Claudeで民泊の案内文を多言語化する方法 — 物件ルールPDFを使った下書き手順
物件ルールPDFをClaudeに添付し、多言語のゲスト向け案内文を下書きする手順です。ファイル形式の上限とProjectsでの使い分けまで扱います。
Claudeで民泊の案内文を多言語化する流れ
Claudeに物件ルールのPDFを添付すれば、チェックイン手順やハウスルールを複数言語の案内文に下書きできます。手順は大きく3つです。ファイルを読み込ませる、出力言語を明示して依頼する、複数の物件で使うならProjectsに情報を固定する。
民泊運営では、同じ物件ルールを英語・中国語・韓国語など複数言語で用意する場面が多くあります。手作業で言語ごとに書き直すと、更新のたびにすべての言語版を直す手間がかかります。Claudeに元のPDFを読ませておけば、言語を指定するだけで下書きが揃います。
この記事では、ファイルアップロードの上限、多言語で依頼するときのプロンプトの書き方、繰り返し使う場合のProjects活用、案内文の項目ごとの注意点までを扱います。
物件ルールPDFをClaudeにアップロードする
Claudeのファイルアップロードとは、チャットやProjectsにPDF・画像などのファイルを添付し、その内容をClaudeが読み込んだ状態で会話を進められる機能です。物件ルールPDFのアップロードも、この機能を使って行います。
チャット画面の「+」ボタンから「Add files or photos」を選ぶか、ファイルをチャット欄へ直接ドラッグ&ドロップします。
Claudeのチャットは、PDF・DOCX・CSV・TXT・HTML・ODT・RTF・EPUB・JSONなどの文書形式に対応しています。1ファイルあたり500MBまで、1つのチャットに添付できるファイルは20個までです。物件ルールを写真で用意している場合は、JPEG・PNG・GIF・WebPの画像形式でも読み込めます。
PDFの処理には条件があります。100ページ以下のPDFは、文章に加えて図やイラストのような視覚要素も解析されます。101ページから1000ページまでは文章のみが処理対象になり、図表の読み取りは行われません。1000ページを超えるPDFはアップロードできず、「Uploaded file is too large」というエラーが表示されます。物件ルールのように数ページのPDFであれば、この上限に触れることはほとんどありません。
アップロード上限やPDFごとの解析範囲をさらに詳しく確認したい場合は、ClaudeのPDF読み込み・画像解析の使い方にファイル形式別の全体像をまとめています。
多言語の案内文をプロンプトで指定して下書きさせる
PDFを読み込ませたら、出力する言語をプロンプトで明示して依頼します。言語を指定せずに依頼すると、直前の会話の言語で返ってくるなど意図しない言語になることがあります。業務で使う案内文では、言語を明示して依頼したほうが訳文が安定します。
英語・中国語・韓国語のように複数の言語版を一度に依頼する場合は、言語ごとに見出しを分けて出力させると、あとからコピーしやすくなります。
添付した物件ルールPDFの内容をもとに、ゲスト向けの案内文を
次の3言語で作成してください。
1. 英語
2. 簡体字中国語
3. 韓国語
各言語の見出しを「## English」「## 简体中文」「## 한국어」として、
言語ごとに分けて出力してください。原文にない情報は追加せず、
Wi-Fi情報・チェックイン手順・ハウスルール・緊急連絡先の順で
まとめてください。中国語で案内文を作る場合は、簡体字か繁体字かをプロンプトで明示しておくと出力がぶれません。上のプロンプト例では簡体字を指定していますが、香港・台湾向けの案内文では繁体字を使うのが一般的です。想定するゲストの地域に合わせて、プロンプトの言語指定を書き分けます。出力言語の指定方法や訳し戻しによる検証まで含めた書き方は、Claude翻訳ワークフローにまとめています。
同じ言語構成を毎回使う場合、プロンプトに毎回書くのではなくシステムプロンプトやカスタム指示に固定する方法もあります。固定の手順はClaudeの応答言語をシステムプロンプトで固定する方法で扱っています。
複数物件・繰り返し利用ならProjectsにルールを保存する
物件を複数運営している場合や、同じルールを何度も使い回す場合は、PDFをその都度チャットに貼るのではなくProjectsのナレッジに置く方法があります。
Projectsは無料アカウントを含む全ユーザーが使え、無料プランでも最大5つまで作成できます。物件ごとにプロジェクトを分けておけば、ゲストからの問い合わせや案内文の下書きを、そのプロジェクト内のどの会話からでも同じルールPDFを踏まえて進められます。
ここで注意したいのは、プロジェクトのナレッジに追加していない情報は会話間で共有されない点です。物件ルールPDFをチャットに1回貼っただけでは足りず、プロジェクトのナレッジベースに登録する操作まで済ませる必要があります。プロジェクトの作成手順とナレッジの追加方法はClaude Projects完全ガイドで扱っています。
Projectsのナレッジに登録したファイルは、基本的に文章のみが抽出されます。DOCXやTXTのような非PDF形式は、ナレッジに置いてもチャット添付と同じく画像や図は読み取られません。ただしPDFは例外で、100ページ以下の条件を満たす限り、ナレッジに置いても図やイラストが解析対象になります。物件の見取り図を含む案内文をProjectsで使い回したい場合は、非PDF形式のままではなくPDFに変換してから登録すると図も読まれます。ナレッジに登録できるファイルの件数に上限はなく、合計のコンテンツ量がClaudeのコンテキストウィンドウに収まる範囲であれば追加できます。
有料プランでは、ナレッジの容量がコンテキストの上限に近づくと、RAG(検索拡張生成)が自動で有効になり、扱える情報量が最大10倍まで広がります。物件数が多く、ルールPDFに加えて過去のゲスト対応のやり取りも蓄積したい場合は、この仕組みが効いてきます。
なお、Projectsのナレッジに置くファイルは1ファイルあたり30MBまでです。チャットへの直接アップロードは500MBまで対応していますが、Projectsのナレッジとしては上限が下がります。写真を多く含む重いPDFは、ナレッジに登録する前にファイルサイズを確認しておくと安心です。
案内文の項目ごとに気をつけたい多言語化のポイント
案内文に書く内容は、性質によって多言語化での注意点が変わります。すべての項目を同じ重さで確認するのではなく、内容の性質に応じてチェックの重みを変えると効率的です。
| 案内文の項目 | 内容の性質 | 多言語化での注意点 |
|---|---|---|
| Wi-Fiのパスワード・接続手順 | 内容の性質固定情報 | 多言語化での注意点パスワードやSSIDはそのまま保持し、説明文だけを翻訳する |
| チェックイン・チェックアウト手順 | 内容の性質固定情報 | 多言語化での注意点手順の順序を変えず、時刻や日付の表記形式は言語ごとの慣習に合わせる |
| ハウスルール(禁煙・ゴミ出し・騒音など) | 内容の性質地域慣習を含む | 多言語化での注意点直訳だけでなく、現地の慣習を踏まえた言い換えが必要になる場面がある |
| 緊急連絡先・トラブル対応 | 内容の性質固定情報+案内 | 多言語化での注意点電話番号の国番号表記を確認し、対応の優先順位を変えずに翻訳する |
Wi-Fi情報や連絡先のような固定情報は、翻訳というより「そのまま保持する」対応が中心です。一方でハウスルールは、ゴミの分別方法や騒音への配慮のように、日本特有の慣習を前提にした文言を含みやすい項目です。
ゲストの言語が何であっても、下書きをそのまま使わず、可能であればネイティブスピーカーや翻訳サービスでの確認を挟む選択肢があります。消防設備の案内や避難経路のように法規制に関わる表示は、Claudeの下書きをそのまま公開せず、専門家のチェックを経由したほうが安全です。
案内文をより正確に下書きさせるコツ
ファイルの見せ方によって解析の精度が変わる点もあります。物件ルールを写真で用意している場合、この点を意識するだけで下書きの精度が変わります。
写真で用意した物件ルールをアップロードする場合、1000×1000ピクセル以上の解像度を使うと解析精度が上がります。小さすぎる画像や低解像度の画像は避けたほうが安全です。スマートフォンで撮影したハウスルールの張り紙をそのまま使う場合も、ピンボケや暗すぎる写真は避けます。なお、チャットに添付できる画像の解像度は最大8000×8000ピクセルです。
物件ルールが長文になる場合は、一度にすべてを渡すのではなく、章やセクション単位に分けて依頼すると精度が安定します。チェックイン手順・ハウスルール・設備の使い方のように、項目ごとにファイルを分けてアップロードし直す方法も選択肢の一つです。
ゲストから「PDFの3ページ目に書いてある内容を教えて」のように問い合わせを受けた場合は、PDFビューアに表示されるページ番号でClaudeに指定します。物件ルールに印刷された独自のページ番号とは一致しないことがあるためです。
よくあるつまずき
- 複数物件のPDFを1つに結合したら図が読み取られない: 物件ごとのルールPDFを1ファイルにまとめると101ページを超えやすくなります。101ページ以上は文章のみが処理対象になり図表は解析されません。物件ごとにファイルを分けてアップロードすると解消します
- Projectsのナレッジで30MBの上限に引っかかる: チャットへの直接アップロードは500MBまで対応しているため、Projectsのナレッジに入れる前にファイルサイズを圧縮するか、チャット添付に切り替える方法があります
- DOCXの見取り図が反映されない: 非PDF形式はチャットでもProjectsのナレッジでも文章のみが抽出され、埋め込み画像は読み取られません。図を含む案内文はPDFに変換してから添付・登録します
- 出力言語の指定漏れで言語が混ざる: プロンプトに言語の見出しを明示していないと、意図しない言語が混在することがあります。言語ごとに見出しを指定する書き方に直すと解消します
- 言語によって下書きの精度に差が出る: 主要言語同士では大きな差は出にくい一方、話者の少ない言語では精度が落ちやすい傾向があります。言語別の傾向はClaudeの多言語性能ベンチマークにまとめています
まとめ
Claudeで民泊の案内文を多言語化する手順は、物件ルールPDFの添付、出力言語を明示したプロンプト、複数物件ならProjectsへのナレッジ登録という3段階です。単発の案内文なら最初の2段階だけで十分な場面も多くあります。
PDFは100ページを境に図表の解析範囲が変わり、Projectsのナレッジは1ファイル30MBという別の上限を持ちます。この2つの数字を覚えておくと、アップロード時に想定外のエラーで手が止まることが減ります。
下書きができたあとは、ハウスルールのような地域慣習を含む項目と、法規制に関わる表示だけは、ネイティブスピーカーや専門家の確認を挟む選択肢を残しておくと安心です。