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Claudeでシフト表を作成する手順 — アルバイトの希望を集計し労基の抜けを点検

Claudeでシフト表を作成する手順 — アルバイトの希望を集計し労基の抜けを点検

アルバイトのシフト希望をClaudeに集計させて勤務表案を作り、休憩・週1回の休日・18歳未満の深夜といった労働基準法の抜けをArtifactsの点検表で洗う手順です。

シフト希望の集計と労基の点検を分けて頼む

シフト表づくりで時間を食うのは、希望の取りまとめと、できた表の見直しの2か所です。前者はClaudeの得意な整理作業で、後者は条文のルールを一つずつ当てる作業です。この記事では、この2つを別々の依頼に分けて、勤務表案を作ってから労働基準法の抜けを洗い出す流れを書きます。

先に分担を決めておきます。希望の読み取りと割り当て案はClaudeに任せます。休憩や休日が条文の条件を満たすかの最終判断は、人が条文と就業規則を見て決めます。Claudeの点検は「見落としを拾う一次ふるい」と考えると、後工程が楽になります。

全体の流れ

手順

シフト作成の5工程

  1. 1

    希望をCSVにそろえる

    名前、日付、入れる時間帯、入れない日を1行1人1日で書き出します。

  2. 2

    必要人数を伝える

    時間帯ごとの最低人数と、1人あたりの上限日数・時間を文章で渡します。

  3. 3

    勤務表案を作らせる

    開始・終了時刻と休憩時間まで入れた表にさせます。

  4. 4

    点検表を作る

    勤務表案を読み込み、ルール違反の行を赤く示すArtifactsを作らせます。

  5. 5

    人が条文で確認する

    指摘の一覧を見て、直す行と判断を残す行を人が決めます。

希望を集めて形をそろえる

メッセージアプリのスクリーンショット、手書きの希望表、スプレッドシートと、集まる形はばらばらです。ClaudeはPDF、DOCX、CSV、TXTなどのファイルを読み込めます。XLSXを読み込むには、コード実行とファイル作成を有効にしておく必要があります。1回のチャットに置けるのは1ファイル500MB、20ファイルまでです。

最初の仕事は、ばらばらの希望を1つの表に正規化させることです。次のようなCSVが最終形になります。

name,birth_year,date,from,to,note
佐藤,2005,2026-11-03,17:00,22:00,
佐藤,2005,2026-11-04,,,不可(試験)
鈴木,2010,2026-11-03,16:00,22:00,高校生
田中,1998,2026-11-03,10:00,19:00,

birth_year の列を入れるのは、後で年齢による制限を点検するためです。18歳未満かどうかは、勤務日時点の年齢で決まります。年だけでは境目の人を判定できないので、実運用では生年月日で持つ列に変えてください。

依頼文の型

希望の読み取りでは、推測で埋めさせない指示が大切です。読み取れない箇所を勝手に補われると、後の点検が意味を失います。

添付の希望(画像・表)を、上のCSVの列に直してください。
- 読み取れない箇所は空欄にし、別表に「要確認」として行番号と理由を並べる
- 同じ人・同じ日の重複があれば、両方を残して指摘する
- 名前の表記ゆれ(佐藤/さとう)は、同一人物かを私に確認してから統合する

要確認の一覧が出たら、本人に聞き直す先を人が決めます。ここを飛ばすと、存在しない希望で勤務表が組まれます。

条件を渡して勤務表案を作らせる

勤務表案を作らせる前に、店やチームの条件を文章で渡します。ルールを曖昧にすると、条件を満たさない案が量産されます。

11月の勤務表案を作ってください。条件は次のとおりです。
- 平日17:00-22:00は最低3人、土日10:00-22:00は最低4人
- 各人の希望時間帯の内側でのみ割り当てる
- 1人あたり週の合計は20時間以内
- 6時間を超える勤務は拘束時間に休憩を含めて明記する
- 割り当てられなかった枠は「欠員」として別表に出す

最後の「欠員の別表」は、見落としやすいのに効きます。欠員が見えないまま表が埋まっていると、足りない枠は当日に表面化します。希望を満たせない日が出る前提で、人が調整する枠を先に示してもらいます。

労基の点検表をArtifactsで作る

勤務表案ができたら、点検用のページを別に作らせます。Artifactsは、15行を超えるまとまった内容や、あとで編集・再利用したいものをClaudeが独立したウィンドウに出す機能です。文書、ダッシュボード、小さな対話ツールなど、さまざまな形で作れます。点検表には、行ごとの結果を色で出す小さなツールが向きます。

次のように頼みます。

上の勤務表案を読み込んで、点検用のArtifactsを作ってください。
1行ごとに、下のルールを満たすかを判定し、違反は赤、要確認は黄で示します。
ルールは私が別途貼ります。判定の根拠として、拘束時間・休憩・実働を列に出してください。

点検に使うルール

労働基準法の条文のうち、シフト表の点検に使いやすいものを挙げます。条文はe-Gov法令検索で全文を読めます。

条内容点検の見方
32条内容休憩を除き1日8時間・1週40時間を超えて働かせない点検の見方日ごと・週ごとの実働を合計する
34条内容労働時間が6時間を超えるなら45分、8時間を超えるなら1時間の休憩を途中に与える点検の見方実働の長さで必要な休憩を決める
35条内容毎週少なくとも1回の休日(4週間で4日以上でもよい)点検の見方7日の窓に休日があるかを見る
61条内容18歳未満を午後10時から午前5時までに使用しない点検の見方終了時刻が22時を超える行を拾う
60条内容18歳未満には32条の2などの変形労働時間制や36条の協定を適用しない点検の見方1日8時間・週40時間を超える行は違反候補になる
37条内容午後10時から午前5時の労働は25%以上の割増賃金点検の見方勤務表の点検ではなく、給与計算側の確認点

6時間「ちょうど」の勤務は、休憩が法律上は不要です。条文が「超える場合」としているからです。同様に、実働が8時間ちょうどなら45分の休憩で足ります。8時間を1分でも超えると1時間が要ります。

拘束時間と実働の混同が、点検の最頻の穴です。たとえば9時から18時までの拘束9時間で休憩が45分なら、実働は8時間15分になり、1時間の休憩が必要です。この境目は、点検表に「実働」と「必要な休憩」の列を出させると見落としません。

点検ロジックの例

Claudeに任せず、判定の中身を自分で確かめたい場合は、ロジックを読める形で出させます。次は、その例です(Claudeが出すコードの形を示すもので、そのまま動くことを保証するものではありません)。

// 分単位で受け取る。実働 = 拘束 − 休憩
function needBreak(workMin) {
  if (workMin > 480) return 60; // 8時間超は60分以上
  if (workMin > 360) return 45; // 6時間超は45分以上
  return 0;
}
 
function checkRow(r) {
  const work = r.end - r.start - r.breakMin;
  const issues = [];
  if (r.breakMin < needBreak(work)) issues.push("休憩不足");
  if (work > 480) issues.push("1日8時間超");
  if (r.isMinor && r.end > 22 * 60) issues.push("18歳未満の深夜");
  return issues;
}

この関数の挙動は、手計算の境目の例で確かめます。実働360分と361分、480分と481分の4件を入れて、休憩の必要量が0、45、45、60に切り替わるかを見ます。

休憩の置き方も点検に入れる

34条は、休憩を「労働時間の途中」に与えると定めています。勤務の先頭や末尾に休憩を置いて、時間の長さだけ合わせた表は条文の形になりません。休憩は一斉に与えるのが原則で、労働者の過半数を代表する者などとの書面協定があれば例外にできます。また、休憩時間は自由に利用させなければなりません。

交代で休憩を取る運用は、この例外を使っているのが前提です。点検表には「休憩が勤務の途中にあるか」を示す列を足し、始業直後・終業直前の休憩を黄色で拾わせると、置き方の見落としも減ります。協定の有無は表からは分からないので、確認先として人に残します。

週1回の休日と連続勤務を見る

日単位の点検は行ごとに終わりますが、休日は人ごとに日をまたいで見る必要があります。35条は毎週少なくとも1回の休日を求めており、4週間で4日以上の休日を与える運用でもよいとしています。

どちらを採るかで、点検の窓が変わります。

  • 週1回の休日: 7日の窓ごとに休日が1日あるか
  • 4週4日: 28日の窓の中に休日が4日以上あるか

どの7日を1週と数えるかは、職場の就業規則や協定の定めによります。ここはClaudeに推測させず、人が決めて指示に書きます。

就業規則では「週の起算日は月曜日」「休日は週1回以上」です。
各人について、月曜始まりの週ごとに休日が1日もない週を列挙してください。

「休日」を何と数えるかも、先に決めておきます。希望が出ていない日を休日と見なすのか、勤務表で明示した日だけを休日とするのかで、結果が変わります。勤務表に「休」と書かれた日だけを休日にすると、判定が揺れにくくなります。

18歳未満と時間外の扱い

高校生のアルバイトがいる職場では、60条と61条が点検の肝になります。

  • 18歳未満には、36条の時間外・休日労働の協定が適用されません(60条)
  • 18歳未満は午後10時から午前5時までの使用が禁止です(61条)

61条には、交替制で使う満16歳以上の男性の例外など、細かい条件があります。点検表では例外を判定せず、「18歳未満で22時を超える行」を要確認として全件拾わせる方が安全です。例外に当たるかは、人が条文を見て判断します。

最低年齢の56条も、採用時の確認点です。児童が満15歳に達した日以後の最初の3月31日が終わるまでは使用できません。この条件は勤務表ではなく、採用の段階で見る項目です。

時間外が出る場合の36協定については、Claudeで36協定届とモデル就業規則のたたき台を作るで様式の選び方を書いています。

希望を共有して集めるときの注意

希望をチームで入力してもらう場面では、Artifactsのデータ保存が使えます。Pro、Max、Team、EnterpriseプランのClaude on the webとClaude Desktopで使え、保存は個人用と共有用に分かれます。共有用なら、全員が同じデータを見て編集します。

保存には条件があります。

  • 1つのArtifactあたり20MBまで
  • テキストのみで、画像・ファイル・バイナリは保存できない
  • 共有保存を使うArtifactでは、初回に「データが他の人にも見える」確認が出る

シフト希望には氏名や都合の理由が入りがちです。どのデータが個人用で、どれが共有用かは作る人が決めるため、入力を配る前に自分で確かめます。「試験のため不可」のような理由欄を、全員が見える共有側に置かない設計も選べます。家族で共有する表の作り方は、Claudeで家族の共有買い物リストと家事分担表をArtifactで作る手順に書いています。

Artifactは、接続済みのアプリ(Google Calendarなど)に読み書きすることもできます。ただし、接続は使う人ごとに行い、共有されたArtifactでも同じです。

点検結果の読み方と直し方

点検表が出したのは「違反候補」であって、違反の確定ではありません。次の順で読むと、無駄な手戻りを避けられます。

  1. 赤の行から、休憩不足・8時間超・18歳未満の深夜を見る
  2. 黄の行は、例外や就業規則の定めに当たらないかを調べる
  3. 直した後に勤務表案を点検表へ再度かけて、赤が消えたことを確かめる

直すときは、休憩を足すか、勤務時間を縮めるかの二択が多いです。割り当て案を丸ごと作り直すと、別の穴が出ます。「この行の休憩を15分増やして、他の行は変えないで」と範囲を狭く頼む方が安定します。

勤怠データの異常を定期的に拾う方法には、Coworkで勤怠異常検知を週次自動化する方法があります。シフトを作る段階の点検と、実績を集計する段階の点検は、別の工程です。

点検表が拾わない項目 — 有給・最低賃金・社会保険

年次有給休暇は、39条で雇入れから6か月継続勤務し、全労働日の8割以上出勤した労働者に与える義務が定まっています。週の所定労働日数が少ない人には、日数が比例して決まります。有給の付与日数は、勤務表ではなく付与管理簿の側で確認する項目です。

また、この点検表は労働基準法の一部の条文だけを当てた簡易な確認です。最低賃金、社会保険の加入要件、就業規則に定めた独自の制限などは入っていません。点検表の結果は、あくまで人が確認する前の下見として扱います。

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