ClaudeとWispr Flowを連携する方法 — 会議メモと予定を読む
Wispr FlowのMCP接続で、Claudeから会議の要約・メモ・文字起こし・予定・タスクを検索できます。接続手順、読み取り専用の範囲、見つからないときの原因をまとめます。
ClaudeからWispr Flowの会議メモを検索できる
Wispr Flowの会議メモをClaudeから引ける連携です。Wispr Flowは音声入力アプリで、Notetaker(会議の録音とメモ作成)の記録も同じアカウントに残ります。MCP(外部サービスをAIにつなぐ共通規格)で接続すると、議事録を貼り付けなくても、Claudeの会話から会議の記録を検索できます。
対応しているのはMacとWindowsです。利用にはWispr Flowのアカウントで、NotetakerとMCPへのアクセスが有効になっている必要があります。
最初に押さえたいのは、アクセスは読み取り専用という点です。Wispr Flowのヘルプは、クライアント(Claudeなど)が会議やメモを作成・編集・削除できないと明記しています。ディクテーション(音声入力)の履歴と、Notetakerのチャット履歴も読めません。
「会議メモからタスクを追加する」といった書き込みは、この接続の範囲に入りません。タスクを書き込む先が必要なら、TickTickやReclaim.aiのような、タスク管理側のコネクタと組み合わせる形になります。
Claudeが読めるデータ
ヘルプに挙がっている読み取り対象は次のとおりです。
Claudeから読めるWispr Flowのデータ
会議の記録
要約、メモ、文字起こし、参加者、タスクです。
スクラッチパッド
Scratchpadに書いたメモです。
カレンダー
予定と、予定に紐づく録音です。今後の会議の事前資料(利用できるもの)と、定例会議も含みます。
共有リンクとアカウント
アクセスできる共有ノートのリンクと、アカウントの識別情報です。カレンダーや会議のリンクから対応する予定を引き当てることもできます。
ヘルプのページには、個々のツール名(get_meetingのような関数名)の一覧がありません。ツール単位のオン・オフや引数も書かれていないため、この記事では「何が読めるか」の単位で説明します。
接続の前に決めておくこと
接続前に、どのアカウントにつなぐかを決めます。Wispr Flowでは個人アカウントと仕事のアカウントで内容が別になっているため、ブラウザで認可するときに、メモが入っているほうでサインインします。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| サインイン方法 | 内容Google、Apple、Microsoft、企業のSSOのいずれか。メールとパスワードのサインインでは認可を完了できない |
| 制限時間 | 内容ブラウザでのサインインは5分以内に終える |
| 認可の範囲 | 内容アカウント全体。既存の内容を含み、会議ごとの同意は取らない |
| APIキー | 内容不要 |
| クラウド保存 | 内容促されたら有効にする。設定画面では「Dictation cloud storage」、案内では「Private Cloud Sync」と表示される。組織の設定で固定されていることもある |
組織で使うアカウントは、条件がもう少し増えます。
- 組織のポリシー: Notetaker、クラウドアクセス、MCPは別々の制御です。1つをオンにしても、ほかのオフは上書きされません。MCPは初期状態でオンで、個人利用のアカウントには組織のMCPポリシーがありません
- Notetakerをオフにした場合: 新しい録音は止まりますが、すでにある記録はMCPから読めます。保持期間の設定は引き続き適用されます
- HIPAA: 個人または組織でBAA(事業提携契約)を結んでいると、会議・カレンダー・アカウント情報へのアクセスが、クラウド保存の設定にかかわらず止まります
スクラッチパッドは別枠で、アカウントで有効になっていれば、Cloud Syncをオフにしたままでも、HIPAA対象のアカウントでも使えます。組織のMCPとスクラッチパッドの制限は、そこにも掛かります。
Claudeで接続する手順
接続はWispr Flow側の設定画面から始めます。
Claudeに接続して最初の質問をするまで
- 1
Wispr FlowでMCPの設定を開く
Settings → MCPを開きます。フローティングノートパッドのMore actions(⋯)から「Connect to your AI tools」を選んでも開けます。この項目は、MCPクライアントを一度でもつなぐまで表示されます。
- 2
Add to Claudeを選ぶ
Claude用のカードで「Add to Claude」を選ぶと、接続ページが既定のブラウザで開きます。
- 3
Wispr Flowのアカウントで認可する
Wispr Flowにサインインして、アクセスを許可します。
- 4
会話ごとにWispr Flowをオンにする
Claudeのチャット欄で、+ → Connectors → Wispr Flowのトグルをオンにします。
- 5
最近の会議について聞く
答えに実際の会議の内容が出てくれば、接続できています。
ClaudeのTeamプランやEnterpriseプランでは、先にOwnerが組織向けにコネクタを追加しておく必要があることがあります。そのうえで、各メンバーがClaudeのSettings → Connectorsから接続します。
Claude Codeやほかのクライアントにつなぐ
Wispr Flowは、MCPに対応した任意のクライアント向けに、リモートサーバーのURLを用意しています。
https://api.wisprflow.ai/connect/mcpこのURLはSettings → MCPの「All other apps」に表示されます。クライアントには、末尾のスラッシュなしで、表示どおりに貼り付けます。
Claude Codeはリモート(HTTP)サーバーをclaude mcp add --transport http <名前> <URL>で追加できます。Wispr Flowのヘルプには、Claude Code向けの手順そのものは載っていません。そのため、以下はClaude Codeのドキュメントの書式にWispr FlowのURLを当てはめた例です。
claude mcp add --transport http wispr-flow \
https://api.wisprflow.ai/connect/mcp追加したら、Claude Code内で/mcpを実行して認証を進めます。OAuth(ブラウザでの認可)が必要なサーバーは、この画面から認証できます。ブラウザのサインインに5分の制限がある点は、Claudeのコネクタ経由のときと同じ前提で考えておきます。
Claudeのアカウントに追加したコネクタは、Claude Codeにも自動で引き継がれます。Claude Codeのドキュメントによれば、claude.aiにログインしていれば、claude.aiで追加したMCPサーバーがそのまま使えます。TeamとEnterpriseでは追加できるのは管理者だけです。コネクタ全般の仕組みはClaudeのコネクタ解説に、コマンドでの追加はclaude mcp add-jsonの解説にあります。
会議メモにClaudeを使うときの頼み方
検索の仕様を知っておくと、頼み方を最適化できます。以下は使い方の例で、Claudeの実際の返答を示すものではありません。
- 「先週の木曜の営業定例の決定事項を3点にまとめて」
- 「来週入っている会議を一覧にして、事前資料があるものに印を付けて」
- 「この定例の前回の議論を要約して、今回のアジェンダ案を作って」
- 「スクラッチパッドに書いたメモのうち、価格に触れたものを探して」
三つ目は定例会議の前回分を引く使い方です。ヘルプによると、単発の会議について「前回の内容」を聞くと、定例ではないため前の回がないという返答になります。これは失敗ではなく仕様どおりの答えです。
録音されていない予定を聞いたときも同じです。Claudeは、会議のタイトルと時刻を答えたうえで、録音もメモも存在しないと伝えます。
検索の癖
検索がどこを見るかには、次の癖があります。
- 検索の対象はタイトル、要約、メモです。文字起こしの本文は検索対象に入りません
- 参加者のメールアドレスで絞ると、カレンダーの予定に紐づいた録音だけが見つかります
- 文字起こしが欲しいときは、明示的に頼みます。長いメモや文字起こしは分割して届き、要約は丸ごと届きます
つまり「発言の一言一句を探したい」質問には向きません。まず会議の日付か名前で絞り、そのうえで「この会議の文字起こしを読んで、価格の話が出た箇所を教えて」と段階を踏むと、取りこぼしが減ります。
文字起こしの共有範囲にも条件があります。自分が所有している会議か、メールで招待された会議が対象で、さらにその所有者の組織が文字起こしの共有を許可している必要があります。組織内の全員や、リンクを知っている人に開く設定の会議では、読めるのは要約までです。共有リンクを渡されても、読める範囲は自分の会議アクセス権で決まります。
会議の記録を残す側で気をつけること
保持期間(リテンション)を設定すると、削除されるのは文字起こしと音声だけです。要約、My Notes、タスクは削除されません。削除された文字起こしは、MCP経由では読めなくなり、別の端末から復元することもできません。会議そのものを削除すると永久に戻せず、MCPからも元に戻せません。
企業のアカウントでは、MCPクライアントから開いたノート、会議、文字起こしが監査ログに記録されます。管理者は、閲覧があったことと、その閲覧がMCPクライアントからだったことを見られます。
つながらない・見つからないときの確認点
接続は済んだのに目的のメモが出てこないときは、次の順に確かめます。
- 認可したアカウントが、メモの入っているアカウントか
- クラウドアクセスが有効か
- 会話ごとのWispr Flowのトグルがオンか
- 会議名か日付を指定して、聞き直したか
Cloud Syncがオフの間に録音した会議は、再びオンにしても見つからないままのことがあります。
カレンダーの予定が答えに出てこない場合は、カレンダー連携の再認証が必要になっている可能性があります。Wispr Flowはその提供元(GoogleやOutlookなど)の予定、参加者、時刻、事前資料をMCPから返さなくなります。影響を受けるのは該当の提供元だけで、Googleが再認証待ちでもOutlookの予定は表示されます。データは消えず、会議のメモと録音もそのまま読めます。Wispr Flowの設定でカレンダーを再接続し、Claudeで聞き直せば、予定が戻ります。
表示されるメッセージ別の対処は次のとおりです。
| 表示 | 対処 |
|---|---|
| Cloud Sync must be enabled to use this feature. | 対処設定がロックされていなければ有効にする。ロックされていれば管理者に連絡する(申請しても組織のポリシーは変わらない) |
| This feature is not available for HIPAA-covered accounts. | 対処BAAの扱いを管理者に確かめる |
| MCP access has been disabled by your organization's administrator. | 対処管理者にMCPとNotetakerのアクセス設定を確認してもらう。読み込み中に設定が隠れて見えることもある |
| Scratchpad access has been disabled by your organization's administrator. | 対処管理者にスクラッチパッドのアクセス設定を確認してもらう |
| 会議またはカレンダーイベントが見つからない | 対処認可したアカウントを確かめ、会議名か日付を指定して聞き直す |
| Too many requests | 対処繰り返しの問い合わせをやめ、1分ほど待って再試行する |
| 企業のIPアドレス許可リストによる拒否 | 対処許可されたネットワークからつなぐか、管理者に連絡する |
| アカウントの停止・削除 | 対処サポートに連絡する |
認可の途中で失敗したり期限が切れたりしたときは、クライアントからもう一度つなぎ、ブラウザで承認し直します。MCPやNotetaker、HIPAA、クラウドアクセスの設定変更は、反映まで数分かかります。サービス側の一時的な不調は、上限に達していなくても起きます。時間を置いて、同じ会議の質問をもう一度試します。
接続を管理・解除する
Claudeはあなたのアカウントのデータをクラウド経由で読むので、Wispr Flowのアプリを起動しておく必要はありません。クライアントを増やすたびに、ブラウザでの認可が1回ずつ必要です。同じサーバーURLが複数のクライアントで使えます。
一度つないだクライアントのカードには、「Add to…」の代わりに「…」メニューが表示され、Reconnectで接続ページを開き直せます。このメニューは過去にセットアップした履歴を示すもので、いま権限があるかどうかを表すものではありません。
解除はClaude側で行います。ClaudeのコネクタからWispr Flowを外します。Wispr Flow側に切断の操作はありません。
まとめ
Wispr Flowの連携は、会議メモを引いて文脈にする読み取り専用の接続です。書き込みはできないので、決定事項から作ったタスクを登録する工程は、別のタスク管理コネクタか手作業が受け持ちます。
導入でつまずきやすいのは、認可するアカウントの取り違えと、会話ごとのトグルのオン忘れです。メモが見つからないときは、日付か会議名を添えて聞き直すと切り分けが早くなります。