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Coworkで設備保全の優先度を週次で見直す手順

Coworkで設備保全の優先度を週次で見直す手順

フォルダの保全記録から故障回数と停止時間を集計し、前週との順位変化を週次レポートにするCoworkの定期タスクの作り方です。記録の列設計、前週比較の持たせ方、承認モードまでを扱います。

設備の故障履歴が表計算ファイルに溜まっていれば、週次の保全優先度の見直しは、Coworkの定期タスクに任せられます。フォルダの記録から設備ごとの故障回数と停止時間を数え、前週の順位と並べたレポートを毎週つくる、という使い方です。保全管理システム(CMMS)を入れていない現場でも、記録がCSVやExcelで残っていれば成立します。

この記事は、記録の列の決め方、集計と順位づけの指示文、前週との比較の持たせ方、承認モードの選び方の順に進めます。

週次の見直しで、Claudeに任せる範囲と人に残す範囲

任せるのは集計と並べ替え、人に残すのは「どの設備に手を入れるか」の判断です。

Scheduled Tasksは、一度書いた指示を決めた頻度で実行する機能です。公式ヘルプは利用例として、Google Driveや表計算のデータを集めた週次レポートを挙げています。保全の見直しは、この「データを集めて整形したレポート」に当たります。

くらべる

定期タスクの担当と、人の担当

毎週の集計

Claudeに任せる

記録の読み込み、設備ごとの故障回数と停止時間の合計、直近数週間との比較、順位が動いた設備の一覧づくり。

保全の判断

人に残す

部品交換や点検周期の変更を決めること、順位の背景にある現場の事情を足すこと、外部への連絡。

優先度の表は意思決定の材料であって、結論ではありません。この線引きは、後半の承認モードの設計にもそのままつながります。

保全記録の列を決める

集計の精度は、記録の持ち方でほぼ決まります。次の列があれば、故障回数と停止時間は数えられます。列名は一例で、公式に決まった形式があるわけではありません。

列内容備考
設備ID内容設備を一意に示す名前備考表記ゆれがあると別設備として数えられる
発生日時内容故障や停止が起きた日時備考日付の書式を揃える
復旧日時内容稼働に戻った日時備考未復旧は空欄にする
停止時間(分)内容発生から復旧までの分数備考計算式でなく値を入れておく
故障区分内容機械・電気・消耗品など備考選択肢を決めておく
対応内容内容実施した作業の短い記述備考原因の傾向を読む手がかりになる

特に効くのは設備IDです。「プレス3号」と「プレス3号機」が混在すると、別の設備として集計されます。指示文に「設備IDの表記ゆれがあれば同一設備にまとめてから数える」と書いておくと漏れは減りますが、記録の入口で揃えるほうが確実です。

停止時間の列を人が入力しているなら、集計の前にこの列を信用してよいかを一度確かめます。発生日時と復旧日時から計算した値と食い違う行があれば、レポートの数字がそのまま食い違います。

手順1: 記録をタスクが読める場所に置く

定期タスクがどこで動くかによって、フォルダの置き方が変わります。公式ヘルプには、定期タスクはクラウドで動き、パソコンがスリープ中でもデスクトップアプリが閉じていても実行される、という説明があります。一方で、ローカルのファイルやアプリが必要なタスクはローカルでのみ実行される、という注記もあります。

つまり、手元のフォルダに置いた保全記録を読ませる構成は、パソコンとデスクトップアプリが動いている間しか回らない可能性があります。クラウド上のスプレッドシートやコネクタ経由のファイルに置けば、この制約を受けません。実行場所の見分け方はCoworkがクラウド実行かローカル実行か見分ける方法にあります。

どちらの置き方でも、最初の1回はオンデマンド実行で動作を確かめます。保存した定期タスクはScheduledページから手動で実行でき、第1回の実行日を待たずに、記録が読めているかを見られます。

手順2: 週次の定期タスクを作る

作成画面はサイドバーの「Scheduled」から開きます。

手順

Coworkでの作成の流れ

  1. 1

    Scheduledから新規タスクを選ぶ

    「New task」を押し、「Set up manually」を選びます。Cowork内のタスクで /schedule と入力して始める方法もあります。

  2. 2

    項目を入力する

    タスク名・プロンプト・承認モード・頻度を入れます。モデルと作業フォルダは任意です。頻度は毎時・毎日・毎週・平日・手動の5つから選び、ここでは「毎週」にします。

  3. 3

    保存して一度手動で走らせる

    保存するとScheduledページにタスクが載ります。開いて手動実行し、集計結果が実際の記録と合うかを確認します。

プロンプトの例を示します。公式ヘルプの例のように、実行のたびに何が欲しいかを具体的に書きます。

保全記録フォルダの「故障履歴」ファイルを読み、設備IDの表記ゆれは
同一設備にまとめてから、次の集計をしてください。
1. 直近4週間の設備ごとの故障回数と停止時間(分)の合計
2. 回数と停止時間の両方で上位5設備の一覧
3. 前週のレポート(同じフォルダの「週次レポート」内で最新のもの)の
   順位と比べ、順位が上がった設備・下がった設備とその差
故障履歴の最終行の日付が先週内でなければ、
「記録が更新されていません」とだけ報告して終了してください。
レポートは「週次レポート」フォルダに、日付付きの新しいファイルとして
保存してください。故障履歴のファイルは変更しないでください。

指示の書き方の考え方はCoworkタスク指示の書き方が詳しく、手順ではなく欲しい結果を書くという方針は、この例でも同じです。

最終行の日付を確かめさせているのは、記録が止まった週に「異常なし」の報告が出るのを避けるためです。入力が更新されていないのに、古いデータで平常どおりの順位表が出るのは、定期タスクの典型的な落とし穴です。

前週との比較は、レポートのファイルで持ち越す

順位の変化を出すには、前週の順位が要ります。公式ヘルプによると、定期タスクは実行ごとに別々のCoworkセッションとして動きます。前回の実行の記憶が自動で引き継がれる、とは書かれていません。

そこで、毎回のレポートをフォルダに日付付きで保存させ、次の実行ではそれを読ませる形にします。上のプロンプトの3番と最終段落がその指示です。この方式は、実行の履歴を人もあとから読めるという利点もあります。保存先がタスクから書き込める場所かどうかは、手動実行で確かめます。

初回だけは比べる前週のレポートがありません。その週は「前週のレポートが無いので順位変化は出さない」と出力させる一文を足すか、初回は手動で基準になるレポートを作っておきます。

優先度の並べ方を決める

故障回数だけで順位をつけると、数分で復旧する軽微な停止が多い設備が上に来ます。停止時間だけだと、年に1度の長期停止が一回あっただけの設備が上に来ます。二つの指標を両方出して、人が見比べる形にするのが扱いやすい構成です。

見る軸拾えるもの見落としやすいもの
故障回数拾えるもの頻発する軽微な不具合見落としやすいもの回数は少ないが長く止まる故障
停止時間の合計拾えるもの生産への影響が大きい設備見落としやすいもの小さな停止の積み重ね
前週・直近4週の順位変化拾えるもの悪化の兆しが出た設備見落としやすいもの前から悪いまま動かない設備

順位が動かない設備は、レポートの「変化」の欄には出てきません。常に上位にいる設備は別枠で並べる、と指示に足しておくと、変化のなさに慣れてしまうのを避けられます。

ここで挙げた指標と並べ方は、現場の運用に合わせた設計例です。重み付けのスコア化(停止時間に生産への影響度を掛けるなど)をするなら、掛ける係数は自社で決めた根拠をプロンプトに明記します。Claudeに係数を考えさせると、毎週違う基準で順位がつく原因になります。

手順3: 承認モードと書き込みの範囲を決める

このタスクが行うのは、記録の読み取りと、レポートファイルの保存です。承認モードはManually approve(Manual)・Automatically approve(Auto)・Skip all approvalsの3つです。公式の説明では、Manualは書き込みの前に許可を求め、AutoはClaudeが書き込みの可否を判定し、Skipはそのまま実行します。

レポートの保存先を専用の「週次レポート」フォルダに限り、故障履歴の元ファイルを書き換えない前提なら、最初の数週間はManualで運用する構成が確かです。保存のたびに許可の画面が出るので、意図しない場所への書き込みに気づけます。

公式の安全ガイドは、削除には常に明示的な許可が要ること、Claudeに渡すフォルダは広く与えず専用の作業フォルダを用意すること、重要なファイルはバックアップを取っておくことを案内しています。保全記録の原本を渡す場合は、このバックアップの考え方が当てはまります。同じガイドは、定期タスクで機微なファイルを扱わないこと、元に戻しにくい操作を任せないこと、結果を定期的に確認することも挙げています。

外部への連絡は、このレシピに入れません。レポートを現場のSlackに流したくなったら、次の順に進めます。

  1. 結果は画面とフォルダのファイルで読む
  2. 自分宛てだけに送って精度を見る
  3. 精度に納得してから共有先に切り替える。承認モードはManualのまま、送信前に人が内容を見る

通知の段階的な広げ方は、Coworkで勤怠異常検知を週次自動化する方法でも同じ構成で扱っています。コネクタごとの権限と承認モードの掛け合わせはCowork Approval Gatesを部門ごとに設計する考え方にあります。

順位をそのまま保全計画にしないための確認

レポートの数字は、記録に残った事象の集計です。次の事情は記録から読めないため、人が補います。

  • 点検中に見つかった部品の劣化は、故障として記録されない
  • 新設や移設の直後の設備は、記録の期間が短く、他と並べにくい
  • 同一の原因による連続した停止は、回数が多く見えて実際は1件の問題
  • 計画停止と故障停止が同じ列に混ざると、停止時間が膨らむ

最後の項目は、故障区分の列で計画停止を分けておけば、指示文で「計画停止は除く」と書けます。集計の対象を明記するのは、毎週同じ基準で比較するためです。

また、数字が週ごとに大きく揺れる設備は、記録の件数が少ない可能性があります。直近4週間のような窓で数えて、短期のぶれを均すのも一つの方法です。窓の長さを変えると順位が入れ替わることがあるので、変更するときはレポートに窓の長さを毎回書かせます。

よくあるつまずき

手動実行では動くが、予定した日に実行されない

手元のフォルダを使う構成だと、パソコンやデスクトップアプリの状態に左右される可能性があります。Scheduledページで過去の実行を見て、その時間に実行が記録されているかを確かめます。失敗時の見方と再実行はCoworkでタスク失敗をリカバリするにあります。

順位変化がいつも「前週の記録なし」になる

レポートの保存先と、次回の読み込み先が違うフォルダになっている可能性があります。プロンプトにフォルダ名を明記し、手動実行で保存されたファイルの場所を見ます。

設備が二重に数えられている

設備IDの表記ゆれが原因であることが多く、元の記録を揃えるのが根本対処です。指示文には「設備IDは全角半角・号機表記を揃えて数える」と一文足します。

使わなくなったタスクが動き続けている

安全ガイドは、不要になった定期タスクは一時停止か削除するよう案内しています。設備更新で対象が変わったときは、プロンプトを書き換えるか、一度止めて作り直します。

まとめ

このレシピの核は、記録の列を揃えること、前週のレポートをファイルで持ち越すこと、書き込みを専用フォルダに閉じることの3点です。保全の優先度そのものは人が決める前提で、Claudeが毎週の集計と変化の拾い上げを担います。まず記録の列が揃っているかを見て、初回の手動実行で集計値を現場の実感と突き合わせるところから始められます。

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