Claude Fable 5.1とOpus 5.5の違い — 単価・effort・切り替える条件
Fable 5.1は$10/$50で既定effortはhigh、Opus 5.5は$4/$20でmedium。迷ったらOpus 5.5という公式の順序と、Fableに切り替える条件、費用が開く場面と縮まる場面を数字で確かめます。
迷ったらOpus 5.5、足りないときだけFable 5.1に上げる
Claude Fable 5.1とClaude Opus 5.5の選び方は、公式のモデル選びページがはっきり順序を示しています。ほとんどの作業はOpus 5.5から始めます。高難度の推論や長時間のエージェント作業、またはOpus 5.5を高いeffortで動かしても評価が足りないときに、Fable 5.1へ上げます。
2モデルの差が出る数字
入出力単価
2.5倍
Fable 5.1は$10/$50、Opus 5.5は$4/$20
キャッシュ読み取り
1.25倍
Fable 5.1は$0.25、Opus 5.5は$0.20
既定effort
high / medium
Fable 5.1がhigh、Opus 5.5がmedium
2.5倍の単価差がありながら、キャッシュ読み取りだけは1.25倍まで縮みます。この非対称が、長いエージェントセッションでの請求額を読むうえで効いてきます。
各モデルの仕様はClaude Fable 5.1の仕様解説とClaude Opus 5.5の解説にあります。Fable 5とOpus 5の旧世代同士の比較はFable 5とOpus 5の違いです。ここでは現行の2モデルを並べ、どちらを選ぶかの判断に絞ります。
同じなのは土台、違うのは単価と速度と扱いの条件
モデル概要ページの比較表から、2モデルの行を並べます。
| 項目 | Fable 5.1 | Opus 5.5 |
|---|---|---|
| 位置づけ | Fable 5.1高難度の推論と長時間のエージェント作業 | Opus 5.5長時間のエージェント的コーディングと知的作業 |
| 入力 / 出力(MTok) | Fable 5.1$10 / $50 | Opus 5.5$4 / $20 |
| 比較上のレイテンシ | Fable 5.1Slower | Opus 5.5Moderate |
| 思考 | Fable 5.1Adaptive(常時オン) | Opus 5.5Adaptive(常時オン) |
| 既定effort | Fable 5.1high | Opus 5.5medium |
| コンテキスト / 最大出力 | Fable 5.11M / 128K | Opus 5.51M / 128K |
| 知識カットオフ | Fable 5.12026年6月 | Opus 5.52026年6月 |
| 提供開始 | Fable 5.12026年9月1日 | Opus 5.52026年9月22日 |
| 提供終了 | Fable 5.12027年9月1日より前には行わない | Opus 5.52027年9月22日より前には行わない |
コンテキストウィンドウ、最大出力、知識カットオフ、思考の常時オン、入出力の形式(テキストと画像からテキスト)はそろっています。提供先もClaude API、Amazon Bedrock、Google Cloud、Microsoft Foundry、Claude Platform on AWSの5つで同じです。
違うのは単価、速度、既定effortに加えて、次の3点です。Fast modeはOpus 5.5だけが対象です。Fable 5.1は30日間のデータ保持が前提で、ゼロデータ保持(ZDR)では原則使えません。Claude Codeでは、Opus 5.5が各プランの既定で、Fable 5.1は自分で選んだときだけ動きます。以降、順に見ていきます。
単価は2.5倍、ただしキャッシュ読み取りは1.25倍
料金ページの数字を、Fable 5.1とOpus 5.5で並べます。
| 項目(MTok) | Fable 5.1 | Opus 5.5 | 比率 |
|---|---|---|---|
| 入力 | Fable 5.1$10 | Opus 5.5$4 | 比率2.5倍 |
| 出力 | Fable 5.1$50 | Opus 5.5$20 | 比率2.5倍 |
| 5分キャッシュ書き込み | Fable 5.1$12.50 | Opus 5.5$5 | 比率2.5倍 |
| 1時間キャッシュ書き込み | Fable 5.1$20 | Opus 5.5$8 | 比率2.5倍 |
| キャッシュ読み取り | Fable 5.1$0.25 | Opus 5.5$0.20 | 比率1.25倍 |
| Batch API入力 / 出力 | Fable 5.1$5 / $25 | Opus 5.5$2 / $10 | 比率2.5倍 |
キャッシュ読み取りの基本入力単価に対する比率は、Fable 5.1が0.025倍、Opus 5.5が0.05倍です。Fable 5.1は前世代のFable 5より読み取りが4分の1になっており、その結果、Opus 5.5との開きが小さくなりました。
新規トークンが多い仕事では、開きは2.5倍に近づく
1,000リクエストで、1回あたり入力20,000トークン・出力4,000トークンを使い、キャッシュは効かないとします。入力は合計2,000万トークン、出力は合計400万トークンです。
- Fable 5.1: 入力$200 + 出力$200 = $400
- Opus 5.5: 入力$80 + 出力$80 = $160
差額は$240、比率は2.5倍です。単発の分析やドキュメント生成のように、毎回新しい入力を読む仕事では、この比率がそのまま請求に出ます。
キャッシュ読み取りが大半の仕事では、開きは約2倍に縮む
長いエージェントセッションは、同じプレフィックスを毎ターン読み直します。1セッションで、キャッシュ読み取りが1,000万トークン、新規入力が30万トークン、出力が10万トークンだったと仮定します。
- Fable 5.1: 読み取り$2.50 + 新規入力$3.00 + 出力$5.00 = $10.50
- Opus 5.5: 読み取り$2.00 + 新規入力$1.20 + 出力$2.00 = $5.20
比率は約2.0倍です。この例では、請求を左右するのは出力と新規入力の量で、読み取りの寄与は小さく収まります。キャッシュが効くほど比率が2.5倍から離れるものの、1倍に近づくわけではありません。
損益分岐は「Opus 5.5が2.5倍のトークンを使うか」
同じ仕事でOpus 5.5が使うトークンが、Fable 5.1の2.5倍を超えれば、Opus 5.5のほうが高くつきます。逆に、Opus 5.5が2.5倍未満で終わるなら、Opus 5.5が安く済みます。
この計算が意味を持つのは、モデルごとに既定effortが違うからです。Fable 5.1のhighと、Opus 5.5のmediumを並べると、思考量の違いがトークン数に混ざります。測るときは、同じeffortにそろえた比較と、それぞれの既定値同士の比較の両方を取ります。
Opus 5.5は、同じeffortでもOpus 5より1ターンの思考が増える傾向があり、xhighとmaxで特に差が出ます。Opus 5から持ち込んだeffortの設定は、測り直してから使います。Opus 5.5の「40%安い」が実際の請求でどう動くかは、Opus 5.5「40%安い」の検証で分解しています。
既定effortが逆だと、「省略した呼び出し」の意味が変わる
effortを指定しないとき、APIの既定はFable 5.1がhigh、Opus 5.5がmediumです。Opus 5の既定はhighだったので、effortを省略した既存コードをOpus 5.5へ移すと、1段階低い設定で動きます。
effortを指定しない呼び出しで起きること
Fable 5.1
highから始めるのが推奨です。最も能力が問われる作業はxhighかmaxへ上げ、定型的な作業は評価で品質が保てると確認してからmediumかlowへ下げます。high以上ではmax_tokensを大きくします。思考と本文の合計が、この値で打ち切られるからです。
Opus 5.5
mediumから始めて、評価に応じて上げ下げします。Opus 5.5は同じeffortでも思考が増える傾向があるため、上げる前にhighで取り直して差を見ます。
effortの水準名は両モデルで共通です。5段階(low / medium / high / xhigh / max)がどちらでも使えます。モデル選びページは「effortの調整は、モデルを替えるより効く手段であることが多い」と述べており、Fableへ上げる前にOpus 5.5のeffortを上げて評価を取る順序が、公式の手順です。
会話の途中でeffortを変える場合は、メッセージ単位のeffort指定(ベータ)が両モデルで使えます。プロンプトキャッシュを保ったまま切り替えられます。Fable 5.1では、トップレベルの値を途中で変えるとキャッシュが作り直されるだけでなく、過去の返答が前のレベルで書かれているため、新しいレベルに従いにくくなる、と書かれています。
Fableに切り替える条件を、手順に落とす
公式の案内を手順にすると、次のとおりです。
Opus 5.5からFable 5.1へ上げる判断
- 1
Opus 5.5の既定で評価を取る
自分の評価セットを、Opus 5.5の
mediumで走らせます。ここで合格なら、Fableを使う理由はありません。 - 2
effortを上げて取り直す
high、xhigh、maxの順に上げて、そのつど評価を取り直します。切り替えを決める前に、Opus 5.5で上げられる段階を使い切ります。 - 3
xhighやmaxでも届かないならFable 5.1を試す
選択マトリクスの用途例は、数時間続くエージェントセッション、複数段階の深い調査、分析を完成した文書・スプレッドシート・スライドまで運ぶ作業です。
- 4
同じeffortで再測定する
Fable 5.1の
highが、Opus 5.5のxhighやmaxより少ないトークンで同じ結果になるかを見ます。2.5倍の単価差を、トークンの差が埋めるかどうかの確認です。
Fable 5.1の強みとして公式が挙げる領域は、数時間続く長期のエージェント的コーディング、書類・スプレッドシート・スライドを使う知的作業、複数段階のウェブ調査、密な図表・PDF内の表を読む視覚処理、1Mコンテキスト全体にまたがる推論、ブラウザやデスクトップの操作です。ただし、これはFable 5からの改善点の一覧であり、Opus 5.5との直接比較の表ではありません。両者の差を数字で決めるには、自分の評価が必要です。
速度とFast mode
比較表では、Fable 5.1が「Slower」、Opus 5.5が「Moderate」です。実際の遅延はプロンプトの長さ、出力の長さ、effortで変わると、表の注記にあります。
Fast mode(研究プレビュー)は、Opus 5.5、Opus 5、Opus 4.8が対象で、Fable 5.1は含まれません。Opus 5.5のFast modeは最大2.5倍の出力速度で、価格は入力$8・出力$40です。Claude API(第一者提供)限定で、Amazon BedrockやGoogle Cloudでは使えません。
# Opus 5.5のFast mode(ベータヘッダーとspeedを指定)
curl https://api.anthropic.com/v1/messages \
-H "x-api-key: $ANTHROPIC_API_KEY" \
-H "anthropic-version: 2023-06-01" \
-H "anthropic-beta: fast-mode-2026-02-01" \
-H "content-type: application/json" \
-d '{"model":"claude-opus-5-5","max_tokens":4096,
"speed":"fast",
"messages":[{"role":"user","content":"..."}]}'速さを買いたい場合、選べるのはOpus 5.5のFast modeだけです。Fast mode価格の入力$8・出力$40は、Fable 5.1の標準単価($10/$50)より低い水準ですが、同じ水準の作業を任せられるかは別の話です。
実装で効く違い
共通する破壊的変更
両モデルとも、tool_choiceでanyやtoolを指定してツール呼び出しを強制すると、400エラーになります。auto(既定)とnoneは使えます。両モデルとも、thinking: {"type": "disabled"}は400で、思考を止められません。Opus 5からOpus 5.5へ移す場合も、Fable 5からFable 5.1へ移す場合も、この2点は同じ確認項目です。
思考ブロックは、Opus 5.5からFable 5.1へは引き継がれる
思考ブロックは、生成したモデルの情報を持ちます。Claude APIでは、Fable 5.1はOpus 5.5の思考ブロックを読めます。反対に、Opus 5.5はFableやMythosの思考ブロックを読めません。
- Opus 5.5からFable 5.1へ会話を移す: 推論が引き継がれます
- Fable 5.1からOpus 5.5へ会話を移す: 該当ターンの推論が失われます
「Opus 5.5で始め、足りなければFable 5.1に上げる」という公式の順序は、この引き継ぎの向きとも整合しています。逆向きの切り替えを多用する構成は、推論の連続性が途切れる前提で設計します。
前の部分を書き換えると、思考ブロックが無効になる
どちらのモデルも、system、tools、過去のメッセージのいずれかを書き換えると、それより後ろの思考ブロックが使えなくなります。2026年8月31日以降に作成されたアカウントでは、リクエストが400で拒否されます。それより前のアカウントでは、既定では不一致の記録だけが残ります。
Claude Code、claude.ai、Claude Agent SDKは、この前置き部分を保ってくれます。messages配列を自前で組み立てる実装は、移行前に点検します。
進捗の通知は、どちらも静かになりやすい
Fable 5.1は長いツール実行中のユーザー向けテキストが減り、特に高いeffortで目立ちます。Opus 5.5はツール呼び出しの合間のメモをthinkingブロックで返すため、既定のdisplay: "omitted"のままだと、ユーザー向けのUIが何も表示しない時間ができます。仕組みは違いますが、どちらも進捗を見せたいならthinking.displayの設定が要ります。
拒否とフォールバック
どちらも安全性の分類器を持ちます。Claude Codeでは、生物学関連のフラグが立つとOpus 5へ、サイバーセキュリティ関連ならOpus 4.8へ、同じ要求が再実行されます。Fable 5.1もOpus 5.5も同じ振り分けです。
生物学の実作業では注意が要ります。最初のフラグでOpus 5へ移ったあと、次の生物学フラグはOpus 5に再実行先がないため、拒否で終わります。このためFableを選んでも、バイオ関連のコードベースでは「Fableで走り続ける」ことになりません。
Claude Codeでの切り替えと、課金の分かれ目
Claude Codeでは、Pro・Max・Team・Enterprise・Anthropic APIの既定モデルはOpus 5.5です。Fable 5.1はどのプランでも既定ではなく、fableエイリアスで自分で選びます。
# 起動時にFable 5.1とeffortを指定
claude --model fable --effort high
# セッション中に切り替える(Claude Code内)
# /model fable
# /model opusFable 5.1にはClaude Code v2.1.257以降が必要で、Opus 5.5にはv2.1.280以降が必要です。古い版で指定すると要求が失敗します。
課金の入り口も違います。プランとシートの種類によっては、Fableの利用がプランの枠ではなく使用量クレジットから引かれます。その場合、/modelのFableの行に「Requires usage credits」と出て、対話セッションでは使う前に同意の確認が出ます。非対話モード(-p)では確認なしでクレジットから引かれます。プラン別の分岐はFable 5.1と5の週次上限50%ルールにあります。
Opus 5.5が既定のまま、難しい判断だけFableに相談させる構成もあります。実行役が詰まったときに助言役へ相談するadvisor方式で、Fableを助言側に置く設定はClaude Code advisorでFable/Opus/Sonnetの助言を得るが扱います。
仕事の種類別に、どちらから試すか
| 仕事の性質 | 出発点 | 理由 |
|---|---|---|
| 数時間の自律コーディング、大規模リファクタリング | 出発点Opus 5.5 | 理由選択マトリクスのOpus 5.5の用途例 |
| 数時間続くエージェントセッション、複数段階の深い調査 | 出発点Fable 5.1 | 理由選択マトリクスのFable 5.1の用途例 |
| 分析を文書・スプレッドシート・スライドまで仕上げる | 出発点Fable 5.1 | 理由同上 |
Opus 5.5のxhigh・maxで評価が届かない | 出発点Fable 5.1 | 理由公式が示す切り替えの条件 |
| 速度が最優先 | 出発点Opus 5.5のFast mode | 理由Fable 5.1にはFast modeがない |
| ZDRが必須の組織 | 出発点Opus 5.5 | 理由Fable 5.1は30日保持が前提 |
| コンピューター操作、視覚中心の業務 | 出発点Opus 5.5 | 理由選択マトリクスのOpus 5.5の用途例 |
| 大量処理で即時性が不要 | 出発点Opus 5.5のBatch、足りなければFable 5.1のBatch | 理由Batch価格は$2/$10と$5/$25 |
ZDRの行は、データ保持のページの記述に基づきます。Fable 5.1、Mythos 5.1、Fable 5、Mythos 5の4モデルがCovered Modelsとして30日保持を要求し、書面での許可がない限りZDRでは使えません。Opus 5.5はこの一覧に載っていません。組織の契約でZDRを使っている場合は、Fableを選ぶ前にここを確認します。
上の表のうち、用途例を直接引いた行は、Opus 5.5の2行とFable 5.1の2行です。それ以外は単価・速度・条件を重ねた読み取りなので、最終判断は自分の評価で行います。評価セットの作り方は、モデル選びページの「Decide whether to upgrade or change models」にあり、タスク単価で比べる手順はClaudeのモデル選びはタスク単価で比べるが詳しいです。
まとめ
Fable 5.1とOpus 5.5は、コンテキストも最大出力も同じで、単価が2.5倍、速度が1段階、既定effortがhighとmediumという関係にあります。キャッシュ読み取りだけは1.25倍まで縮むため、長いエージェントセッションでの請求の開きは2.5倍より小さくなります。損益分岐の目安は、Opus 5.5が同じ仕事にFable 5.1の2.5倍を超えるトークンを使うかどうかです。
最初の一手は、Opus 5.5の既定で評価を取り、足りなければeffortを上げることです。xhighやmaxでも届かない仕事と、数時間続くエージェント作業にだけ、Fable 5.1を当てます。ZDR必須の組織と、Fast modeが必要な仕事は、モデルの能力より先に条件で選択肢が決まります。