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ClaudeでTRPGシナリオの作り方 — Artifactsでハンドアウトを管理

ClaudeでTRPGシナリオの作り方 — Artifactsでハンドアウトを管理

ClaudeのArtifacts機能でTRPGのハンドアウト・NPC設定・マップを作る手順と、Projectsでキャンペーン設定を引き継ぐ方法をまとめます。

NPCの口調設定、村の相関図、宿屋の間取り図、次のセッションで配る手がかりメモ。TRPGのシナリオ作りには、細かい資料が山ほど必要になります。Claudeとの会話でこれらを作ると、Artifacts機能が各資料を独立した編集可能な成果物として会話の外へ切り出してくれます。ハンドアウトはMarkdown文書、マップは図やSVGといった具合に、資料の種類に応じて形式を選べる点がTRPGの資料作りに向いています。この記事では、TRPGの資料にArtifactsのどの形式を当てるか、Projectsでキャンペーンの設定をどう引き継ぐかを手順で確認します。

Claude Artifactsとは — TRPG資料作りに向く理由

Artifactsは、Claudeが会話の中で作った成果物を専用ウィンドウへ切り出す機能です。デザイン・スライド・ドキュメント・ダッシュボード・小さなインタラクティブツールなど、誰かに見せたくなるものが対象になります。Claudeは次の条件を満たす内容をArtifactとして生成します。

  • 自己完結していて、おおむね15行を超える量がある
  • 会話の外で編集・再利用したくなりそうな内容である
  • 追加の会話文脈なしでも単体で成立する複雑さがある
  • あとで見返したり使ったりする可能性が高い

対応する形式はMarkdown文書、コードスニペット、単一ページのHTMLサイト、SVG画像、図(フローチャートなど)、インタラクティブなReactコンポーネントの6種類です。TRPGの資料はこの6種類にきれいに対応します。

TRPGの用途向いているArtifact形式
ハンドアウト・NPC設定・世界設定向いているArtifact形式Markdown文書
キャラクターシート・所持品リスト向いているArtifact形式Markdown文書の表、または複雑な集計はReactコンポーネント
マップ・NPC相関図向いているArtifact形式SVG画像、または図(フローチャート)
ダイスロール・戦闘進行トラッカー向いているArtifact形式インタラクティブなReactコンポーネント

Artifacts自体はFree・Pro・Max・Team・Enterpriseの全プランで使えます。ただし利用には、設定の「Capabilities」から「Code execution and file creation」を有効にしておく必要があります。Pro・Max・Teamでは既定でオンになっていますが、Enterpriseでは管理者がオンにするまで無効のままです。

シナリオの骨組みをClaudeと組み立てる

個別のハンドアウトを作る前に、シナリオ自体の骨組みをClaudeと詰めておくと、後で作る資料がぶれません。導入・中盤・クライマックスの3幕と、各幕で出す手がかり、次の幕に進む条件をまとめて相談できます。

TRPGシナリオの骨組みを一緒に考えてください。
- 舞台: 港町の宿屋を拠点にした調査シナリオ
- プレイヤー人数: 4人、想定プレイ時間3時間
- 導入・中盤・クライマックスの3幕に分け、各幕で提示する手がかりと、次の幕に進む条件を挙げてください
- 判定に失敗したときの代替の手がかりも、各幕に1つ添えてください

Claudeが返した骨組みをチャットのテキストで終わらせず、「この骨組みをMarkdown文書のArtifactにして、手がかりは幕ごとの表にしてください」と続けて依頼すると、幕・手がかり・入手条件・失敗時の代替を並べた手がかり表に展開されます。セッション準備の段階でこの表を見返せば、どの手がかりを出し忘れているかをGM自身が確認できます。

ハンドアウトとNPC設定をMarkdown文書で作る

ハンドアウトやNPC設定は、Claudeに文章で依頼すればそのままMarkdown文書のArtifactになります。次のように、立場・秘密・プレイヤーへの態度をまとめて渡すと、読みやすい構成のハンドアウトが返ってきます。

次の設定でNPCのハンドアウトを作成してください。
- 名前: ヴァレンティン・ロス
- 立場: 港町の元密輸業者、現在は宿屋の主人
- 隠している秘密: 15年前の海難事故の生存者で、当時の荷を今も持っている
- プレイヤーへの態度: 表向きは親切だが、荷の話題には露骨に不機嫌になる

生成されたMarkdown文書は、気になる箇所をハイライトして「Edit with Claude」を選ぶと、その場所だけをClaudeが書き直します。チャットに戻って修正箇所を説明し直す手間がありません。会話が進むたびにArtifactは版として積み重なり、バージョンセレクターで前の版に戻せます。過去のメッセージを編集して別の設定案を試す分岐運用もできるため、複数のシナリオ候補を並行して詰められます。

キャラクターシートと所持品リストを表で管理する

NPCが増えるシナリオでは、キャラクターシートや所持品リストを表形式のArtifactにまとめておくと一覧性が上がります。1つの会話の中で複数のArtifactを開いたまま、右上のスライダーアイコンから切り替えて作業できます。「このArtifactを更新して」と伝えるときは、更新対象を明示しておくと、Claudeがどちらの表を編集すべきか迷いません。

たとえばメインシナリオ用のNPC一覧と、サブシナリオ用の所持品リストを別々のArtifactとして持たせ、セッション準備のたびに両方を見比べながら更新していく運用が組めます。数値の集計や条件分岐が多い所持品管理は、表よりインタラクティブなReactコンポーネントの方が扱いやすい場合もあります。

マップやNPC相関図をSVG・図で可視化する

ダンジョンの間取りや街の地図はSVG画像のArtifactとして、NPC同士の利害関係はフローチャート形式の図として作れます。テキストで説明していた相関関係を1枚の図に落とし込むと、セッション中にプレイヤーへ見せる資料としてそのまま使えます。業務資料の分岐や件数の内訳を図にまとめる具体的な操作はClaudeでのフローチャート作成手順で扱っているので、村人同士の対立関係やクエストの分岐図を作るときの手順はそちらがそのまま流用できます。

プレイヤーが操作できるAI組み込みツールを配る

Artifactsには、Claudeの応答機能そのものを組み込んだアプリを作る使い方があります。「入力した状況に応じて次の展開をランダムに提示するツール」や「戦闘のヒットポイントを管理するトラッカー」、「NPCの口調でその場の返答を生成する会話シミュレーター」のように、プレイヤーが操作するとClaudeが応答する成果物を、コードを書かずに配布できます。

このとき利用枠を消費するのは閲覧者側です。GMが公開したAI組み込みのArtifactを何人のプレイヤーが使っても、その利用は各プレイヤー自身のサブスクリプション枠にカウントされ、GM側に追加コストは発生しません。長期キャンペーンで毎セッション使うツールを作っても、配布コストを心配せずに済む仕組みです。

Projectsでキャンペーンの世界設定を引き継ぐ

複数セッションにわたるキャンペーンでは、世界設定やこれまでの展開をClaude Projectsのナレッジベースにまとめておくと、セッションごとに前提を説明し直す手間が減ります。プロジェクトにアップロードした資料は、そのプロジェクト内のすべての会話から参照されます。

ただし、同じプロジェクト内でも会話同士は文脈を共有しません。前回のセッションで決めた展開を次でも使いたい場合は、その内容をナレッジベースへ明示的に追加する必要があります。GMのペルソナやトーンを固定したい場合はProject instructionsに書いておくと、以降のすべての会話に適用されます。

Project instructionsの記入例
あなたはダークファンタジー世界のGMアシスタントです。
- 返答は常に世界設定のトーン(重厚・簡潔)を保つ
- NPCの発言は名前を明記してセリフ形式で書く
- ルール判定が必要な場面では、判定方法だけを提示し結果は断定しない

無料プランでもプロジェクトは作成できますが、上限は最大5個です。有料プランでは、ナレッジの合計がコンテキスト上限に近づくと自動でRAG(検索拡張生成)モードに切り替わり、容量が最大10倍まで拡張されます。長編キャンペーンでロアや過去ログが積み重なってきた場合、この拡張の有無が実質的な差になります。ProjectsとArtifactsの組み合わせ方はClaude Projects完全ガイドで詳しく整理しています。

完成した資料をプレイヤーに共有する

作ったハンドアウトやマップは、Artifactを開いて「Publish」をクリックすればリンクとして配布できます。Free・Pro・Maxではリンクを知っている誰にでも公開でき、Claudeのアカウントを持たないプレイヤーでも閲覧できます。ただし非会員への公開が使えるのは、チャットで作ったArtifactをPublishした場合に限られます。新しいClaude体験で作った成果物は「Share」ダイアログ経由の共有になり、開く側もClaudeのアカウントが必要です。Team・Enterpriseでは組織内のメンバーに限定した「Share」が使えます。

作ったハンドアウトを印刷して配布したい場合や、別のツールに貼り付けたい場合は、Artifactウィンドウ右下の操作からコードの表示・クリップボードへのコピー・ファイルへのダウンロードができます。作った資料を後から探し直すときは、サイドバーのArtifactsセクションに一覧が保存されているので、そこから開き直せます。旧来のチャット体験では、会話内で作った時点ではまだこの一覧に載らず、Publishボタンを押した時点で登録される点に注意してください。

進行状況を保存できるArtifact(永続ストレージ)は、Pro・Max・Team・Enterpriseで使えます。保存できるのはテキストのみで、1 Artifactあたり20MBまでです。パーティ全体で共有する進行トラッカーと、プレイヤー個人のメモを分けて保存する使い方ができます。プランごとの機能差を一覧で確認したい場合はClaudeの料金プラン比較を参照してください。

よくあるつまずき

  • 前回のセッション内容が引き継がれない場合、プロジェクトのナレッジベースに明示的に追加していない情報は会話をまたいで参照されません。展開のメモは都度アップロードする運用にします。
  • 数行程度の短いメモはArtifactにならず、通常の会話メッセージとして返ってきます。まとまった量のハンドアウトとして欲しい場合は、その旨を伝えて依頼します。
  • Unpublishしたリンクは同じURLで再公開できません。プレイヤーに配布済みのリンクを差し替える予定がある場合は、事前に告知しておくと混乱を避けられます。
  • 有料機能が急に使えない場合、永続ストレージはPro以上のプランが必要です。Freeプランで試すと、この機能自体が表示されないことがあります。
  • Enterpriseでボタンが見当たらない場合、管理者が「Capabilities」を有効にするまでArtifacts関連の機能がオフのままです。

まとめ

TRPGのシナリオ作りでは、ハンドアウトはMarkdown文書、マップやNPC相関図はSVGや図、進行管理はインタラクティブなReactコンポーネントというように、資料の性質に応じてArtifactの形式を選ぶと作業がまとまります。複数セッションにわたるキャンペーンでは、世界設定をProjectsのナレッジベースへ移しておくことで、セッションごとの前提説明を減らせます。

公開・共有の仕組みとプラン差を把握しておけば、GMが1人で使う下書きツールから、プレイヤー全員が触れる配布物まで、同じ機能の延長で用意できます。

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