ClaudeとPaytm Payments MCPを連携する方法 — 認証と24ツールの範囲
インドの決済事業者Paytm PaymentsのMCPサーバーをClaudeに接続する手順です。OAuthの流れ、ディレクトリの12ツールとドキュメントの24ツールの違い、返金や決済リンク作成を任せる前の確認点をまとめます。
Claude Paytm連携でできること
Claude Paytm連携は、決済事業者Paytm Payments Services LimitedのMCPサーバーをClaudeにつなぐ仕組みです。加盟店アカウントの注文、決済リンク、返金、精算を、自然文で問い合わせられます。
接続先のURLは https://mcp.paytmpayments.com/mcp です。Connectorsディレクトリには「Paytm Payment Gateway」の名前で載っています。表示は「Anthropic verified」で、カテゴリは金融サービス、追加は2026年6月、サインインは必須です。
Paytmのドキュメントは、このサーバーをベータ版と位置づけています。Cursor、ChatGPT、n8nなどのクライアントにも対応し、Claudeはその1つです。
読み方で迷うのは、ツールの数です。ディレクトリの詳細ページには12個、ドキュメントには24個が並びます。この差が「何を任せられるか」を左右するので、後半で表にして比べます。
Connector全般の仕組みはClaudeのコネクタ解説にまとめています。同じインドの決済領域では、Razorpay MCPサーバーのつなぎ方も参考になります。
接続前に必要な条件
必要なのは、有効なPaytmの加盟店アカウントです。ドキュメントのFAQは、MCPアクセスが有効な加盟店アカウントを使うよう求めています。アカウントがない、またはMCPアクセスが有効でないと、認可画面が出ない原因になります。
認証はOAuth 2.0です。APIキーやシークレットをClaudeに渡さず、Paytmのログイン画面で認可します。ドキュメントが挙げる利点は次の4つです。
OAuthで接続する利点
認証情報が手元に残る
APIキーとシークレットは、AIクライアントに共有も保存もされません。
権限を選べる
認可画面で、AIクライアントがアクセスできる範囲を決めます。
トークンは一時的
長期の認証情報の代わりに、期限付きのトークンが使われます。
いつでも切断できる
AIクライアントとの接続は、あとから取り消せます。
Dynamic Client Registration(DCR)にも対応しています。クライアントが初回接続時に自動で登録されるため、加盟店がクライアントIDを手作業で発行する工程はありません。
ClaudeにPaytmを接続する手順
ディレクトリの掲載コネクタとして追加する場合、手順は次のとおりです。
claude.aiでの接続手順
- 1
コネクタ画面を開く
設定の左パネルから「Connectors」を選びます。
- 2
Paytm MCPを探す
「+」から「Browse Connector」を開き、「Paytm MCP」を検索して「Connect」を押します。
- 3
加盟店アカウントでログインする
Paytmのダッシュボード画面が開きます。メールアドレスとパスワードを入れ、OTPを入力します。
- 4
認可する
認可画面で「Authorize」を押すと、Claudeに戻って接続済みの表示になります。
- 5
ツールを確認する
「Configure」を開くと、利用できるツールの一覧が見えます。
ディレクトリの詳細ページでは「Paytm Payment Gateway」、ドキュメントの手順では「Paytm MCP」という名前で出てきます。検索に出てこないときは、両方の名前で探してください。
Claude Codeから使う場合、ドキュメントには手順を撮った動画への入口だけがあり、コマンドは書かれていません。リモートHTTPのMCPサーバーを足す一般の書式に、接続先URLを当てはめた形は次のようになります(Paytm向けの専用コマンドではなく、一般書式の適用例です)。
claude mcp add --transport http paytm \
https://mcp.paytmpayments.com/mcp登録後は、Claude Codeのセッション内で /mcp を開いてOAuth認証を済ませます。認証の操作はclaude mcp login/logoutの解説にまとめています。
12ツールと24ツールの違い
ディレクトリの詳細ページに載るツールは12個で、名前はすべて fetch_ で始まります。ドキュメントのツール表は24個で、決済リンクの作成や返金の実行といった書き込み系の名前が入っています。
| 領域 | ディレクトリの12個に入る | ドキュメントの24個で追加される |
|---|---|---|
| 決済リンク | ディレクトリの12個に入るfetch_payment_links、fetch_transactions_by_link_id | ドキュメントの24個で追加されるcreate_payment_link、update_payment_link |
| 注文・決済 | ディレクトリの12個に入るfetch_all_orders、fetch_order_status、fetch_order_by_transaction_id、fetch_payment_options | ドキュメントの24個で追加されるinitiate_transaction、process_transaction、export_orders_xlsx |
| 返金 | ディレクトリの12個に入るfetch_refund_status、fetch_refunds | ドキュメントの24個で追加されるinitiate_refund |
| 精算 | ディレクトリの12個に入るfetch_settlement_orders、fetch_settlements_by_date | ドキュメントの24個で追加されるなし |
| 定期課金 | ディレクトリの12個に入るfetch_subscription_status | ドキュメントの24個で追加されるinitiate_subscription、cancel_subscription、update_subscription_status |
| QR・その他 | ディレクトリの12個に入るfetch_card_bin_details | ドキュメントの24個で追加されるcreate_qr_code、validate_vpa、fetch_payment_convenience_fee |
差し引きすると、ディレクトリ側に載らないのは12個です。内訳は、作成・更新・開始・実行・キャンセル系が9個と、読み取り系の export_orders_xlsx、validate_vpa、fetch_payment_convenience_fee です。
返金一覧のツール名にも表記の差があります。ドキュメントの表では fetch_refund_list、ディレクトリでは fetch_refunds です。ユースケースの説明文には create_link、fetch_link、fetch_order_list という、表にない名前も出てきます。同じ機能を指しているように読めますが、実際にClaudeが呼ぶ名前は、接続後の「Configure」の一覧で確かめるのが確実です。
ここで効いてくるのが、書き込み系を接続時に使えるかどうかです。ドキュメントの表は、書き込み系ツールの存在を示します。一方、ディレクトリの詳細ページは読み取り系だけを並べています。どちらの一覧が、実際の接続に反映されるのか。ドキュメントにもディレクトリにも、その対応は書かれていません。
落とし穴
一覧のどちらを信じるかで、任せる範囲が変わる
ディレクトリの一覧だけを見て「読み取り専用」と思い込むのは危険です。ドキュメントには返金の開始や定期課金のキャンセルが載っています。本番の加盟店アカウントをつなぐ前に、「Configure」でツール名を確認してください。
日々の業務で任せられる作業
ドキュメントのサンプルプロンプトから、加盟店の業務に近い例を抜き出します。いずれも例示であり、Claudeの実際の出力ではありません。
- 照合: 「3月1日から15日までの注文を一覧にして」(
fetch_all_orders) - 状態確認: 「注文ORD20260318002の決済状況は?」(
fetch_order_status) - 決済リンク: 「直近5件の決済リンクの詳細を教えて」(
fetch_payment_links) - 返金の追跡: 「過去7日間に処理した返金を見せて」(返金一覧のツール)
- 精算: 「4月1日から10日までの精算サマリーを出して」(
fetch_settlements_by_date)
注文一覧と返金一覧は、1回に引ける日付範囲が30日とされています。月をまたぐ照合では、期間を分けて頼む必要があります。
ユースケースの例では、先週の成功取引を引く場面で、注文ID、金額、支払い手段、時刻が返り、最後に総件数が付くと説明されています。照合の入口として使う設計です。
Claude側に置く運用ルールの例
読み取りの調査だけを任せる運用にするなら、プロジェクトの指示文に範囲を書いておく方法があります。次は、そうした運用ルールの一例です。
Paytmの調査では、fetch_で始まるツールだけを使う。
作成・更新・返金・キャンセルに当たる操作は実行せず、
実行したい内容を文章で提案して止まる。
日付範囲は30日以内に分けて問い合わせる。指示文はあくまで依頼の方針で、権限の制限ではありません。権限そのものを絞りたいときは、認可画面でAIクライアントに渡す範囲を選ぶ段階で調整します。
書き込みを任せる前の確認点
決済リンクの作成、返金の開始、定期課金のキャンセルは、お金や顧客に直接影響します。ドキュメントのサンプルは、「400ルピーの決済リンクを作ってメールで送る」「注文ORD20260315001を全額返金する」といった命令口調です。
本番アカウントでこの種のツールを使う前に、次の3点を見てください。
- 「Configure」に書き込み系が実際に出ているか
- 出ている場合、Claudeが実行前に確認を求める設定になっているか
- 認可画面で、AIクライアントに渡す権限を絞れているか
認可画面でツール別に選べるかどうかは、ドキュメントに「Review and authorize the client to access different tools」とある範囲までしか書かれていません。画面の具体的な項目名は載っていないため、初回は少額のテスト取引で動きを見てから範囲を広げる進め方が無難です。
うまく接続できないときの確認先
ドキュメントのFAQが挙げる原因は、次のようなものです。
- 認可画面が出ない: MCPアクセスが有効な加盟店アカウントか。ブラウザーがPaytmのドメインのポップアップを止めていないか。ブラウザーのキャッシュを消して再試行する
- URLの誤り: 接続先が
https://mcp.paytmpayments.com/mcpと完全に一致しているか - 認証方式の違い: クライアントによって、メールとOTP、メールとパスワードのどちらで入るかが異なる
Claudeでの接続手順は、メールアドレスとパスワードを入れてからOTPを入力する流れです。それでも解決しない場合の連絡先は、MCP専用のサポートメールアドレスとして mcp.support@paytmpayments.com が案内されています。
よくある質問
日本から使えますか
ドキュメントには、利用できる国や地域の記載がありません。Paytmの加盟店アカウントが前提で、インドの決済事業者のサービスです。日本の事業者が使う場合は、先にアカウントを開設できるかをPaytm側に確認する必要があります。
Stripeのコネクタと何が違いますか
ディレクトリの関連コネクタには、StripeやIntuit QuickBooksが並びます。StripeはClaude Stripe連携で扱っています。Paytm側はUPIのVPA検証や、インドの決済手段を前提にしたツールがあります。
Cursor向けの設定ファイルはどう書きますか
ドキュメントのFAQは、mcp.json の接続先URLを https://mcp.paytmpayments.com/mcp にするよう案内するのみで、設定例の全文は載せていません。
まとめ
Paytm連携の入口は簡単です。加盟店アカウントでOAuth認可を通すだけで、注文や精算を会話で引けるようになります。
迷うのは、書き込み系ツールの扱いです。ディレクトリは読み取り系の12個、ドキュメントは書き込みを含む24個を示しており、接続後の「Configure」を見るまで実際の範囲は決まりません。最初は調査だけを任せ、決済リンクの作成や返金は動きを確かめてから広げる流れで進めると、事故を避けやすくなります。