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Coworkで分散データから四半期分析を組み立てる方法

Coworkで分散データから四半期分析を組み立てる方法

社内のボード資料とブラウザ上の外部データを、Claude Coworkが1回のセッションで突き合わせて比較チャートにまとめます。接続の手順、プロンプトの書き方、公式デモの数字の検算までを扱います。

Coworkで四半期分析を組み立てると何ができるか

四半期の振り返り資料を作るとき、自社の数値は社内のボード資料に、比較したい経済指標や競合データはブラウザの向こう側にあることがほとんどです。2か所に分かれたままだと、突き合わせるだけで一手間かかります。

Claude Coworkは、フォルダ内のファイルを読む力とブラウザからデータを取得する力を1回のセッションで組み合わせられます。社内のスライドから四半期ごとの売上を抜き出し、外部サイトから同じ四半期の経済指標を取得します。1枚の比較チャートにして手元のフォルダへ保存するところまでを、1つのタスクとして任せられます。

社内フォルダとブラウザに分散した数値を、自分で貼り合わせる手間が要らなくなるのが、この組み合わせの効きどころです。PowerPointのスライドを開いて数値を写し、別タブのダッシュボードを見ながら同じ数値をまた書き写す往復を、まとめて渡せます。

前提として揃えるもの

  • 最新版のClaude Desktopアプリ。macOSとWindowsに加え、Linuxはベータ版として対応しています
  • Pro・Max・Team・Enterpriseのいずれかの有料プラン。Enterpriseでは、Webとモバイル、内蔵ブラウザは管理者が有効にしている場合に使えます
  • 比較したい四半期の資料だけを入れた社内フォルダ
  • 外部データを取る手段。Coworkの内蔵ブラウザか、Claude in Chrome拡張機能のどちらかです

社内フォルダを読めるかどうかは、セッションをどこで始めたかで決まります。条件は2つあり、①セッションをデスクトップアプリで開始していること、②作業中もそのパソコンでアプリが起動していること、です。WebやモバイルでCoworkを始めたセッションは、途中でデスクトップアプリを立ち上げてもフォルダを読めません。

タスクの開始はデスクトップ・Web・モバイルのどこからでもでき、セッションは同じ履歴として続けられます。内蔵ブラウザはもう少しゆるく、デスクトップアプリがオンラインなら、Webやモバイルで始めたセッションでも使えます。各端末の違いはCoworkのウェブとモバイル対応に詳しくあります。

2026年10月6日から、ProとMaxプランの新しいCoworkタスクはクラウドで動きます。デスクトップアプリの設定(Settings > General)にあった「Only on your computer」の選択肢は、この日になくなります。それ以前にパソコン上で始めたタスクは、完了までそのまま続けられます。

フォルダ自体はパソコンに残ります。Claudeが届くのは接続したフォルダだけで、しかもデスクトップアプリが開いている間に限られます。タスクがファイルを必要としたときは、そのファイルのコピーだけがクラウドに取得され、セッションを削除するとコピーも消えます。

ステップ1: 比較に使うフォルダをCoworkに接続する

デスクトップアプリのメッセージ欄で「Cowork」を選び、「Work in a folder」(フォルダで作業する)からボード資料の入ったフォルダを指定します。ProやMaxで新しいClaudeの画面になっている場合は、「Cowork」の選択肢がありません。どの会話でも、依頼を書けばClaudeがタスクとして進めます。

ここで大切なのは、その分析に必要なファイルだけに絞ったフォルダを渡すことです。関係のない過去資料まで同じフォルダに入っていると、参照する範囲が広がり、意図しない期間の数値を拾うことがあります。比較したい四半期の範囲をプロンプトでも明示し、フォルダの中身と指定を一致させます。

プロジェクト機能を使うと、このフォルダを持つ分析用のワークスペースを残せます。翌四半期も同じ形式で比較するなら、プロジェクトのinstructionsに出力フォーマットを書いておくと再利用しやすくなります。

ただし、パソコン上の既存フォルダから作ったプロジェクトは、そのパソコンに残り、Claudeアカウントには保存されません。フォルダに紐づくプロジェクトでCoworkを動かせるのもデスクトップだけです。使い分けはCoworkプロジェクトの使い方にあります。

ステップ2: 外部データの取得手段を選ぶ

外部サイトのデータを取りに行く方法は2通りあります。フォルダ読み取りとコネクタの役割分担は、Coworkのデータ取得の仕組みで扱っています。

くらべる

内蔵ブラウザとClaude in Chrome

手放しで任せる

内蔵ブラウザ

Claude Desktopに組み込まれたブラウザです。インストールは要りません。タスクの横のサイドパネルでページを開き、読み、クリックや入力もします。普段のブラウザのタブやログイン情報には触れません。

手元のページを使う

Claude in Chrome

普段使っているChromeの、いま開いているページとログイン状態をそのまま使います。拡張機能の導入が必要で、対応するのはChromeだけです。ほかのChromium系ブラウザとモバイルは対象外です。

どちらも、ラベルの付いた数値だけでなく、ダッシュボードやグラフとして表示されている値も画面から読み取って数値にできます。エクスポート機能がないツールでも、画面に出ていれば数値を拾えます。CSVエクスポートを前提にした従来のデータ取得と違うのは、この点です。

すでにClaude in Chromeを使っている人は、それがCoworkでもそのまま既定のブラウザになります。拡張機能がない、またはブラウザ操作が初めてなら、Claudeは内蔵ブラウザを使います。内蔵ブラウザは段階的に展開されているため、画面に出ない間はClaude in Chromeを使います。切り替えは、デスクトップアプリの「Settings > Cowork」で行います。「Preferred browser」から「Built-in browser」か「Chrome (Claude in Chrome)」を選びます。

Claude in Chromeを使うには、デスクトップアプリでの接続も要ります。Settingsの「Connectors」から「Claude in Chrome」を探して「Configure」を押し、コネクタをオンにして拡張機能を入れます。会話ごとのコネクタ一覧では初期状態がオフなので、使う会話で有効にします。TeamとEnterpriseでは、内蔵ブラウザとClaude in Chromeを使えるかどうかを組織のオーナーが決めます。

内蔵ブラウザでログインが要るサイトを使うなら、初回に「Import cookies」で保存済みのログインを取り込めます。取り込みはサイト単位で選べ、銀行・メール・シングルサインオンのサイトは初期状態で未選択です。Chrome・Edge・FirefoxからmacOSで取り込めますが、Safariは対象外です。

内蔵ブラウザの中でサインインした情報は、そのパソコンの以降のCoworkセッションでもClaudeが使えます。お金や個人情報を扱うサイトには入らない運用が安全です。

外部データの置き場所向く手段
ログイン不要の公開統計(FREDなど)向く手段内蔵ブラウザ。タブにもログインにも触れずに任せられる
自分がログイン済みのダッシュボード向く手段Claude in Chrome。いま開いているページとアカウントをそのまま使う
Webやモバイルで始めたい向く手段内蔵ブラウザならデスクトップアプリがオンラインであれば可。フォルダの読み取りは不可

ステップ3: 比較のゴールと保存先を指定してプロンプトを書く

Coworkには、有能な同僚に仕事を頼むときと同じ粒度で伝えるのが向いています。ゴールから入り、使うソースを並べ、期間の境界を示し、最後に成果物の形式と保存先を指定します。

ボードミーティングに向けて、自社の成長率と経済全体の動きを
比較する資料を作りたいです。
 
board-decksフォルダにある2025年Q1〜Q4の資料から売上実績を
抜き出してください。
 
Claude in Chromeでブラウザを開き、同じ四半期のGDP成長率と
インフレ率をFREDから取得してください。
 
自社の売上成長と、これらの経済指標を比較するチャートを
作成してください。
 
チャートと要約をデスクトップのフォルダに保存してください。

期間を「2025年Q1〜Q4」のように具体的に区切るのが要点です。フォルダの範囲とプロンプトの期間がずれていないか、実行前に見比べておくと、後工程の手戻りが減ります。

最初の依頼のあと、Claudeが重点や出力の構成を質問してくることがあります。その後、サイドバーでレビューできる計画を作ってから作業に入ります。計画の段階で期間や取得元がずれていないかを見られるので、ここが最初の確認点です。

ファイルを完全に削除する操作は、Claudeが許可を求めてきます。「Allow」を選ぶまで実行されません。フォルダ内の資料を整理させる依頼を足すときも、この確認が入ります。

デモの数字を検算する

公式のデモは、次の形の出力例を示しています。チャート画像(PNG)と、ボードでの議論用の要点をまとめたMarkdownの要約が、どちらもフォルダに保存されます。

数字

デモの四半期別の数字

  • 2025年Q1

    $12.4M

    前年同期比+18%

  • 2025年Q2

    $14.2M

    前年同期比+22%

  • 2025年Q3

    $15.8M

    前年同期比+19%

  • 2025年Q4

    $17.1M

    前年同期比+16%

売上は前年同期比(YoY)。GDP成長率は2.1% → 2.4% → 2.2% → 1.9%

デモの総括は「平均成長率19%、GDP成長率は平均2.2%で、経済全体のおよそ9倍のペース」です。通年の売上は$59.5Mとされています。四半期の売上を足すと12.4+14.2+15.8+17.1で$59.5Mになり、一致します。前年同期比の平均は(18+22+19+16)÷4で18.75%、GDPは(2.1+2.4+2.2+1.9)÷4で2.15%です。丸めると19%と2.2%で、19÷2.2は約8.6倍になり、「およそ9倍」と合います。

数字は合っていますが、平均の裏に動きがあります。売上の前年同期比はQ2の22%から19%、16%へ下がり続けています。同じ数字から前期比を計算すると、Q2が約14.5%、Q3が約11.3%、Q4が約8.2%です。「9倍」は年間平均の話で、年後半に勢いが落ちている事実は、平均だけでは見えません。ボードで伝えるなら、四半期別の推移も一緒に出す選択肢があります。

もう1点、基準をそろえる必要があります。売上の+18%は前年同期比です。デモのGDP成長率は基準が書かれていないので、自分で実行するときは「GDP成長率も前年同期比で」とプロンプトに入れておくと、売上と同じ物差しで並びます。

ここで示した数値は公式デモの一例で、実際の結果はフォルダの中身と取得したデータで変わります。

深掘りも同じセッションで続けられます。指標を失業率や消費者信頼感まで増やす、過去2〜3年分のアーカイブフォルダを足して複数年のトレンドにする、ボード用のスライド1枚にまとめ直す、といった追加指示を重ねられます。セッションを重ねたときの使用量はCoworkコスト管理で見られます。

よくあるつまずき

ボードに乗せる前の突き合わせは、次の順に行います。

手順

資料に載せる前の突き合わせ

  1. 1

    元のスライドと売上を照合する

    抜き出した売上が、元のボード資料の該当スライドの数字と一致しているかを、1枚は自分の目で開いて見ます。

  2. 2

    四半期のラベルを照合する

    取得した経済指標が、指定した四半期のものになっているかを見ます。

  3. 3

    基準をそろえる

    売上と経済指標が、同じ基準の成長率かを見ます。前年同期比と前期比が混ざると比較になりません。

画面から読んだ数値は、ラベル通りとは限りません。グラフの色や位置から目分量で読んだ値と、サイト上に数字で明記された値では、確からしさが違います。際どい読み取りは、その旨をプロンプトで申告させるか、元のグラフを自分でも開いて照合します。

フォルダのスコープは絞ります。関係のない年度や部門の資料が混ざると、Claudeが対象範囲を自分で判断することになり、意図しないデータが入り込みます。分析ごとにフォルダを分けるか、対象ファイルをプロンプトで指定します。

ブラウザで開くサイトの制限には注意が要ります。Coworkは組織で設定したネットワークの送信先制限に従います。ただしこの制限は、Web取得、Web検索、Claude in Chromeを含むMCPには及びません。社内でアクセス先を絞るポリシーを敷いていても、Claude in Chromeが開けるサイトの範囲は別に決まります。取得先を決まったサイトに限りたいチームは、この違いを踏まえて運用ルールを決めます。

内蔵ブラウザとClaude in Chromeには、金融口座や医療情報、他人の個人データのような機微な情報の操作に使わないよう、公式の注意があります。取得先はFREDのようなログイン不要の公開統計に寄せ、売上の数値は社内フォルダ側から読ませる分担にすると、この注意と衝突しません。

ウェブページに仕込まれた指示でClaudeが誘導される、プロンプトインジェクションのリスクも公式は挙げています。安全装置はこのリスクを下げますが、なくすものではありません。信頼できるサイトから始め、影響の大きいタスクでは様子を見ながら進めます。

まとめ

社内フォルダの読み取りとブラウザ取得を1つのセッションにつなげられるのが、この組み合わせの強みです。フォルダの範囲、期間、基準(前年同期比か前期比か)の3点をプロンプトで固定し、成果物の形式と保存先まで指定しておけば、往復作業だった四半期比較を1回の依頼にまとめられます。

出力はスクリーニングとして扱い、元のスライドとの突き合わせを済ませてから資料に載せる流れが、ボード向けには手戻りの少ない進め方です。

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