ClaudeとFathomを連携する方法 — 会議の要約と文字起こしを次の行動に変える
FathomのConnectorは会議の要約・文字起こしを検索し、フォローアップ文面や行動計画の材料にできます。接続手順、7つのツール、使われないときの確認点をまとめます。
ClaudeのFathomコネクタでできること
ClaudeのFathomコネクタは、Fathomに残った会議の要約・文字起こし・アクションアイテムをClaudeの会話に持ち込む連携です。掲載ページの説明は「会議で実際に話された内容に基づいて、質問したり成果物を作ったりできる」という趣旨で、コピー&ペーストの手間をなくすことを狙いにしています。
接続すると、次のような使い方ができます。
- 過去の会議について質問する
- 会議の文脈を使って、フォローアップメールやQBRの説明文、行動計画を下書きする
- Claudeにすでに渡している資料やメモと会議の内容を組み合わせる
Connectorsディレクトリの概要で触れているとおり、コネクタはClaudeが外部サービスのデータを読むための仕組みです。Fathomの場合、ディレクトリ上の表示は「Anthropic verified」で、カテゴリはProductivity、追加時期は2026年4月、サインインが必要です。接続先はFathomのMCPサーバーhttps://api.fathom.ai/mcpです。
接続の前提と手順
接続に必要なのは、Fathomのアカウントと、Fathom側の認可操作です。
チームや組織でClaudeを使っている場合は、先にオーナーがコネクタを有効化します。有効化されるまで、メンバーの画面にFathomは表示されません。メンバー側で「Fathomが見つからない」ときは、まずオーナーの有効化が済んでいるかを確かめます。
オーナーが行う有効化の画面操作は、Fathomの案内では触れられていません。組織側の設定は、Claudeの管理者向けの案内で確認します。
claude.aiとデスクトップアプリで接続する
- ClaudeのコネクタディレクトリでFathomのコネクタのページを開く
- 接続の操作を行い、案内に従ってFathomのアカウントで認可を完了する
- 新しい会話を開き、会議について質問する
Fathomの案内では、認可まで終われば準備は完了です。接続後は、Claudeに「直近のAcme Corpとの会議を要約して」のように頼むだけで使えます。
Claude Codeで接続する
Claude Codeには、コマンドラインからMCPサーバーを追加する方法が用意されています。FathomのAPIドキュメントでは、次のコマンドが案内されています。
claude mcp add fathom -- \
npx mcp-remote@latest https://api.fathom.ai/mcpこの方法はmcp-remoteというブリッジパッケージをnpxで呼び出すため、Node.jsが必要です。つながらないときは、まずnode --versionでNode.jsが入っているかを確かめます。
コマンドを実行すると、FathomのMCPサーバーがClaude Codeのセッションで使えるようになります。
なお、ここで追加するのはFathomのMCPサーバーへのローカル側の入口です。会議データそのものは、Fathomのアカウントに対する認可を通して取得されます。
Claude以外のMCP対応ツールにつなぐ場合は、Fathomのヘルプ記事がapi.fathom.ai/mcpの案内ページを示しています。同じ記事にはChatGPT向けの接続手順もあり、そちらはFathomアプリから接続して@Fathomで呼び出す形です。
Fathomコネクタの7つのツール
ディレクトリのページに掲載されているツールは、次の7つです。ヘルプ記事でも、各ツールにオン・オフの切り替えがあると説明されています。
| ツール名 | 使う場面(筆者の分類) |
|---|---|
| list_meetings | 使う場面(筆者の分類)会議を一覧で探す |
| search_meetings | 使う場面(筆者の分類)会議をキーワードで探す |
| get_meeting_summary | 使う場面(筆者の分類)1件の会議の要約を読む |
| get_meeting_transcript | 使う場面(筆者の分類)1件の会議の文字起こしを読む |
| find_person | 使う場面(筆者の分類)人物を手がかりに探す |
| list_teams | 使う場面(筆者の分類)チームの情報を扱う |
| get_identity | 使う場面(筆者の分類)接続しているアカウントを確かめる |
この表の右列は、ツール名から見た筆者の分類です。各ツールの引数や戻り値は、掲載ページにもヘルプ記事にも記載がありません。実際の挙動は、接続した環境で試して確かめてください。
名前を見るかぎり、createやupdate、deleteといった書き込みを想起させるツールは含まれていません。会議の記録を読んで使う連携だと考えて差し支えないでしょう。ただし、書き込みができないと公式が明言しているわけではありません。
要約と文字起こしをどう使い分けるか
要約は短く、次の行動を決める用途に向きます。文字起こしは長い代わりに、誰が何を言ったかを確かめる用途に向きます。
たとえば「合意事項を3点にまとめて」は要約で足ります。一方、「価格の話が出た箇所で、先方はどんな条件を出していたか」は文字起こしを読む必要があります。この使い分けを頼み方に含めると、Claudeが長い文字起こしを毎回読み込むことを避けやすくなります。
取得できるデータの範囲と権限
ヘルプ記事は、アクセス範囲について2点を明記しています。
- Claudeが読めるのは、Fathomですでに閲覧権限を持っている会議だけ
- MCPで新しい種類のデータが見えるようになるわけではなく、必要な会議の文脈を取り出しやすくする役割
つまり、他のメンバーの非公開の会議が、コネクタ経由で見えるようになることはありません。逆に言えば、自分が見られる会議はすべて、Claudeに読ませられる範囲に入ります。取引先の機密が含まれる会議が多い場合は、どの会議を対象にするかを頼み方で絞るのが実務的です。
Ask Fathomとの使い分け
Fathom自身にも、会議をまたいで質問できる「Account-Wide Ask Fathom」があります。ヘルプ記事の整理は次のとおりです。
- Fathomの中で、案内に沿って「会議をまたいだ回答」を得たいとき、成果物をFathomの外で作る必要がないなら、Ask Fathomを使う
- Claudeの中で会議の文脈を使いたいとき、または成果物をFathomの外で作ったり、他の情報源と組み合わせたりしたいなら、MCPを使う
会議の内容だけを問い合わせるなら、どちらでも足ります。差が出るのは、その答えを使って文書や計画を組み立てるところです。
会議を次の行動に変えるプロンプト
Fathomのヘルプ記事に載っている例は、次の4つです。
- 直近のAcme Corpとの会議を踏まえて、クライアント向けのフォローアップメールを下書きする
- 営業会議で顧客が求めていることを、現行のプロダクトロードマップの資料と比較する
- 毎週金曜に、その週の営業会議で出た顧客の懸念の上位をまとめ、チーム向けの短い報告を書く
- 直近の顧客通話から、競合Xへの言及を探してパターンを要約する
この4つは、会議を読むだけで終わらず、別の資料や成果物につなげる形になっています。以下は、この型を土台にした筆者の例です。
直近1週間の顧客会議を search_meetings で探し、
次の形式で行動計画を作ってください。
- 会議ごとに、決まったことを1行ずつ
- 未決の論点と、確認が必要な相手
- 誰がいつまでに何をするか(会議内で言及があるものだけ)
- 各項目の根拠として、文字起こしの該当箇所を短く引用
言及がない担当者や期限は、推測せず「未記載」と書いてください。最後の2行が、ここでの要点です。担当者や期限を推測させないことと、根拠に文字起こしの引用を求めることで、要約の取り違えを見つけやすくなります。これは公式の手順ではなく、筆者が考えた運用の一案です。
Claude Codeで常用するときの指示例
Claude Codeで繰り返し使うなら、プロジェクトのCLAUDE.mdに会議の扱い方を書いておく方法があります。次は書き方の一例です。
## 会議記録の扱い
- 会議の内容は Fathom のツールで取得し、記憶で補わない
- まず要約を読み、根拠が必要な箇所だけ文字起こしを読む
- 担当者・期限が会議内に無いときは「未記載」と書く
- 顧客名は出力にそのまま残さず、社内メモでは略称にするCLAUDE.mdはClaude Codeが起動時に読む指示ファイルです。ここに書いた規約が常に守られる保証はないため、出力を読んで確かめる運用が前提になります。
接続したのに使われないときの確認点
ヘルプ記事は、コネクタが接続済みと表示されているのに新しい会話で使われないときの確認点を3つ挙げています。
- 会話ごとに有効になっているか。アカウント設定で「接続済み」でも、その会話のツール一覧でFathomがオンになっているとは限りません。会話のToolsパネルでFathomのトグルを確かめます
- 新しい会話を始める。ツールは会話の開始時に一度だけ読み込まれ、途中で追加されたコネクタは反映されません。会話の途中でFathomを接続した場合は、新しい会話を開きます
- ツールごとのオン・オフを確かめる。コネクタの設定画面では、7つのツールそれぞれに切り替えがあります。コネクタは有効でも、個別のツールが無効になっていることがあります
Claude Codeで接続できない場合は、Node.jsの有無を先に確認します。
ほかのコネクタと組み合わせる
Fathomの掲載ページには、関連するコネクタとして次の6つが挙がっています。
- Google Drive
- Google Calendar
- Microsoft 365
- Notion
- Slack
- Atlassian MCP
会議の内容を作業に変えるなら、Slackや文書ツールとの組み合わせが自然です。たとえば、Fathomで会議の決定事項を読み、Slackへ送る報告文を作る流れです。Slack側の扱いはCoworkのSlack連携で詳しく書いています。
会議記録を扱う連携には、ほかにもOutreachのKaia会議記録や、Webex Meetingsの要約・文字起こしがあります。どのサービスで会議を録っているかで、選ぶコネクタが変わります。
連携を使わず、文字起こしを自分で貼って要約する方法もあります。プロンプトの型はClaude議事録の実践プロンプトにまとめてあります。会議の件数が少ないうちは貼り付けで足りますが、過去の会議を検索する用途では、コネクタのほうが手数を減らせます。
まとめ
Fathomコネクタは、会議の記録をClaudeの会話から読める状態にする連携です。ツールは7つで、要約と文字起こしを分けて取れるのが特徴です。
使いこなす鍵は、頼み方にあります。要約で足りる質問は要約に任せ、根拠が要る箇所だけ文字起こしを読ませます。担当者や期限は、会議に出てこなければ「未記載」とさせます。この2点を頼み方に入れておけば、会議の記録は、次の行動を決める材料として使えます。
権限の範囲は、Fathomですでに見られる会議までです。機密を含む会議が多い場合は、対象を絞る前提で試すのが無難です。