Claude Media
ClaudeとQuartrを連携する方法 — 競合の決算説明会を会議資料に落とす

ClaudeとQuartrを連携する方法 — 競合の決算説明会を会議資料に落とす

Quartrコネクタで上場企業の決算説明会の書き起こし・資料・要約を引き、競合の決算コメントを経営会議の資料にまとめる手順です。接続の条件と、言語・契約まわりの注意も押さえます。

Claude Quartr連携とは — 決算説明会の一次資料をClaudeから引く入口

Quartrコネクタは、Quartrが提供するコネクタです。ディレクトリ上では「Anthropic verified」と表示され、カテゴリはFinancial services、追加時期は2026年3月です。コネクタページの説明によると、65市場・14,500社超の上場企業について、ライブと録音の決算説明会、話者付きの書き起こし、スライド資料、開示書類、イベントの要約を扱えます。

競合の決算説明会を読む作業で効くのは、経営陣の発言そのものをClaudeが取りに行ける点です。ニュース記事の要約を経由すると、誰がどの文脈で言ったかが抜けます。書き起こしと資料を直接引けば、「CFOがQ&Aでこう答えた」という単位で引用を残せます。

この記事は、経営企画の担当者が競合数社の決算コメントを経営会議資料に落とす場面を想定しています。接続の条件、ツールの分類、依頼文の型、出力の検算の順に説明します。

統合報告書のPDFを比べる作業は他社の統合報告書をClaudeで比較し自社の開示の抜けを洗う手順が扱っています。Quartrは決算説明会のイベント単位でデータを引く点で入口が違います。財務数値と予想値の比較表はClaudeとFactSetを連携して競合比較表を出典つきで作る手順にあります。

前提と接続 — サインインとプランの条件

コネクタページに載っている接続情報は次のとおりです。

項目内容
サインイン内容必須(Sign-in: Required)
提供元内容Quartr
カテゴリ内容Financial services
追加時期内容2026年3月
コネクタURL内容https://mcp.quartr.com/mcp

サインインが必須とだけ書かれていて、どのQuartr契約が要るのか、無料アカウントで使えるのかはコネクタページに記載がありません。接続前に、Quartrの契約状況を確認してください。

Claude側の権限の扱いはサポート記事に書かれています。Claudeは接続先のサービスでの権限をそのまま引き継ぎ、元のサービスで見られないデータにはコネクタ経由でも届きません。Quartr側の契約に含まれないデータは、Claudeからも引けない前提で進めるのが安全です。

接続の流れは他のコネクタと同じです。

手順

Quartrコネクタの追加

  1. 1

    ディレクトリを開く

    claude.aiの「Customize」から「Connectors」を開き、ディレクトリでQuartrを探します。

  2. 2

    追加して認証する

    コネクタを追加し、Quartrのアカウントでサインインして許可します。

  3. 3

    会話で有効にする

    会話の設定でQuartrコネクタをオンにします。以降の依頼でClaudeがツールを呼び出します。

Team・Enterpriseプランでは、OwnerまたはPrimary Ownerが組織でコネクタを有効にする操作が先に要ります。有効にしただけでは誰にも権限は付かず、メンバーは各自でQuartrに認証してから使います。管理者でない場合は、有効化を管理者に依頼してから手順に進んでください。コネクタ全般の仕組みと管理はClaude Connectorsとはにまとめています。

Quartrのツールは4つの用途に分けて見る

コネクタページには38個のツールがあると書かれていますが、ページに名前が表示されているのは24個で、残りは折りたたまれています。表示されている範囲を用途で分けると次のとおりです。

用途ページに表示されているツール
企業を探すページに表示されているツールsearch_companies / get_company / list_companies / list_related_companies
イベントを探すページに表示されているツールlist_events / get_event / list_event_types
資料を読むページに表示されているツールlist_documents / read_document / read_live_transcript / search_documents / get_financials / get_document_summary / get_event_summary
追跡を管理するページに表示されているツールlist_watchlists / get_watchlist / create_watchlist / rename_watchlist / delete_watchlist / add_to_watchlist / remove_from_watchlist / list_keywords / create_keyword / update_keyword

Quartrのドキュメントでは、データは「企業がイベントを持ち、イベントがコンテンツを持つ」三層で整理されています。イベントは四半期決算の説明会、資本市場説明会、M&A発表、カンファレンスへの登壇などで、その下に書き起こし、スライド、決算資料、要約が付きます。ツール名もこの構造に沿っています。まず企業を特定し、次にイベントを選び、最後に資料を開く順です。

ツール名からの推測を避けるため、各ツールの引数や戻り値は、接続した会話でClaudeに「使えるQuartrのツールを一覧にして」と頼んで確かめてください。

競合の決算説明会を読む依頼の型

競合1社の直近の決算を読む流れは、企業の特定、イベントの特定、資料の読み取り、整理の4段です。1回の依頼にまとめず、段ごとに結果を確認してから次へ進むほうが崩れません。

Quartrで「A社」を検索し、社名・ティッカー・上場市場を表にしてください。
同名の企業が複数ある場合は、選ぶ前に私に確認してください。

企業が決まったら、イベントを指定します。

A社の直近4四半期の決算説明会を、イベント一覧から日付つきで挙げてください。
そのうち最新の1件について、書き起こしの有無とスライド資料の有無を教えてください。

四半期決算以外のイベントも、同じ手順で引けます。資本市場説明会、M&A発表、カンファレンスへの登壇などです。どんな種類があるかはlist_event_typesで確かめられるので、競合のM&A発表の説明を読みたいときは、先に種類を一覧させてから絞り込ませます。ただし、書き起こしやスライドが付くかはイベントごとに異なるため、対象のイベントで資料の有無を確かめてから読ませてください。

最後に、経営会議の問いに合わせて読ませます。ここで読む観点を先に渡すのがポイントです。

最新の決算説明会の書き起こしとスライドを読み、次の3点を抜き出してください。
1. 経営陣が来期の重点投資として挙げた領域
2. Q&Aで価格や競争環境について答えた発言
3. 前四半期から表現が変わった箇所
各項目に、発言者の役職と、書き起こし中の該当箇所の引用を付けてください。
引用できない項目は「該当なし」と書いてください。

「引用できない項目は『該当なし』」と指定するのは、資料に無いことをClaudeが補って埋めるのを避けるためです。コネクタを使っても、書かれていない結論まで出させれば、推測が混ざります。

経営会議の資料に落とす — 3社横断の整理

1社ずつの抜き出しが済んだら、横断表にします。同じ観点で並べるため、手順は次のようにします。

手順

横断表をつくる手順

  1. 1

    観点を固定する

    先に3〜5個の観点(重点投資、価格方針、在庫、人員、規制対応など)を決め、全社に同じ観点で当てます。

  2. 2

    1社ずつ抜き出す

    1社につき1回の依頼で、観点ごとの発言と引用を出させます。

  3. 3

    横断表にまとめる

    3社分の結果を貼り直し、観点を行、社名を列にした表へ並べさせます。

  4. 4

    自社の論点に引き直す

    表の最後に、自社の計画との差を1行で書かせ、経営会議で議論する問いに落とします。

表の各セルには、決算説明会の日付と引用元(書き起こしかスライドか)を残させておくと、会議で「どの発言か」を聞かれても答えられます。セルが空の観点は、その会社が触れなかったことを示す情報として残します。

ウォッチリスト系のツールは、追う競合を固定する用途に向いています。競合を登録しておけば、翌四半期に同じ依頼文で差分を取り直せます。登録の作成・削除はQuartr側のデータを書き換える操作なので、削除系のツールは依頼文で明示的に指示したときだけ使わせてください。

使う前に知っておく制約

Quartrのドキュメントに、運用で効いてくる条件が書かれています。

  • 書き起こしは英語のイベントのみです。データセットの説明に「英語で行われたイベントのみ」とあります。日本語の説明会は書き起こしが無い可能性があり、コネクタ経由で同じ制約が出るかはコネクタページに記載がありません。
  • 要約は別契約のデータセットです。APIのドキュメントにそう書かれていますが、get_event_summaryが同じ契約に紐づくかはページから読み取れません。
  • 話者名や役職は空になることがあります。音声から特定できない場合や、公式の出席者名簿に無い場合です。
  • 書き起こしは開催直後に揃いません。目安は95%のイベントで終了後45分以内で、話者名を整えた版は数時間後に出ます。

役職つきの引用を頼むときは、空だった場合の扱いも依頼文で指定しておくと崩れません。説明会の直後は、速報版を読んでいる可能性もあります。

うまくいかないときの切り分け

結果が返らないときは、症状ごとに原因を絞ります。

症状先に確かめること
書き起こしが返らない先に確かめること英語のイベントか。開催から45分以内ではないか
要約が返らない先に確かめること要約のデータセットを契約しているか
役職が空欄になる先に確かめること出席者名簿に載っている話者か
同名企業を取り違えた先に確かめることティッカーと上場市場で企業を特定し直す

出力を検算する3つの確認

コネクタで取った内容でも、Claudeの整理には誤りが入りえます。会議に出す前に次を確かめます。

  1. 引用が書き起こしの原文と一致するか。数字を含む発言は、元の書き起こしを開いて照合する
  2. 対象の四半期と企業が合っているか。同名企業や、子会社の説明会を取り違えていないか
  3. 「前期から変わった」という比較が、両方の資料を実際に読んだ結果か。片方しか読んでいない場合の比較は無効

数字の検算は、FactSetなど財務データ側と突き合わせると確実です。経営会議の資料では、発言はQuartr、数値は財務データという役割分担が組みやすくなります。

競合の発言を読むときの線引き

決算説明会は公開された情報で、読み方に制約はありません。ただし、Claudeに出させた「競合の意図」は推測です。「重点投資が移った」は発言から言えても、「だから来期に値下げする」は書かれていません。会議資料には、発言の事実と、こちらの解釈を別の列に分けて書くと、読む側が判断しやすくなります。

まとめ

Quartrコネクタは、競合の決算説明会を企業、イベント、資料の順に辿って読むための入口です。観点を先に決め、1社ずつ引用つきで抜き出し、横断表に並べる運び方なら、会議資料に使える形になります。日本語の説明会の書き起こしと要約の契約範囲は、使い始める前に自社の対象企業で試して確かめてください。

この記事を共有:XはてブLinkedIn