制度の質問は担当窓口へ誘導する
  • 個人情報の扱い: 顧客名や口座番号を回答や生成物に含めない

逆に避けたいものが3つあります。

1つ目は曖昧な形容です。「プロフェッショナルに」より、「です・ます調で答える。絵文字と俗語は使わない」のほうがClaudeに伝わります。2つ目は、互いに食い違う指示の同居です。矛盾する指示があると、どちらも確実には守られなくなる可能性があります。3つ目は安全上の挙動を上書きしようとする指示で、Claudeの組み込みの安全指針やコンテンツポリシーは組織設定で無効にできず、衝突する指示は守られません。

日本語組織の書き出し例

次の指示文は、ヘルプ記事の例の型(チーム名・口調・書式・案内先・データの扱い)を日本語の組織に当てはめた下書きです。Claudeの実際の出力を示すものではなく、書き方の見本です。

このチームは「ミナト経理部」です。「当社システム」は会計システム
「ミナトクラウド」を指します。
 
回答は敬体で、結論から書いてください。絵文字は使いません。
3項目以上の列挙は箇条書きにし、本文は500字以内を目安にします。
 
「請求」は取引先への請求書を指します。法的請求の話題では、
一般論にとどめて法務部への相談を案内してください。
 
顧客名・口座番号などの個人情報は、回答や生成物に含めないでください。

この下書きは3,000字の上限よりずっと短く収まります。3,000字の枠を使い切る必要はなく、欲張って項目を足すより、効かせたい数行に絞るほうが全メンバーの会話に安定して乗ります。

設定した指示が効いているか確かめる

保存して1時間待ったら、新しい会話で確認します。

確認では、書いた指示ごとに1つずつ、それを引き出す質問を投げます。上の例なら次のようになります。

  1. 経理の一般的な質問をして、敬体・結論先頭・絵文字なしになっているかを見る
  2. 「請求」という語を含む質問をして、取引先への請求書として扱われるかを見る
  3. 法的請求について聞き、法務部への案内が出るかを見る
  4. 架空の顧客名を含む文章を渡して要約させ、名前が出力に残らないかを見る

確認は組織指示を読めるOwnerのアカウントではなく、一般メンバーのアカウントでも行うと確実です。メンバーには指示の中身が見えないため、「効いて見える」かどうかは、メンバーの画面での挙動で判断することになります。

ヘルプ記事には、優先付けはプロンプトレベルの指示で行われるため、直接矛盾する指示がぶつかるまれなケースでは挙動が変わることがあるという注記があります。優先関係を前提にした運用は、実際に試した結果を基準にします。

個人の指示との衝突を試す

優先関係を確かめるなら、テスト用アカウントの個人指示に、組織指示と逆の内容を書いてみます。組織指示が「絵文字は使わない」なら、個人指示に「絵文字を多用して」と入れ、組織側が勝つかを見ます。試したあとは個人指示を元に戻します。同じ試験をプロジェクトの指示でも行えば、前の節で書いた未記載の優先関係を自分の組織で確かめられます。結果は、指示文の改訂履歴と一緒に控えておくと、後任のOwnerにも引き継げます。

うまく効かないときの切り分け

症状ごとに、疑う順番を決めておくと早く片付きます。

症状まず疑うこと
保存したのに変わらないまず疑うこと保存から1時間たっているか。新しい会話で試したか
一部の指示だけ守られないまず疑うこと指示同士が矛盾していないか。曖昧な表現がないか
口調だけ個人設定が残るまず疑うこと組織指示がその論点に触れているか。触れていなければ個人の指示が効く
守ってほしい制限が破られるまず疑うこと組織指示はClaudeへの指示文。ロールやコネクタの設定とは別の画面で管理する
メンバーが「理由の分からない振る舞い」と言うまず疑うことメンバーには中身が見えない。Ownerが内容を伝える

最後の2行は設計上の話です。組織指示はClaudeに従わせる指示文で、ロールやコネクタの設定とは別の画面で管理します。守らせたい制限は、指示文に頼る前に、そちらの設定で実現できないかを先に確かめてください。組織全体の既定値を決めるという意味では、Claude組織のデフォルトモデル設定も同じ「Owner向けの全体設定」ですが、こちらは使えるモデルの話で、指示文の話ではありません。

Claude for Governmentのように、バナーと組織指示を組み合わせた設計はClaude for Governmentのバナーと組織指示にまとめています。

見直しの運用

組織の状況が変わったら指示を見直し、古くなった指示は外します。指示は書いた時点では正しくても、製品名や部署名が変われば誤情報の発生源になります。

運用としては次のような小さな決まりで足ります。

  • 指示文の編集者をOwnerのうち1〜2人に決める
  • 変更前の文面を別の場所に控えておく(戻したいときのために原文が要る)
  • 変更したら、時間を置いてから確認用の質問をもう一度流す
  • 四半期に一度など、棚卸しの時期を決める
  • 反映に最大1時間かかるので、全員が使い始める直前の変更は避ける

保存すると欄の内容は新しい文面に置き換わります。設定手順に変更履歴を見る画面は出てこないので、手元に原文を持つのが確実です。

まとめ

組織指示は、全員の会話に同じ前提を載せる仕組みです。短く、具体的に、互いに矛盾させずに書き、保存後は時間を置いて新しい会話で確かめます。強制したい制限をここに期待せず、口調・書式・用語・案内先のような既定値を揃える用途に絞ると、期待と実際のずれが小さくなります。

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