ClaudeのProjectsでSNS投稿カレンダーを月単位で管理する
Claude Projectsの指示とナレッジでテーマと頻度を月単位で固定し、SNS投稿カレンダーをArtifactの表にして週次で見直す手順です。曜日×テーマの指示例とプラン別の共有範囲も扱います。
ClaudeのProjectsで月間カレンダーを組む仕組み
SNSの運用担当者が毎月悩むのは、テーマの配分と投稿頻度を決め直す手間です。Claude Projectsは、専用のチャット履歴とナレッジベースを持つワークスペース機能で、会話ごとに前提を貼り直さなくても、テーマや頻度の方針を「指示」として1度だけ登録できます。ここに過去の投稿ログやブランドガイドラインを知識として入れておくと、月初に「来月のカレンダーを作って」と頼むだけで、方針に沿った骨子が返ってきます。
個別の投稿文をどう書くかは、また別の作業です。写真からキャプションを起こす手順や媒体ごとのトーン調整は、ClaudeにSNS投稿文とキャプションを考えてもらう手順にまとめてあります。本記事が扱うのは、その手前にある月単位の計画づくりです。テーマと頻度をProjectsで固定してから、実際の文章は都度別会話で仕上げる、という役割分担になります。
始める前に確認する2つの前提
Projectsは無料プランを含む全プランで利用できますが、無料プランで作成できるプロジェクトは最大5個までです。複数のブランドやアカウントを1人で運用している場合、カレンダー用のプロジェクトを分けるとすぐこの上限に当たる可能性があります。1個のプロジェクトの中でブランドごとに指示を書き分ける運用も検討の余地があります。
もう一つの前提はArtifactsの有効化です。カレンダーを表として持ち出すにはArtifact機能を使いますが、個人プランでは設定の「Capabilities」、Team・Enterpriseでは組織設定の「Capabilities」で「Code execution and file creation」をオンにしていないと、Artifact自体が作られません。名前アイコンからSettingsに進み、この設定がオンになっているかを先に確認しておきます。
手順1プロジェクトを作り指示にテーマと頻度を書く
プロジェクトを新規作成したら、Project instructionsに投稿頻度とテーマの配分を書き込みます。この指示は同じプロジェクト内のすべての会話に常時適用されるため、月ごとに同じ方針を貼り直す必要がありません。
指示の例です。
「毎週3回投稿する。月曜は商品紹介、水曜はお客様の声、金曜は社内の様子を紹介する。トーンは親しみやすく、絵文字は控えめにする」
頻度を「週3回」のような回数だけで書くより、曜日とテーマを組にして書くほうが、後で生成するカレンダーの配分が安定します。トーンについても「親しみやすく」だけでなく「絵文字は控えめ」のように具体語を添えると、案同士の違いがはっきり出やすくなります。この粒度の効果は、写真からキャプションを作る作業でも共通しています。
手順2ナレッジベースに過去の投稿とブランド情報を入れる
Project knowledgeには、ドキュメントやテキストをアップロードして、以降の会話すべての前提にできます。過去数か月分の投稿ログ、ブランドガイドライン、決まっているキャンペーンの予定表などを入れておくと、生成されるカレンダーが実際の運用と噛み合いやすくなります。
知識量が増えてコンテキストの上限に近づくと、有料プラン(Pro・Max・Team・Enterprise)では自動的にRAG(Retrieval Augmented Generation、検索拡張生成)モードに切り替わり、扱える容量が最大10倍まで広がります。無料プランはこの自動拡張の対象外です。半年分を超える投稿ログや複数ブランドの資料を一括で入れたい場合、有料プランのほうが運用の手間が少なくなります。仕組みの詳しい違いはClaude ProjectsのRAG検索の仕組みと全文投入との違いで扱っています。
ナレッジベースは自動で最新化されるわけではありません。投稿を追加したら、その都度ログをアップロードし直す必要があります。放置すると、翌月のカレンダーが古い投稿を参照して案を出すことがあります。
手順3月間カレンダーをArtifactの表として生成する
指示と知識を登録した状態で「来月のカレンダーを表にして」と依頼すると、日付・テーマ・媒体を列にした表がArtifactとして返ってきます。Artifactは会話の隣に開いて編集できるキャンバスで、15行を超える自己完結した内容など一定の条件を満たすと生成されます。日付をずらしたり列を追加したりする指示も、会話を続けたままその場で反映されます。
表がMarkdown形式で返ってきた場合は、直したい行を選択して「Edit with Claude」から指示するだけで、その部分だけ書き換えられます。会話のどこを指しているかを説明し直す必要はありません。作り直した版と前の版は右上のバージョン切り替えで見比べられ、気に入らない変更は前の版に戻せます。手元に残しておきたい場合は、Artifactの右下からファイルとしてダウンロードできます。
Team・Enterpriseプランでは、このプロジェクトを他のメンバーに共有できます。共有権限は「Can view」(閲覧のみで編集不可)と「Can edit」(プロジェクトの指示・知識を編集しメンバーも追加できる)の2段階です。運用担当者だけをCan editにして、レビュー担当や上長はCan viewにする、といった分け方ができます。共有方法も個別のメールアドレス指定・複数人への一括共有・組織全体への共有の3種類があり、Enterpriseプランでは組織全体への共有をOwnerが役割別に制限することもできます。カレンダー自体はこのプロジェクトの中で生成されるArtifactなので、プロジェクトを共有すればメンバーは同じカレンダーを見られます。
Artifactの生成や編集は契約プランの利用量にカウントされます。月に何度もカレンダーを作り直す運用では、この消費量もあらかじめ見込んでおくと安心です。文書として長く残して更新し続けたい場合は、有料プランでベータ提供されているClaude Docsのように、チームでリアルタイムに共同編集できる形式を選ぶ余地もあります。
手順4週次で見直し個別の文言作成へ引き渡す
月初に組んだカレンダーは、そのまま1か月動かすのではなく、週次のミーティングで実績と照らして調整します。Artifactは会話を続けたまま編集できるため、「今週の水曜のテーマを差し替えて」と伝えるだけで表が更新されます。新しいキャンペーンが決まったときも、同じ会話の中でその週だけテーマを上書きできます。
カレンダー上でテーマと投稿日が決まったら、実際の投稿文やキャプションを書く作業は別の会話に移します。文言の細かいトーン調整や、写真からのキャプション生成はClaudeにSNS投稿文とキャプションを考えてもらう手順で扱っている作業です。カレンダーのプロジェクトと文言作成の会話を分けておくと、月単位のテーマ一覧性と、個別投稿ごとの細かい調整の両方がやりやすくなります。
プランで変わる運用の範囲
プラン差は「何人で回すか」でほぼ決まります。1人か少人数でブランドを回している場合、Pro・Maxの範囲でカレンダー運用は成立します。レビュー担当と作成担当を分けたい、あるいは複数ブランドを組織で横断管理したい場合は、Team以上のプランが前提になります。
| 項目 | Free | Pro / Max | Team / Enterprise |
|---|---|---|---|
| プロジェクト数 | Free最大5個 | Pro / Max記載なし | Team / Enterprise記載なし |
| ナレッジのRAG自動拡張 | Free対象外 | Pro / Max対象 | Team / Enterprise対象 |
| プロジェクトの共有 | Freeプロジェクト共有は非対応 | Pro / Maxプロジェクト共有は非対応 | Team / EnterpriseCan view / Can editで可 |
| 組織全体への共有 | Free– | Pro / Max– | Team / Enterprise可(Ownerの設定次第) |
マーケティング業務全般でのProjects・Artifacts活用はClaudeマーケティング活用 — Projects・Web検索・Artifactsの使い方でも扱っています。SNS運用に限らない使い方を確認したい場合はそちらが参考になります。
よくあるつまずき
指示にテーマを書いても頻度がずれることがあります。多くの場合、頻度を曜日ではなく「週3回」のような回数だけで書いたときに起きます。曜日まで指定すると配分が安定します。
知識を入れたのに古い投稿を参照する、という相談もよくあります。ナレッジベースは自動で最新化されないため、投稿ログを追加した後は都度アップロードし直す作業が抜けていないかを確認します。
Artifactの表が会話の中で埋もれて見つからなくなることもあります。この場合はArtifactsのサイドバーから該当のカレンダーを開き直すと見つかります。カレンダー専用のプロジェクトを分けておけば、他の会話で作ったArtifactと混ざりません。
まとめ
Claude Projectsは、テーマと頻度の方針をInstructionsに固定し、過去の投稿やブランド情報をKnowledgeに入れておくワークスペースです。月間カレンダーはこの2つを前提にArtifactの表として生成し、週次で調整していく運用が組めます。個別の投稿文やキャプションの作成は別の会話に切り出し、ClaudeにSNS投稿文とキャプションを考えてもらう手順に委ねると、月単位の計画づくりと日々の文言調整が混ざらずに進められます。Projects全体の容量やArtifactsの公開機能まで含めて確認したい場合は、Claude Projects完全ガイド — 使い方・容量上限からArtifactsの公開・埋め込みまでにまとまっています。