ClaudeとSupermetricsを連携する方法 — 複数広告媒体のデータを1つの会話に集める
SupermetricsコネクタはGoogle広告やMeta広告などの数値をClaudeの会話へ直接引き出します。接続手順、必要な契約、プロンプトの型、書き込み権限の注意点をまとめます。
SupermetricsコネクタでClaudeに何ができるようになるか
Supermetricsコネクタは、マーケティングデータ基盤Supermetricsが提供するConnectorです。Google広告・Facebook広告(Meta)・Google Analytics・TikTok・LinkedIn・Instagram・YouTubeなど200以上の媒体のデータを、Claudeの会話から直接引き出せます。開発元はSupermetrics自身で、ディレクトリ上では「Anthropic verified」の表示が付いています。カテゴリーは「Data & analytics」「Productivity」「Sales & marketing」です。
媒体ごとの管理画面を開き、CSVを書き出し、Claudeにアップロードする。この往復がなくなります。「Google広告とMeta広告の直近30日の費用とコンバージョンを出して」と頼めば、Claudeがコネクタ経由でデータを取りに行きます。
Supermetricsのドキュメントは、できることを大きく3つに分けています。
- 実績データの取得と分析(費用・クリック・コンバージョンなど)
- 分析結果からのレポート・スライド構成・メール文面の作成
- Google広告・Facebook広告・Microsoft Advertising・TikTok広告のキャンペーンの閲覧・作成・更新
CSVを手作業でアップロードする方法はClaudeでキャンペーンの効果測定と予算再配分をする手順で扱っています。ここで扱うのは、その前段のデータ取得を自動化する側です。
接続に必要な契約と前提
Claude側の操作は、他のディレクトリConnectorと同じです。ただし、データの出どころはSupermetrics側の契約に依存します。
Supermetricsのドキュメントによると、Supermetricsのアカウントやサブスクリプションは事前に用意しなくても構いません。サブスクリプションが無い状態でログインすると、トライアルが作成されます。既存の契約がある場合は、AI chatsという「送り先(destination)」を契約に追加する形になります。AI chatsが追加できない契約では、プランのアップグレードか、既存の送り先との入れ替えが必要です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| コネクタURL | 内容https://mcp.supermetrics.com/mcp |
| サインイン | 内容必須 |
| 追加時期 | 内容2026年2月 |
| Supermetrics側の契約 | 内容AI chatsの送り先(トライアルは自動作成) |
| 媒体への接続 | 内容会話の中で行える。各媒体の権限は接続ガイドに従う |
Supermetrics MCPサーバーという別の入口もあります。こちらはn8nや自作エージェントなど、自前の環境からMCPで接続する技術者向けの製品です。ClaudeやChatGPTで会話するだけなら、MCPサーバーは不要とされています。会話で使うのに必要なのは、AI chatsの送り先です。
claude.aiでSupermetricsを接続する手順
Claudeの公式手順は次のとおりです。
- claude.aiで「Customize」→「Connectors」を開く
- 「Discover」からSupermetricsを検索し、「Connect to Claude」を選ぶ
- Supermetricsのサインイン画面でログインし、権限を確認して許可する
- 使うチーム(Supermetricsのチーム)を選ぶ
- 「Connectors」画面の「Your connectors」に「Connected」と表示されることを確認する
Supermetrics側の「Claude integration」ページにある「Try in Claude」ボタンからも接続できます。
会話ごとに、入力欄の「+」から「Connectors」を開き、Supermetricsのトグルがオンになっているか確認してください。オフのままだとClaudeは使いません。ツールの実行時には承認を求められることがあり、「Allow once」か「Always allow」を選びます。1回の依頼で複数のツールが呼ばれるので、承認が何度か出ても異常ではありません。
複数のデータ系コネクタをつないでいる場合は、プロンプトにSupermetricsと明記するのが安全です。
Supermetricsを使って、Google広告アカウントの直近7日間の
費用・クリック・コンバージョンを取得してください。公開されている14のツールと、データを取る流れ
コネクタのページには、14個のツールが並んでいます。
| 種別(名前からの分類) | ツール名 |
|---|---|
| データ取得 | ツール名data_source_discovery / accounts_discovery / field_discovery / data_query / get_async_query_results / get_today |
| キャンペーン操作 | ツール名campaign_and_resource_get / manage_campaign / resources_manage |
| ダッシュボード・ガイド | ツール名manage_dashboards / supermetrics_guide |
| 設定・問い合わせ | ツール名manage_business_context / manage_user_and_team / contact_supermetrics |
分類は、ツール名から筆者が振り分けたものです。各ツールの詳しい入出力は、公式ページには書かれていません。
名前から読める範囲では、取得は「媒体を探す(data_source_discovery)→アカウントを探す(accounts_discovery)→使える指標・ディメンションを探す(field_discovery)→クエリを実行する(data_query)」という順です。データソースとアカウントの選択もClaudeが案内するため、指標名を自分で覚えておく必要はありません。
get_async_query_results は、名前からすると時間のかかるクエリの結果を非同期で受け取るツールです。長期間・大量のデータを頼んだときの待ち方など、挙動の記載は確認できていません。
複数媒体のデータを1回で集約するプロンプトの型
依頼文には次の3点を明示すると精度が上がります。
- 期間(「過去7日間」「先月」など)
- 指標(インプレッション・クリック・費用・CTR・CPCなど)
- 内訳のディメンション(「国別」「年齢層別」など)
これを踏まえ、複数媒体を一度に集める依頼は次の形にできます。
Supermetricsを使って、Google広告・Facebook広告・LinkedIn広告の
直近30日のデータを取得してください。
指標は費用・インプレッション・クリック・コンバージョン、
内訳はキャンペーン単位です。
媒体ごとに指標の名前や定義が違う場合は、
違いを一覧で示したうえで、共通の列名にそろえた表を作ってください。最後の2行は、公式の例文には無い付け足しです。Supermetricsの field_discovery が媒体別の指標を返し、その違いをClaudeが表に整える、という分担を想定した書き方です。実際にどこまで整うかは、媒体とアカウントの組み合わせしだいなので、出てきた表の列定義は目で確認してください。
Looker StudioやExcelに渡す前の下ごしらえ
Supermetrics自体はスプレッドシートやBIツール向けの製品ですが、Claudeにつないだ時点では、会話の中で完結する分析が主役です。そのうえで、他のツールへ渡す前の点検にClaudeを使う手があります。次のような依頼が考えられます。
取得した3媒体のデータについて、次を確認して一覧にしてください。
1. 同じ意味なのに名前が違う列(例: 費用とSpend)
2. 値が空、または0のまま並んでいる期間や行
3. 媒体間で通貨・タイムゾーンが食い違っていそうな箇所
問題が無いものは列挙せず、最後に共通列名の対応表だけ出してください。これは公式に紹介された手順ではなく、公式の考え方(取得したデータをそのまま分析・要約に使う)を応用した使い方です。Claudeが指摘した点は、元の媒体の管理画面で数字を突き合わせて確かめてください。
保存しておきたい前提には、Business Contextという機能が使えます。チームで共有する記憶のような機能で、「レポートは円で出す」「このキャンペーン名は除外」といったルールを一度伝えれば、以降の会話に適用されます。保存できるのは、チームのオーナー・管理者・編集者の役割だけです。
分析後の共有 — Artifactsか、Supermetrics Studioか
取得したデータは、そのままレポートやダッシュボードにできます。公式は共有の経路を2つ挙げています。
| 経路 | 特徴 | 条件 |
|---|---|---|
| Claudeのアーティファクト | 特徴ブラウザーで見られる対話型ダッシュボード | 条件共有される側も、Supermetricsのアカウントと媒体への接続が必要 |
| Supermetrics Studio | 特徴自動更新される生きたダッシュボード。Claudeを使わない人にも共有できる | 条件AI chatsの送り先契約で、Studioへの送信・閲覧・共有まで。Studioでの編集には、Studioの送り先契約が必要 |
アーティファクトは、Claudeがデータを取得したあとに「Reactアーティファクトを作って」と頼み、「Copy」→「Share artifact」→「Share & copy link」で共有します。ここで押さえたいのは、リンクを受け取った人が、自分のSupermetricsの接続を持っていないと中身を見られない点です。社外の関係者には向きません。全員に見せたいなら、Studioに送る形が現実的です。
広告の書き込み権限は別の設定が必要
Supermetricsコネクタは、データを読むだけではありません。Google広告・Facebook広告・Microsoft Advertising・TikTok広告のキャンペーンを、Claudeから作成・更新できます。この機能は、Supermetricsのドキュメントで早期アクセス(early access)と説明され、既存のSupermetrics契約なら無料で使えるとされています。
有効にするには、次の準備が要ります。
- SupermetricsのHubの「Write settings」で、管理したいアカウントを選ぶ
- 人の承認を挟む範囲を選ぶ
- 設定を保存する
承認の範囲は4段階です。
| 設定 | 承認が必要になる操作 |
|---|---|
| No human approval | 承認が必要になる操作承認なし。変更は即座に反映 |
| Going live | 承認が必要になる操作キャンペーンを公開する前(一時停止の解除を含む) |
| Budget + going live | 承認が必要になる操作公開中の予算変更と、公開する前 |
| All live changes | 承認が必要になる操作公開中のキャンペーンへの変更すべて(有効化を含む) |
安全面の仕様も押さえておきます。新規キャンペーンは、必ず一時停止の状態で作られます。提案された変更は、適用の前にClaudeが内容を見せます。変更履歴はHubの「Campaign history」に残り、必要なら取り消せます。書き込み権限を与えられるのは、自分が所有する媒体接続のアカウントだけです。
一方、公式は費用への責任を利用者に置いています。AIが関わる操作と、それに伴う費用は、実行前に必ず自分で確認する必要があるとされています。読み取りだけで足りる用途なら、書き込み設定は触らないのが無難です。
既知の制限も2点あります。
- Google広告のライフイベントは、APIが対応していないため扱えない
- Google広告で追加したキーワードが、実際には追加されていないのに成功と表示されることがある。失敗時は説明の注記が返るので、注記を読み、Google広告で確認する
導入時によくあるつまずき
「No accounts found」や「The service is not enabled for this user」と出る
アカウント一覧が空になる、またはサービスが有効でないと表示される場合の対処は、Supermetricsのドキュメントに沿うと次の3段階です。
- AIツールに「使えるアカウントを一覧して」と頼み、最新の状態で確認する
- 媒体を再接続し、使いたいアカウントをすべて選ぶ。1つしか選ばないと、Supermetricsからは1つしか見えない
- 接続が想定のサブスクリプション・チームにあるか確認する
有料契約したのに「LICENSE_NOT_FOUND」やトライアルのエラーが出る
Supermetricsへの接続は、初回接続時に有効だったサブスクリプションに結び付きます。トライアルの時点で接続していると、あとから別のメールアドレスで契約しても、古い接続が残ります。次の手順で切り替えます。
- 有料契約に使ったメールアドレスとチームを確認する
- ClaudeのConnectors画面でSupermetricsを切断する
- 有料契約のメールアドレスとチームを選んで、再接続する
書き込み設定をオンにしたのに動かない
3点を順に確認します。
- コネクタを切断し、再接続する。設定より前に始めたセッションは変更を拾わない
- エラーにチームIDが出ている場合、複数のチームのうち違うほうで設定していないか見る
- 広告媒体側で、閲覧権限ではなく編集権限があるか確認する
キャンペーン管理の機能が急に消える
既知の問題とされており、公式の回避策は新しいセッションを始めることです。始めたあと、Claudeに使えるツールを取得し直すよう頼みます。
データの取り扱いと、導入前に決めておくこと
広告データには、費用や顧客セグメントなど社内の数字が含まれます。Supermetricsのドキュメントは、Claudeの個人アカウント(Free・Pro・Max)とTeamアカウントは学習にデータを使うがオプトアウトできる、EnterpriseとAPIのアカウントは学習に使わない、と整理しています。この記載はSupermetrics側の整理です。Anthropic側の最新の取り扱いは、契約しているプランの規約で確認してください。
また、Claudeのコネクタは、Team・Enterpriseでは組織のOwnerが組織に追加し、メンバーが個別に接続する形が基本です。まだ追加されていなければ、メンバーには「Request」が表示されます。ディレクトリ全体の仕組みはClaudeのインタラクティブコネクタやGoogle Workspaceコネクタの許可設定の記事で扱っています。
広告データを自社のデータウェアハウスに集めているなら、Databricksのような分析基盤のコネクタという選択肢もあります。Supermetricsは、媒体ごとの接続をSupermetrics側にまとめる形です。
まとめ
Supermetricsコネクタは、広告媒体ごとの管理画面を巡回する作業を、Claudeとの1回の会話に置き換えます。期間・指標・内訳を明示し、Supermetricsを名指しで頼むのが、うまく動かすコツです。複数媒体の列名や定義がそろっているかは、Claudeの表を鵜呑みにせず、管理画面の数字で1度確かめておきます。
書き込みは別の設定で、しかも早期アクセスの機能です。まず読み取りだけで運用を始め、キャンペーンの作成・更新に進むときは、承認の範囲を「Budget + going live」以上にして、Campaign historyの取り消し手順を先に確認しておく流れが穏当です。